2015年05月07日

第4回 池田亀鑑賞受賞作品の発表

 過日お知らせした通り、池田亀鑑賞のホームページから、第4回受賞作品が発表されました。

 受賞作は、滝川幸司著『菅原道真論』(塙書房)です。


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 これまでの受賞作を見ると、本居宣長の源氏学、『源氏物語』の注釈書、『狭衣物語』の研究となっています。

「受賞作と関連書籍紹介」

 今回が菅原道真の研究なので、『源氏物語』の研究書はまだ受賞していないことになります。

 池田亀鑑賞は、こつこつと調査研究した、地道な成果を顕彰するための賞です。
 池田亀鑑賞のホームページでも、その「選定」の項目で次のように明記しています。


平安文学に関する学術図書、研究論文、資料整理及び資料紹介に対し、学界に寄与したと評価されるもの


 これまでの受賞作品が、広く平安文学から選定されたものであることは、妥当かと思われます。
 もっとも、受賞した『源氏物語』が注釈書であり、研究書ではないことを意外に思われることでしょう。
 これは、現今の研究環境を反映していると思われます。

 理科系の発想によって、短期間に成果が求められるのが、今の社会的な風潮です。
 そのような中で、古典文学についても1年単位で成果を示せと言われても、ただただ困惑するのみです。

 そのせいもあって、勢い短期間に成果らしきものが手軽に生み出せる、活字の市販本による読後感想文のような文章が量産されているのです。
 『源氏物語』の研究は、地道な調査研究から遠ざかっている顕著な例かもしれません。

 そこに一石を投じようとするのが、この池田亀鑑賞です。
 これまでの選考結果を見ると、たゆまぬ努力で、研究の基礎を築いた成果をすくい上げています。
 過日の記事でも、以下の4点を池田亀鑑賞の選考基準としていることを報告しました。


(1)地道な努力の成果
(2)研究の基礎を構築
(3)研究の発展に寄与
(4)成果が顕著な功績


 しっかりと腰を据えた地道な研究に、これからも温かいまなざしを向け、さらなる展開を後押しする賞となるように、今後とも運営と選考を続けて行きたいと思います。

 来年3月には、また素晴らしい研究成果と出会えることを、今から心待ちにしています。
posted by genjiito at 23:44| Comment(0) | □池田亀鑑