2017年06月30日

科研(A)の第9回研究会を大阪観光大学で開催

 本日の研究会は、本年度の新規採択なので、第1回めです。しかし、昨年までのテーマをさらに大きく展開するものなので、通算で第9回となります。

 夜来の大雨も午前中には上がり、蒸し暑いながらも楽しい集まりとなりました。
 興奮気味に、帰路での投稿となっています。

 今回の開催にあたっては、大阪観光大学で研究分担者になっていただいた谷口先生が、会場確保や設営などを手回しよくやってくださいました。これまでは、準備などはすべて、科研付きの研究員やアルバイトの方にお願いしていました。今回は、研究支援を一手に引き受けてもらっていた淺川さんが東京からコントロールしてもらっていたとはいえ、何かと小回りが利きませんでした。内部の先生の協力は、ありがたいものです。

170630annai3.jpg

170630annai2.jpg

170630annai1.jpg

 一昨日の本ブログで紹介した通り、プログラム通りに実施できました。

 最初は、図書館で翻訳本の展示を見ていただき、簡単に説明しました。
 インドからお越しのモインウッディン先生に、私の拙い説明を補っていただきました。

 場所を4階のセミナールームに移し、まずは自己紹介からです。

170630room.jpg

 異分野のメンバーで構成する組織なので、ほとんどの方が初対面です。そのため、少し時間をかけました。
 事務方で、これからお世話になるお二人にも出席していただき、この科研を構成するメンバーとの対面も叶いました。事務方の理解と協力なくして、科研の遂行は困難だと思っているからです。

 高校の教員をしていた私が、25年前にこの大学(当時は大阪明浄女子短期大学)に赴任するにあたり、恩師伊井春樹先生は2つのことをおっしゃいました。それは、研究者として生きて行くためには、科研を取ること、そして事務方を大事にしなさい、ということでした。
 以来、その言葉を肝に銘じて、今に至っています。

 引き続き、科研の主旨などをお話し、活動方針の確認をしてから、研究発表に移りました。

(1)研究発表
「「海外源氏情報」にみる海外で翻訳・出版された平安文学情報」(淺川槙子)
 日本文学のどの作品が、どの言語で翻訳されているか、ということはもちろんのこと、翻訳されていない作品のことや、なぜこのような作品が翻訳されているのか、ということが浮き彫りになる発表でした。これまでとこれからの、情報収集の意義を再確認する資料の提示も、ありがたいものです。みんなで、この資料を大事に育て上げていきたいものです。

(2)研究発表
「『とりかへばや物語』における男君考 −なぜ男君は悩まないのか−」(長内綾乃)
 長内さんは、広島大学の4年生です。卒業論文をどのような内容にするか、という私が投げかけた課題に答える発表でした。自分が持っている問題意識が明確なので、中世王朝物語を専門に研究する先生方からの質問にも、堂々と答えていたのには感心しました。日頃から、鍛えられているからでしょう。
 本科研では、若手の育成を心がけています。その意味からも、長内さんの発表は、本人はもとより、我々も新鮮な気持ちになるものでした。

 全国の学校の先生方で、学会では発表できないとしても着眼点が光っていて、専門家の意見を聞きたいという学生さんがおられましたら、遠慮なくお知らせください。本科研が取り上げるテーマに応じて、発表や研究報告の機会を提供する用意があります。検討の結果発表となれば、会場までの交通費は支給します。

(3)研究発表
「『とりかへばや物語』の中国語訳の試み」(庄婕淳)
 実際に自分で『とりかへばや物語』を翻訳しての問題点が取り上げられました。具体的だったので、短時間ながらもみんなで参加できる討論ができました。

 『とりかへばや物語』の発表が2つ続いたこともあり、男性という性についての意見が楽しく展開する、おもしろい話題に身をおくことになりました。これは、多言語における異文化交流の観点からも、世界中の方々と意見を交わせるテーマです。いつか、国際集会で取り上げたいと思います。

(4)研究発表
「雀の子を犬君が逃がしつる」の外国語訳と現代語訳」(須藤圭)
 教科書に採られている有名な場面を、さまざまな訳文を提示して比較検討する、おもしろい問題提起がなされました。
 一つの言語における訳文の検討だけでも、多彩な問題が見えてきます。それが、多言語となると、さらに問題のスケールが大きくなり、多彩な意見交換の場となるはずです。

 次回は、本年12月に東京での開催を予定しています。
 海外における平安文学に関して、本研究会で研究発表したい方を募集しています。希望する方がいらっしゃいましたら、本ブログのコメント欄を利用して連絡をください。折り返し、相談の連絡を差し上げます。

 本日の参加者は以下の12名でした(敬称略)。楽しい会となり、次回がますます待ち遠しくなりました。今後とも、よろしくお願いいたします。

伊藤鉄也(大阪観光大学)
谷口裕久(大阪観光大学)
王静(大阪観光大学)
金光桂子(京都大学)
高田智和(国立国語研究所)
須藤圭(立命館大学)
モハンマド・モインウッディン(大阪大学)
庄婕淳(立命館大学)
長内綾乃(広島大学4年生)
池野陽香(大阪観光大学1年生)
淺川槙子(元・国文学研究資料館プロジェクト研究員)
塔下宣子(オフィス ティ〈デザイナー〉)
 
 
 

posted by genjiito at 23:55| Comment(0) | ◎国際交流

2017年06月29日

熊取駅と天王寺駅に貼られた翻訳本展示に関するポスター

 過日、大阪観光大学に近い熊取駅の構内にある「くまとりギャラリー」に、翻訳本の展示を知らせるポスターが、2枚をつなげて貼り出されたことを書きました。
 「翻訳本『源氏物語』の展示は《中国・韓国・インド編》に衣替え」(2017年06月02日)という記事の末尾に写真を掲載しています。

 その後、大学の事務で科研を担当する方々が奔走してくださいました。その努力が実り、やっと一週間という短い期間ながらも、JR阪和線の天王寺駅・日根野駅・和歌山駅の掲示板に貼り出していただくことになりました。
 関西国際空港では、電子掲示板だけのようなので、今回は見合わせました。

 今日の仕事帰りに、日根野駅と天王寺駅に貼ってあったポスターを確認しました。

 日根野駅では、改札を出た右側のボードに貼ってあります。

170629nineno1.jpg

170629nineno2.jpg

 大阪観光大学へは、改札を出て左側に向かいます。そのため、大学関係者がこの改札を出て右にあるポスターを見る機会は、まったくといっていいほどありません。貼られた位置が不運だったと言えます。
 今後は、この点を再検討し、改札を出て左側に貼っていただけるように運動してみます。

 天王寺駅では、大学に行くために乗る、始発電車のホームの先頭車両へに向かうところに貼ってありました。ちょうど階段とエスカレータの前です。

170629tennoji2.jpg

 前方が、「あべのハルカス」へ行く改札口です。

170629tennoji1.jpg

 この場所は、大学に向かう人には、振り返らない限りは目に留まりません。
 しかし、大学から来た電車が終点なので、ここから乗り換える人には、ちょうどホームを移動する時にエスカレータや階段を降りる視線の先なので、よく見える最適な場所です。

 和歌山駅では、どのような場所に掲示されたのか、確認をお願いできる関係者がいないので、見かけた方からお聞きするしかありません。このブログを見てくださっている方で、和歌山駅で乗り降りなさっている方からの情報を、お待ちしています。

 今回、ポスターを駅に貼り出したことによる反応を見ながら、今後とも続く翻訳本のミニ展示の宣伝方法を検討したいと思います。
 新たなメディアへのアピールも考えていきます。連絡をいただければ、おうかがいしてご説明いたします。多く方に知っていただく方策を練っているところです。
 
 
 

posted by genjiito at 19:46| Comment(0) | ◎情報社会

2017年06月28日

第9回「海外における平安文学」研究会は大阪観光大学で今月30日に開催

 本年度より始動した、科研費による基盤研究(A)「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(17H00912、研究代表者︰伊藤鉄也・大阪観光大学)の研究会の準備が整いました。
 これまでの科研のホームページである「海外源氏情報」(http://genjiito.org)が、いまだに不具合を抱えており、情報の更新が3月31日からまったくできていません。
 下記の要領で開催することを、この場を借りてお知らせします。
 連絡が遅くなり、大変失礼しました。
 広く公開していますので、興味と関心をお持ちの方はご自由に参加してください。
 また、本科研は若手の育成にも取り組んでいます。そのため、今回は若手の研究発表で構成しました。今後とも、異分野における異文化との交流を視野に入れて、研究活動を展開していきたいと思います。
 広く研究発表や、調査報告・実践報告などを募ります。さまざまな分野の、さまざまな立場の方々の、積極的な発表や報告を待ち望んでいます。

 なお、資料の準備などがありますので、参加を希望なさる方は本ブログのコメント欄を利用して、事前にお知らせください。

「海外における平安文学」



■日時:6月30日(金)13:30〜17:00
■場所:大阪観光大学 明浄1号館4階141セミナー室
※明浄1号館は一番手前の建物です。
入口から入っていただき、右側にあるエレベーターで4階に上がってください。
(〒590-0493 大阪府泉南郡大久保南5-3-1/ 072-453-8222)

■アクセス
当日は、以下の時間に発車するスクールバスをご利用ください。

泉佐野駅12:55発→日根野駅13:07発→大学13:15着

JR阪和線 日根野駅からスクールバスで8分(無料)
南海本線泉佐野駅からスクールバスで20分(無料)
詳細は http://www.tourism.ac.jp/concept/access.htmlをご覧ください。

■プログラム

【第一部】
世界中で翻訳された『源氏物語』の展示解説(伊藤鉄也) 13:30〜13:50
  ※ただいま図書館で、中国・韓国・インドの言葉に翻訳された『源氏物語』を展示中。
 
【第二部】
伊藤科研 第9回研究会 14:00〜17:00

・挨拶(伊藤鉄也)14:00〜14:05

・自己紹介(参加者全員) 14:05〜14:20

・科研の趣旨説明(伊藤鉄也)14:20〜14:30

・研究発表「「海外源氏情報」にみる海外で翻訳・出版された平安文学情報」(淺川槙子)14:30〜14:45

・休憩(15分)

・研究発表「『とりかへばや物語』における男君考−なぜ男君は悩まないのか−」(長内綾乃)15:00〜15:25

・研究発表「『とりかへばや物語』の中国語訳の試み」(庄婕淳)15:25〜16:00

・休憩(15分)

・研究発表「雀の子を犬君が逃がしつる」の外国語訳と現代語訳」(須藤圭)16:15〜16:50

■研究会後に、日根野駅前で懇親会を予定しています。参加は自由です。

【参加予定者12名/敬称略】
伊藤鉄也(大阪観光大学、『源氏物語』本文と触読の研究)
谷口裕久(大阪観光大学、文化人類学・比較言語学)
王静(大阪観光大学、中国茶・フードツーリズム研究)
金光桂子(京都大学、中世王朝物語の研究)
高田智和(国立国語研究所、国語学(文字・表記)・漢字情報処理)
野本忠司(国文学研究資料館、情報科学,言語工学)
須藤圭(立命館大学、中古中世王朝物語の研究)
モハンマド・モインウッディン(大阪大学、近代文学と多言語翻訳)
庄婕淳(立命館大学衣笠総合研究機構客員研究員、『とりかへばや物語』の研究)
長内綾乃(広島大学、文学部4年生、卒論は『とりかへばや物語』の研究)
池野陽香(大阪観光大学、観光学部1年生)
淺川槙子(元・国文学研究資料館プロジェクト研究員、中世軍記物語の研究)

 
 
