2015年10月19日

井上靖卒読(204)小説全357作品を気ままに評価

 井上靖の小説、戯曲、童話を、9年にわたって折々に読み続けて来ました。
 読み終わるたびに、5段階の評価を勝手に付けて楽しんでいました。

 昨日、エッセィ以外のすべてを読み終えたところで、これまでの気ままな評価を抜き出してみました。

 読後に私が評価点を付けた作品数は、詩篇とエッセィを除く357作品でした。
 その評価の内訳は、次の通りです。

 評価5= 38作品
 評価4= 74作品
 評価3=123作品
 評価2=100作品
 評価1= 22作品

 期せずして、きれいな放物線を描く配分となっています。
 私なりのモノサシが、どうやらあまりブレなかったようです。
 好き勝手に読んだ評価であっても、こうしたバランスとなったことに、自分なりの達成感を手にした思いでいます。

 評価に「5」を付けた作品を列記すると、以下のようになります。
 「5」という評価は、もう一度読んでみようと思わせた作品であり、人に薦めてもいいと思ったものです。

 長編と短編の2つに分けて列記します。

 初期の作品が意外に少ないようです。
 一昨日の講演会で、井上靖の長男である井上修一氏は、初期の作品が好きだと仰っていました。
 また、谷沢永一氏は、初期の関西時代の短編以外は読むべきものはない、と言っておられたそうです。
 評価は、人さまざま、ということでしょうか。

 この「5」という評価を付けた中で、長編と短編でそれぞれから1作品を選び出すとすると、『星と祭』と「通夜の客」でしょうか。

 『星と祭』は、掲載された新聞を私が毎日配達していたことと、十一面観音が大好きだからです。
 「通夜の客」は、ここ数年来通い続けている池田亀鑑が生まれた日南町が舞台だからでしょうか。
 いずれも、親近感を伴う作品であることからの選定であることは否めません。

 作品の評価には、個人的な思い入れが多分にあってもいいと思います。
 文学は、心を満たしてくれる何かがあればいい、と思っていますから。

 井上靖という、一人の多作の作家と出会い、多くの物語から充実感や失望感をもらいました。
 たくさんの生き様を追体験し、いろいろな感情を共有し、全国各地への旅にも連れて行ってもらいました。
 海外では、シルクロードを経て中近東へ行けたことは僥倖でした。

 貴重で得難い体験をさせていただいた井上靖に感謝しています。

 以下の作品を手にし、一読されることをお薦めします。
 

---------- 長編12作品 ------------------

井上靖卒読・再述(11),『風林火山』,5
井上靖卒読(19),『化石』,5
井上靖卒読(24),『淀どの日記』,5
井上靖卒読(47),『波濤』,5
井上靖卒読(68),『花壇』,5
井上靖卒読(92-93),『しろばんば』,5
井上靖卒読(94),『渦』,5
井上靖卒読(99),『楊貴妃伝』,5
井上靖卒読(101),『敦煌』,5
井上靖卒読(109),『崖』,5
井上靖卒読(202),『わだつみ』,5
井上靖卒読(番外・未公開),『星と祭』,5

---------- 短編27作品 ------------------

井上靖卒読・再述(3),「通夜の客」,5
井上靖卒読(37),「川の話」,5
井上靖卒読(62),「氷の下」,5
井上靖卒読(89),「あすなろう」,5
井上靖卒読(91),「鬼の話」,5
井上靖卒読(114),「昔の愛人」,5
井上靖卒読(114),「薄氷」,5
井上靖卒読(125),「ある女の死」,5
井上靖卒読(131),「傍観者」,5
井上靖卒読(136),「あげは蝶」,5
井上靖卒読(137),「断崖」,5
井上靖卒読(142),「その日そんな時刻」,5
井上靖卒読(145),「銹びた海」,5
井上靖卒読(146),「二つの秘密」,5
井上靖卒読(148),「ある日曜日」,5
井上靖卒読(153),「ある交友」,5
井上靖卒読(154),「どうぞお先に」,5
井上靖卒読(162),「ある関係」,5
井上靖卒読(166),「加芽子の結婚」,5
井上靖卒読(170),「犬坊狂乱」,5
井上靖卒読(173),「監視者」,5
井上靖卒読(178),「別れの旅」,5
井上靖卒読(180),「幽鬼」,5
井上靖卒読(182),「聖者」,5
井上靖卒読(182),「風」,5
井上靖卒読(183),「楼蘭」,5
井上靖卒読(187),「ダージリン」,5
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posted by genjiito at 23:53| Comment(0) | □井上卒読