2014年10月31日

茶化された古典の日(11月1日)にちなむ記念切手

 「古典の日」が日本で粗略に扱われています。
 「古典の日」を軽視している風潮が現実にあります。
 「古典の日」が茶化されていることに歯痒い思いでいます。
 
 明日が「古典の日」ということで、『源氏物語』に関する記念切手が本日発売されました。
 かつて、国文学研究資料館所蔵の『源氏物語団扇画帖』が記念切手に採択されたことがありました。今でも、発売前に霞ヶ関の担当部局に伊井春樹館長とご一緒に行ったことを思い出します。

「記念切手の背景画になった国文研の源氏絵」(2008/7/24)

 本日早速、郵便局で、切手シートと説明書をいただいて来ました。
 説明書(表裏)は、次のものでした。


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 これは、「古典の日」が制定されたことを記念して発行された特殊切手です。
 古典の日が11月1日となっているのは、『紫式部日記』(1008年・寛弘5年11月1日)に『源氏物語』の存在が記されていることによるものです。

 『源氏物語』の作者を紫式部という一個人に特定しない私にとって、この理由付けは承服しがたいものです。また、本記事の末尾に述べるように、その制定の経緯と法律の条文に不信感を抱いているので、多分に問題のある記念日だと思っています。

 さて、日本郵便のホームページに掲載されている、今回の切手のデザインに関する説明を引用します。


発行する郵便切手のデザインについて

切手シート全体を料紙(染料や顔料で色付けしたり、金・銀の箔で装飾した紙)に見立て、さらに各切手の画面を扇型及び貝覆いを想起させる蛤形にすることにより、古典のイメージを表現しています。
切手のデザインは、「古典の日に関する法律」で定められている「古典」の定義により、「文学、音楽、美術、演劇、伝統芸能、演芸、生活文化その他の文化芸術、学術又は思想」の分野を代表する各種題材により古典を表現しています。
 
(1)紫式部日記絵巻と書籍
 紫式部日記絵巻と書籍により、文学、美術、学術及び思想を表現しています。

(2)華道と囲碁
 華道と囲碁により、生活文化及びその他文化芸術を表現しています。

(3)能楽と文楽
 能楽と文楽により、演劇及び伝統芸能を表現しています。

(4)琵琶と演芸
 琵琶や落語、浪曲により、音楽及び演芸を表現しています。

(5)源氏物語絵巻と巻物
 源氏物語絵巻と巻物により、文学、美術、学術及び思想を表現しています。


 切手を見ながら、それぞの図柄に関して多くの疑問が生まれました。
 重箱の隅を突くようになりかねないので、最初の絵についてだけコメントを付します。

 一枚目の上段の図柄は、『紫式部日記絵巻』(重文、旧森川家本、第3段)からのイラスト化だと思われます。道長の妻である源倫子が、若宮の敦成親王を抱いている場面でしょう。

 下段に描かれている書籍は、四ツ目綴じ(あるいは康煕綴じ)です。『日本古典籍書誌学辞典』(1999年、岩波書店)によると、「四つ目綴じ」の項目に次のような説明があります。


中国明代に隆盛を見た糸綴じ線装本の影響を受け、わが国室町初・中期よりこの装訂法が起り、以後和本の写本・刊本を通じての主流となった。(594頁)


 平安時代を背景とする『紫式部日記絵巻』と一緒に、この綴じ方の本を配するのが適当であったかどうか……。雰囲気のイメージ化なので、平安も鎌倉も室町も一括りで「古典」ということなのでしょう。
 また、冊子の題簽は右上に貼られています。普通は、左上か中央なのですが……
 一般的には、こうしたキャラクター物は古典の雰囲気が出ていればいい、ということに留まります。しかし、本そのものに興味を持つ者の習い性として、細かなことが気になりました。これについても『日本古典籍書誌学辞典』から説明を引きます。


題簽が貼られる場所は短冊簽は表紙左上が普通だが、歌書・物語・絵本などの書き題簽が表紙中央に貼られる場合が多いのは、外題は中央に記すという中世以来の文学的伝統を踏まえたもののようである。寛永時代(一六二四−四四)以降の刷り題簽になると歌書・俳書・絵本・草子の類は短冊簽を中央に貼り、その他の本はおおむね左上に貼られ、類書や字書の類は題名を示した短冊型の外題簽を左上に、方型の目録題簽を中央に貼るというような類型が出来てくる。(366頁)


 この題簽に書かれている文字は、右の本が「花のいろは(花能以呂八)」で、小野小町の「花の色はうつりにけりな……」の初句のようです。左の本は「秋乃花」です。

 蛇足ですが、5枚目の絵に描かれた巻物も、興味深い装幀となっています。表紙の裏面(見返し)は装飾料紙ではなくて、和歌を書いた紙が貼ってあるのです。そこには、「めくりあいて〈改行〉それとも」と読めそうで、紫式部の歌の一部です。

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 左側の本文料紙の巻頭部分は、「いか(可?)お(於?)た(多?)む(武?)かし〈改行〉よりて」と読めそうです。小さな文字の変体仮名が識別し辛いので、私にはやっと判読できる程度で意味不明です。
 雰囲気作りとしてのイラストなのですから、あまり細かく見ないほうがいいようです。

 古典の日の制定について、私は個人的には批判的です。

 そのことは、「空転国会の暇つぶしで決まった「古典の日」の条文は空疎な文字列」(2012年08月31日)で、詳細に記した通りです。

 今、「古典の日」は祝日ではありません。しかし、この「古典の日」を祝日にすることにでもなれば、その時にはこの法律のあやふやな日本語文を全面的に書き換えた方がいいでしょう。
 私にとっての「古典の日」は、国会議員に騙し討ちに会った記念日となっています。

 「古典の日」にちなむ傑作なキャラクターが出現した年もありました。文化庁のポスターにも掲載されたので、ご記憶の方も多いかと思います。
 このことについては、「素直に祝えない「古典の日」に伊井語りを堪能する」(2012年11月01日)でも報告しました。このイラストは、文化庁からその後、訂正版が出ました(『京都新聞』2013.8.3、「古典の日キャラ 巻き物逆向き」)。

 「古典の日」については、もっと正しい情報を若者たちに流してほしいと思っています。
posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | 古典文学

2014年10月30日

日比谷図書文化館でハーバード本を読む(2)

 日比谷図書文化館で開催中の「古文書塾てらこや」での講座に向かう途中、霞ヶ関の交差点から国会議事堂がライトアップされているのがきれいに見えました。東京ならではの夜景です。


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 今日は、ハーバード本「蜻蛉」巻の字母を中心とした勉強会となりました。

 仮名文字の勉強のはずが、配布した10枚の資料はすべて漢字だけという、まことに奇妙なことになりました。しかし、仮名文字の元は漢字であり、仮名の元の姿である漢字を思い描きながら見ていかないと、さまざまに変形している変体仮名を自在に読むことはできません。目の前に書かれている仮名の背景に字母である漢字が揺らめいていたら、それでもう変体仮名はすらすらと読めるのです。

 ハーバード大学本「蜻蛉」の第1丁表の字母が一覧できる資料を使い、前回確認した2行目までをあらためて見直すことで、復習に代えました。
 本日印刷して配布したのは、第2丁裏までです。

 また、ハーバード大学本「蜻蛉」の全丁の字母は、次のように使い分けがなされています。
 配布した「字母集計一覧」は次のものでした。
 ここで注目したのは、赤字で示した「可=813−加=444」「多=734−太=60」「八=693−者=272−波=55」「尓=650−仁=189」の4文字の出現数です。
 これらは、現在日本語として使用している平仮名の「か」「た」「は」「に」が鎌倉時代には少数派に属する仮名文字だったことを明確に示しています。いったい、現在の平仮名はどのような根拠で今の字形に統一されたのでしょうか。平仮名を一つの字母のものに統一する、という意図はわかります。しかし、どうして今の字母の文字にしたのか、さらに調べてみたいと思います。


ハーバード大学本「蜻蛉」の全文字出現数=26,114字
-----------------------------
・止=1,330
・之=1,281
・奈=1,058
・乃=837 可=813
・幾=792 毛=791 天=789 利=757 以=747 多=734
八=693 己=664 留=653 尓=650
・良=546 久=502
・於=494 左=492 川=482 宇=461 加=444 部=435 礼=433
・比=373 万=370 三=356 給=345 无=341 也=330
・安=296 者=272 世=259 末=255 遠=252 曽=242 寸=238 人=234 計=230 知=226 与=224 女=219 不=219 个=212
・御=196 越=191 仁=189 心=181 保=169 衣=129 奴=127 由=124 呂=120 本=117 春=113 阿=103
・武=90 思=81 里=81 美=75 侍=71 能=69 祢=66 和=66 太=60 波=55 二=54 王=50 事=47 須=44 免=43 宮=42 身=33 所=31 江=29 大=29 日=28 殿=28 志=28 母=27 中=26 満=26 古=26 登=25 恵=24 将=21 我=21 累=21 物=18 又=18 為=17 堂=15 飛=15 右=14 井=13 地=13 文=13 君=12 遣=12


 もう少し詳しく文字遣いに注目してみましょう。
 開巻早々、第一文字目は「加」を字母とする「か」で始まります。「か」の字母の傾向からもわかるように、鎌倉時代は「か(可)」の方が圧倒的に用いられることの多かった仮名文字です。しかし、冒頭から「可」というのでは線が弱いと思ったのでしょうか。親本にそう書いてあったから、ということだとしても、その後の用字意識を見ても、本写本の筆写は字母にこだわりのある、インパクトのある文字選びをする人だったと思われます。


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 最初の2行だけでも、「ひ登/\」「をは勢ぬ」「もと免」「ものかたり野」「飛免きみ」と、変体仮名といっても漢字の楷書体と行書体の間の変形型に留まるスタイルで書いてあり、草書体までには遠い字形となっています。
 また、2行目には「の」「野」「乃」と三文字ともに変化をつけています。「野」のところで「能」を使わなかったのはなぜでしょうか。「の」1文字を書き飛ばしたためになぞり書きをするにあたり、文字を小刀で削るのではなくて、紙面を傷つけずに書き続ける意味からも、あえてどうだと言わんばかりに「野」と「飛」というインパクトのある文字を書いています。開巻早々でもあり、動ずることなく自信たっぷりの姿勢をみせています。この後も、「葉」や「志」などが出てきます。

 こうしたことを確認しながら、この本を書写した人のこだわりを、具体的に指摘しました。
 この写本の筆写者は自信家なのです。プライドが高く、しかも男性だと言えます。

 字母に関しては、この「蜻蛉」巻が6折で作製されており、各折で使用文字の字母の傾向が異なるのではないか、ということで、各折ごとの字母出現の集計結果も配布しました。
 例えば、第3折では、「多」が110例もあるのに、現代の平仮名の字母となっている「太」は皆無です。
 この各折における字母の出現数が異なることについては、機会をあらためて報告します。これは、この「蜻蛉」巻の筆写者が、あるいは一人ではないことから用字に揺れが見られるのではないか、という仮説を立てるとおもしろそうです。

 この講座は翻字者を養成することを目指すものなので、写本に書かれている文字をコンピュータに入力してデータベース化するための校正記号や付加情報についても説明しました。ナゾリや補入などの記述方法と扱いです。これは、次回以降に、さらに詳しく取り扱います。

 講座終了後に、いくつかの質問をいただきました。特に、上下がオーバーラップするように文字が書かれているところや、補入記号については、もっと説明すべきでした。疑問点を聞いていただくことは、自分の説明不足だったところがわかってありがたいことです。

 また、さらにありがたいことに、実際に『源氏物語別本集成』のための翻字をしてみたい、とおっしゃる方がいらっしゃいました。体験講座にも参加なさっていた方なので、三回目にして私の意図を理解していただけたのです。うれしいことです。

 次回は、こうした実作業を意識した翻字の勉強となるように、また適切な材料を用意しようと思います。
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ◆源氏物語

2014年10月29日

立川市中央図書館で聞いた視覚障害者への対応

 先週日曜日に、立川市中央図書館で『源氏物語』のお話をしたご縁で、視覚障害者(以下、触常者)の担当部署にいらっしゃる職員の方に、本日、親しくお話を伺うことができました。


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 先週は、同じ部署の斎藤さんに、図書館の3階にある点字室と録音室を見せていただいていました。今日は、その時にお目にかかれなかった、福島さんと早坂さんに、長時間にわたりお話を伺えました。
 夕方から夜にかけて利用者が多いお忙しい時間帯に、私の頭が満杯になるほど、貴重なご教示をいただきました。ありがとうございました。

 以下、伺ったことを忘れないうちに書き留めておきます。
 知り得たことがあまりにも多いので、未整理で順不同です。今はまだ、障害のある方々について勉強中です。その過程での備忘録であることを、お断りしておきます。

 立川市中央図書館の入口には、2本の白杖があります。


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 この使い方を、まず教えていただきました。手元のスイッチを入れると、フロアに埋め込まれたセンサーと同期して、現在いる場所を天井から声で教えてくれるのです。