 

posted by genjiito at 08:00| Comment(0) | ◎国際交流

2017年06月27日

NPOの事業報告書を京都市役所で点検していただく

 NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が昨年度の事業を終了したことは、京都市役所の中にある文化市民局地域自治推進室に書類を提出して報告することになっています。
 また、今回は役員の変更があったので、その届出の手続きもします。

 今月末が提出の期限なので、4月29日の総会の後は、この書類の作成に四苦八苦していました。それが今月に入ってからさらに時間を取られるようになり、いろいろと手配を終え、関係者に必要な書類をまとめてもらったり提出していただいたりで、ようやく本日、推進室の市民活動支援担当の窓口で書類の確認をしていただきました。

 その窓口にいらっしゃる小松原さんには、これまでにも幾度となく懇切丁寧なアドバイスをしていただいています。電話で、メールで、そして対面でと。ありがたいことです。公的書類の作成に慣れていない者にとっては、本当に助かります。

 今日も、細かなところまで見てくださいました。そして、手直しすべきところを何カ所も指摘していただいたおかげで、どうにか今月末までに提出できるところまで来ました。

 行政文書等の作成を専門にする方に依頼すると、こうした苦労はしなくてもすみます。しかし、零細なNPO法人にとっては、その経費の捻出がままなりません。勢い、書類作成から提出までを、手伝っていただきながらも、事務的な仕事のすべてを自分ですることになります。そうした法人が多いとのことでした。

 今日は、近くにお住まいの石田理事と一緒に、今後のこともあるので揃って市役所に行きました。
 小松原さんのお話を伺いながら、書類作成の要点をしっかりと聞き逃さないようにして来ました。私は忘れてしまっても、石田さんが丹念にメモをとっておられたので、来年こそは1回でパスするようにしたいものです。

 それにしても、毎回同じことで指摘を受けることがあります。

(1)住所を番地で表記する場合と、ハイフォンでいい場合があること。
(2)私の名前は、住民票に記載されている通りの「鉃」にするここと。
(3)活動計算書の中の、事業費と管理費を使途によって区別すること。


 今後のこともあるので、担当部署に保存されている、私がこれまでに提出した文書・書類を、まとめてコピーさせていただきました。最終提出版は、手元になかったものがいくつかあったからです。都合88枚もありました。
 年に一度の提出なので、次に作成するときには、この前のことはすっかり忘れているのです。

 市役所の後は、少し上にあがった荒神口にある法務局へ行きました。
 ここでのことは、また後日にします。

 このNPO法人〈源氏物語電子資料館〉は、若手が後を継いでくれる体制を意識して運営しています。こうした書類作成のノウハウも、少しずつ伝えていきたいと思っています。
 事務手続きのお手伝いをしてくださっている理事や会員の方々に、この場を借りて報告とお礼を記して、感謝の気持ちにかえたいと思います。
 いつもありがとうございます。そして、今後とも変わらぬご支援を、よろしくお願いします。
 
 
 

posted by genjiito at 20:46| Comment(0) | ◎NPO活動

2017年06月26日

体調管理が少しズレ出してきたこと

 京大病院で、皮膚科と糖尿病栄養内科で診察を受けて来ました。

 自転車で病院へ行く途中で、下鴨神社の敷地の南側に建設中だったマンションが完成しているのを見かけました。入居はまだのようですが。
 糺の森の外れとはいえ、参道の両側に建つ和風の低層住居は、思ったよりも周りに馴染んでいました。

 下の写真は、御蔭通を高野川に向かって写したものです。
 御蔭通の左側の朱垣が下鴨神社、右側がマンションです。

170627mansion0.jpg

 参道から、南の鳥居を見たところです。

170627mansion1.jpg

 南の鳥居から糺の森の参道を見ると、こんなにすっきりとした風景になりました。石畳が雰囲気をがらりと変えました。

170627mansion2.jpg

 水路があたりの様子を和らげています。

170627mansion3.jpg

 さて、病院の診察では、採血を終えるとすぐに皮膚科へ回りました。
 右足の疣は、見かけは直ったように見えます。しかし、押されるとまだ痛さがあるので、今後も塗り薬を続けます。まだまだ長丁場です。
 身体の痒みは止まりました。あの、2月から4月の、気を失い脳梗塞寸前の忙しさが原因だったようです。よくぞ生きて今があるものだ、と我ながら運の強さに驚いています。

 糖尿病については、案の定というべきか、ヘモグロビン A1cの値はこれまでの最高値でした。
 今年の推移は、2月が6.8、4月が7.1、そして今日が7.6だったのです。
 ヘモグロビン A1cの値の国際標準値が4.6〜6.2なので、これは問題です。もっとも、春先から体重が減り続け、一時は46キロ台にまで下がったので、血糖値よりもエネルギー補給を優先しました。そのため、食事や間食やおやつが増えたのです。さらには、食事中に腹痛に見舞われることが多くなり、痛みと闘う我慢の日々でした。これは今もそうです。
 定年退職に伴うさまざまな作業や整理に加え、転職による膨大な負荷に負けずに、いろいろなことをして、なんとか生き抜いた数ヶ月でした。もう大丈夫です。じっくりと血糖値の管理に取り組みます。

 なお、昨年の夏7月にも、7.4とハイスコアでした。夏場は身体が壊れないように、多くのものを食べて体力維持を心掛ける、無意識ながらも我流の習慣があるようです。
 今日も主治医の先生は、この夏の様子をみてから、今後のことをあらためて考えましょう、とおっしゃっていました。

 今日の血液検査によって新たにわかったことは、タンパク質の摂取量が少ないということがあります。妻がうまく食生活を考えてくれています。良質のタンパク質を摂ることも、その中に入っています。しかし、それ以上にビタミンの不足からか、消化しきれていないのではないか、とのことでした。これも、次回に詳しい検査を受けます。

 また、食事中の腹痛に関しては、胃ガンの手術を受けた消化管外科で来月早々に再検査をし、胃カメラを使うことも検討していただくことになりました。そういえば、胃ガンの告知を受けたのは、7年前の祇園祭の日でした。
 とにかく、もう少し長生きするためにも、何かおかしなことがあれば検査をしていただくことになっています。ちょうど今がその時期にさしかかっている、ということなのでしょう。

 まだまだ、病院のお世話になりながらの生活が続きます。
 身体を気遣いながらマイペースで仕事をせざるをえないので、対応の悪さや至らないところはご寛恕のほどをよろしくお願いいたします。
 
 
 

posted by genjiito at 23:52| Comment(0) | *健康雑記

2017年06月25日

備中高梁にある天空の山城「備中松山城」に登る

 今朝の「ふるさと日南邑」から見る山は、雲に覆われていました。
 昨日のように晴れ渡った山の方が珍しいのです。

170625_yama.jpg

 鳥取県の日南町からの帰りに、岡山駅から何駅か手前の、備中高梁駅で途中下車しました。
 大河ドラマ「真田丸」のオープニング映像に、備中松山城が使われたのだそうです。

170625_taiga.jpg

 改札を出ると、高梁市図書館と蔦屋書店とスターバックスが一体化したフロアがありました。この形式は、九州にあったように思います。

170625_tosyokan.jpg

 重たいキャリーバックは駅のコインロッカーに入れ、ぶらぶらと散策です。
 紺屋川筋の美観地区まで歩き、雰囲気のいいお蕎麦屋さんで十割ソバをいただきました。

170625_soba.jpg

 そこからタクシーで松山城下まで行き、歩いて山道を25分ほど登りました。気持ちのいい山登りです。
 こんな道でも、スマホ歩きをしている方が多いようです。

170625_yamamiti1.jpg

 急な勾配の山道を登り終えると、お城が聳え立っています。

170625_siro1.jpg

 ポツポツと降り出した雨が、次第に雨足を強めます。休憩所でお城の歴史を語るビデオ見てから外に出ると、幸運にも雨が止んだところでした。

170625_tensyu1.jpg

 天守閣の中の階段が急だったので、高所恐怖症の私は、竦む足を庇いながら上がりました。

170625_tensyu2.jpg

 城内では、紙芝居形式の落城物語が、ビデオで流れていました。その中に、盲目の勾当が持ち物を奪われて殺される場面がありました。このシナリオを書いた方は、目が見えない方に対する理解が足りなかったために、こうした話を挿入されたのではないでしょうか。もし、仮に史実がそうであったとしても、目が見えない方があのように残酷な殺され方をすることを描く必要があるのか、疑問に思いました。子供のための紙芝居だというのですからなおさら、作者に対して無自覚がなせる偏見を感じ取ってしまいました。後味の悪い紙芝居の台本だと思っています。

 帰りは、備中高梁駅まで、歩いて山を下りました。
 道々の川沿いには滝や水車があり、爽やかなウオーキングでした。
 両足の調子がよくなくても、気持ちのいい山歩きは苦痛ではありません。

170625_taki.jpg

170625_suisya.jpg

 武家屋敷の通りで折井家と埴原家の2軒の家を拝見しました。
 江戸時代の生活を理解するのに役立ちます。

170625_buke.jpg

170625_orii.jpg

170625_haibara.jpg

 他にも行きたいところはもっとありました。またこの次にします。
 これからも、こうしたフラリ旅を途中下車をして織り込んでみたいと思います。
 
 
   
posted by genjiito at 21:52| Comment(0) | ・ブラリと

2017年06月24日

充実した第6回池田亀鑑賞授賞式

 予報では雨とのことでした。しかし、爽やかに晴れ上がったお祝いの佳日となりました。

170625_yama.jpg

 午前中は、いつも通り、池田亀鑑文学碑を守る会の事務局長をなさっている久代安敏さんに、車で町内の案内をしていただきました。池田亀鑑の生誕の地、井上靖の野分の館、松本清張の顕彰碑などです。

 午後から、第6回池田亀鑑賞の授賞式です。

170625_fukuro.jpg

 本年度は、本橋裕美さんの『斎宮の文学史』(翰林書房)が受賞しました。

170625_kanrin.jpg

 池田亀鑑文学碑を守る会の会長である加藤輝和氏のご挨拶から始まりました。

170625_syoujyou.jpg

 続いて、本橋さんに加藤会長から賞状と賞金が手渡されました。

170625_kato.jpg

 それを受けて、私がご挨拶と選考経過および選考理由をお話しました。

170625_ito.jpg

 用意していた原稿を引きます。

--------------------------------------

挨 拶


 池田亀鑑賞の選考委員長をしている伊藤鉄也です。
 今回の受賞者である本橋裕美さん、受賞おめでとうございます。

 本日は、池田亀鑑賞選考委員会の会長である伊井春樹先生が所用でお越しいただけませんでした。そこで、私が挨拶を兼ねて、受賞作の紹介と選定理由についてお話いたします。

 この池田亀鑑賞も、回を重ねて第6回となりました。
 昨日の夕刻に、旧日南町立石見東小学校の敷地に立つ、池田亀鑑の文学碑に連れて行っていただきました。
 碑文の『学才にあらず 閥派にあらず たゞ至誠にあり』は、私にとっては想い出深いことばです。
 あの碑文の右横にある立派な石に刻まれた顕彰碑が建てられてのは、平成21年11月です。
 インターネットで公開している私のブログに、久代さんから顕彰碑が新たになったことを教えていただきました。翌12月に、飛ぶようにして私はこの地日南町に足を運び、足羽隆先生に町内を案内していただき、幸運にも久代さんと出会えたことがきっかけとなり、この町とのお付き合いが始まりました。

 それから2年の準備期間を経て、池田亀鑑賞の創設に漕ぎ着け、『もっと知りたい 池田亀鑑と『源氏物語』』を刊行し、第1回池田亀鑑賞の授賞式は平成23年(2011年)5月2日に挙行されました。そして今回が第6回です。これまでを振り返っても、感慨深いものがあります。

