2017年08月17日

「犬文字焼き」という新聞記事に違和感を持ちます

 昨日の京都五山の送り火を見終え、今朝の京都新聞を見て気になり出しました。
 「各地でユニーク大文字=vという囲みの見出しのもと、次の小見出しの記事があったからです。

秋田
「犬」文字焼き
夜空に浮かぶ


 電子版のカラー写真によると、この様子がよくわかります(【 2017年08月17日 11時57分 】)。

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 新聞に掲載された記事を引きましょう。

 秋田犬発祥の地とされる秋田県大館市で16日、伝統行事「大文字焼き」の「大」の字を「犬」に変えた「犬文字焼き」が行われた。燃え上がる大の字の右上に、点の代わりとなる赤色のハートが現れ犬の字が出来上がると、観客は歓声を上げた。
 午後8時ごろ、市の東に位置する鳳凰山に、一画が最大約180メートルある大文字が現れた。その後、発炎筒約200本で形作ったハートが浮かび上がった。
 大館市観光課によると、今回の「犬文字」は、先祖の慰霊と市民の無病息災を願う恒例行事「大館大文字まつり」が50回目となるのを記念して企画した。2009年に、同市生まれの「忠犬ハチ公」が題材の米国映画が公開された際に行って以来、2回目。(引用者注・この段落は電子版にはないものです。この部分をカットすることに、記事を書いた方は了承なさっているのでしょうか?)
 今回の実施に関しては、開催を発表した7月以降「先祖慰霊の行事で遊んではいけない」などと反対する意見も数件あったが、実行委員会の担当者は「賛成の声が多かったため開催した」としている。


 昨日の記事にも書いたように、13日のお盆の迎え日(お盆入り)にご先祖様が我が家に帰って来て、16日の送り日(盆明け)に帰って行くと、私は思っています。そして、その道案内をオガラの火煙がしてくれるという理解をしています。

 昨日も、京都五山の送り火を妻と一緒に見ながら、賀茂の河原で、お互いの父と母の思い出を語り合いました。思い出すのも供養、ということです。

 上記の新聞記事による限りは、新聞という1つだけの情報源なので、実際にはどうかはわかりません。しかし、写真にもあるように、「犬」という文字が鳳凰山に炎で浮かび上がったことは確かなようです。

 両親がそうだったように、私も犬がそんなに好きではないことはさておき、家でオガラを焚いて見送る代わりに五山の送り火に託して、帰ってこられたご先祖様を見送るつもりで、山に刻印された火を見上げています。その時に、「大」が「犬」になっていたら、伝統的な行事の中に個人の想いを溶け込ませているのに、ふざけたことをして祈りの気持ちを壊さないでほしい、と思うはずです。

 記事によると、末尾に次のように記されています。

今回の実施に関しては、開催を発表した7月以降「先祖慰霊の行事で遊んではいけない」などと反対する意見も数件あったが、実行委員会の担当者は「賛成の声が多かったため開催した」としている。


 これは、どのような方法で得た情報に基づく判断であったのか、大いに疑問です。反対が「数件」、賛成の声が「多かった」というのは、非常に主観的です。実際には、どのような方々に、どのような方法で確認されたのでしょうか。
 実行委員会によるマスコミ受けを狙っての、初めに結論ありきの企画だったのではないか、と私は思います。
 日本の伝統的な文化が、しだいに崩壊していきます。地味にコツコツとこれまで続いたことを受け継がず、受け狙いでおもしろおかしく手を加えていく風潮に引きずられたのではないでしょうか。

 この、秋田県大館市の伝統行事「大文字焼き」の実行委員会がどのような方々で構成されているのかは知りません。しかし、この「大」を「犬」にした判断に対して、私は理解不足と迎合から生まれた伝統文化の破壊行為の始まりを見たように思います。

 この秋田の記事に続いて、「送り火にLED 山梨、安全考慮で初」というものもありました。
 まずは、電子版に掲載されていたカラー写真(【 2017年08月16日 19時35分 】)から。

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 山梨県笛吹市の送り盆の行事「甲斐いちのみや大文字焼き」で16日、火の代わりに「大」の形に並べた発光ダイオード(LED)が点灯された。火をともす足場が風雨で滑りやすく、安全性を考慮して今年から切り替えた。同市観光商工課は「送り火のLED化は全国でも珍しいのでは」としている。

 甲斐いちのみや大文字焼きは、江戸時代に行われていたものを1988年に再開。実行委員会などによると、昨年までは山の斜面に木で組む井桁で火をともしていたが、延焼しないよう見守るスタッフを置く斜面は、足場が不安定だった。
 (引用者注・以下は電子版にはないものです。この部分をカットすることに、記事を書いた方は了承なさっているのでしょうか?)使用したのは直径約40センチのLEDライト44個。「大」の横棒の長さは56メートルで、従来より一回り小さくなったという。
 家族で見に来た笛吹市の会社員田巻雅史さん(30)は「物足りなさも感じるけれど、火災の心配がなくなったのはいい」と話した。


 すみません。これも時の流れだとしても、ご先祖様が道標とする煙がないのでは、安住の地(?)であるあの世に無事に行き着けるのか、他人事ながら心配になりました。
 LEDのライトは、あの世まで届くだけの光量があるのでしょうか。「白熱電球100W相当」ルーメンが限界だとか、生物の生態系にも影響するというニュースを見たことがあります。素人考えながら、LEDは直線的に進むと思っているので、夜空のどこに向けてのものだったのかも、どうでもいいことながら気になりました。
 
 
 
posted by genjiito at 19:14| Comment(0) | ◎情報社会