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 こうした設備が、全国の図書館にどれだけ普及しているのか、今はわかりません。触常者は各自がご自分の白杖を持っておられるし、1人ではなく身内の方やヘルパーの方と一緒に来館されることが多いので、その利用効果は不明です。しかし、施設内を独りで行動する場合には、役立つはずです。

 この立川市中央図書館で、パンディキャップサービスの利用登録者は80名ほどだそうです。利用できるのは、原則として立川市に在住・在勤・在学している方だけです。登録しただけの方がいらっしゃるとしても、予想したよりも多いと思いました。

 実際の利用者は、高齢者が多くて若い人は少ないようです。デジタルのオーディオやビジュアル機器が家庭や個人に普及した今、障害のある方が図書館を利用する役割に思いを巡らせました。生活環境がデジタル化により激変しています。若者の図書館利用についても、今後とも考えていくことが多いように思えます。
 そんな実状もあり、利用される図書資料は、高齢者が好む池波正太郎や平岩弓枝等々、時代小説が中心となっているようです。

 収蔵されている録音資料としてのカセットテープやCD―ROMは、郵送による貸し出しもされていました。第4種郵便なので、往復共に無料です。職員による自宅への宅配もあるようです。


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 CD―ROMの音源はMP3であり、SDカードで保有する図書館もあるそうです。録音メディアは今の時代に対応しつつあるようです。音楽プレーヤーやスマートフォンの普及を見ると、当然のことなのでしょう。

 点字図書、録音図書などの貸し出し以外に、リクエストに応えられる希望図書がない場合には、新たに図書館として作成したり、全国の公共図書館から取り寄せておられました。この図書館で作成されたCD−ROMが多数あることには感動しました。地域のボランティア組織などが、リクエストに応じて録音や点訳を積極的にしておられるのです。この地道な努力は、もっと多くの方々に知ってほしいと思いました。

 そんな中で、棚に『源氏物語を読み解く100問』(伊井春樹著、NHK 出版)を朗読してCD−ROMに収録したものがありました。こんな形で伊井春樹先生のご著書に出会えるとは。


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 この本が刊行されたのは源氏物語千年紀の2008年です。録音されたのは2009年なので、ちょうど伊井先生が国文学研究資料館の館長をなさっていた時期にあたります。まだ著作権が改訂される前なので、録音の承諾については NHK 出版の担当部局に行かれたとの記録も見せていただきました。
 このことを伊井先生がご存知なのか、今度お目にかかった時にでも伺ってみます。

 さらに棚には、与謝野晶子の『源氏物語』や、林望さんの『謹訳源氏物語』もありました。


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 林望さんは、国文学研究資料館がイイノホール (東京都千代田区内幸町2−1−1)で開催する明後日の11月1日・古典の日のイベントで、「紫上をめぐって」と題して講演をなさいます。もしお話をする時間がありましたら、このことを話題にしてみたいと思います。

 まだ文学に関する視聴覚情報を収集し出したばかりです。古典文学に関する点字図書や録音図書が少ないのは仕方がないにしても、その現状だけでも整理して確認しておきたいものです。

 字書や辞書につていも、触常者はどのようにして言葉を調べておられるのか、まだ私にはよくわかりません。多くの若手の触常者は、ネットを使って言葉の意味を調べておられるのでしょうか。

 ハーバード大学本『源氏物語』を一緒に読もうとしている私は、変体仮名の字書と、簡単な古文の解説書が必要だと思っています。併せて、古語辞典をどうするのか等々、いろいろと自分への課題が浮上してきました。一つずつ解決していきたいと思います。

 なお、中央図書館には、対面朗読もあります。
 ただし、3日前までの予約で1回2時間、というのは、録音図書を自宅で利用することと比べてどうなのでしょうか。対面ということで、読み手との会話の意義はあっても、読書の原則は一人静かに読みふけるのが楽しい、と思う私には、録音図書を選んでしまいそうです。もっとも、目が見えない日々を思うと、対面朗読の利点をもっと理解すべきかとも思います。まだ、今の私には不勉強のためもあって、そのあたりの様子や違いが実感としてはよくわかりません。

 録音図書については、日本点字図書館がシステムを管理し、全国視覚障害者情報提供施設協会が運営する「サピエ」というサイトを教えていただきました。ここは、点字図書や録音図書の書誌データ(約89万件)の宝庫です。今年の6月3日からは、国立国会図書館の「視覚障害者等用データ送信サービス」の音声デイジーデータ及び点字データを「サピエ」からも利用できるようになっています。さらに、耳で観る映画「シネマ・デイジー」の情報もありました。

 試しに「サピエ図書館」で、『源氏物語』をデイジーデータ検索で探してみたところ、94件がヒットしました。
 また、同じく『源氏物語』を点字データ検索をしたところ、177件がヒットしました。
 「サピエ図書館」からは、検索結果によっては音源をダウンロードできるのです。いずれ、このことについても、さらに詳しく報告できると思います。

 本日(2014年10月29日(水))時点での情報ですが、参考までのそのすべてを以下に列記しておきます。
 このリストを見ながら、またしばし考えたいと思います。
 


◆デイジーデータ◆

1,愛と野望下巻源氏物語絵巻を描いた女たち,長谷川美智子著
2,あさきゆめみし2源氏物語(講談社青い鳥文庫),大和和紀原作・絵時海結以文
3,あさきゆめみし3源氏物語(講談社青い鳥文庫),大和和紀原作・絵時海結以文
4,あさきゆめみし4源氏物語(講談社青い鳥文庫),大和和紀原作・絵時海結以文
5,あさきゆめみし5源氏物語(講談社青い鳥文庫262?5),大和和紀原作・絵時海結以文
6,医者が診つめた「源氏物語」,鹿島友義著
7,翁秘帖・源氏物語,夢枕/獏著
8,恐ろしや源氏物語,早坂暁著
9,男読み源氏物語(朝日新書123),高木和子著
10,記憶の中の源氏物語,三田村雅子著
11,霧ふかき宇治の恋上巻新源氏物語(新潮文庫),田辺聖子著
12,霧ふかき宇治の恋下巻新源氏物語(新潮文庫),田辺聖子著
13,謹訳源氏物語1,[紫式部著]林望[訳]著
14,謹訳源氏物語2,[紫式部著]林望[訳]著
15,謹訳源氏物語3,[紫式部著]林望[訳]著
16,謹訳源氏物語4,[紫式部著]林望[訳]著
17,謹訳源氏物語5,[紫式部著]林望[訳]著
18,謹訳源氏物語6,[紫式部著]林望[訳]著
19,謹訳源氏物語7,[紫式部著]林望[訳]著
20,謹訳源氏物語8,[紫式部著]林望[訳]著
21,謹訳源氏物語9,[紫式部著]林望[訳]著
22,謹訳源氏物語10,[紫式部著]林望[訳]著
23,謹訳源氏物語私抄11味わいつくす十三の視点,[紫式部著]林望[訳]著
24,源氏物語時代が見える人物が解る戦後最高の入門書,風巻景次郎,清水好子著谷沢永一解説
25,源氏物語4版千年の謎(角川文庫),高山由紀子[著]
26,源氏物語上(日本古典文庫4),紫式部[著]与謝野晶子訳
27,源氏物語[分冊1],[紫式部][著]今泉忠義,森昇一,岡崎正繼編
28,源氏物語第1巻桐壷〜賢木(ちくま文庫お39?4),[紫式部著]大塚ひかり全訳
29,源氏物語上巻,村山リウ訳
30,源氏物語上(少年少女古典文学館第5巻),紫式部原作瀬戸内寂聴著
31,源氏物語中(日本古典文庫5),紫式部[著]与謝野晶子訳
32,源氏物語第2巻花散里〜少女(ちくま文庫お39?5),[紫式部著]大塚ひかり全訳
33,源氏物語[分冊2],[紫式部][著]今泉忠義,森昇一,岡崎正繼編
34,源氏物語下(少年少女古典文学館第6巻),紫式部原作瀬戸内寂聴著
35,源氏物語中巻,村山リウ著
36,源氏物語2千年の謎(角川文庫),高山由紀子[著]
37,源氏物語下(日本古典文庫6),紫式部[著]与謝野晶子訳
38,源氏物語第3巻玉鬘〜藤裏葉(ちくま文庫お39?6),[紫式部著]大塚ひかり全訳
39,源氏物語下巻,村山リウ著
40,源氏物語第4巻若菜上〜夕霧(ちくま文庫お39?7),[紫式部著]大塚ひかり全訳
41,源氏物語第5巻御法〜早蕨(ちくま文庫お39?8),[紫式部著]大塚ひかり全訳
42,源氏物語第6巻宿木〜夢浮橋(ちくま文庫お39?9),[紫式部著]大塚ひかり全訳
43,『源氏物語』への誘いその魅力の源泉を探る(21世紀ブックレット9),高柳美知子著
44,源氏物語を知っていますか,阿刀田高著
45,源氏物語を読むために,西郷信綱著
46,『源氏物語』が読みたくなる本,山本淳子編
47,源氏物語九つの変奏(新潮文庫え?10?52),江国香織,角田光代,金原ひとみ,桐野夏生,小池昌代,島田雅
48,『源氏物語』の男たちミスタ?・ゲンジの生活と意見,田辺聖子著
49,源氏物語の女君たち,瀬戸内寂聴著
50,源氏物語の結婚平安朝の婚姻制度と恋愛譚(中公新書2156),工藤重矩著
51,源氏物語の女性たち(小学館ライブラリー3),秋山虔著
52,源氏物語のすすめ(講談社現代新書),村山リウ著
53,源氏物語の論(AKIYAMAKENSelection),秋山虔著
54,源氏物語の脇役たち,瀬戸内寂聴著
55,源氏物語人殺し絵巻(文春文庫),長尾誠夫著
56,源氏物語百華五十四帖すべての謎を解く,左方郁子,佐藤英子著
57,古典基礎語の世界源氏物語のもののあはれ(角川ソフィア文庫),大野晋編著
58,殺人源氏物語(カッパ・ノベルス),斎藤栄著
59,散歩とカツ丼(ベスト・エッセイ集2010年版),日本エッセイスト・クラブ編
60,じっくり見たい『源氏物語絵巻』(アートセレクション),佐野みどり著
61,死ぬのによい日だ(ベスト・エッセイ集2009年版),日本エッセイスト・クラブ編
62,十二単衣を着た悪魔源氏物語異聞,内館牧子著
63,潤一郎訳源氏物語巻1改版(中公文庫),[紫式部著]谷崎潤一郎訳
64,潤一郎訳源氏物語巻2改版(中公文庫た30?20),[紫式部著]谷崎潤一郎訳
65,潤一郎訳源氏物語巻3改版(中公文庫),[紫式部著]谷崎潤一郎訳
66,潤一郎訳源氏物語巻4改版(中公文庫),[紫式部著]谷崎潤一郎訳
67,潤一郎訳源氏物語巻5改版(中公文庫),[紫式部著]谷崎潤一郎訳
68,小説一途ふたりの「源氏物語」(the寂聴),田辺聖子,瀬戸内寂聴著
69,掌編源氏物語,馬場あき子著
70,新源氏物語上巻(新潮文庫),田辺聖子著
71,新源氏物語中巻(新潮文庫),田辺聖子著
72,新源氏物語下巻(新潮文庫),田辺聖子著
73,すらすら読める源氏物語上,瀬戸内寂聴著
74,すらすら読める源氏物語中,瀬戸内寂聴著
75,すらすら読める源氏物語下,瀬戸内寂聴著
76,21世紀によむ日本の古典6源氏物語,[紫式部著]中井和子[訳]著石倉欣二絵
77,日本の心と源氏物語(シリーズ古典再生2),岡野弘彦編
78,日本の古典をよむ9源氏物語上,[紫式部著]阿部秋生,秋山虔校訂・訳
79,日本の古典をよむ10源氏物語下,[紫式部著]阿部秋生,秋山虔校訂・訳
80,女人源氏物語1,瀬戸内寂聴著
81,女人源氏物語2,瀬戸内寂聴著
82,女人源氏物語3,瀬戸内寂聴著
83,女人源氏物語4,瀬戸内寂聴著
84,女人源氏物語5,瀬戸内寂聴著
85,半日で読む源氏物語,吉野敬介著
86,光源氏になってはいけない源氏物語「悪目立ち」せず生きていく作法,助川幸逸郎著
87,平安の気象予報士紫式部:『源氏物語』に隠された天気の科学,石井和子[著]石井,和子,アナウンサー
88,紫式部の恋「源氏物語」誕生の謎を解く(河出文庫こ12?2),近藤富枝著
89,紫の結び1源氏物語,[紫式部著]荻原規子訳
90,紫の結び2源氏物語,[紫式部著]荻原規子訳
91,望月のあと覚書源氏物語『若菜』,森谷明子著
92,雪折れ,圓地文子著
93,私が源氏物語を書いたわけ紫式部ひとり語り,山本淳子著
94,私の源氏物語宿命の女性たち,上山伶子