 今回も、すばらしい成果を池田亀鑑賞の受賞作として選定することができました。
 受賞者の本橋さんは、お手元の資料にあるとおり、コツコツと研鑽を積み重ね、今回のご著書のような成果をまとめられました。これからが大いに楽しみな、若手の研究者です。
 この受賞を契機として、ますます活躍されることでしょう。

 さて、今回の〈受賞作の紹介と選定理由〉について報告します。

 池田亀鑑賞の選考方法については、これまでと同じです。

・選考対象は、『源氏物語』をはじめとする平安文学に関する研究論文や資料整理及び資料紹介
・平成29年3月31日までに応募のあった著作と書類(今回は6点)
・今後の平安文学研究の励みとなるような研究及び成果物
・評価対象は、応募にあたって提出された著作と応募文書
・評価点を付けるにあたっては、設定された4項目につき5点満点で評価する
  (A)地道な努力の成果
  (B)研究の基礎を構築
  (C)研究の発展に寄与
  (D)成果が顕著な功績
・公平を期すために、事務局である新典社は選考会に関わらない。

選 評



 今回の本橋さんの受賞作は、斎宮を視点として幅広く物語文学を辿り、物語の分析を通して斎宮の生き方や思想を明らかにしようとしたものです。平安時代から中世後期に至る、主として物語文学に登場する斎宮像を丹念に考察したものです。
 文学史における斎宮の役割や位置づけとその変遷を明らかにした研究なのです。これまで歴史学や宗教学の研究者がおこなってきた斎宮の通時的な研究を、本橋さんは文学研究の観点から精緻に行った点で意義深いものです。
 斎宮という制度や人物が「文学史」として貫き通されており、研究手法は手堅く全体としてもよくまとまっています。
 中世王朝物語を射程に収めている点も、先行論からの発展として評価されました。

 若手の意欲的な研究成果として評価したいということで、この作品を受賞作とすることになりました。作品本文を解釈する力と歴史を見つめるバランスの良さがあります。
 今後の活躍がさらに期待できる著作となっています。

--------------------------------------

 そして、選考委員会のメンバーの自己紹介です。
 以下、順に、池田先生、小川先生、妹尾先生です。
 この会も6回目なので、みなさん我々委員の顔も覚えていただいているようです。

170625_ikeda.jpg

170625_ogawa.jpg

170625_senoo.jpg

 次は、来賓紹介の後、増原町長から祝辞がありました。

170625_masuhara.jpg

 ネットで「池田亀鑑賞」を検索すると、だいたい三番目から四番目に表示されることなどから、さらにこの賞が広く知られるようにしたいとの決意を述べられました。

 本日の中心となる授賞者の記念講演は、「斎宮という女性 『源氏物語』が描く、とある皇女の物語」と題するものでした。参集した60名の聴衆の興味を斎宮に惹きつける、すばらしいものでした。

170625_kouen.jpg

 質疑応答では、オオタノヒメミコとオオクノヒメミに関することや、斎宮は一人だけでいいか等々、非常に詳しい質問なども出ました。それに懇切丁寧に答えておられる本橋さんの姿が印象的でした。

170625_situgi.jpg

 休憩時には、会場に並べられた本などを自由に見たり、壁に貼られたこれまでの池田亀鑑賞に関する写真などを見ました。

170625_hanawooru.jpg

170625_syoten.jpg

 休憩後には、原豊二氏の講演「文学碑『たゞ至誠にあり』」です。山本嘉将という人をめぐって、碑文の背景を語ってくださいました。

170625_hara.jpg

 この会を実質的に運営しておられる、「池田亀鑑文学碑を守る会」の事務局長である久代安敏さんも、日南町の話になると一家言を披露なさいます。

170625_kusiro.jpg

 最後は、私が「鎌倉時代の『源氏物語』古写本「若紫」巻を読み、池田亀鑑を追体験する」と題して、みなさんと一緒に国文学研究資料館所蔵の写本を変体仮名に注意しながら少し読みました。

170625_kanamoji.jpg

 閉会の辞は、石見まちづくり協議会の吉澤晴美会長の心のこもった謝辞でした。

170624_iwami.jpg

 その後、恒例の関係者による全員集合写真を撮ったあとは、池田亀鑑の文学碑の前で全員で記念写真を撮りました。

170624_hibun.jpg

 夜は、ふるさと日南邑で懇親会で盛り上がりました。町のみなさまの温かい気持ちが伝わる、和やかな祝宴です。
 関係者のみなさま、ごくろうさまでした、そして、ありがとうございました。

 次回、第7回池田亀鑑賞の授賞式が、今から楽しみです。
 また、日南町でお目にかかりましょう。
 
 
 
posted by genjiito at 23:55| Comment(0) | □池田亀鑑

2017年06月23日

第6回池田亀鑑賞授賞式のために日南町に来ました

 明日24日(土)は、第6回池田亀鑑賞の授賞式が、ここ鳥取県日野郡日南町であります。
 今日の夕方、新幹線で岡山に出て、伯備線の「やくも」に乗り換えて、日南町に来ました。京都から3時間弱です。岡山で、東京からお越しの池田亀鑑博士のご子息である池田研二先生と合流しました。

 日南町の生山駅には、池田亀鑑文学碑を守る会の事務局長をなさっている久代安敏さんが、迎えに来てくださっていました。いつも、お世話をしてくださいます。ありがとうございます。

 宿泊場所である「ふるさと日南邑」へ送っていただく途中に、旧日南町立石見東小学校の敷地に立つ、池田亀鑑の文学碑に連れて行ってくださいました。碑文の『学才にあらず 閥派にあらず たゞ至誠にあり』は、私にとっては想い出深いことばです。

170623_kikan1.jpg

 この碑文の右横にある顕彰碑が建てられたのは、平成21年11月です。
 そのことを久代さんから聞いて、翌12月に、飛ぶようにして私はこの地に足を運び、久代さんとのお付き合いが始まりました。

170623_kikan2.jpg

 それから2年の準備期間を経て、池田亀鑑賞の創設に漕ぎ着け、『もっと知りたい 池田亀鑑と『源氏物語』』を刊行し、第1回池田亀鑑賞の授賞式は平成23年(2011年)5月2日に挙行されました。そして今回が第6回です。感慨深いものがあります。

 今回は、「ふるさと日南邑」の本館ではなくて、外の森の中に建つ3棟のログハウスの一つに泊まりました。

170623_house1.jpg

170623_house2.jpg

170623_house3.jpg

170623_house4.jpg

 ここは、木を贅沢に使った、すばらしい施設です。ゼミ合宿などに使うといいと思います。
 
 
 
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | □池田亀鑑

2017年06月22日

[町家 de 源氏物語の写本を読む]を再開します

 平成25年4月から1年半前まで、約3年間続けていた「ワックジャパンで源氏を読む会」が、私の定年退職を控えてしばらく休会していました。

 このたび、開催場所を「be 京都」(http://www.be-kyoto.jp/)に変えての準備が整いましたので、あらためてお誘いのお知らせといたします。
 京都駅から至便の地での再開です。東京などからも、週末の観光を兼ねてお越しいただけると幸いです。

170619_be-kyouto0.jpg

170619_be-kyouto3.jpg

 テキストとするのは、鎌倉時代中期の古写本で、現存最古の『源氏物語』の写本と思われる『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』(講師編集)です。

131124_ハーバード須磨.jpg

 書写された仮名文字を丹念に確認しながら、翻字ができるスキルアップを目標に、変体仮名を読み解いていきます。最近とみに、変体仮名を読む機会がなくなりました。しかし、昨日の本ブログに記したように、ユニコードに変体仮名が採択される、というご時世です。

「速報☆申請中の変体仮名が「ユニコード 10.0」に採録」(2017年06月21日)

 また、来年8月から実施される《仮名文字検定》の受験対策としても、この講座をご活用ください。

 この時代の流れを追い風にして、みなさまのチャレンジ精神へのお手伝いをいたします。

--------------------------------------

講座名︰「町家 de 源氏物語の写本を読む」
会場︰「be京都」(http://www.be-kyoto.jp/
    (本講座案内のバナー広告あり)

170622_be-kyoto.jpg

所在地︰京都市上京区新町通上立売上る 安楽小路町429-1
電話︰075-417-1315(代)
最寄り駅︰地下鉄烏丸線
      今出川駅下車
       2番出口 徒歩5分
     市バス
      上京区総合庁舎前下車
       徒歩4分

170619_be-kyouto1.jpg

170619_be-kyouto4.jpg

・講師︰伊藤鉄也・須藤圭
・支援︰石田弥寿子
・教材︰『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』
   (伊藤鉄也編、新典社、185頁、2013年刊、¥1,944)
・開催日時︰毎月第4土曜 14時〜16時
・受講料 5回 10,000円 一括払い
  NPO会員 7,000円 一括払い
  途中スポット参加 1回 2,000円
  体験参加 1,000円
  各種イベント(講演・座談会・聞香・着装・お茶と和菓子)の参加費は各1,000円
・今後の予定︰来月7月29日は体験扱いで参加費1,000円
  本年8月〜12月 5回10,000円
・主催︰NPO法人〈源氏物語電子資料館〉

※参加申し込み及び問い合わせ︰本ブログのコメント欄または、電子メール(npo.gem.info@icloud.com)に、
 お名前、連絡用メールアドレス、都道府県名、年齢、(可能な範囲で)簡単な自己紹介
 をお知らせください。
 折り返し返信のメールを差し上げます。

--------------------------------------
 
 
 
posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ◎NPO活動

2017年06月21日

速報☆申請中の変体仮名が「ユニコード 10.0」に採録

 国立国語研究所の高田智和さんから朗報が寄せられました。
 昨日「Unicode 10.0」が公開されたことが、変体仮名を国際規格として申請する上で日本側の代表者である高田さんから、速報として届いたのです。
 そして、そこには、懸案だった変体仮名がしっかりと収録されています。

「7/20「Unicode 10.0」リリース」(2017年06月20日)

 高田さんからは、以下のコメントをいただいています。

提案主体である日本(行政)の最終目的は ISO/IEC 10646 への収録ですが、一般には Unicode の方が著名で実装能力が高いので、一応の目的は果たしたことになります。


 私は苦手な英文をかき分けて、必死の思いで何とか変体仮名の部分にたどり着きました。
「スクリプト関連の変更」の項目を引きます。

Script-related Changes

A large collection of Japanese hentaigana has been added. These are effectively historic variants of Hiragana syllables. However, they are not encoded with normative decompositions, nor using variation sequences. For collation, hentaigana syllables do not have default weights the same as the standard Hiragana syllables they are equivalent to. Instead, they are sorted in a separate range following all the standard Hiragana syllables.


