年末ということもあり、多くの仕事に追われています。
今日のお昼までが締め切りだった原稿がありました。
朝7時には点検と確認を終えました。
送る相手がWindowsユーザーなので、エンコードをMacintoshからWindowsに変換します。
私は、ワープロといわれるソフトウェアは使いません。
文章はすべて、エディタと言われる文字列を入力することに特化したソフトを使っています。Macintoshユーザーである私は、「Jedit」というエディタを愛用しています。
相手がWindowsユーザーの方の場合には、求めに応じてワードなどにコピーして、ワード文書として送ることが多いのです。私がワードで文章を書くことはほとんどありません。あくまでも、もらったワード文書を読む時と、相手にワード文書で渡す必要がある時だけに使います。
今回は、より確実にと思って、プレーンテキストで送ることにしたのが躓きの始まりだったのです。
最近は、Macintosh では手も足もでない一太郎の文書を送ってこられる方は激減しました。しかし、まだ一太郎の文書を送ってこられる方がいらっしゃるので、世の中は全員が Windows ユーザーではないのに、と思うことがあります。異文化間コミュニケーションの溝の深さを痛感する時です。
コンピュータのことをよく御存知の方には、Mac のファイルでも読んでもらえます。しかし、普通に Windows だけで仕事をしておられる方には、一々Mac から Win の形式にエンコードの変換をしないといけないようです。
Windows では、Macのファイルは、普通では読んでもらえないからです。文字化けして読めない、という連絡をもらうので、今でもWindows は Mac を排斥しているOSなのでしょう。みんな平等に情報を交換するためにも、違いや多様性を認める寛容性がほしいものです。
もし、最近はWindows もかつてのような独善的ではなくなっている、ということであれば、思い違いをお詫びします。とにかく、私は Windows の画面を見ることも毛嫌いしているので、Windows がどれだけ進歩しているのかよくわかりませんし、わかろうともしていません。今はWindows も改心している、ということであれば、私の思い過ごしはご寛恕のほどを。
さて、テキストのエンコードを変換し、メールに添付して送り終えた時に「あれっ」と思いました。添付文書のファイルの容量が小さすぎるのです。
その、送ったテキストを手元で確認して、まさにのけ反りました。
文書の中身が「?」のオンパレードなのです。
いろいろとエンコードを切り替えて試しても、元の日本語にはもどりません。時間ばかりが過ぎていきます。
目の前が真っ暗になり、頭の中が真っ白になり、その行きつ戻りつの中で「落ち着け、間に合うから」と自分を鼓舞していました。
やがてデータの復元は諦めて、昨日の夕方印字していたプリントを取り出し、スキャナで読み取ったPDFファイルから文字列を取り出して、あらためてテキストファイルを作り直しました。
そして、それに再度手を入れて、ほぼ最終版と同じものに仕上げました。
一晩かけて練り上げた文章を、また最初から手を加えていくのです。投げ出したくなる思いをぐっと押し留めて、一度仕上げたはずの文章を思い出しながら、言葉をもう一度紡ぐ作業を根気強く続けました。
そんなこんなで、とにかく、何とか約束のお昼には間に合いました。
そこで、今後のこともあるので、帰宅後、実際に痛恨の思いに晒されていた朝の出来事を再現しました。すると、実にあざやかに、以下のように追体験できたのです。
35年ものパソコン体験の中では、いろいろと理不尽な思いをしてきました。しかし、これまでにこの文字をエンコードすることで失敗する、という経験はありませんでした。
以下、私が思わず知らずにしでかしてしまった失敗事例を、ここに再現してみます。
まず、わかりやすく、「151222_文字化けのテスト(改行)あいうえお(改行)」という文字列をテキストとして入力します。
これを、普通に保存すると、私はMac OS の環境で作業をしているので、こんな状態になっています。この設定を、普段はわざわざ見ることはありません。今回のために、あえてこの確認をしたものです。
次に、この文章をWindowsユーザーに渡すために、エンコードと改行処置を手動でします。
そのためには、次のようなウィンドウを開いた時に、Windowsユーザー用の項目を選びます。
これで保存した後に再度読み込んでも、特に文字化けはしていません。
ところが、このWindowsユーザー用に保存する時に、手動での設定ウィンドウで、Mac用の下にある[Windows,Dos]ではなくて、その上にある[Windows,Latin1]を選ぶと、まさに今朝私の身に起こった悪夢が再現されたのです。
私が冒した驚愕の文字化けは、こうして起きたのです。
この[Windows,Latin1]というエンコーディングを選択すると、保存する時に次の表示が出てきます。
しかし、ここに表示されている注意を促す文言を確認しないまま、保存のボタンをつい押してしまったのです。
これは、「Jedit」というエディタが、痒いところに手がまだ届いていない、ユーザーへの配慮が不親切だったこともあります。
小窓の表示が[Windows,...]か[Windows,Lat...]という、微妙な違いしかないのですから。
今までにこの[Windows,Laten1]というモードを選択したことがなかったので、これは魔が差したとしか言いようがありません。
そして、上下数ミリの位置でのクリック・ミスで、貴重な時間と心労と疲労を全身に浴びることとなったのです。
結果的には、約束の時間に間に合い、どうにか事無きを得たので安堵しています。
しかし、急いでいる時にはつい手元が狂うことはあるものです。
慌てず騒がず、何ごとがあっても平常心で対処する余裕を持つことを、この失敗からあらためて学びました。