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◆点字データ◆

1,愛する源氏物語,俵万智著
2,あさきゆめみし3源氏物語(講談社青い鳥文庫262?3),大和和紀原作・絵時海結以文
3,あさきゆめみし4源氏物語(講談社青い鳥文庫),大和和紀原作・絵時海結以文
4,あさきゆめみし5源氏物語(講談社青い鳥文庫),大和和紀原作・絵時海結以文
5,絵草紙源氏物語(角川文庫),田辺聖子文岡田嘉夫絵
6,翁?OKINA秘帖・源氏物語,夢枕獏著
7,翁?OKINA秘帖・源氏物語(角川文庫),夢枕獏著
8,恐ろしや源氏物語,早坂暁著
9,男読み源氏物語(朝日新書123),高木和子著
10,カラダで感じる源氏物語(ちくま文庫),大塚ひかり著
11,季語で読む源氏物語,西村和子著
12,季語で読む源氏物語,西村和子著
13,霧ふかき宇治の恋上新源氏物語,田辺聖子著
14,霧ふかき宇治の恋下新源氏物語,田辺聖子著
15,謹訳源氏物語1,[紫式部著]林望[訳]著
16,謹訳源氏物語2,[紫式部著]林望[訳]著
17,謹訳源氏物語3,[紫式部著]林望[訳]著
18,謹訳源氏物語4,[紫式部著]林望[訳]著
19,謹訳源氏物語5,[紫式部著]林望[訳]著
20,謹訳源氏物語6,[紫式部著]林望[訳]著
21,謹訳源氏物語7,[紫式部著]林望[訳]著
22,謹訳源氏物語8,[紫式部]著林望訳
23,首の信長,小林恭二著
24,GEN『源氏物語』秘録,井沢元彦著
25,GEN『源氏物語』秘録,井沢元彦著
26,源氏・拾花春秋源氏物語をいける(文春文庫),田辺聖子,桑原仙渓著
27,源氏の男はみんなサイテー親子小説としての源氏物語,大塚ひかり著
28,源氏物語(図説日本の古典7),秋山虔著
29,源氏物語物語空間を読む,三田村雅子著
30,源氏物語(講談社青い鳥文庫183?1),紫式部作高木卓訳
31,源氏物語時代が見える人物が解る,谷沢永一,風巻景次郎,清水好子著
32,源氏物語千年の謎(角川文庫た60?1),高山由紀子[著]
33,源氏物語千年の謎(角川文庫た60?1),高山由紀子[著]
34,源氏物語上,紫式部[著]与謝野晶子訳
35,源氏物語巻一,瀬戸内寂聴現代語訳
36,源氏物語巻1,瀬戸内寂聴訳
37,源氏物語巻1,紫式部著瀬戸内寂聴訳
38,源氏物語巻1,[紫式部著]瀬戸内寂聴訳
39,源氏物語一(京都昔話の本(社寺)),ささきようこ編集
40,源氏物語上の巻,橋田壽賀子著
41,源氏物語1,紫式部[著]瀬戸内寂聴訳
42,源氏物語巻1,紫式部著円地文子訳
43,源氏物語巻二,瀬戸内寂聴現代語訳
44,源氏物語巻2,瀬戸内寂聴訳
45,源氏物語巻2,[紫式部著]瀬戸内寂聴訳
46,源氏物語中,紫式部[著]与謝野晶子訳
47,源氏物語巻2,紫式部著瀬戸内寂聴訳
48,源氏物語二(京都昔話の本(社寺)),ささきようこ編集
49,源氏物語下の巻,橋田壽賀子著
50,源氏物語2,紫式部[著]瀬戸内寂聴訳
51,源氏物語巻2,紫式部著円地文子訳
52,源氏物語2千年の謎(角川文庫た60?2),高山由紀子[著]
53,源氏物語巻三,瀬戸内寂聴現代語訳
54,源氏物語巻3,瀬戸内寂聴訳
55,源氏物語下3,紫式部[著]与謝野晶子訳
56,源氏物語3,紫式部[著]瀬戸内寂聴訳
57,源氏物語巻3,紫式部著円地文子訳
58,源氏物語巻四,瀬戸内寂聴現代語訳
59,源氏物語巻4,瀬戸内寂聴訳
60,源氏物語4,紫式部[著]瀬戸内寂聴訳
61,源氏物語巻4,紫式部著円地文子訳
62,源氏物語巻五,瀬戸内寂聴現代語訳
63,源氏物語巻5,瀬戸内寂聴訳
64,源氏物語5,紫式部[著]瀬戸内寂聴訳
65,源氏物語巻5,紫式部著円地文子訳
66,源氏物語巻六,瀬戸内寂聴現代語訳
67,源氏物語巻6,瀬戸内寂聴訳
68,源氏物語6,紫式部[著]瀬戸内寂聴訳
69,源氏物語巻6,紫式部著円地文子訳
70,源氏物語巻七,瀬戸内寂聴現代語訳
71,源氏物語巻7,瀬戸内寂聴訳
72,源氏物語巻7,紫式部著円地文子訳
73,源氏物語7,紫式部[著]瀬戸内寂聴訳
74,源氏物語巻八,瀬戸内寂聴現代語訳
75,源氏物語巻8,瀬戸内寂聴訳
76,源氏物語巻8,紫式部著円地文子訳
77,源氏物語8,紫式部[著]瀬戸内寂聴訳
78,源氏物語巻九,瀬戸内寂聴現代語訳
79,源氏物語巻9,瀬戸内寂聴訳
80,源氏物語巻9,紫式部著円地文子訳
81,源氏物語9,紫式部[著]瀬戸内寂聴訳
82,源氏物語巻十,瀬戸内寂聴現代語訳
83,源氏物語巻10,瀬戸内寂聴訳
84,源氏物語巻10,紫式部著円地文子訳
85,源氏物語愛の渇き(ワニの選書),大塚ひかり著
86,源氏物語を読み解く100問(生活人新書254),伊井春樹著
87,源氏物語が面白いほどわかる本日本が誇るラブロマンがマンガより楽しく読める,出口汪著
88,「源氏物語」カルチャー講座,福嶋昭治著
89,源氏物語九つの変奏(新潮文庫え?10?52),江國香織,角田光代,金原ひとみ,桐野夏生,小池昌代,島田雅
90,源氏物語五十四帖を歩く(JTBキャンブックス.文学歴史11),朧谷寿監修日〓貞夫写真
91,源氏物語事典,秋山虔編
92,源氏物語と生涯学習平成から源氏をよむ,田中正明著
93,源氏物語とその作者たち(文春新書746),西村亨著
94,源氏物語・隣りの女(向田邦子TV作品集8),向田邦子著
95,「源氏物語」に学ぶ女性の気品(青春新書INTELLIGENCEPI?200),板野博行著
96,源氏物語の愛(シリーズ源氏大学),瀬戸内寂聴,秋山虔,大和和紀著
97,「源氏物語」の色辞典,吉岡幸雄著
98,源氏物語の近江を歩く,畑裕子著
99,源氏物語の男君たち,瀬戸内寂聴著
100,源氏物語の男君たち,瀬戸内寂聴著
101,源氏物語の女君たち,瀬戸内寂聴著
102,源氏物語の女君たち,瀬戸内寂聴著
103,源氏物語の女君たち,瀬戸内寂聴著
104,源氏物語の時代一条天皇と后たちのものがたり(朝日選書820),山本淳子著
105,源氏物語の時代一条天皇と后たちのものがたり(朝日選書820),山本淳子著
106,「源氏物語」の時代を生きた女性たち,服藤早苗著
107,「源氏物語」の時代を生きた女性たち(NHKライブラリー115),服藤早苗著
108,源氏物語の女性たち,秋山虔著
109,源氏物語の世界,日向一雅著
110,源氏物語の美(シリーズ源氏大学),杉本苑子,近藤富枝,尾崎左永子著
111,源氏物語の人々,続木道子著
112,源氏物語の脇役たち,瀬戸内寂聴著
113,源氏物語の脇役たち,瀬戸内寂聴著
114,源氏物語の脇役たち,瀬戸内寂聴著
115,源氏物語二つのゆかり継承の主題と変化,熊谷義隆著
116,源氏物語まねびなほし(現代語完訳)第4帖夕顔第5帖若紫(ほか2件),加藤宏文著
117,源氏物語ものがたり(新潮新書284),島内景二著
118,源氏物語夕顔Level4(1300‐word)(ラダーシリーズ),ステュウットAヴァーナム‐アットキン著
119,恋みち現代版・源氏物語,reY,陽未,アポロ,Chaco,ゆき,十和著
120,殺人源氏物語,斉藤栄著
121,殺人源氏物語,斎藤栄著
122,ThetaleofGenjiVolume1,MurasakiShikibu[著]EdwardG.Seidenstick
123,ThetaleofGenjiVolume2,MurasakiShikibu[著]EdwardG.Seidenstick
124,私本・源氏物語,田辺聖子著
125,寂聴と読む源氏物語,瀬戸内寂聴著
126,十二単衣を着た悪魔源氏物語異聞,内館牧子著
127,小学生の日本古典全集3源氏物語?美しい王子の一生?,[紫式部原作]松田武夫文黒崎義介画
128,小説一途ふたりの「源氏物語」(the寂聴),田辺聖子,瀬戸内寂聴著
129,掌編源氏物語,馬場あき子著
130,新源氏物語上(新潮文庫),田辺聖子著
131,新源氏物語中(新潮文庫),田辺聖子著
132,新源氏物語中(新潮文庫),田辺聖子著
133,新源氏物語下(新潮文庫),田辺聖子著
134,新源氏物語下(新潮文庫),田辺聖子著
135,新選源氏物語五十四帖,森一郎編
136,新装版源氏物語の女性たち,瀬戸内寂聴著
137,好かれる女・嫌われる女源氏物語の恋と現代,藤本勝義著
138,瀬戸内寂聴の源氏物語(シリーズ・古典1),[紫式部][原作]瀬戸内寂聴著
139,千年の恋心源氏物語を彩る女君たち,荻野文子著
140,千年の黙異本源氏物語,森谷明子著
141,誰も教えてくれなかった『源氏物語』本当の面白さ(小学館101新書),林真理子,山本淳子著
142,ちかみち源氏物語(学研M文庫),橋本千恵著
143,超訳日本の古典4源氏物語,加藤康子監修[紫式部著]菅家祐文阿留多イラスト
144,遠野物語と源氏物語物語の発生する場所とこころ(こころの未来選書),鎌田東二編
145,殴り合う貴族たち平安朝裏源氏物語,繁田信一著
146,21世紀によむ日本の古典6源氏物語,[紫式部]著中井和子[訳]著石倉欣二絵
147,女人源氏物語第一巻,瀬戸内寂聴著
148,ひかりそへたる源氏物語の恋の歌(シリーズ源氏大学),俵万智,芳賀明夫著
149,姫君たちの京都案内『源氏物語』と恋の舞台,蔵田敏明,薄雲鈴代著
150,平安の気象予報士紫式部『源氏物語』に隠された天気の科学(講談社+α新書),石井和子[著]
151,ミックスサンドイッチ,池田鉄洋著
152,紫式部伝源氏物語はいつ、いかにして書かれたか,斎藤正昭著
153,紫式部の恋「源氏物語」誕生の謎を解く(河出文庫),近藤富枝著
154,明解源氏物語五十四帖あらすじとその舞台,池田弥三郎,伊藤好英著
155,望月のあと覚書源氏物語『若菜』,森谷明子著
156,もっと知りたい源氏物語,大塚ひかり著
157,妖説源氏物語1初版(C・novels),富樫倫太郎著
158,妖説源氏物語2初版(C・novels),富樫倫太郎著
159,妖説源氏物語3(C・novels),富樫倫太郎著
160,窯変源氏物語 1,橋本治著
161,窯変源氏物語 2,橋本治著
162,窯変源氏物語 3,橋本治著
163,窯変源氏物語 4,橋本治著
164,窯変源氏物語 5,橋本治著
165,窯変源氏物語 6,橋本治著
166,窯変源氏物語 7,橋本治著
167,窯変源氏物語 8,橋本治著
168,窯変源氏物語 9,橋本治著
169,窯変源氏物語 10,橋本治著
170,窯変源氏物語 11,橋本治著
171,窯変源氏物語 12,橋本治著
172,窯変源氏物語 13,橋本治著
173,窯変源氏物語 14,橋本治著
174,読み違え源氏物語,清水義範著
175,読み解き源氏物語(河出文庫こ12?1),近藤富枝著
176,私が源氏物語を書いたわけ紫式部ひとり語り,山本淳子著
177,わたしの源氏物語,瀬戸内寂聴著
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2014年10月28日