 今私は、これを正確には紹介できません。どなたか、フォローをお願いします。

 以下に、「Unicode 10.0文字コードチャート」の中にある仮名文字のフォント一覧をPDFとして引用します。

ひらがな.pdf

かな拡張.pdf

かな補遺.pdf


170622_kana.jpg

 とにかく、日本の変体仮名の文字集合が、ユニコードに追加されたのです。
 慶事です。

 今後は、この変体仮名がどのような分野で、どのように活用されるのかが、大いに楽しみです。そして、この変体仮名を自由に駆使して、文章が読み書きできる環境が提案される日を、心待ちにしています。

 来年8月に《仮名文字検定》のスタートをさせる準備を進めている立場としては、これは追い風です。

 なお、変体仮名をユニコードに収録する提案に積極的に関わって来られた高田智和さんは、次の論考で『源氏物語』を例にしてこの問題をわかりやすく説明しておられます。

「国立歴史民俗博物館蔵『源氏物語』「鈴虫」の仮名字体記述 −ISO/IEC 10646 提案文字による翻字シミュレーション−」

 これは、電子ジャーナル『古写本『源氏物語』触読研究ジャーナル 2』(伊藤編、国文学研究資料館、〈非売品〉2017年3月31日発行、ISSN 2189−597X)に収録しています。自由にダウンロードしてお読みいただけるようになっていますので、ここれを機会にお読みいただけると幸いです。
 そして、この問題を一人でも多くの方々と共有し、これからの仮名文字について一緒に考えていきたいと思います。
 
 
 
posted by genjiito at 23:55| Comment(0) | ■変体仮名

2017年06月20日

日常生活の中で見かけた変体仮名

 日々の生活の中で見かけた変体仮名を並べてみました。

(1)小さな仮名だったので、遠目に見た最初は「ゆろ」と読んでしまいました。漢字を見て「ゆう」であることに思いいたりました。最初の点の次の横線が、これだけ左下から突き上げるような線になると「う」には見えにくく、紛らわしくなります。

170605_kana-yuu.jpg

(2)仮名の元となっている漢字の意味を汲み取って、「弥喜久゛里」とした変体仮名の組み合わせの典型です。「とゝのえ」の「え」のような使われ方も、よくみかけます。

170617_yakiguri.jpg

(3)お寿司のパッケージに貼られていたシールの文字です。現在使っている「え」であっても、こうした崩しには戸惑う方もいらっしゃることでしょう。

170602_netakae.jpg

(4)同じ表現を、字母を変えて表記したものです。「者」の字形が微妙に違います。文字を単独で見た場合、前者は読めても、後者にはしばらく時間がかかる方もいらっしゃることでしょう。
 また、「てん具゛」の「て」の終筆が「弖」のことを意識するせいか、気になります。

170620_hakimono1.jpg


170620_hakimono2.jpg

(5)お馴染みの箸袋「おても登」です。「天」と「登」の最後の筆の止め方が、右下に抜く場合と横線の扱いにおいて、字形がよく似ていると思い、記録しました。

170620_otemoto.jpg

(6)橋の名前の表記に関して、変体仮名のことよりも仮名遣いの違いに興味を持ちました。「おおじばし」と「おほぢ者し」です。

170617_kitaoojibashi.jpg

170620_kitaohoji-hasi.jpg 
 
 

posted by genjiito at 20:22| Comment(0) | ■変体仮名

2017年06月19日

京洛逍遥(450)上京区を歩くためのフリーマップ

 上京区役所に行ったところ、ロビーの一角に「ご自由にお持ち帰りください」として〈上京を歩く〉や〈上京探訪〉という散策マップがたくさんありました。今日は15種類をいただきました。

170619_map1.jpg

 以下の写真の通り、上京の歴史・文化・文学に関するさまざまな散策ルートが紹介されています。

170619_map3.jpg

 例えば、これまでは西陣だけが知られていて、東陣はあまり意識されていませんでした。しかし最近は、応仁の乱の激戦地であった百々橋跡周辺が注目されだしました。表千家や裏千家など茶道関係の施設が密集するそのあたりに東陣があったことから、より一層訪れる人が増えるに違いありません。〈上京探訪(東陣)〉は、そうした当時がよくわかるマップとなっています。

170619_map2.jpg

 地下鉄今出川駅を降りられる機会がありましたら、東側の堀川通に向かって歩いてすぐの上京区役所に立ち寄り、このマップを手に入れておかれたら、京都散策がさらに充実することでしょう。ここ以外にこのマップが置かれている場所は、他にもあるかもしれません。
 市販のガイドブックにはない、地元が発行する魅力に溢れた記事が満載です。
 
 
 

posted by genjiito at 23:55| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2017年06月18日

3日連続でお茶のお手前を楽しんでいます

 一昨日は、我が家でNPO法人〈源氏物語電子資料館〉の打ち合わせ会がありました。その時、お出でいただいた理事には、無理やり誘って、私のお茶のお稽古につき合っていただきました。ご協力ありがとうございます。

 昨日は、姉夫妻が立ち寄ってくれたので、またまた、お点前のお稽古につき合ってもらいました。
 いずれも、丸卓を使っての入子点です。入子点については、「歳末に大和平群でお茶のお稽古」(2015年12月26日)で書いた通りです。

 お手前はすぐに忘れるので、「あれ、あれ」と言いながら、気安い間柄ということで許してもらっています。人の迷惑も顧みず、好きなことを好きなときに、我が道を勝手に突き進んでいます。

 そして、今日は大和平群へ。
 花月というお稽古を、お弟子さんたち5人でやりました。花を活けたり、お香を聞いたり、薄茶を点てたりと、たくさんのことを見よう見まねでやりました。この前に花月のお稽古をしたときのことは、「お茶のお稽古の後に視覚障害者のことを想う」(2014年12月23日)に書きました。

 近鉄電車で帰る道々、今日のことを思い出しながらこうして記しています。見て、聞いて、やってと、大忙しでした。今振り返っても、頭の中は大混乱です。こうしたお稽古事は、若い時にやっておくべきです。
 今はもたもたしていても、何度も繰り返し練習しているうちに、いつかは自然な動きでお茶が点てられるようになると思って、懲りもせずに続けています。
 これまでは、3ヶ月に1回行けたらいい方でした。それを、今年の4月以降は、月に2回は大和平群へお稽古に行くことを自分に課しています。今のところは、何とか守っています。とにかく、続けることです。

 なお昨日、お茶を点てながら姉との話では、お茶のことよりも、おもしろい話で盛り上がりました。姉が、ガイドヘルパーの資格を持っていて、視覚障害者の外出のお手伝いをしたことがある、というのです。これは初耳でした。今もずっと介護施設のボランティアをしているので、姉がガイドヘルパーもできることは意外ではありません。ただ、ゆっくりとそんな話をしたことがなかったのです。お茶を点てながら、飲みながら、こんな話ができるのはいいことです。

 来月22日に「点字・拡大文字付 百人一首〜百星の会」のみなさまを須磨に案内する話をしたところ、私がプランを練っているコースを先日歩いてきたとのことです。姉は芦屋に住んでいるので、たしかに神戸から須磨は生活圏です。そして、22日も喜んでお手伝いに来てくれるとのことです。頼りになる助っ人が一人増えました。
 「百星の会」のみなさま。今後とも、いつでも安心して関西にお越しください。
 
 
 
posted by genjiito at 20:30| Comment(0) | ■視覚障害

2017年06月17日

京洛逍遥(449)梅雨入りしたのに雨が降らず賀茂川の水嵩が心配です

 賀茂川の水が少ないため、藻が目立つようになりました。
 こんなに水が少なく、藻が一面に広がっている様子は、これまでに見たことがありません。
 今年は超猛暑の夏になると言われています。
 涼しさを感じさせてくれる川面の緩やかな流れと、川風の心地よさが、今年の夏はどうなるのか心配しています。

170617_mizumo1.jpg

170617_mizumo2.jpg

170617_mizumo3.jpg

170617_mizumo4.jpg

 我が家でトントンと呼んでいる飛び石を渡ると、水が少ないことが一目瞭然です。
 足元で水の流れが感じられないと、何となく物足りなさを覚えます。

170617_tonton.jpg
 
 
 
posted by genjiito at 20:55| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2017年06月16日

平仮名「て」と「弖」の直前に書かれている「り」と「里」について

 先週土曜日の日比谷図書文化館で、興味深い指摘を受けました。それは、平仮名の「く」が長く伸びた形で、変体仮名の「弖」のように見える文字の前には「里」が来る傾向があるのではないか、というものでした。

 そこで、講座でテキストにしている『国文学研究資料館蔵 橋本本『源氏物語』「若紫」』において、平仮名で「ri-te」はどのように表記されているのかを確認しました。
 次の画像は、21丁表の3行目から6行目の行末です。「て」が並んでいる箇所なので、好例としてあげます。今、説明をしやすくするために、「弖」のように見える縦長の「く」は、便宜上「弖」と表記しておきます。

170616_te.jpg

 ここに出てくる順番に確認すると、「と弖」「きて」「給弖」「里弖」となります。そして、左端の「里弖」がここで問題にする表記です。

 「て」と「弖」の前に「り」か「里」が来る場合について調べたところ、以下のような傾向があることがわかりました。

 まず、今回問題にしている【里弖】についてです。この変体仮名による表記は、国文研蔵橋本本「若紫」では23例が確認できました。
 これに対して、【り弖】は4例(本行削除後のナゾリ1例を含む)と、少数です。
 この27例の「弖」は、すべてが助詞として使われているものです。

 次に、「り」の次に「弖」がくる3例を確認しておきます。

あり弖(4ウ L8)
多て満つり弖(46オ丁末)
可ゝり弖(49オ L3)


 なお、次の例は、本行に書いた「給」を小刀で削り、その削除した文字の上から「弖」がなぞり書きされています。

多て満(改行)つり弖/【給】〈削〉弖(31ウ L4)


 これは、「弖」がミセケチや傍記ではなくて、なぞられていることに注目すべき例です。橋本本は、親本に書かれている本文を忠実に書写しようとする意識が強い写本です。ここは、「弖」と書くべきところを、ついうっかり「多て満つり」と書いてしまったようです。しかし、すぐに間違いに気づき、「給」を削ってから、親本通りの字形の文字「弖」を書いて訂正したのです。このことから、ここで橋本本の親本には「弖」という字形の文字が書かれていたことが推認できます。
 これに関連して、「平仮名「て」の字母に関する資料を検討中」(2017年05月08日)という記事も参照してください。この本の書写者は、「て」と「弖」を字形まで区別して書写していることがわかる例です。

 次は、「て」が現行の字形の場合です。

【りて】12例
【里て】16例(本行削除後のナゾリが1例)
 ※多てまつ里てん/らん〈削〉里てん(53オ L3)
 このなぞり書きの例は、「らん」という文字を削って、その上に「里てん」となぞり書きしているものです。「らん」と「里てん」が混同されることの説明を、今私はできません。字形からの間違いではなく、語句の意味からの混同が原因ではないかと、今は思っています。

 語頭および語中で、「り」か「里」の後に「て」か「弖」が来る例(【り弖】【里弖】【りて】【里て】)はありませんでした。

 ということで、ここでは「里」の次には「て」ではなくて「弖」のような縦長の「く」がくることが多い、ということは言えそうです。日比谷図書文化館で指摘のあったことは、この『国文学研究資料館蔵 橋本本『源氏物語』「若紫」』に限っては、そうした傾向が強い、ということになります。
 なお、私は、仮名文字に関する研究成果について、まだほとんど確認していません。もしこのような調査結果がすでに提示されているようでしたら、ご教示いただけると幸いです。

 今回、「て」と「弖」の前に来る文字について、いろいろと調べました。その過程でいろいろなことがわかったので、いつかそれらも整理して報告したいと思っています。
 
 
 

posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ■変体仮名

2017年06月15日

関西学院大学で開催された科研費改革説明会に行って

 科研費改革説明会に行ってきました。西日本地区は、兵庫県西宮市にある関西学院大学中央講堂が会場です。

170615_kaken2.jpg

 公務出張として行ったので、授業は休講となり、後日補講をすることになっています。学生さんたちには、予定を狂わせて申し訳ないことです。

 京都の自宅から兵庫にある関西学院大学まで、事前のチェックではちょうど2時間かかります。スマートフォンのナビを頼りに、バスや電車を乗り継いで行きました。
 道中、自分が平和ぼけしていることを痛感しました。電車は時刻表通りに走るものだ、と思い込んでいたことです。
 海外では、いやというほど、電車が予定通りには走らないことを体験したはずです。それなのに、日本の電車は遅れないものだと無意識にそう信じ、決めてかかっていたのです。
 今日も、電車が遅れたために、4回乗り換えるうちの2回目で早くも乗り継ぎが狂い出しました。
 おまけに、西宮北口駅の構内では、阪急今津線の乗り換えホームで右往左往しました。上りと下りのホームが、予想外に遠く離れていたのです。上り下りの電車は、同じホームの左右か向かい合っているものだ、という先入観があったのです。

 また、乗り降りにはICカードの「PiTaPa」を使っています。これが、今日は何度かエラーになり、うまく読み取ってくれませんでした。自動改札では、わざわざケースからカードを取り出して、しっかりとタッチし直しました。阪急のタッチセンサーは、感度が緩めなのでしょうか。
 駅の売店では、何度タッチしてもまったくダメです。しかたがないのでカードをあきらめ、財布から現金を取り出す始末です。私のカードが劣化しているのでしょうか?

