2015年05月28日

読書雑記(131)水野敬也『夢をかなえるゾウ3』

 『夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え』(水野敬也、2014.12、飛鳥新社)を読みました。


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 本作は、〈夢をかなえる〉シリーズの第3弾です。
 これまでのものは、次の2本の記事に雑感として記しています。ご笑覧を。

「読書雑記(122)水野敬也『夢をかなえるゾウ』」(2015年04月03日)

「読書雑記(126)水野敬也『夢をかなえるゾウ2』」(2015年05月13日)

 自分でツッコミを入れるガネーシャが、おもしろおかしく活写されています。
 本話に入る前の「本書の使い方」も、読者に挑む姿に勢いがあって、大いに期待できるスタートです。

 本作の主人公は女性です。しかし、作者は女性を描くのが苦手なのか、あまり女性らしさが伝わってきません。しゃべる言葉遣いは女性らしいのです。しかし、どうも中性的です。掛け合いは、相変わらず巧いと思います。しかし、人物の描写は乏しくて、面白いネタだけで物語が成り立っています。
 小説ではなくて、教訓書なのでしかたがないところでしょうか。

 ガネーシャと黒ガネーシャのキャラクターが被ります。偽者という設定はわかります。しかし、話が混線するだけでした。これは、途中から飽きてしまったので、設定で損をしています。

 中盤から、夢をかなえる話が具体的になります。品物を売るという想定は、売れるか売れないかということになるので、わかりやすいのです。だから、おもしろいのです。

 海外の人を喜ばせるお寿司の話は、もっと語ってほしいところです。
 人を喜ばせることの大切さは、松下幸之助のモットーでした。このことをもっと語ったら、さらに話が盛り上がったことでしょう。

 後半の夢をかなえる手法は、よくできています。作者は説明は下手でも、説教に関しては巧いと思います。特に、「苦しみを楽しみに変える方法」は、わかりやすくて説得力があります。


「苦しみを乗り越えたとき手に入れられるもんを、できるだけたくさん紙に書き出す。そんで、それを手に入れてる自分を想像するんや。そうすれば、今の苦しみは、将来の楽しみを手に入れるための必要な条件になる。また逆を言えば、もし目の前の苦しみから逃げてもうたら、将来欲しいもんが手に入らんようになってまうから、今の自分はもっと苦しまなあかんようになるわけや」(360頁)


 前半は、話を引き延ばし気味でした。第1作のようなキレがないのが惜しまれます。
 語られている教えはもっともなことなので、2弾と3弾というシリーズ化にあたり、ギアチェンジに失敗したといえます。

 本書の最後にまとめとして掲載されている、「ガネーシャの教え」を引きます。
 全体的に、読者に語りかけるパワーとサービス精神が、次第に低下してしまったようです。【2】


自分の持ち物で本当に必要なものだけを残し、必要のないものは捨てる

苦手な分野のプラス面を見つけて克服する

目標を誰かに宣言する

うまくいっている人のやり方を調べる

一度自分のやり方を捨て、うまくいっている人のやり方を徹底的に真似る

空いた時間をすべて使う

合わない人をホメる

気まずいお願いごとを口に出す

今までずっと避けてきたことをやってみる

自分の仕事でお客さんとして感動できるところを見つける

一度儲けを忘れてお客さんが喜ぶことだけを考える

自分の考えを疑ってみる

自分にとって勇気が必要なことを一つ実行する

優れた人から直接教えてもらう

一緒に働いている人に感謝の言葉を伝える

自分で自由にできる仕事を作る

余裕のないときに、ユーモアを言う

目の前の苦しみを乗り越えたら手に入れられるものを、できるだけ多く紙に書き出す

欲しいものが手に入っていく「ストーリー」を考えて、空想をふくらませていく

手に入れたいものを「目に見える形」にして、いつでも見れる(ママ)場所に置いておく

自分流にアレンジする
posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ■読書雑記