第38回国際日本文学研究集会のお知らせ

 第38回目となる国際日本文学研究集会が、1カ月後の11月29日(土曜、午後)と30日(日曜、全日)の2日間にわたって、国文学研究資料館の大会議室(2階)で開催されます。
 日本における国際集会の老舗といわれ、毎年充実した発表とシンポジウムが行われています。

 今年のプログラムは次の通りです。


141028_38th_poster




 本年も、多彩な研究発表があります。
 私が関係しているところだけでも、メモとして記します。

 第1セッションで司会を担当しています。
 このセッションは、海外関連の研究となるグループで、3名の方が発表されます。

 ポスターセッションとしては、会場前のロビーで2日間にわたって最先端の成果が報告されます。
 江草宣友(国文学研究資料館事務補佐員)氏の「国文学論文目録データベースの利用状況に関する考察」は、ウエブサイトに公開している50万件以上の論文データ群に関して、利用傾向を分析した結果と今後の課題を考察するものです。

 この論文データベースを担当して8年になります。今もこのデータベースなくしては、国文学関連の論文は執筆できないと言えるものに成長しています。特に、本年2月にリニューアルを果たし、ますます研究に重宝するデータベースに仕上がりました。
 この「新・論文目録データベース」については、次の記事で報告しています。
 
「国文研の「新・論文目録データベース」のこと」(2014年01月27日)

 この論文データベースに関して、今まで、そのデータ群に分析の手が入ったことはありません。『源氏物語』がもっとも検索される作品であることは、今もずっと変わらないことはよく知られています。しかし、その他にどのような作品や誰の作品が検索されているのか等々、その利用傾向の分析は興味深い情報の提供となるはずです。ぜひ、立ち寄って聞いてください。あらためて、この「国文学論文目録データベース」の存在意義を再認識していただけることと思います。

 第1日目の夕刻よりレセプションがあります。諸先生方と親しくお話のできる場となっていますので、これにも多数の参加をお待ちしています。
posted by genjiito at 22:31| Comment(0) | 古典文学

2014年10月27日

ハーバード本「須磨」を読み、話は池田本に至らず

 過日、本ブログ「立川市中央図書館でハーバード本『源氏物語』を読む方を募集中」(2014年10月22日)でお知らせした通り、市民のみなさまと一緒に楽しく『源氏物語』を読みました。

 ブログの記事を見て参加された方もいらっしゃったので、急遽ではありましたが掲載した意義がありました。しかも、しばらく御無沙汰していた方も参加されていたので、終了後に旧交を温め、新しい取り組みに参加していただけることになりました。

 ささやかな出会いから夢語りとなり、それが楽しい研究へとつながりそうです。直接会って話をすることの大切さを、あらためて認識しました。顔を見ながら語り合うことは、お付き合いする上での基本中の基本ですね。

 さて、立川市中央図書館では、ハーバード大学本『源氏物語』「須磨」の巻頭部分を例にして、古写本の変体仮名を読むことを体験していただきました。
 この「須磨」は、古写本の中でも比較的わかりやすい書写となっています。


141027_kouza





 前置きとして、ハーバード大学の写真を見ていただきました。
 私は調査に3回行きました。その内、2回も雪だったので、まずはみなさまにも雪の大学を見ていただきました。


03_harvarduniv




 また、所蔵先であるハーバード大学美術館に親しみを持ってもらうために、快晴のケンブリッジ(イギリスではなくてボストンのケンブリッジです)の写真をスクリーンに映しました。


04_harvard_artsm




 『源氏物語大成』や『源氏物語別本集成』、そして拙編ハーバード本「須磨・蜻蛉」の書籍の写真を映写しながら、現物を回覧しました。


02_gbs12





ハーバード大学本『源氏物語』の実寸をイメージしていただくために、国立歴史民俗博物館所蔵の中山本も回覧し、手に取ってその大きさ等を実感していただきました。

 お話としては、まず宮内庁書陵部にある檜製糸罫の説明をしました。この檜製の糸罫というものは、写本の製作過程がわかるものです。書写する時に糸罫を紙面を覆うように被せ、縦に張られた糸で行数と行幅を一定にして書写の書式を整える道具なのです。

 書写する人が使う小道具という実態をイメージしていただいてから、ハーバード大学本「須磨」の書写状態を確認しました。
 なぜ行末左下に小さく書かれた文字があるのか等は、この糸罫の存在を知るとわかりやすいのです。


141027_gyoumatu_2




 私がこの写本を読む上で困っていることも、ストレートにお話しました。それは、1行目と3行目の行末に書写されている「はしたなき」ということばです。
 3行目に「はしたなき」とあるのは、ハーバード大学本と陽明文庫本です。その他の写本では、例えば大島本や池田本では「まさる」となっています。さらには、陽明文庫本では1行目の「はしたなき」はないのです。つまり、この「はしたなき」ということばは、平安時代の物語本文ではどうなっていたのか、ということが、いまだに私の中で説明できないのです。

 本文の研究者としての専門的な視点からの問題箇所です。しかし、それを謎として、そのままみなさんに提示しました。『源氏物語』の本文がさまざまな問題を抱えており、物語本文は一つだけではないことを、こうした例から感得していただきたかったのです。

 なお、あらかじめ作成して配布した資料では、この1行目の箇所について、その字母を「八波之新堂奈」と印刷していました。これは、正しくは「波新堂奈」です。「八」と「之」は衍字です。字母資料を作成中に、この文字を消し忘れていました。あらためて訂正しておきます。

 「須磨」の第1丁表の本文を字母で示すと、次のようになります。


[1]与乃中・以止・和徒良之久波新堂奈
幾・己止乃三・末佐礼八・世免天・志良須可
本尓天・安里部武毛・己礼与里・八志多那支
己止毛也止・於保之奈里天・可乃・春末八・
武可之己曽・人乃・寸三可止毛・安里个礼
止・以末波・以止・佐止者那礼・心寿己久天・安
末乃・以恵堂仁・万礼尓奈武奈利尓堂留止・
幾ゝ・給部八・人・之計久・遠之奈部堂良
武・寸満井八・本以那可留部之・左里止天・
三也己遠・止本左可良无毛・不留左止・於保川(1オ)」


 これを字母別にその出現数を見ると、次のようになっています。


【漢字】人=2・中=1・心=1・給=1・ゝ=1
 
【仮名】止=12・可=6・己=6・之=6・里=5・天=5・八=5・礼=5・奈=5・以=5・乃=5・毛=4・武=4・部=4・末=4・堂=4・良=4・左=3・留=3・那=3・安=3・尓=3・本=3・三=3・久=3・遠=2・寸=2・保=2・於=2・也=2・志=2・佐=2・幾=2・波=2・与=2・川=1・不=1・无=1・井=1・満=1・計=1・利=1・万=1・仁=1・恵=1・寿=1・者=1・个=1・曽=1・春=1・支=1・多=1・須=1・免=1・世=1・新=1・徒=1・和=1


 今回の講座では、後半で、池田本『源氏物語』(天理図書館蔵)の存在に注目していることを語るつもりでした。しかし、みなさんの反応がよかったので、つい喋りすぎて池田本『源氏物語』についてお話する時間がありませんでした。
 これについては、後日形を変えて報告します。

 ここでは、今回用意した資料を転載することで、私が池田本『源氏物語』「須磨」の巻頭部分で問題だと思っている部分を提示することに留めます。


第一二巻「須磨」 六本校合

ハーバード本・・・・通番号
 池田本[ 池 ]
 大島本[ 大 ]
 陽明本[ 陽 ]
 尾州本[ 尾 ]
 麦生本[ 麦 ]

 
よの中[ハ]・・・・120001
 世中[池大麦]
 よのなか[陽尾]
いと[ハ=全]・・・・120002
わつらしく[ハ]・・・・120003
 わつらはしく[池大尾麦]
 わつらはしき[陽]
はしたなき[ハ=池大尾麦]・・120003
 ナシ[陽]

ことのみ[ハ=池大]・・・・120004
 事のみ[陽尾麦]
まされはせめて[ハ=全]・・・・120005
しらすかほにて[ハ=陽尾麦]・・・・120007
 しらすかほに[池大]
ありへむも[ハ]・・・・120008
 ありへても[池大陽尾]
 有へても[麦]
これより[ハ=全]・・・・120009
はしたなき[ハ=陽]・・・・120010
 まさる[池大麦]
 ます[尾]
こともやと[ハ=池大]・・・・120011
 ことも[陽]
 事もやと[尾]
 はちもやと[麦]
ナシ[ハ=池大尾麦]・・・・120012
 いてきこそ[陽]
ナシ[ハ=池大尾麦]・・・・120013
 せめと[陽]

おほしなりて[ハ]・・・・120014
 おほしなりぬ[池大]
 おほし成りて[陽]
 おほしはてぬ[尾]
 おもほし成ぬ[麦]
かのすまはむかしこそ人の[ハ=全]・・・120015
すみかとも[ハ]・・・・120019
 すみかなとも[池尾麦]
 すみかなとん/ん=も〈朱〉[大]
 すみかほも/ほ$[陽]
ありけれと[ハ]・・・・120020
 ありけれ[池大陽尾]
 有けれ[麦]
いまは[ハ=池大陽]・・・・120021
 いま/ま+は[尾]
 今は[麦]
いと[ハ=全]・・・・120022
さとはなれ[ハ=大尾]・・・・120023
 ナシ/+さとはなれ[池]
 人はなれ[陽]
 里はなれ[麦]
心すこくて[ハ=大]・・・・120024
 ナシ/+心すこくて[池]
 心ほそくて[陽]
 こゝろすこくて[尾]
 心ほそく[麦]
あまの[ハ=大陽尾麦]・・・・120025
 ナシ/+あまの[池]
いゑたに[ハ=大陽]・・・・120026
 たに/+いゑ[池]
 いへたに[尾]
 家たに[麦]
まれになむ[ハ]・・・・120027
 まれになんと[池陽]
 まれになと[大麦]
 かすかになむ[尾]
なりにたると[ハ=尾]・・・・120027
 ナシ[池大陽麦]

きゝ[ハ=全]・・・・120028
給へは[ハ]・・・・120029
 たまへと[池尾]
 給へと[大陽麦]
人しけく[ハ=全]・・・・120030
をしなへたらむ[ハ]・・・・120032
 おしなへた覧[陽]
 ひたゝけたらむ/前た=混?[池]
 ひたゝけたらむ[大尾]
 ひたゝけたらん[麦]

すまゐは[ハ=池大尾]・・・・120033
 すまひは[陽麦]
ナシ[ハ]・・・・120034
 いと[池大陽尾麦]
ほいなかるへしさりとて[ハ=全]・・・・120035
みやこを[ハ=池大尾]・・・・120037
 宮こを[陽麦]
とほさからんも[ハ]・・・・120038
 とをさからんも[池大]
 とをさからんも/ら〈判読〉[陽]
 とほさからむも[尾]
 遠さからんも[麦]
ナシ[ハ=池大尾麦]・・・・120039
 いと[陽]
ふるさと[ハ=池大陽尾]・・・・120040
 ふる郷[麦]
おほつかなかるへきを[ハ=池大陽尾]・・・・120041
 おほつかなかるへきをなと[麦]


 参加してくださっていた方々が好意的な反応を示してくださっていたので、ついその雰囲気に釣られて話をおもしろくしてしまったようです。もちろん、筆順や縦書きと横書きについても話しました。
 90分があっという間だったので、また機会があれば続きのお話をしたいと思っています。
posted by genjiito at 22:24| Comment(0) | ◆源氏物語

2014年10月26日

続・雅楽三昧の一日(夜の部・北区王子北とぴあ)

 神野藤昭夫先生と宮内庁楽部で雅楽を観た後は、そのまま東京駅から王子駅へと向かいました。もう一つの雅楽会があるからです。雅楽のダブルヘッダーは、なかなか得難い経験です。

 王子駅前にある北とぴあ(つつじホール)で、京都方楽家安倍家の伝承シリーズとして、「幻の雅楽」という公演が、午後6時半から始まりました。


141026_gagaku




 「幻の雅楽」は、宮内庁楽部の雅楽とは打って変わって、主催者である三田徳明さんの楽しくわかりやすい解説で進行します。
 ゲストとして話題ごとに3人が壇上に呼ばれ、雅楽や舞楽に関する話の背景や、思い出話などが繰り広げられました。この味付けは、主催者である三田さんの独壇場です。

ここでも、忘れないように演目を列記しておきます。


【演目】
第一部 京都からの出立
 ・安倍家伝来の古譜より「廻忽」「五常楽」
第二部 明治維新と雅楽
 ・「君が代」の起源
 ・〈陸蒸気(おかじょうき)〉と雅楽
  「慶雲楽」「蘭陵王」「還城楽」
第三部 安倍季昌氏思い出の舞楽「胡蝶」に因んで
 ・幻の曲「胡蝶破」(管弦曲)
 ・安倍家所蔵の古譜による「胡蝶急」(現行楽曲、舞付き)