 日頃、大学への通勤では何も問題がないので、今日は運とタイミングの問題だったかもしれません。ICカードは、まだ未発達のツールなのでしょうか。

 さて、肝心の科学研究費補助金に関する説明・解説では、現状の分析を踏まえながら、新たな改革について説明がありました。

170615_kaken1.jpg

 これまでの360の細目を再検討し、審査のための区分を「大 中 小」に再編して刷新されたのです。つまり、これまで以上に審査区分を意識した申請書類を作成することが求められるようになったのです。
 今日の話の内容は具体的で、わかりやすい説明でした。特に、本日の主眼であった新たな審査システムへの移行については、来年度に向けての応募・申請書の対策を考える上で、非常に参考になりました。

 審査員の方々のかかわり方が違ってくるので、申請書類の書き方も変わってきます。
 これまで、25年にわたり科研費のお世話になって研究をしてきた私は、今後は申請書類の書き方を再考することにします。特に私が得意としてきた大型科研は、総合・合議審査になるのです。実際に顔を突き合わせて討議がなされるそうなので、それを経ての評価が良い意味で揺れることが想定されます。これは、より客観的に審査がなされることになる、とのことでした。
 基盤研究のBやCは、審査員の元に送られて来る他の方の評価情報を参照しながら判断するので、これもこれまでよりも客観的な判断が下されることになるようです。
 いくつか変更点についても報告がありました。連携研究者の記載は不要になるそうです。

 今年は、10万件の申請が予想されています。科研の採択率は、全体的に見渡すと26パーセントだそうです。挑戦的研究の採択率は10パーセントだということなので、これは挑戦のしがいがあります。
 昨年度までそうであったように、基盤整備(A)と挑戦的研究は、中区分として重複して申請できることも確認しました。これから、来年度に向けた戦略を練ることにします。

 現状では、科研費は研究者にとって、命綱とでも言えるものとなっています。研究者を支援するこの制度を大いに活用して、実りある研究を展開したいものです。

 具体的な申請書類の作成にあたっては、ここで手の内を公表すると、自ずから自分が申請する課題の採択が危うくなりかねないので、書くわけにはいきません。みなさん、一緒に挑戦しましょう、という呼びかけで、今は核心をずらしておきます。

 帰りがけに、九州からおいでの観光学を専門にしておられる若手の方と、親しく情報交換をしました。さまざまな分野の方々とのコラボレーションを、今後とも楽しみにしています。
 
 
 

posted by genjiito at 21:07| Comment(0) | ◎情報社会

2017年06月14日

ブログの記事に挿入したリンク先を修正

 このブログ「鷺水庵より」は、プロバイダーから提供されている「さくらのブログ」によって、毎日発信しています。

 本年3月までは、「鷺水亭より」と題して「イオブログ」から発信していました。その「イオブログ」が突然閉鎖されることに伴い、「鷺水庵より」と改名して「さくらのブログ」から再スタートを切りました。3月14日のことです。

 「イオブログ」で発信し続けていた3,635本の記事は、紆余曲折を経て「さくらのブログ」に引っ越しをしました。「ブログを従来の「鷺水亭」から、この「鷺水庵」へ完全に移行しました」(2017年03月14日)という記事が、その分かれ目となるものです。

 私のブログは写真が多い上に、記事の中で他の記事へのリンクも頻繁に貼っています。そのためもあって、そっくりそのまま引っ越しをするのは至難の業でした。
 画像は何とかなっても、リンク先の変更まではできません。つまり、それまでのリンクをクリックすると、次のようなエラーの表示が画面に出てきます。

170614_eo-error.jpg

 気づいた記事のリンク先は、いくつかは修正しました。しかし、まだ9割以上は対処が追いついていません。

 最近の例で言えば、「いまだに両足の調子がよくないこと」(2017年06月07日)という記事の中の11個のリンク先は、すべてに上記のエラーが表示されます。本当に申し訳ないことです。

 本日、上記の「いまだに両足の調子がよくないこと」(2017年06月07日)のリンク先を補正しました。

 今後とも、リンク箇所をクリックした時にエラーが出ないように、少しずつ書き換えていきます。いましばらく、作業のための時間をください。
 
 
 

posted by genjiito at 01:05| Comment(0) | ◎情報社会

2017年06月13日

長崎県美術館の米田館長からの温かい励ましの声を聞いて

 今年も、長崎県美術館の米田館長からお電話をいただきました。
 私が近況を記した葉書を差し上げたので、そのことへの返信の電話だったのです。

 今回赴任した大阪観光大学の母体である明浄学院は、阿倍野区文の里に明浄学院高校をもっています。その文の里に、米田先生はかつてお住まいだったとのことでした。何年か前に、通りがかりに懐かしくて文の里に立ち寄った、と思い出ぶかげにおっしゃっていました。

 特に用事があっての電話ではないけど、といつものように断わりながら、あなたも身体に気をつけて頑張りなさい、と励ましてくださいました。私が何かと病院のお世話になっているので、大病の大先輩としていつも気遣ってくださいます。ありがたいことです。

 昨年末は、年賀状を出すので京都の住所を教えてくれ、という電話でした。
 一昨年は、「残暑見舞いのお電話」(2015年08月23日)でした。
 米田先生のことは、「長崎県美術館の米田館長と」(2012年10月28日)で詳しく紹介しています。

 いつも電話は突然いただきます。何か用事があってのことではありません。どうしてる、元気か、身体には気をつけろよ、ということを、電話口で大きな声でおっしゃいます。そして、少し世間話をすると、すぐに切れます。そんな電話が、日々あわただしく飛び回っている私には、ホッと一息つける刻となるのです。
 思えば不思議な先生です。

 今日は、このところ少し風邪気味で、とおっしゃっていました。
 館長という激務の中にもかかわらず、こうして私などにも心遣いをしていただけることに感謝しています。そして、人に一声かける、ということの大切さを、いつも思います。声をかけていただいただけで、気持ちがほぐれます。米田先生のお人柄なのでしょう。すぐに切れる電話であっても、温かいお気持ちが伝わってくるのです。
 私も誰かに、と思っていても、なかなかできることではありません。
 私から、何でもない電話やメールが届いたら、米田先生のまねをしているのだと思ってください。
 
 
 
posted by genjiito at 20:29| Comment(0) | *身辺雑記

2017年06月12日

「百星の会」の宿泊研修で須磨探訪の計画を練っています

 先週、「視覚障害者と共に須磨を散策する計画に関してご教示を」(2017年06月09日)という記事を書いたところ、すぐに上記記事のコメント欄にあるように、適切なご教示をいただきました。泉さん、ありがとうございました。
 私がこの「さくらブログ」のコメント欄の設定をよく確認していなかったために、連絡先を必須事項にしていなかったことに昨日気づきました。泉さん、すみません、この記事でお礼に代えさせてください。

 さて、本日、須磨観光協会(須磨区役所まちづくり課内)にお電話をして、対応してくださった前田さんに電話でいろいろと教えてもらいました。私からのいくつかの質問に対して、よく調べた上で的確に対処策をアドバイスしていただきました。
 ご教示のままに、須磨寺に電話をし、さらに案内のままに一絃須磨琴保存会の小池さんに親切な対応をしていただけました。

 私からは、須磨寺で須磨琴を聞くことと、源光寺(源氏寺)と関守稲荷神社(須磨の関跡)で歌碑を触ることを考えていることを伝えました。すると、その実現のためには、今回の宿泊先に出張して演奏してくださることも含めて、さまざまな実現方法を考えてくださいました。今日中にはまとまらなかったので、また調べて連絡をくださることになりました。小池さんのご親切に、ただただ感謝しているところです。

 さらには、須磨区ボランティアセンターの福井さんも、相談にのってくださいました。そこで紹介された須磨歴史倶楽部は、ちょうどその日に別の予約が入っているということで叶いませんでした。しかし、もっと具体的にプランがまとまったら、視覚障害者のためのボランティアの方の派遣も含めて、稔りある研修になるように検討してくださることになりました。

 さまざまなネットワークがつながる中で、少しずつ実現の道が見えだしています。
 みなさまのご親切に接し、ありがたいことだと感謝しています。
 「点字・拡大文字付 百人一首〜百星の会」のみなさま、もう少しお待ちください。
 また、この記事をご覧になった方で、触る聞くということを中心とする須磨行きに関して、おもしろい訪問地や楽しいアイデアなどをお持ちでしたら、本ブログのコメント欄などを利用してご教示いただけると幸いです。
 
 
 

posted by genjiito at 23:53| Comment(0) | ■視覚障害

2017年06月11日

京洛逍遥(448)白川通から真如堂を経て神楽岡通へ

 慌ただしかった日々に疲れ切った身体を休めるため、初夏の緑を浴びに真如堂へ行きました。
 バス停「真如堂前」を降りて東参道から入りました。

170612_sinnyodo1.jpg

170612_sinnyodo2.jpg

 本堂の裏手から入ったこともあり、まずは見ごろの紫陽花と対面です。

170612_sinnyodo3.jpg

 緑の木立の中に本堂はたたずんでいます。

170612_sinnyodo4.jpg

 本堂左手前では、沙羅がもうすぐ花開くところでした。

170612_sara.jpg

 インドの話では、お釈迦様が最後の説法をした後、頭を北にして沙羅の木の間に横たわって入寂された、と言われています。日本の沙羅は夏椿で、インドのものとはまったく別物だそうです。『平家物語』の「沙羅双樹」はどのような花だったのでしょうか。

 本堂右手前の菩提樹は、黄色の花を咲かせていました。

170612_bodaijyu.jpg

 見ごろは10日ほどの間だとのことなので、見るのは来週一杯なら大丈夫でしょうか。お釈迦さまは、菩提樹の下で悟りを開かれました。ただし説明によると、日本とインドでは植物の分類が異なる、違う木だそうです。これも、翻訳・意訳の世界のようです。

 去来の句碑を見かけました。
 変体仮名に敏感になっている私は、最初の「念仏可南」の「南」の文字が気になりました。鎌倉時代を中心にして写本を読んでいる私は、ほとんどこの「南」という変体仮名に出会わないからです。近世ではよく使われるのでしょうか。

170612_kyorai.jpg

 陽成天皇陵、吉田山荘、後一条天皇陵と、神楽通をブラブラしていると、たまたま黎明協会資料研修館で「琳派展 2017」をやっているのを見かけました。思いがけず、光悦や光琳の絵や書を堪能することができました。

170612_rinpa1.jpg

170612_rinpa2.jpg

 伝宗達筆『源氏物語図』(「蛍」、次の写真はホームページより)は、屏風絵の断簡です。

170612_genjie1.jpg

 また、屏風絵の1部として「若菜上」も所蔵されているようです(写真はホームページより)。

170612_genjie2.jpg

 歌仙絵も、楽しい出会いとなりました。いいものを拝見できました。琳派の茶道具も見られます。明治27年に刷られた『光琳百図』とその版木も、興味深いものでした。
 ここは、2004年に開館した新しい美術館です。閑静な住宅地の中にあり、ゆったりと展示作品が見られるので、散策の途中で寄るのにいいと思います。

 最近注目されている、吉田山山頂にあるカフェ「茂庵」まで足を延ばしました。神楽岡通から山道を15分ほど歩いて登ります。
 途中で、送り火で知られる如意ヶ岳の「大」の字がきれいに見えました。

170612_daimonji.jpg

 また、ここには、大正時代の長屋風の文化住宅群も現存しています。

170612_jyutaku.jpg

 茂庵へは、この狭い入口からまだまだ山を登ります。

170612_moan1.jpg

 茂庵までの山道の途中には、瀟洒なお茶室がいくつかありました。

170612_tyasitsu.jpg

 ようやく辿り着いた茂庵は、山小屋風の風情があります。

170612_moan3.jpg

170612_moan4.jpg

 多くの方々が待っておられるので、どれくらい待つか思案のしどころです。1時間以上はざらだとのことなので、またいつか、ということにして下山しました。

 ちょうどお昼時だったので、吉田山を下って今出川通り沿いにある進々堂京大北門前店でランチをいただきました。ここは、いつ来ても大学生活の匂いがします。
 朝から半日、いつもとは違う世界を散策することができました。
 
 
 
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2017年06月10日

日比谷での源氏講座で香道の話を聞く

 本年度2回目の勉強会です。
 今日は、私が国文学研究資料館に在職していたとき、総合研究大学院大学の大学院生として精力的に研究を続け、今春めでたく博士(文学)の学位を取得された武居雅子さんに、ゲストとして来ていただきました。武居さんの学位論文は、文学が香道の世界に受容され、また実践の場で再構成されていく様を、実証的に考察したものです。この問題では、武居さんと一緒に京都や大阪を実地踏査したりするなど、いろいろと貴重な体験をしたことが思い出されます。

「京洛逍遥(316)京都における香道関係の調査に同行」(2014年04月25日)

「難波八坂神社の綱引き神事」(2014年04月27日)

 その成果が学位に結びつき、嬉しいことこの上もありません。
 今日は短い時間ながら、「『源氏物語』と組香」というテーマで、その研究の一端をお話していただきました。新しく博士になった方の話は、新鮮な活力が伝わってきます。
 「若紫香」を例にして、わかりやすい話でした。終わってから、次々と質問があったのは、参会者のみなさんが興味深く聞き、内容をよく理解なさったからです。非常に刺激的な時間となりました。
 私が、京都新聞に連載されている京言葉で訳した『源氏物語』の資料を使って、余計な話をいつものように長々としたために、本来の写本を読む時間は短いものとなりました。
 それでも、おもしろい指摘を受けたので、ここに記し留めておきます。それは、武居さんからいただいたもので、「て」の字母は「天」か「弖」かという、最近もこのブログで取り上げた問題につながるものです。
 写本を元にして私が「〜里て」と翻字した箇所について、この写本の筆者は「里」の次に書く「て」は、「く」のような文字を書く癖があるのではないか、というものでした。このことは、私も気付かなかったことです。そう言われてみると、確かにその前後ではそうした傾向が伺えます。これは、改めて確認する価値のあることです。
 このことは、書写された文字の字母を、さらに詳しく調べることとなります。今すぐに調べられないので、近日中に調査結果をお知らせします。
 講座が終わってから、私が新幹線で帰るまでの間、地下のレストランで軽食をいただきながら懇談をすることになりました。さまざまな話題が飛び交い、楽しい時間となりました。
 
 
 


posted by genjiito at 22:52| Comment(0) | ◎NPO活動

2017年06月09日

視覚障害者と共に須磨を散策する計画に関してご教示を

 現在、「点字・拡大文字付 百人一首〜百星の会」のみなさまと一緒に、須磨周辺を散策する計画を練っています。
 日時は、今夏7月22日(土)の午後です。参加者は20名〜30名で、実際に目が不自由な方は15名ほどです。
 この日はその後、「神戸・しあわせの村」で「点字・拡大文字付 百人一首〜百星の会」の合宿が計画されています。

 2年前の嵯峨野での宿泊研修の様子は、次の記事で紹介した通りです。
「京洛逍遥(375)嵯峨野で「点字付百人一首」を楽しんだ後は時雨殿へ」(2015年08月31日)

 「百星の会」の方からは、
須磨を観光し、『源氏物語』の舞台とされる場所を、肌で感じ・触れたい!

という希望があり、その実現のためにいろいろとプランを考えているところです。
 事務局では、「源光寺〜須磨の海岸」の散策を考えておられます。それをさらに充実したものにしたいと思い、情報を収集しているところです。

 今は、須磨琴(一弦琴)をみなさんと聞けないか、ということで調べています。
 保存会などがあるようです。しかし、その方面に知人がいないこともあり、今回のような目的に対応していただくことが可能なのかも含めて、どなたかご教示いただけませんでしょうか。保存会に直接お電話で相談を、とも考えました。しかし、もう少し情報を集めてから、と思っているところです。

 また、今回は単なる須磨散歩ではなく、手で触るものがあったり、音も楽しめることが重要です。そのためにも、現地を下見するつもりです。そうであっても、触ることによって、聞くことによって、『源氏物語』や『百人一首』や日本の古典文化が感じられるものについて、事前に調べておこうと思っています。

 例えば、関守稲荷神社には、百人一首にも採録されている源兼昌の「淡路島かよふ千鳥の鳴く声にいく夜寝覚めぬ須磨の関守」の歌碑があるようです。これは、目の見えない方が触れるのか、また触ることができたとして、その感触はどのようなものなのか等々。

 こうした視点で須磨を散策する上で、ご存知の範囲でアドバイスをいただけると幸いです。

 関西にお越しのみなさまに、触る楽しさを通して日本の古典文化に接し、楽しんでいただける旅の演出をしたいと思っているところです。これも、観光学の実践的なテーマとなるものなのでしょう。
 大阪観光大学という新しい職場に身を置き、私自身の物の見方が変わったように思います。大きな収穫です。
 今回の観光のための計画立案に、いろいろな分野の方からのご協力やご教示をいただけると幸いです。
 
 
 
posted by genjiito at 21:10| Comment(1) | ■視覚障害

2017年06月08日

第6回池田亀鑑賞授賞式と記念講演会-2017

 6月24日(土)の午後1時から、鳥取県日野郡にある日南町総合文化センターで、第6回池田亀鑑賞授賞式と記念講演会を開催します。
 ポスターができあがりましたので、ここに掲示します。


170608_kikan1.jpg


170608_kikan2.jpg


 当日は、以下の内容で進行していきます。

第1部池田亀鑑賞授賞式と記念講演会
 演題「斎宮という女性−『源氏物語』が描く、とある皇女の物語−」
     愛知県立大学准教授 本橋裕美氏

第2部 特別講演
 演題「池田亀鑑文学碑『たゞ至誠にあり』の由来」
     ノートルダム清心女子大学准教授 原豊二氏

第3部 鎌倉時代の『源氏物語』古写本「若紫」巻を読み、池田亀鑑を追体験する
     大阪観光大学教授 伊藤鉄也


 山間地の緑豊かな町で、少しだけアカデミックな催しを、池田亀鑑文学碑を守る会や町民のみなさまと一緒に、こうして回を重ねてきました。
 6回目となる今回も、盛りだくさんの内容です。
 興味と関心をお持ちの方々のご参加をお待ちしています。

 これまでのこの集まりの様子は、以下の記事で確認していただけます。

第0回
「小さな町を揺るがした池田亀鑑の1日」(2010年03月13日)

第1回
「盛会だった池田亀鑑賞の授賞式」(2012年03月10日)

第2回
「第2回池田亀鑑賞授賞式と記念講演会」(2013年06月22日)

第3回
「第3回池田亀鑑賞授賞式」(2014年06月29日)

第4回
「第4回池田亀鑑賞授賞式と講演会」(2015年06月27日)

第5回
「第5回池田亀鑑賞授賞式と講演会」(2016年10月01日)
 
 
 
posted by genjiito at 21:45| Comment(0) | □池田亀鑑

2017年06月07日

いまだに両足の調子がよくないこと

 昨年の7月下旬に、電車から降りるときに左足を挫きました。その後、剥離骨折とわかり、毎週のように通院しました。

 これまでの骨折と疣に関する経過を、記録として整理しておきます。

--------------------------------------
「江戸漫歩(130)移転した九段坂病院と皇居のお堀に咲く蓮」(2016年07月07日)

「突然の左足首の捻挫で1日が止まる」(2016年07月27日)

「江戸漫歩(135)九段坂病院から望む皇居北の丸公園」(2016年07月29日)

「左足首捻挫は骨折だとわかりギプス生活に」(2016年07月30日)

「やっと足のギプスが外れました」(2016年08月31日)

「整形外科で更年期障害と言われても……」(2016年09月28日)

「江戸漫歩(142)九段会館と九段坂病院」(2016年10月18日)

「インドへ行く前に身体検査をしています」(2016年11月02日)

「こまめな通院をと警告されて」(2016年11月25日)

「江戸漫歩(149)九段坂病院の案内表示のこと」(2016年12月22日)

「江戸漫歩(150)交番横の案内図と蕃書調所跡と九段坂病院」(2017年01月17日)
--------------------------------------

 こうした経過でありながら、まったく回復しないままに東京を離れました。

「江戸漫歩(155)これまでのご厚誼に感謝して巡礼中」(2017年03月24日)

「身体を切り刻んで生きています」(2017年04月18日)


 いまだにまったくよくならず、いまだに足首が熱っぽくて困っています。

 それに加えて、昨秋から右足の指先の疣に悩まされ、これまた、いまだによくなりません。病院でいただいた2種類の薬を毎日塗っています。「オキサロール軟膏25」と「5%サリチル酸ワセリン軟膏」です。しかし、それでも良くなりません。
 最近は、また別の所に疣ができたようです。

 再来週、疣に関しては病院に予約してあるので行ってきます。現状を説明して、新しい対処をお願いするつもりです。

 左足の骨折の後遺症については、また別の病院を探しているところです。
 ささいなことながら、長く続くと何かと負担になります。

 お茶のお稽古のときは、両足をかばって正座をしたり、胡座をかいたりと、いろいろと手を変え品を変えして、ごまかしながらやっています。特に、立ち上がるときにふらつくので、引っ繰り返らないように気をつけています。

 そして極めつけは、両足を庇うせいもあってか、腰が痛くなり、身体の節々が軋み出します。

 なかなか思うようにならない症状に困惑しつつも、自分自身と適当に付き合うようにしています。
 無理な姿勢をとらないことを肝に銘じて、元気よく踏み出さないことを心がけています。
 何でもないことが、気になりだすと、何でもなくなってきます。
 身体がみせる微妙で不思議な体験が、今も日々続いています。
 
 
 
posted by genjiito at 22:56| Comment(0) | *健康雑記

2017年06月06日

300年経つ雲南省の茶の木の紅茶をいただく

 大阪観光大学での午後のひと時を、王静先生の研究室で贅沢なお茶をいただきながら、いろいろなお話をして過ごしました。
 さすが、お茶の研究者だけに、詳しい中国茶の説明や、奥の深い茶葉についての話がうかがえました。