 この中で、私は古歌「君が代」の演奏と、京都方楽家安倍家29代当主である安倍季昌先生の幼い時の体験談の後に演じられた舞楽「胡蝶」が印象に残りました。

 主催者である三田さんには、出口で神野藤先生とご一緒に挨拶をして、会場を後にしました。

 王子駅周辺に詳しい神野藤先生には、王子神社を始めとして、楽しい解説付きで案内していだきました。


141026_toden




 妻がこの近くの学校に勤めていました。結婚直後に、私の大学院生活を支えてもらっていた時代のことです。
 私も、この近くの開成学園と東京成徳学園で講師をしていたことがあります。しかし、いつかはと思いながらも、結局はこの王子に降りたったことはありませんでした。

 この街は、東京を去るあと2年程の間に、妻と共にまたあらためて来ることになりそうです。
posted by genjiito at 21:56| Comment(0) | 古典文学

2014年10月25日

雅楽三昧の一日(午後の部・宮内庁楽部)

 大手町駅で神野藤昭夫先生と待ち合わせをし、皇居の大手門から入って宮内庁の楽部へ行きました。
 大手門から桔梗濠越しに日比谷方面を望むと、都心とは思えない程ののどかさがあります。


141026_kikyoubori




 神野藤先生に誘われるままに、式部職楽部の雅楽演奏会に行ったのです。


141026_gakubu




 いただいたパンフレットには、舞楽図の「御神楽人長」が描かれています。
 舞台のすぐそばに座ったので、足元には白い玉砂利が敷かれています。


141026_panflet




 2階に上がってみると、全体がよく見通せました。



141026_butai1





 また、2階には楽器や衣装が展示されていました。


141026_gakki




 これまでに何度も先生からお声を掛けていただき、雅楽のお供をさせていただいています。
 雅楽やお能は退屈しそうです。しかし、先生と一緒だと眠くなることもなく、楽しく観られるから不思議です。適度な説明とお心遣いに感謝しています。

 忘れないように、曲目を列記します。

◆管弦
 ○盤渉調音取
 ○千秋楽
 ○越殿楽 残楽三返
 ○劔氣褌脱

 以前に聞いたこともあってか、「越殿楽 残楽三返」が心地よく聞けました。曲が進むにつれて、笙や篳篥が順番に演奏を休止するものです。


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◆舞楽
 ○還城楽
 ○蘇志摩利

 「還城楽」は一人舞でした。途中で蛇を手にしてからは、特に動作がきびきびしていて、印象深い舞でした。
 「蘇志摩利」は四人舞でした。腰に着けた笠を被るなど、これも惹き付けられました。この曲は「明治選定譜」にないもので、近年再興されたものだそうです。

 帰りに、御苑できれいな冬桜を見ました。


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posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | 古典文学

2014年10月24日

〈筆順・縦書き〉問題とパソコン業界の日本語放棄の潮流

 昨日の「やた管ブログ」に、平仮名の連綿に関する記事があります。
 〈筆順〉と〈字形〉、そして〈縦書き〉が問題とされています。

「歴博のキモい広告」(2014年10月23日)

 私も、講座や講演会で『源氏物語』の古写本を読むときには、最初に筆順や縦書き・横書きのことをお話します。

 最近では、この1ヶ月ほどの間に、3回も変体仮名のお話をする機会がありました。
 以下のブログでは、筆順や縦書きのことには詳しく触れていません。しかし、いずれもこの点に関しては当然お話をしています。

「日南町でハーバード大学本「須磨」を読む」(2014年09月13日)

「日比谷図書文化館で『源氏物語』を読み始める」(2014年10月02日)

「日比谷図書文化館でハーバード本を読む(1)」(2014年10月16日)

 今週末も、立川市中央図書館で『源氏物語』の古写本についてお話をします。その時にも、筆順や縦書きのことを最初にお話し、日常生活の中での問題点に気付いていただくように話題を進めていく予定をしています。

 折しも、毎月読んでいるパソコン雑誌の今月号の内、『Mac Fan 11月号』(マイナビ刊)に、コクヨ S&T社が発売している「CamiApp S」という商品の評価記事がありました。この商品は、手書きのノートをデジタル化するものです。そこに、縦書きについて次のように書かれていました。


縦書きや絵に注意!
縦書き文字や絵が入っていると、こんな感じに文字化けします。

横書きでは正しく認識
縦書きをしないように気をつけつつ、横書きのテキストを作成したところ、見事に文字認識をしてテキストに変換されました。(217頁)


 どうやら、文房具ではメジャーなコクヨが開発したものでも、縦書きを読み取って変換する精度はまだまだのようです。コクヨは日本の会社なのに、日本語の縦書きについては無力さを露呈しています。こんな会社が今でも日本の事務用品を扱う大手であることは、恥ずかしい限りです。

 日本において、文字を表記することに関しては、依然として放置されているものがあります。それが、〈筆順〉であり〈縦書き〉〈横書き〉の問題なのです。
 縦書きと横書きについては、拙著『新・文学資料整理術パソコン奮戦記』(桜楓社、1986(昭和61)年)の巻頭部分において、さまざまな例をあげて文字の縦横表記の問題点をとりあげています。いまから28年も前の問題提起です。しかし、いまだに何も解決されていません。日本語を使って毎日読み書きをしている1人として、これも恥ずかしいことです。

 いつまで、今の筆順で横書き文化を維持しようとするのでしょうか。学校では縦書きの筆順を教えながら、社会ではそれを嘲笑うかのように横書き文化が進行しています。土台無理なことを、国と学校は児童生徒に押し付けているのです。今後10年の動向が楽しみです。
 また、ひらがなは今のまま、1文字に限定した用字を強制しつづけるのでしょうか。例えば、「か(加)」は「可」を崩した文字の方がずっと楽に書けます。もっとも、日本がこれまで通り縦書きを続ける限りは、という条件付きですが。

 アップルは、というよりもコンピュータ業界は、キーボードの文字配列に日本語のJISキーボード(日本語109キーボード)を放棄しようとしています。カナ入力をしている私などは、アップルの日本語を切り捨てていく方針に憤慨しています。アップルの日本法人は、この件では無能なのか何も言わないようです。日本語を使って文字表現をする1人として、日本語の縦書きが抹殺されていく過程を見届けるざるを得ない風潮が、非常に残念で悲しいことです。

 この件では、現在、視覚障害のある方々と縦書きの変体仮名を読む方策に取り組んでいます。その一環として、この無策な日本語の表記について、日本語を研究されている関係者に提言もしていこうと思っています。
 目が見えることからくる無自覚な現状認識について、目が見えない方々と問題提起をしていきたいと思います。
posted by genjiito at 00:00| Comment(0) | ◆情報化社会

2014年10月23日

伊藤科研(A)HPに「『十帖源氏』論文リスト」を立項しました

 一昨日の「伊藤科研(A)HPに論文検索コーナーを新設」に引き続き、公開情報の更新と新たな項目を設定したことの報告です。

 まず、「翻訳参考情報」として、翻訳のことを考える上で参考になる公開論文にリンクを張りました。
 まだ1件です。しかし、これは今後とも随時追加していく予定です。
 執筆者本人と公開サイトの了解を得たものを順次掲載していきます。

 次に、「『十帖源氏』論文リスト」を、新たに項目として立てました。


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 これは、『十帖源氏』を多国語翻訳するにあたり、その基礎的な研究情報を一覧できるようにしたものです。

 この分野も、今後の情報の集積により、充実させていきたいと思っています。
 みなさまからの情報の提供をお待ちしています。
posted by genjiito at 00:10| Comment(0) | ◆源氏物語

2014年10月22日

立川市中央図書館でハーバード本『源氏物語』を読む方を募集中

 報告が遅くなりました。
 今週末、10月26日(日)午後2時から、立川駅前にある立川市中央図書館で、ハーバード大学本『源氏物語』「須磨」巻を読みます。

 開催日が差し迫っています。参加を希望される方は、下記のチラシを参考にして、電話か直接図書館に申し込んでください。無料です。

 今回は、一般の方々を対象とした一回限りの講座です。
 11月1日の古典の日にちなんだイベントです。
 お気軽にお越しいただければ、と思っています。

 

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posted by genjiito at 00:03| Comment(0) | ◆源氏物語

2014年10月21日

伊藤科研(A)HPに論文検索コーナーを新設

 科研の「海外源氏情報」(科研HP)で公開しているコンテンツを、順調に更新しています。

 本日は、〈『源氏物語』翻訳史〉の情報をアップデートすると共に、新たに〈翻訳−源氏物語・平安文学論文検索〉を公開しました。


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 特に〈翻訳−源氏物語・平安文学論文検索〉は、世界各国で翻訳された『源氏物語』および平安文学に関する研究論文が検索できます。平安文学関連の情報は今後ここに追補していきます。


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 元となるデータは、『海外における源氏物語』(伊藤編著、国文学研究資料館、179頁、2003(平成15)年)と『海外における平安文学』(伊藤編著、国文学研究資料館、349頁、2005(平成17)年)です。まだまだ収集した情報は限られています。これに、随時最新のものを追加していく予定です。
 本サイトに関してお気付きの点や、公開されていない情報などをご存知でしたら、ご教示のほどをよろしくお願いします。

 今後とも、より使い勝手のよい情報提供サイトに育てていくつもりです。
 ご要望やご意見なども、お気軽にお寄せください。
posted by genjiito at 22:49| Comment(0) | ◆源氏物語

2014年10月20日

京大病院で診察予約日を変更して受診する方法

 今日は、京大病院で予定していた診察日を変更して受診しました。
 このところ、何かと体調不良が続くため、念のために予定を早めて診てもらうことにしました。

 結果的には、何かが急変したことはないようです。
 検査結果によると、炭水化物の摂取が少ないことと、ケトン体が今回から出だしたことを告げられました。
 これは、緩いながらも糖質制限食をしている私にとっては、歓迎すべきことです。しかし、それにしてもヘモグロビン A1cが前回の6.9から7.0へと微増なので、決して糖尿病がよくなっているとは言えません。ケトン体の功罪については、今後さらに検討します。

 このところ食事が喉を通らないことと、昨日も腹痛に苦しんだことについては、バリウムによる胃の透視ではなくて、胃カメラの検査を勧められました。考える時期かもしれません。

 とにかく、睡眠時間をしっかり確保して、何かと大変な日々ではあっても無理をしないように、とのアドバイスをいただきました。
 先生は私の仕事の内容をよくご存知なので、やや遠慮がちに「あまり根を詰めるないように」とのご託宣でした。ありがとうございます。これは性分なので、定年までの後2年半は突っ走らざるをえません。それを見越してのご指導のほどを、よろしくお願いします。

 以下、今後とも京大病院で迅速な診察を受けるための効率的な手順を、診察の待ち時間を利用して、備忘録として記してみました。

 例えば、予約よりも1週間早く受診する場合で、血液検査があるケースについて。

 まず、診察券を1階入口にある受付機に通して、血液検査の手続きをし、病院内で無線による指示を受ける受信機を受け取ります。

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 血液検査は、予約日の前後2週間は有効なので、あらためて検査を依頼する必要はありません。

 次に、1階正面の4番窓口で受け付け票を取り、そこで呼び出される時間を予測します。
 20分以上は待つようであれば、2階に上がり、すぐに血液検査の手続きをして、尿検査と血液検査をすませます。

 血液検査の結果が出るまでに、1時間ほどかかります。その結果によって診察を受けることになるので、この血液検査は早く済ませた方がいいのです。

 血液検査をすませたら1階正面の4番窓口に戻り、あらかじめ取っていた番号票の順番が来たら、再来診の手続きをします。
 その時、保険証の確認があります。

 次に、その隣の3番窓口前でしばらく待つと、2階の当該診察窓口に出す用紙がもらえます。それを持って2階の担当窓口へ行くと、担当医へ予約なしでの診察希望が伝えられ、先生の診察の隙間に入れてもらえることになります。

 診察終了後は、5番の会計窓口に計算書を出し、処方せんに認め印を捺してもらったら、支払機による精算の連絡が受信機に届くのを待ちます。

 精算に時間がかかりそうな時は、処方箋を持って一旦院外に出て、病院の前にある薬局で薬をもらいます。
 薬の受け取りに半時間以上はかかるので、院外に持ち出した受信機が警告音を発します。しかし、それは即座にボタンをタップして止めます。

 薬を受け取ったら院内に戻り、精算可能の時間になっているはずなので、自動支払機で精算をすませます。

 検査のために食事をしないままに来ていることも多いので、この薬を受け取る間に院内のレストランで食事をすることも可能です。

 このような手順を踏むと、約3時間半ですべて終了となります。
 この一連の手続きが狂うと、あっという間に午後の数時間も費やされるのです。

 時間の余裕がない場合は、処方せんは持ち帰り、後日東京で薬を受け取ることもできます。

 病院通いの知恵として、糖尿栄養科に関しては、以上の通りの行程が最適な手順です。
 何かの場合には、以上の手順で介助をお願いします。
posted by genjiito at 22:37| Comment(0) | 健康雑記