 白茶を初めて飲みました。茶葉は、円盤型に固めてあります。甘味のある薫り豊かな優しいお茶でした。

170606_hakucha1.jpg

170606_hakucha2.jpg

170606_hakucha3.jpg

170606_tea.jpg

 300年前の雲南省の紅茶もいただきました。これは、貴重な喫茶体験です。王先生も、あまりにも貴重な茶葉なので、ずっと大事にしていて、今日初めて淹れるとのことでした。

170606_chaba-300nen.jpg

170606_300nen.jpg

 得難い体験を共にすることができました。ありがとうございました。

 大学の研究室棟の補修工事も、そろそろ終わりです。部屋の外周を覆っていた足場が撤去されたので、やっとベランダに出ることができるようになりました。
 私の研究室から関西国際空港を望むと、沖には淡路島が蜃気楼かと見紛うほどに、陸地と海の境目が浮き上がっていました。これは、何だったのでしょうか? 不思議な光景でした。

170606_rinkuu.jpg 
 
 
posted by genjiito at 22:36| Comment(0) | ◎国際交流

2017年06月05日

科研のアルバイト募集(「海外へいあんぶんがく情報」に関する情報の収集整理)

 「海外源氏情報」(http://genjiito.org)の成果を引き継ぎ、さらに充実した情報群としての「海外へいあんぶんがく情報」をまとめたいと思います。

 そこで、平成29年度の科研費・基盤研究(A)で新規採択された、研究課題「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(課題番号︰17H00912)に関するアルバイトを若干名募集します。

 今回は、JR 関西空港(阪和)線の日根野駅から徒歩20分の所にある、大阪観光大学(大阪府泉南郡熊取町大久保南5-3-1)に通勤してアルバイトができる方です。
「大阪観光大学へのアクセス」

 仕事の内容は、世界各国における〈平安文学〉の研究状況に関する実態調査(研究機関・研究者・研究成果・翻訳書等)を実施し、それを基にして、調査・収集した資料を整理し、海外における受容と研究の歴史を総合的に整理する研究支援をしていただくものです。
 具体的には、〈平安文学〉が海外において、誰がどのようにして受容・研究・翻訳されているのかを調査し情報を整理して、共同討議の基礎資料を作成していただきます。
 こうして得られた情報は、ホームページ「海外へいあんぶんがく情報」を通して発信します。新しいホームページは、現在作成が進行しています。

 今回の科研の概要については、以下の記事を参照してください。

「今年度の科研で「海外の平安文学」が採択(内定)となりました」(2017年04月05日)

「新規科研の開始にあたって1(翻訳された『源氏物語』の言語数)」(2017年04月06日)

「新規科研の開始にあたって2(翻訳文献と関係論文の点数と到達目標)」(2017年04月07日)

「新規科研の開始にあたって3(学術的な特色・独創性・成果・意義)」(2017年04月12日)

「新規科研の開始にあたって4(おおよその研究計画とその方法)」(2017年04月19日)

「新規科研の開始にあたって5(平成29年度の研究計画)」(2017年04月20日)

 このアルバイト募集は、研究課題の基礎資料となる情報群を、大阪観光大学に来ていただき、研究支援室で印刷物から情報を抜き出したり、インターネットを駆使してデータ収集と整理をしていただくものです。年齢や性別は問いません。
 情報の調査収集に使用するパソコンはマッキントッシュです。ウインドウズではありません。使い方は、最初に説明します。使用するソフトウェアは、「エクセル」と「ワード」が中心であり、「エバーノート」を併用します。

 時給は900円で、交通費は相談とします。
 勤務日は、水曜日と木曜日の13時から17時まで。
 海外の英語サイトが読める程度の英語力と、簡単な英文メールが書ける程度は、仕事内容の関係で必要です。

 情報の渦の中から、今回の課題に適合するデータをすくい上げる仕事に興味がある方で、かつ多言語に興味がある方の応募を、心待ちにしています。

 このアルバイトに興味をお持ちの方は、このブログのコメント欄を通して、簡単な自己紹介と共に連絡をいただければ、私からあらためて具体的に説明するなり、直接お目にかかってご説明いたします。
 4年前のアルバイト募集がそうであったように、多くの方からの応募が予想されます。2週間たっても何も返信がない場合は、その旨をご連絡ください。何かとバタバタするばかりの日々の中で私一人で対応するため、失礼も多々あろうかと思います。対応の不手際についてはご寛恕の程を、よろしくお願いいたします。
 
 
 

posted by genjiito at 20:59| Comment(0) | ◎国際交流

2017年06月04日

お茶のお稽古に行く大和路の道々が小旅行になる

 近鉄特急を使って、大和平群にお茶のお稽古に行きました。新しい車輌だったので、いろいろと工夫がなされていました。
 まず、座席番号が点字でも刻印されています。しかも、指先をパネルに普通に乗せるだけで触読できるフラットタイプです。

170604_tenji.jpg

 一般的には、指先を垂直に立てて触読しようとするものが多いので、手首がつって痛くなります。エレベーターや駅などでは、ほとんどがそうです。目の見えない方々の手首に優しい配慮が、これまではあまりなされていませんでした。垂直タイプは、肉体的な苦痛を伴います。それを、この近鉄では、よくわかっている方が作られたようです。
 このことは、これまでにも指摘してきました。

「バリアフリーやユニバーサルデザインから学ぶこと」(2014年11月28日)

「駅のホーム等で点字表示が改善されています」(2016年01月24日)

 自分で点字を実際に触るとわかることです。親切の押し売り、という側面があったと思っています。また、目の見えない方々も、好意からのものであることがわかっているので、こうしてほしいという注文は控えておられたように見受けられます。
 点字を貼り付ける位置は、垂直な面での表示から、傾斜のある面か水平に近い面にすべきだと思います。その意味でも、この近鉄電車の点字は、適切な表示方法になっています。

 また、座席の前の面にも工夫があります。傘を固定するゴムバンドです。これは、雨の日には助かります。
 さらには、電気のコンセントも、一人に一つずつあります。

170604_double.jpg

 これまでは、コンセントがあっても一つでした。次の写真は、今日乗った帰りの特急のものです。

170604_ac-power.jpg

 コンセントがシートに一つずつあると、携帯電話の充電切れで、いざという時に、隣の人に気を使わなくてすみます。

 お稽古のお茶室で、床に飾ってあった今日のお花の一つが「未央の柳」でした。『源氏物語』の「桐壺」巻では、白居易の「長恨歌」に出てくる言葉としてこれが引かれています。しかし、その名を冠した花を、私は見たことがありませんでした。江戸時代に中国から渡来した花のようです。
 先生のお宅の庭から塀越しに咲きかかっていたので、黄色い花を咲かせている「未央の柳」を撮しました。

170604_biou.jpg

 今から36年も前に、「絵に描ける楊貴妃考 −桐壷巻における別本の位相−」という論文を『王朝文学史稿 第9号』(1981年)に発表しました。その後、『源氏物語受容論序説』(桜楓社、平成2年)にその論文を収録して刊行しました。それなのに、これまでに「未央の柳」というものがあることはもちろん、それを実際に見たことがなかったのです。見ていても、それと気づいていませんでした。『源氏物語』の解釈には関係しないものの、お話をする際の逸話にはなります。
 先の論考では、さまざまな異本や異文を調べて論文として仕上げました。『源氏物語』の本文では、次のように語られている所です。

 絵に描ける楊貴妃の容貌は、いみじき絵師といへども、筆限りありければ、いと匂ひ少なし。
 太液の芙蓉、未央の柳も、げにかよひたりし容貌を、唐めいたるよそひは麗ししうこそありけめ、懐かしうらうたげなりしをおぼし出づるに、花鳥の色にも音にも、よそふべき方ぞなき。」(伊藤・須藤編『池田本『源氏物語』校訂本文「桐壺」[第1版]』小見出し〔38〕、26頁)


 鎌倉時代の『源氏物語』の注釈書である『原中最秘抄』では、藤原行成による自筆の『源氏物語』には、「未央の柳」という一句がミセケチになっていたというのです。この「未央の柳」という語句を持つ本、持たない本、そしてその語をミセケチにしている本など、いろいろな本文が伝わって来ているのです。

 こうして、いろいろな見聞を経て、少しずつ作品の理解が深まっていくことを実感するようになりました。それが、この頃は楽しくなってきています。

 このところ、季節の変わり目ということもあってか、身体が疲れ気味です。帰りも、少し贅沢をして近鉄特急に乗りました。
 車窓からは、大阪湾に沈む夕陽が山際を燃やしているのが見えました。

170604_yuuhi.jpg

 東寺の五重塔の背景も、あざやかな朱に染まっていました。

170604_touji.jpg

 ささやかながら、お稽古に行く道々が楽しい小旅行となりました。
 
 
 
posted by genjiito at 22:03| Comment(0) | ・ブラリと

2017年06月03日

京洛逍遥(448)第8回 京都吉田山大茶会に行く

 風が肌寒く感じられる一日でした。
 京都大学の裏手にある吉田神社で、世界の名茶がいただける大茶会がありました。

170603_poster.jpg

170603_tea-list.jpg

170603_sandou.jpg

170603_keidai1.jpg


 大阪観光大学で同僚の王静先生は、お茶の研究で大阪市立大学から学位を取っておられます。私の科研で研究分担者になっていただき、お茶の話で盛り上がったこともあり、境内で待ち合わせをしました。ちょうど、京都大学のダニエル・ミルン先生もご一緒だったので、紹介していただきました。これから、お茶をテーマにした研究を一緒にしたいと思っています。

 境内には、所狭しとお茶のコーナーが出ています。今年は、35店もの出店があります。
 中でも、軽トラックの荷台をお茶席にした野点は、ひときわ目立っていました。
 釜を吊り下げているのがツルハシなのです。これはアイデアです。

170603_otemae.jpg

 別のテントの下では、ウーロン茶を淹れる手つきもみごとです。

170603_tea.jpg

 能管の音が、境内に響き渡っていました。

170603_noukan.jpg

 ダニエル先生に勧められた宮崎茶房「有機釜炒り茶」と、みとちゃ農園の「いろは」を、ゆったりとした気分で試飲しました。

 今回、ルイボスティと柚子のウーロン茶を買いました。

170603_ruibos.jpg

170603_yuzu.jpg

 ルイボスティは、以前もこの大茶会でいただいたことを思い出し、過去のブログからこの大茶会のことを書いた記事を探しました。ありました、ありました。今から7年前の、ちょうどこの時期です。

「京洛逍遥(144)吉田山大茶会」(2010年06月06日)

 今日の様子と見較べると、おもしろいことがいろいろとわかって楽しいものです。
 
 
 

posted by genjiito at 23:30| Comment(0) | ◎国際交流

2017年06月02日

翻訳本『源氏物語』の展示は《中国・韓国・インド編》に衣替え

 昨日、暦の上での衣替えよろしく、大阪観光大学で開催中の翻訳本『源氏物語』の展示替えをしました。
 これは、先月から開催している展示の、第2弾となるものです。


170601_tenji6.jpg


 今回は、中国・韓国・インドで刊行された『源氏物語』の翻訳本に限定して、28冊を並べました。
 ガラスケースの左側が中国語の翻訳本です。あまりにも多いので、所狭しと並んでいます。実際には、まだまだあります。今回は、これだけにしました。



170601_tenji7.jpg




 右側のケースには、韓国とインドで刊行された翻訳本が並んでいます。




170601_tenji8.jpg




 このケースの右半分が、8種類のインド語で翻訳された『源氏物語』です。その8種類の表紙絵すべてを並べるのは、今回が初めてです。一部、表紙がない本はコピーで補いました。それでも、こうしてインド語で刊行されたことが確認できる翻訳本のすべてを展示できたのは、これまでにご協力いただいた皆様のご理解があってのことです。ありがとうございます。