2014年10月19日

京洛逍遥(340)樂吉左衞門さんのお茶会に行って樂茶碗を堪能

 今朝は、肌寒い川風の中での賀茂川散歩となりました。
 紅葉はまだまだです。


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 いつもより多くの鴨たちが遊んでいました。


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 川鵜がたくさんいたのは、季節の変わり目だからでしょうか。


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 一羽の鷺が樹上にいるのを見かけました。左側に比叡山が見えています。


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 しばらくすると、さっと飛び立ちました。いつもこんな高いところにいるのか、初めて見たのでその習性はよくわかりません。


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 午後からは、樂美術館の茶室で催された特別鑑賞茶会に出席しました。


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 樂美術館がご所蔵の品々を使ってのお茶会です。
 当代(15代)樂吉左衞門さんが亭主をつとめられ、薄茶をいただきながら、樂茶碗を中心とした作品の詳しい解説などをうかがいました。
 私は「伊羅保写茶碗(十代旦入作)」というお茶碗で薄茶をいただきました。

 轆轤を使わず、手びねりで茶碗を作られる話を、興味深く聞くことができました。

 また、樂美術館で開催中の「樂家五代宗入生誕350年記念 秋期特別展 元禄を駆け抜けた雁金屋の従兄弟ども 「樂家五代宗入と尾形乾山」展」(2014年9月12日(金)〜12月7日(日))に関連して、尾形乾山と樂宗入の作品の解説も、実物を見た後だったのでよくわかりました。

 吉左衞門さんのお話を聞きながら、鳥越碧の小説『雁金屋草紙』を読んだことがあるのを思い出しました。尾形光琳と乾山兄弟の話だったことは覚えています。しかし、茶碗師樂家の五代目である宗入が、光琳・乾山と従兄弟だったことなどは、読んだ当時は興味と感心が薄かったせいか、まったく記憶にないのです。これは、あらためて再読しなくてはいけません。

 そう思って自宅の書棚を探しました。しかし、奈良から京都の北区へ、そしてこの左京区へと何度か引っ越しをしたので、大量に処分した本の中にあったのでしょう。特に読み物はほとんど廃棄したので、残念なことをしました。機会があれば、もう一度読んでみます。

 お茶会が終わってから、素人でも吉左衞門さんに直接お尋ねしてもいいようだったので、お話の中にあった、茶碗を焼く炭が均一化している風潮の功罪についてうかがいました。突然の質問にもかかわらず、懇切丁寧に教えてくださいました。

 私は、炭が均一化しているのは、火力をコントロールしやすいので、思いのままの茶碗が焼けるのでは、という素朴な問いかけをしたのです。それに対して吉左衞門さんは、人間がわかる範囲での仕上がりはしれたものであり、自然が生み出す偶然の方が遥かにすばらしいものになりうることの意義を語ってくださいました。人知を超越した次元で生まれる作品のおもしろさをおっしゃっていたように思います。
 人間がわかってやることの限界を教えてくださった、と思っています。
 ありがとうございました。

 今日は、朝から体調がすぐれず、美術館を出た直後にお腹が急激に痛くなりました。
 心配してくれた娘夫婦が、タクシーで我が家まで送ってくれました。そして、小一時間ほど身体を休めると、少しお腹が落ち着いて来ました。近所のスーパーへ一緒に買い物に行き、お腹を暖めるといいからということで、鍋料理を作ってくれました。
 わいわい話ながら食事をすると、体調もやがてよくなりました。
 こんなことがたまにあるので、仕事帰りなどに、みなさまと外食がしにくいのです。

 明日は京大病院で検査と診察があるので、今夜は早めに休むことにします。
posted by genjiito at 22:28| Comment(0) | ◆京洛逍遥

2014年10月18日

京洛逍遥(339)賀茂川での呈茶と長生堂の和菓子

 昨夜自宅の玄関を入ると、家の中がひんやりとしていました。
 夜中に寒さで目が覚めたため、ごそごそとガスストーブを引きずり出しました。
 紅葉にはまだ早いのに、暖房に気が向く季節となったのです。

 夕刻、賀茂川散歩に出かけました。北大路橋のたもとで、何度か紹介している方がお茶を点てておられました。


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 風か冷たくなってきたのにもかかわらず、通り掛かりのお客人を呼んで、話をしながらの呈茶です。
 私もいただこうと思いながら、なかなか声をかけて座る勇気がでません。
 いつか頂戴するつもりです。

 明日は樂美術館で、特別鑑賞茶会があります。吉左衞門氏が亭主をつとめられるとのことで、娘の婿殿が楽茶碗に凝り出したこともあり、お付き合いで同道することになっています。
 明日の朝、我が家で予習をしてから行きたいとのことです。
 お菓子の用意を、とのことなので、散歩の帰りに近所の長生堂さんで、いつもの和菓子をいただきました。

 このお店は、天保二年創業の「長久堂」で修業された菊次郎さんが四条大宮に「長生堂」を開かれ、今この北大路植物園前に移転後も続くお店です。
 ご主人も奥様も話しやすい方なので、急なお客さんの時などにいただきに行きます。
 閉店直前だったので、適当に季節の主菓子と「松茸松露」を見つくろって来ました。


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 もう寒くなったので、一晩ならタッパーウェアに入れて冷蔵庫の野菜室でも大丈夫ですよ、とのことでした。

 お茶とお菓子をいただくだけで、いつもと違う空間にいる気持ちになるから不思議です。
 さて、明日はどんなお茶会なのでしょうか。
 数百年前の楽茶碗でいただけるとか。
 それが楽しみです。
posted by genjiito at 21:29| Comment(0) | ◆京洛逍遥

2014年10月17日

iPhone 6 Plus が欠陥商品のため本体交換となる

 また、欠陥品を渡されていました。


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 購入してすぐに発生した iPhone 6 Plus 123G の不具合については、「iPhone 6 Plus のトラブルの対処方法」(2014年10月07日)で報告した通りです。

 その後も日本語入力の遅さに辟易していました。

 私は電車で移動する時間が長いので、ブログなどの文章入力は iPhone を活用しています。しかし、あろうことか、iPhone 5を6 Plus にしてからは、パワーアップしたはずのiPhone の日本語入力が遅すぎて使い物になりません。かれこれ10日間は、渡された出来損ないの iPhone と辛抱強く付き合ってきました。しかし、想像を絶する反応の遅さにたまりかね、正規サービスプロバイダであるクイック・ガレージに飛び込み、すぐに本体を交換してもらいました。

 すでに、購入した東京の門前仲町にあるauショップの方からも先週には見放され、本体交換しかないとの宣告を受けていました。ただし、auショップでは修理や交換ができなくて、単なる商品の中継ぎ業にすぎないとのことでした。そこで先週、立川のクイックガレージに電話をしました。しかし、何度かけても変な録音が流れるだけです。

 そこで今日は、帰洛中の新幹線の中から京都の四条烏丸にあるクイックガレージに電話をしました。不具合と東京でのauの対処を説明をしたところ、在庫もあるのですぐに本体交換ができる、とのことでした。

 大急ぎでiPhone のバックアップを、新幹線の中でしようとしました。しかし、テザリングでネットにつなげてのデータ保存には時間がかかり、京都に着くまでに完了しませんでした。

 閉店時間の21時を気にしながら、四条烏丸交差点角の大垣書店の2階にあるクイックガレージへ、京都駅からまっしぐらに駆け込みました。大勢の方がトラブルの対処で来ておられました。その中で、電話で連絡をしてあることを説明して理解を得られたので、スムーズに本体交換となりました。

 ここのスタッフは優秀でした。
 まず、不具合の確認をされた方は親切で、本体交換になることが明らかな症状であることをすばやく決断されました。そして、新幹線でのバックアップが途中なので、それを完了させるために、ケーブルやWi-Fi への接続などを好意的にしてくださいました。これにより、クラウドとノートパソコンの両方に、あっという間にバックアップがとれました。あの、新幹線の中で2時間近く悪戦苦闘したことが嘘のようです。

 また、窓口で対応してくださった方も親切で、手際よく本体交換までの手続きをすすめてもらえました。驚いたのは、私が持ち込んだ iPhone は、アップルの検証プログラムが機能しないほどの不良品だったのです。
 最近よくある、修理ではなくて本体交換での対応は、それなりに納得できます。以前は、何日もかけて欠陥商品に手を入れてから戻され、またそれを修理に持ち込んでと、数ヶ月はメーカーとやりとりしてから、やっと本体交換となっていました。それを思うと、調子が悪いとそれはすぐにスクラップに回して、ユーザーには新商品を渡してしまうのは、お互いにいいことです。修理ではなくて交換、というのも潔くていいと思います。

 それにしても、こんな不良品を、アップルはよく市場に出荷したものです。また、その欠陥商品をいつものように手渡された私も、毎度のこととはいえ今回も大当たりでした。この欠陥商品を渡される確率たるや、この世の中で私はトップクラスの打率を誇れるのではないでしょうか。

 すでに私のことを御存知の方は、またですか、お疲れさま、と仰ってくださることでしょう。欠陥品とのおつきあいも、もう長くなりました。人生の相当な時間を、こうした欠陥商品の対処に充てているように思えます。

 私は、2割が道具を使う時間で、そのトラブルに対処する時間が8割だと、かねてより公言しています。今回もまた、この8割の時間と労力を費やして、やっとまともに動くと思われる(?)商品を手にしました。

 さて、昨日までは、auショップの方が言われるままに、こまめにホームボタンを2度押しして、起動しているアプリを終了させるなど、今となっては虚しいことを繰り返していました。
 今日の本体交換でそれをしなくてよくなった(?)ので、操作環境は気分的に大分楽になりました。
 それにしても、こんな粗悪品が市場には出回っているようです。
 次の iPhone7が発売される再来年まで、これがまともに動いてくれることを、今はひたすら祈るのみです。
posted by genjiito at 23:54| Comment(0) | ◆情報化社会

2014年10月16日

日比谷図書文化館でハーバード本を読む(1)

 今夜から日比谷図書文化館で、ハーバード大学本「蜻蛉」を読む翻字養成講座が始まりました。
 先々週に体験講座をし、それを受けて始まったものです。
 参加者の半数以上は、体験講座にお出でになっていた方々でした。

 最初なので、変体仮名の概略やハーバード大学本のことを確認してから、現在展示開催中の畠山記念館の葦手絵文字のことをお話ししました。
 ただし、その写真が入手できなかったので、徳川美術館にある諸道具に配された初音巻の意匠を見て、芸術化された文字を確認しました。平仮名が持つ多様性について、日常生活から離れた視点で確認しました。

 併せて、現行の平仮名書きで翻字をすることは、字母を無視して文字を置き換えていることを意識してほしい、ということを強調しました。

 「蜻蛉」巻の冒頭をみると、「かしこ尓者」と書写されていることがわかります。


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 これは、「かしこには」と翻字することになります。しかし、それは本当は正しくないのです。「尓者」は、現在この字に対応するひらがながないので、仕方なく「仁波」を字母とする「には」に置き換えているにすぎないのです。このことを自覚してほしいと思っています。我々が学校教育と社会生活の中で教えられ、学び取ったた平仮名だけでは、日本の古典籍を正確には翻字できないのです。変体仮名を文字にするときに、妥協して現行の仮名文字の範囲で平仮名を充てざるをえないのです。

 「蜻蛉」巻の本文については、前回の体験講座で一通り見たので、今日はその周辺の話をしました。前回との繰り返しになる筆順や縦書きと横書きのことなど、基本的な情報を共有することを主眼にしました。

 本講座の初回ということもあり、雑談になりすぎたかもしれません。受講者のみなさま、次回からは本文に寄り添った内容に切り替えますので、今後とも気長にお付き合いのほどを、よろしくお願いいたします。
posted by genjiito at 23:47| Comment(0) | ◆源氏物語

2014年10月15日

江戸漫歩(90)立川開催の箱根駅伝の予選会

 今週末の10月18日(土)に、立川地域を舞台にして「第 91 回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会」(主催・関東学生陸上競技連盟)が開催されます。

 毎年、箱根駅伝は1月2日と3日に行われます。そこに出場する大学は、前回の上位10校と、予選会で勝ち上がった10校となっています。
 この予選会は、テレビでも放映されます。毎年、本番に劣らないほどの悲喜こもごものドラマが展開されるので、ご覧になった方も多いことでしょう。

 会場とコースは、「陸上自衛隊立川駐屯地〜立川市街地〜国営昭和記念公園」の20キロです。
 選考は、各校上位 10 名の合計タイムにより 10 校が選ばれます。
 また、出場権を逃したチームから記録上位者を中心に、オープン参加の関東学生連合チームが編成されます。つまり、第90回大会でシード権を獲得した10校と、予選会から上位10校に加えて、予選会敗退大学の選手で編成する「関東学生連合チーム」の、合計21チームが第 91 回箱根駅伝を走るのです。