 韓国とインドの結界には、夏らしく涼しそうな、ガラスの置物を4個並べてみました。
 また、展示ケースの中央には、各翻訳本の表紙絵を説明したA4版4頁のプリントを置きましたので、ご自由にお持ち帰りください。

 今回の展示をご覧になれない方のために、この説明文を以下に引いておきます。

         《世界中の言語に翻訳された『源氏物語』》
              中国・韓国・インド編
 
                   平成29(2017)年6月1日〜30日
                    於:大阪観光大学 図書館3階

 今回の特設コーナーでは、翻訳本『源氏物語』の表紙デザインの多彩さを楽しんでいただけるような選書をしました。
 各国で『源氏物語』がどのように受容されているか、という視点でご覧いただけると幸いです。

【『源氏物語』が翻訳されている33種類の言語】
 アッサム語(インド)・アラビア語・イタリア語・ウルドゥー語(インド)・英語・エスペラント・オランダ語・オディアー語(インド)・クロアチア語・スウェーデン語・スペイン語・スロベニア語・セルビア語・タミル語(インド)・チェコ語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・テルグ語(インド)・ドイツ語・トルコ語・現代日本語・ハンガリー語・韓国語・パンジャービー語(インド)・ヒンディー語(インド)・フィンランド語・フランス語・ベトナム語・ポルトガル語・マラヤーラム語(インド)・モンゴル語・リトアニア語・ロシア語
 
 

☆中国☆


◯中国語訳(1993年)
 豊子ト 訳
 与謝野晶子・谷崎潤一郎などが訳した『源氏物語』を中国語に翻訳したものと推測されている。
 表紙は銀色の地に金色で『絵入源氏』の絵(右上から「総角」の2場面・「浮舟」・「若紫」・
「賢木」・「関屋」)が描かれている。

◯中国語訳(1996年)
 殷志俊 訳
 表紙は伊藤小坡『伊賀のつぼね』(猿田彦神社内 伊藤小坡美術館蔵)である。後醍醐天皇の妃である阿野廉子の御所に亡霊が出るとの噂が立ち、6月の夜に真偽を確かめるために、伊賀局が庭に出ている姿である。

◯中国語訳(1998年)
 林文月 訳
 主に『日本古典文学全集』を中国語に翻訳したものである。表紙は梵谷油畫局部によるあやめの絵である。

◯中国語訳(2001年)
 黄锋华 訳
「世界文学名著系列シリーズ」の1つで、表紙はボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』である。

◯中国語訳(2001年)
 豊子ト 訳
 与謝野晶子・谷崎潤一郎などが訳した『源氏物語』を中国語に翻訳したものと推測されている。
 表紙は徳川美術館蔵『国宝源氏物語絵巻』「東屋一」である。

◯中国語訳(2001年)
 林文月 訳
 主に『日本古典文学全集』を中国語に翻訳したものである。表紙は画家の郭豫倫により、薄紫色の地に白色で葵の葉と思われる絵が描かれている。

◯中国語訳(2002年)
 梁春 訳
 表紙は上村松園『草子洗小町』である。

◯中国語訳(2002年)
 夏元清 訳
 表紙は衣冠束帯姿の男性と、おすべらかしを結った女性の絵である。

◯中国語訳(2004年)
 豊子ト 訳
 与謝野晶子・谷崎潤一郎などが訳した『源氏物語』を中国語に翻訳したものと推測されている。
 表の表紙は『絵入源氏』「宿木」巻で宇治の中君が月を見ている場面、裏表紙は同書の「紅葉賀」で光源氏が青海波を舞う場面である。

◯中国語訳(2006年)
 姚继中 訳
 表紙には銀色の地に赤紫色でタイトルと絵が描かれている。絵は土佐光吉・長次郎『源氏物語画帖』「夕顔」巻(京都国立博物館蔵)で、タイトルで顔が隠れているのが光源氏と見送りに出た中将の君、左下が六条御息所と思われる。

◯中国語訳(2006年)
 鄭民欽 訳
 底本に『日本古典文学大系』を用いた、古典からの翻訳である。表紙は「匂宮」巻かと思われる。

◯中国語訳(2008年)
 彭飛 等 訳
 田辺聖子『新源氏物語』を中国語に翻訳したものである。表紙は土佐光起『源氏物語図屏風』
「若紫」巻で、箱に入っているものに関しては外箱も同じ絵が使用されている。

◯中国語訳(2010年)
王烜 訳
 表の表紙は「若紫」巻で、裏表紙は「朝顔」の巻を加工したものである。

◯中国語訳(2010年)
 姚继中 訳
 表紙は徳川美術館蔵『国宝源氏物語絵巻』「宿木二」である。

◯中国語訳(2010年)
 鄭民欽 訳
 底本に『日本古典文学大系』を用いた、古典からの翻訳である。表紙はひな人形の写真である。

◯中国語訳(2012年)
 康景成 訳
 1巻の表紙は徳川美術館蔵『源氏物語絵巻』「柏木三」(復元図)で、光源氏が生まれたばかりの薫を抱いている場面である。2巻は同絵巻の「蓬生」で光源氏が惟光と末摘花のいる常陸宮邸に行く場面である。
 
 

☆インド☆


◯アッサム語訳(インド・2005年)
 アトゥール・チャンドラ・ハジャリカ訳
 サヒタヤ・アカデミーが企画した、アーサー・ウェーリーの重訳の1冊。表紙は青地にサヒタヤ・アカデミーのマークがついている。

◯ウルドゥー語訳(インド・1971年)
 サイド・エヘテシャーム・フサイン訳
 サヒタヤ・アカデミーが企画した、アーサー・ウェーリーの重訳の1冊。本来の表紙は薄橙色に橙色でタイトルとサヒタヤアカデミーのマークが入っている。

◯オディアー語訳(インド・1984年)
 プラバーサ チャンドラ サタパティー訳
 サヒタヤ・アカデミーが企画した、アーサー・ウェーリーの重訳の1冊。表紙は深緑色の地に、五島美術館蔵『国宝源氏物語絵巻』「鈴虫二」で夕霧が笛を吹いている絵が貼り付けられている。

◯タミル語訳(インド・2002年)
 K.アッパドライ訳
 サヒタヤ・アカデミーが企画した、アーサー・ウェーリーの重訳の1冊。紙は太陽と金閣寺を背景にした、近世風の男女の絵。この絵は歌川芳虎『都名所源氏合 金閣寺桜の遊覧』からの影響が感じられる。

◯テルグ語訳(インド・1962年)
 N. V. R. クリシュナマチャーリヤ訳
 サヒタヤ・アカデミーが企画した、アーサー・ウェーリーの重訳の1冊。表紙は橙色の表紙に、和服を着た女性が立っている絵である。

◯パンジャービー語訳(インド・2001年)
 ジャジット・シン・アナンド訳
 サヒタヤ・アカデミーが企画した、アーサー・ウェーリーの重訳の1冊。表紙は一楽亭栄水の『美人五節句』のうち『扇屋内さかき わかは』を加工したものである。

◯ヒンディ−語訳(インド・2000年)
 C.パンディ訳
 サヒタヤ・アカデミーが企画した、アーサー・ウェーリーの重訳の1冊。表紙は『枕草子絵詞』第一段で中宮定子と対面する、妹の藤原原子(淑景舎)の姿をモデルに加工したもの。

◯マラヤーラム語訳(インド・2008年)
 P.Kイッパン訳
 サヒタヤ・アカデミーが企画した、アーサー・ウェーリーの重訳の1冊。表紙は、国際聚像館(広島県福山市の坂本デニム株式会社が創設した美術館)が所蔵する、『源氏物語挿絵貼屏風』(六曲一双)「初音」巻と類似した絵である。
 
 

☆韓国☆


◯韓国語訳(1999年)
 田溶新 訳
 底本に『日本古典文学全集』を用いた古典からの翻訳である。表紙に、『源氏物語』「須磨」の場面を描いた植村佳菜子の画・伊藤鉄也所蔵の源氏絵を切り抜いて反転したものを配している。

◯韓国語訳(2007年)
 金蘭周 訳
 瀬戸内寂聴『源氏物語』を韓国語訳したものである。全10巻の表表紙は石踊達哉の絵、裏表紙は『源氏物語扇面散屏風』が使用されている。

◯韓国語訳(2014年)
 李美淑 訳
 底本に『日本古典文学全集』を用いた古典からの翻訳である。翻訳だけでなく、『源氏物語』や平安時代を理解するための基礎知識と、「桐壺」〜「花宴」までの内容の解説も掲載されている。
表紙は藤原為相筆『源氏物語古系図断簡』(東北大学蔵)である。

◯韓国語訳(2015年、2016年)
 朴光華 訳
 底本は『日本古典文学全集』(小学館、1989年第25版及び1970年初版)を用い、古典からの翻訳をしている。『源氏物語』の本文に韓国語訳と韓国語での注釈をつけている。「桐壺」巻が2015年、「夕顔」巻が2016年に出版されている。表紙は黒地に白字と赤字でタイトルが書かれている。



 この展示に関するポスターが、今日から大学の近くにある熊取駅の構内に掲示してあります。大学からの帰りに、いつもの日根野駅には向かわず、20年前に通っていた熊取駅への道をたどりました。まったく、不思議なほどに道々の風景に記憶がありません。それだけ、この地域が様変わりしたのです。

 駅の構内にある「くまとりギャラリー」に、翻訳本の展示を知らせるポスターが、2枚をつなげて掲示してありました。事務の方がいろいろと配慮をしてくださったおかげで、こうして実現したのです。ありがとうございました。

170601_kumatori.jpg

 次は、隣の日根野駅に掲示される日を心待ちにしています。
 さらに今後は、天王寺駅・関西空港駅・和歌山駅などにも掲示していただきます。
 このポスターが、一人でも多くの方の目に留まり、日本文学と翻訳本との出会いの場になればと願っています。
 
 
 
posted by genjiito at 13:48| Comment(0) | ◎国際交流

2017年06月01日

オイオイ!!と思うこと(2)

■人迷惑な公共フリーWi-Fi■

(1)街中でフリーWi-Fiサービスになかなか接続できず、そうこうする内にその地域を離れる時はがっかりです。すんなりとつながってしまっては、セキュリティの問題があるにしても、もっと簡単につながると助かります。

(2)スマホを使っている時、街中のフリーWi-Fiスポットに勝手につなげようとして、自動的に電波を探し回ります。そして、スマホの機能が一時的に停止します。余計な親切に困っています。大慌てでわざわざWi-Fiを切る手間が面倒です。

(3)地下鉄の中でも、スマホがネットを探し続けるので、その間はスマホが使えなくなります。おもむろに、Wi-Fiをわざわざ切る手間が面倒です。これは、京都でも、東京でも同じです。ありがた迷惑です。

(4)新幹線の車内で文章を書き、ウェブ上にアップロードして同期や保存をしようとしたその時です。なんと運悪くトンネルに入ったりして、通信が途切れることを何度も経験しています。肝心な時に、という典型です。

(5)バス停で表示される、次に来るバスの運行案内は正確でないことがままあります。それよりも、スマホのアプリが正確なことが多いようです。次の写真は、京都市営バスの接近情報サービス「ポケロケスマートフォン」の画面の一部です。

170531_pokeloke1.jpg

170531_pokeloke2.jpg
 
 
 

posted by genjiito at 07:00| Comment(0) | *身辺雑記