 今年1月の箱根駅伝での上位10校は、以下の通りでした。


1 東洋大学 10時間52分51秒
2 駒澤大学 10時間57分25秒
3 日本体育大学 11時間03分51秒
4 早稲田大学 11時間04分17秒
5 青山学院大学 11時間08分53秒
6 明治大学 11時間10分09秒
7 日本大学 11時間12分52秒
8 帝京大学 11時間13分03秒
9 拓殖大学 11時間13分06秒
10 大東文化大学 11時間14分43秒


 そして、今年の予選にエントリーしたのは、以下の48校です。


法政大学
駿河台大学
中央学院大学
立教大学
東海大学
東京情報大学
東京農業大学
慶應義塾大学
中央大学
東京学芸大学
順天堂大学
国際武道大学
國學院大學
芝浦工業大学
神奈川大学
明治学院大学
城西大学
東京大学
上武大学
横浜国立大学
専修大学
東京大学大学院
国士舘大学
千葉大学
山梨学院大学
高崎経済大学
亜細亜大学
学習院大学
流通経済大学
首都大学東京
平成国際大学
埼玉大学
東京国際大学
東京工業大学
関東学院大学
防衛大学校
創価大学
東京理科大学
麗澤大学
一橋大学
東京経済大学
桜美林大学
武蔵野学院大学
上智大学
松蔭大学
日本薬科大学
筑波大学
東京農工大学


 JR立川駅2階のコンコースに、出場48校の名前を記したのぼり旗が設置されていました。


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 なお、全区間の距離を、今回コースが変更になったことを受けて再計測した結果、7区間で、従来の計測数字と実際の距離との間に誤差があったようです。実際に走っていた総距離は、合計約800メートル短かった、とのことです。それにより、新たな総距離は、これまでの217・9キロから217・1キロとなるそうです。

 さて、今年の箱根駅伝に参加する大学は、すでに決まっている10校に加えてどの学校なのか、駅伝ファンの1人として多いに楽しみにしています。
posted by genjiito at 23:47| Comment(0) | 江戸漫歩

2014年10月14日

江戸漫歩(89)畠山記念館で見た不昧公の逸品

 秋季展として、「開館50周年記念特別展 大名茶人 松平不昧の数寄―「雲州蔵帳」の名茶器―」が開催されています(平成26年10月4日(土)〜12月14日(日))。
 これまでにない大型台風が来る直前の間隙を突いて、不昧公のお茶道具を拝見しに畠山記念館へ行きました。


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 お茶の良さなどはまだまだわかりません。しかし、名茶器といわれるものは見られる時に見ておきたいと思っています。良いといわれるものは何でも見て、目を慣らしたいのは、古写本や古筆切を見る時の気持ちと同じです。

 不昧公(1751〜1818)は、出雲国松江七代藩主です。茶の湯を極めた、江戸時代を代表する大名茶人として知られています。
 その「不昧公」という名前は、私の出身が島根県出雲市ということもあり、幼い頃から両親に「松江」「山川」「若草」という言葉とセットで聞いていました。
 本家のお爺さんがお茶人で、わけもわからずにお茶室の茶碗などを玩具がわりに悪戯していたころから、不昧公は何となく耳にしていた名前です。

 父に連れられて松江に行き、お茶席で蓮華とお菓子をもらって帰ったことは、今でも記憶に鮮やかです。お茶をいただいたのかどうか、今となっては定かではありません。しかし、緋の毛氈と大きな傘と桜が、微かながらも残映として残っています。

 昨春(2013年4月6日(土)〜6月2日(日))、逸翁美術館で「小林一三生誕140周年記念T 復活!不昧公大圓祭−逸翁が愛した大名茶人・松平不昧−」が開催されました。逸翁美術館館長の伊井春樹先生から連絡をいただいていました。
 4月28日には、「池田亀鑑賞の選考委員会が逸翁美術館で」あったので、会場までは足を運んでいました。しかし、当日は慌ただしかったため、また改めて、と思ったのがいけませんでした。その後も何かと多忙だったこともあり、とうとう拝見する機を逸してしまったのです。
 逸翁が収集した不昧公に縁のある名品を見られなかったので、今でも再会を待ち望んでいるところです。

 そんなことがあったので、どうしても畠山即翁が集めた名茶器を見たくて、並の勢力ではないと警戒されている台風の中を、それこそ見られる内にとの思いから出かけたのです。

 国宝の藤原佐理筆『離洛帖』(平安時代)は、展示期間が来月(11月8日〜12月14日)なので今回は見られませんでした。
 それでも、重要文化財となっている『唐物肩衝茶入 銘 油屋』(南宋時代)と『井戸茶碗 銘 細川』(朝鮮時代)の2つは、しっかりと見てきました。

 次に興味を持ったのは、『観音蒔絵硯箱 銘 玉河』(室町時代)です。これは、平仮名が装飾絵の中に紛れ込むように隠されているものです。「葦手絵」と言われる、絵文字の一種です。平安時代に遡る散らし書きの中に、平仮名の連綿体が絵画の中に溶け込むようにして書いてあるのです。
 近年は、絵文字がメールなどで頻繁に使われています。この絵文字も、由緒正しき遊び心溢れる葦手の流れなのです。

 『源氏物語』では第32巻「梅枝」に、光源氏が「葦手、歌絵を、思ひ思ひに書け」と言っています(『新編日本古典文学全集』第3巻、417頁)。
 また、その後に「葦手の草子どもぞ、心々にはかなうをかしき。」(同、420頁)と、若い人が草子に葦手書きをしていることをおもしろがっています。

 今日拝見した硯箱の蓋裏には、千鳥が飛ぶ模様の中に、崩し字で「ゆふ」と「され」が隠れるようにして書いてありました。また、硯箱の身には「しを」と「かせ」が装飾絵の中にかすかに読めます。
 もっとも、読めますと言えるのは、ここに書いてありますよ、という指示があるのでわかる程度です。ここまで平仮名を崩されると、目を凝らさないと識別できません。おまけにガラスケース越しなので、なおさら判読が大変です。

 これは、平安歌人である能因法師の和歌
ゆふされしほかせこしてみちのくの のだの玉河千鳥なくなり」(新古今和歌集、巻6、冬)
の歌意を装飾的に意匠化したものでした。
 この硯箱の銘が「玉河」となっているのも、この能因の和歌から来るものです。

 葦手絵は、平仮名の特性をうまく引き出した遊び心満載のデザインです。文字で遊ぶなど、海外の装飾文字とはまた違う、一風変わった言葉遊びと絵画化が融合したおもしろい文化です。

 帰りには、小雨が降り出しました。
 今夜から明日にかけて、関東地方も大荒れになりそうです。
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2014年10月13日

日本盲教育史研究会に参加して(その3/3)

 11日に筑波大学東京キャンパス文京校舎で開催された、日本盲教育史研究会についての続き(その3)です。
 書きたいことはたくさんあります。しかし、その時間的な余裕がないので、これまでに留めます。

 午後の部の広瀬さんの記念講演に続いての後半は、3組の研究報告がありました。

 まず、「日本のヘレンケラー 小杉あさ」について、静岡県立浜松視覚特別支援学校教諭の足立洋一郎氏です。これは、近刊著書『愛盲』をもとにした一女性の紹介と盲教育史の問題点を語ってくださいました。
 今回、この本を入手しましたので、その内容については後日「読書雑記」として取り上げます。

 続いて、「盲ろう教育・福祉」と題して、元筑波技術大学教授の岡本明氏と山梨県立盲学校教諭の白倉明美氏の貴重な調査報告がありました。
 教育という観点から、どのようなプロセスで言葉や文字を教えると効果的であるか、ということがよくわかりました。また、膨大な資料が残されていることも驚異でした。

 最後は、「小西信八の伝記編纂について(中間報告)」と題する、国立特別支援教育総合研究所客員研究員の大内進氏と元筑波大学附属盲学校教諭の岩崎洋二氏の、私の興味をいや増しにする興味深い報告でした。

 私は、この小西信八の明治から大正時代における盲唖教育での功績の中でも、特にかな文字論者だった小西に興味を抱きました。点字がかな文字論の影響を大きく受けていると思われるからです。ルイ・ブライユが考案した6点式点字を日本語用に翻案し日本点字の父といわれている石川倉次と、小西は「いろはくわい」で出会っています。配布された「小西信八略年表」によると、次のようにあります。


1884(明治17年)30歳
 1月27日 「かなのくわい」(於虎ノ門 工部大学校)に出席、同席した石川倉次に「コニシ ノブハチ」の名刺を差し出す。


 以下、資料に記載された次の文言に目が留まりました。


1890(明治23年)36歳
 11月1日 第4回点字選定会に出席、諸案の内 石川倉次案を決定。

1891(明治24年)37歳
 11月7日 東京盲唖学校第3回卒業式で「訓盲文字」翻案と点字の普及の話。

1894(明治27年)40歳
 3月8日 天皇大婚満25年祝賀品を献上(前年アメリカより購入した点字印刷機で制作した点字本2冊、聾生の画集2巻など)

1899(明治32年)45歳
 10月26日 帝国教育会国字改良部を発足、部長前島密、幹事小西信八など。
 12月9日 帝国教育会国字改良部が開催、仮名部会委員に選出される。

1900(明治33年)46歳
 1月27日 タイプライターを持参し、女子師範学校に話にでかける。
 5月21日 第12回卒業証書授与式、全国師範学校長を来賓に迎え、点字学級や聾学級の設置を推奨する。

1901(明治34年)47歳
 4月 卒業式の日、創立25年・点字採用10年の記念式を行う。
 4月22日 官報学芸欄に小西信八報告「日本訓盲点字」が掲載される。
 10月1日 帝国教育会国字改良部例会に出席、「言文一致の文の書き方の標準」を決議する。

1911(明治44年)57歳
 7月1日 東京盲学校において国語点字仮名遣いに関する会議。

1912(明治45年)58歳
 1月30日 東京盲学校で開催の「点字発明記念会」(ブライユ生誕百年・石川倉次誕生会)に出席し、演説。

1915(大正4年)61歳
 7月23日 日本訓盲点字翻案満25年祝賀会に出席。

1937(昭和12年)83歳
 11月1日 東京盲学校点字翻案記念研究会に招かれ、玄関で石川倉次と記念写真。


 閉会後、大内さんに上記引用箇所の内で1900(明治33年)の「タイプライターを持参」とある点に関して質問しました。これは、私がかつてひらがなタイプライターを使っており、ここではその前身となるカタカナのタイプライターでもあったのかと思ったからです。いただいたお応えは、かなタイプライターはまだなかった時代なので、英文タイプライターであり、ローマ字で打ったものではなかろうか、とのことでした。

 大内さんとは懇親会でもお話しをする機会を得、今回科研に申請を予定しているプロジェクトにも参加していただくことになりました。いい出会いとなりました。

 会場後ろでは、資料や参考文献などが並んでいました。
 今回は次の3冊を買い求めました。
 いずれ、読んだ後に紹介するつもりです。


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 懇親会は茗荷谷駅前でありました。大勢の参加者で、一室が満員となりました。

 埼玉県特別支援学校塙保己一学園の根岸先生、視覚障害者支援総合センターの星野さんを始めとして、多くの方々に古写本『源氏物語』を目の不自由な方と読む取り組みについてお話ができました。興味をもって聞いていただけたことは幸いでした。
 さらには、日本盲教育史研究会の会長である引田秋生先生からは、『源氏物語』の変体仮名を読むことについて、過分の賛辞と期待に加え、壮大な夢の実現に協力するとのありがたい言葉をいただきました。

 もう後には引けなくなっていることを、肌身で感じる懇親会となりました。
 みなさん、ありがとうございます。ご理解とご教示に感謝します。

 多くの方との出会いがあった懇親会の後、帰りの電車の中では、日本社会事業大学の青木さんと筆談で会話をしました。聾唖者の方との会話は初めての経験でした。国文学研究資料館の同僚とも知り合いだとわかり、親しく地下鉄のシートに並んで座りながら、ノートとボールペンを代わる代わる交換して筆談を交わしました。つい私が口で話をすると、大丈夫、唇の動きで言っていることがわかるから、とのことでした。
 それにしても、日ごろは人前で文字を書くことがないので、こうして自分が書く字の下手さ加減には辟易します。ワープロに馴染んでいる日々に反省をする始末です。

 これまでまったく知らなかった方々との出会いに恵まれ、充実した研究会の参加となりました。
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2014年10月12日

日本盲教育史研究会に参加して(その2/3)

 11日に筑波大学東京キャンパス文京校舎で開催された、日本盲教育史研究会についての続き(その2)です。

 昨日のブログに書いたように、午前の部は3名の方の15分ずつの報告がありました。

 文科系の研究発表では、1人25分というのが一般的です。しかし、この研究会では1人15分という短い時間なのです。私の感覚から言うと10分も短い持ち時間なのに、各人の内容が非常によくまとめられており、その発表に臨む真摯な姿勢に感心しました。
 文学に関する研究成果を人前で公表するにあたっては、いろいろと紹介や説明すべきことがあるせいかもしれません。しかし、それにしても、この手際の良さには見習うべきことが多いように思いました。

 また、午前の部をしめくくるにあたり、座長ともいうべき岸先生からお3方の発表について、簡にして要を得た総評がありました。初めて聞いた発表内容が、先生の寸言ですっきりと自分の中でまとまり、ストンと落ちました。若者に育ってほしいという、先生の気持ちも伝わってきました。
 誰にでもできることではないにしても、お手本にしたいと思います。

 今回の会場である筑波大学東京キャンパス文京校舎の中には、昨日の記事の冒頭写真にあるように、放送大学が入っていました。
 実は、この研究会があった昨日の15時から、放送大学の平成26年度第2学期の面接授業説明会が開催されるとの連絡をいただいていました。しかし、私は能天気にも、以下の返信を放送大学の教務係に送っていました。


連絡をありがとうございました。
10月11日(土)は終日「筑波大学東京キャンパス文京校舎」にいます。
近くにいるのですが、残念ながら行くことが叶いません。
またの機会にいたします。


 迂闊にも、日本盲教育史研究会が開催された1階134教室の上に、当の放送大学の事務室があることを知らなかったのです。別の敷地かと思い込んでいたのです。まさか、まさか。こんなことがあるのです。

 現地に行ってそのことに気付き、お昼休みに2階の事務室に駆け付け、教務係の奥山さんとお話をし、説明会の資料だけを拝受しました。

 来月の放送大学での私の講義は、以下のように告知されています。

「専門科目:人間と文化 ハーバード大学本源氏物語を読む」

 この講座の受講者の募集は、あと1ヶ月あります。
 もし、ハーバード大学本『源氏物語 須磨』を読んでみようとお思いの方は、お気軽にどうぞ受講手続きをなさってください。定員78名までには、昨日現在のところまだ少し余裕があるようです。
 800年前に書写された写本で『源氏物語』を読む楽しみを、共に体験しませんか。

 さて、日本盲教育史研究会の午後の部は、国立民族学博物館の広瀬浩二郎さんが記念講演をなさいました。
 演題は「触常者とは誰か−盲人史研究から「さわる文化」論へ−」です。
 「触常者宣言」の背景や問題点、そして未来について、ご自身の経験をもとにして楽しく語られました。

 以下、私がメモをしたことを、後で思い出せるように記録しておきます。

・「触常者宣言」の趣意
・平家物語にはなぜたくさんの色が出てくるのか?
・琵琶法師の語り︰那須与一の段をCD-ROMで会場に流す。
・今井検校の平曲の語り
・ラブレターを点字で書いたことの意義
・瞽女唄の定番である「葛の葉の子別れ」を会場に流す
・最後の瞽女である小林はるさんのこと
・刈羽瞽女の伊平タケさんと朝比奈さんの「まんざい」を聞く
・この研究分野における理念先行をどうするか
・「ユニバーサル・ミュージアム」の六原則については省略

 なお、広瀬さんの講演の最後の数分間を、ご指名を受けて、私がこれから取り組もうとしている古写本『源氏物語』を触常者と一緒に読むチャレンジの紹介に当ててくださいました。
 場違いな飛び入りです。しかし、この後に設定されている懇親会の参加者を呼び込むための、おもしろい話題の提供という意味もある特別出演ともいえます。


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 私は、現在を見据えた点字に加えて、変体仮名が読めるようになることで明治以前の仮名書きの文書や資料が読めるようになる意義を簡単にお話ししました。塙保己一が『源氏物語』を語ったことにも触れながら。そして、視覚障害のある方でも、変体仮名が認識できるようになれば、国文学研究資料館が収集している30万点もの日本の古典籍のマイクロフイルムや画像データベースが活用できる道が開けることも、しっかりと言い添えました。
 このことが、後の懇親会でありがたい好評をいただくことになり、何人もの方から協力と期待を伝えてくださいました。
 貴重な講演時間の最後に、数分とはいえこうした機会を与えていただいた広瀬さんに感謝します。
 まだスタートしたばかりのプロジェクトです。一緒に推進していきましょう。
 
(以下、明日の3に続く)

付記︰昨日11日と本日12日は、京都女子大学で中古文学会が開催されていました。ただし、上記の研究会に参加したために、委員会共々欠席させていただきました。
 直接お目にかかってのご挨拶などができず、予定していた、またされていた方々には本当に申し訳ありません。

 また、昨日11日の東京新聞(夕刊7面)に、「視覚から開放される さわる文化を探求する」として、広瀬さんへのインタビュー記事が大きな写真と共に掲載されています。手にする機会がございましたら、これもご覧いただければと思います。

 この記事の続きの「その3」は、今夜日付が変わった頃にアップすることになると思います。
posted by genjiito at 19:11| Comment(0) | ◆源氏物語

2014年10月11日

日本盲教育史研究会に参加して(その1/3)

 今日は早朝より、筑波大学東京キャンパス文京校舎で開催された、日本盲教育史研究会に参加してきました。


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 この日本盲教育史研究会は創立から3年目を迎え、会員160名を有する研究会に成長しつつあります。今日の参加者は70人近くになっていました。
 事務局を担当され、実質的にこの研究会を運営しておられる岸博実先生のご努力には敬服しています。
 岸先生とのことについては、以下のブログを参照してください。

【8-情報化社会】「京都府立盲学校の資料室(その1)」(2014年08月04日)

【8-情報化社会】「京都府立盲学校の資料室(その2)」(2014年08月05日)

 新たに会員となり、10時30分からの第3回総会に出席しました。会の運営については、学ぶべきことがたくさんありました。


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 続いて、公募報告に移りました。

 トップバッターは、立命館大学産業社会学部3年の山岸蒼太さんの、「視覚障害者の当事者運動史─全点協運動を中心に」と題する研究報告でした。全点協運動など、初めて聞く内容に、興味深く聞き入りました。盲学校の外からの視点として、大切な研究です。

 2番手は、「筑波大学附属視覚特別支援学校資料室蔵『点字尋常小学読本』の書誌について」と題して国学院大学特別研究員の中野真樹さんの発表です。資料を基にした実証的な研究で好感を持ちました。
 レジメには「日本語学文字・表記研究分野において、日本語点字資料を研究対象とする必要があり」とあります。私の問題意識と共通することを知りました。日本語学からの切り込みに、これからますます期待したいと思います。
 この後で、私が現在検討している『源氏物語』の写本を触常者が読めるようになるための実験的な研究に、中野さんも参加していただくことになりました。いい方との出会いの場ともなりました。

 3人目の群馬県立盲学校教諭の香取俊光さんは、「歴史に消えた先駆的な盲学校─仏眼協会盲学校─」と題する報告でした。近代以降の女性による医療の歴史の一端にまで言及されたので、私の問題意識と通底するものを感じました。

 発表の後にまとめて質疑応答がありました。盲教育において、東京と京都のこれまでの動向を整理し、このように連携して進んでいく大切さを実感しました。

(明日に続く)
posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | 健康雑記

2014年10月10日

筑波大学附属視覚特別支援学校訪問記

 国立民族学博物館の広瀬浩二郎さんと一緒に、筑波大学附属視覚特別支援学校の高村明良先生にお話をうかがいに行きました。
 視覚障害者が古写本『源氏物語』を読めるようになるための方策について、相談とご教示をいただくためです。

 広瀬さんとは、地下鉄有楽町線の護国寺駅で待ち合わせをし、盲学校に向かいました。
 駅から学校までは、複雑な交差点を通り、急な長い階段を登ります。今日も私の腕を広瀬さんに貸して歩いて行きました。

 途中で、前から白杖を持って足早に歩いてくる女学生と行き合いました。こちらが先に気づいたので道を譲りました。狭い点字ブロックを頼りに歩くので、すれ違いざまにぶつかることもあるそうです。

 今日学校には、ハンガリーからのお客様がお出でになっていたそうです。下駄箱には、ハンガリー語の張り紙がしてありました。


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 折しも、先日ハンガリー語訳『源氏物語』の本を整理していたので、なんとなく親近感を持ちました。もっとも、私はまったくこの文字は読めませんが……

 高村先生からは、たくさんのアドバイスをいただきました。
 数学の先生ということもあって、何事もストレートに話してくださいます。理路整然と自分の考えをおっしゃるので、それがかえって私にはわかりやすくて助かりました。

 また、和やかにいろいろな視点から情報交換ができたのは、広瀬さんが中学と高校時代にこの学校に通い、高村先生に教わっていたという事情もあります。先生の歯に衣を着せぬ、何の遠慮もなさらないお人柄に、かえって信頼してお話をうかがうことができました。

 高村先生のお話には、まず結論が先にあります。私が本当におもしろいと思うことから、相手に伝えるべきだと。それが、触ることによってわかれば、それが一番いいのだからと。
 ぜひ伝えたいと思うことから始めて、そこから興味をさらに膨らませるために道具を使えばいいのだというのが、先生の基本的なお考えでした。

 今日うかがったお話の要点を、以下に列記しておきます。

 私が、今考えていることを説明すると、高村先生はまず、それによって視覚障害者に何がわかるようになるのか、と問い返されました。見えている人はわかることであっても、見えない者には字の形を触らされて終わるだけではないかとも。

 昔から、浮き出た文字はありました。それを、触って理解しようとした人もいました。
 しかし、それがなぜ受け入れられなかったか、ということがあります。そこには、目で見る者と手で触る者とのギャップがあったからだそうです。また、目の見えない者にとって、手で形の大小の変化はわかるが、形は見分けられないのだそうです。

 目で形を認識するにあたっては、自分の頭の中で補正ができるのです。しかし、目の見えない人が、手で曲がったものの形を理解するのには、自分の中で補正ができないのだそうです。その点、点字は6点が形作る文字なので、ズレることなく指先で識別できるのです。その意味から、変体仮名の違いを理解できるかどうかは、手で認識できる限界を超えることのようです。ただし、丸も六角形も、大きくなると個体差が出てくるので、文字としての識別は可能となるようです。

 話をまとめると、見えてできることと、見えなくてもできることがあり、その認識の手段が問題となるのです。自分が達成できる手段かどうか。その手段を考える必要があるのです。その意味からも、私のプロジェクトの目的をもっと明確にすべきだ、とのことでした。

 千年前の文字で書かれた写本の魅力を伝えたい、という趣旨は理解していただけました。しかし、実用的な問題として、やはり変体仮名を読むことは難しいのだということです。もっとも、文字の変化を伝えることは、意義があることであるのは理解できるとも。

 そのためにも、私が研究しているプロセスを伝えてみてはどうだろうか、という提案を受けました。おもしろい、と思うことをやってみてほしいそうです。

 私の研究テーマから言えば、異文発生のおもしろさを知るために、文字の違いがわかるのは大事なことです。そして、『源氏物語』のおもしろさを前面に出して、自分で理解して楽しむことに誘導できればいいのです。

 文字は、見た瞬間にわかります。同じように、目が見えない方のためには、図形としてわかるようにすることも大事なようです。

 文章にひらがなでルビを振り、その平仮名をたどって読むことについての意見をうかがいました。
 これについては、指先が理解する解像度は低いことと、立体コピーは太さが出てきて判読しにくいので、問題は山積しているようです。あまり現実的な、有効な手段としては理解してもらえなかったようです。

 また、目が見える者が自分の文化に他人を巻き込もうとしているのでは、と批判的にもおっしゃいます。
 向こうの文化をこちらの文化に寄り添わせることも大事なようです。相手の文化に沿うことの大切さです。その意味からは、点字のよさを再認識させられました。文化の受け渡しの道具としての点字を見ると、なかなか優れものなのです。
 私の説明では、見える世界を見えない世界に押し付けているようにも思われるそうです。それであっても、触っておもしろさが理解できればいいのです。触ることで世界が開けるのですから。

 何とかしてでも、伝えようとするのが大事なようです。理解するためのツールとして、今回の提案を活かしたらどうだろう、ともおっしゃいます。見えなくてもできること。それを我々に伝えてほしいとも。

 たくさんのアドバイスをいただきました。これを再検討の課題として、いましばらく考えたいと思います。

 帰りに玄関の写真を撮りました。来た時には、こんなに長時間お話をするとは思わなかったので、外に出て暗くなっていたので驚きました。


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 帰りの護国寺の駅の改札横に、立体模型で駅中の状況がわかるようになっていました。


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 ただし、これは少し奥まったところにあります。もっと目に付きやすいところにあってもいいと思いました。
posted by genjiito at 22:30| Comment(0) | 古典文学

2014年10月09日

「海外源氏情報」(科研HP)に『十帖源氏』の項目を新設

 現在、海外における『源氏物語』を中心とした平安文学関連の情報を整理しています。

 伊藤科研(A)のホームページである「海外源氏情報」に、新たに『十帖源氏』に関するセクション(2014年10月08日)を新設しました。
 これは、これから多言語翻訳に着手する上での、基本的な情報をとりまとめて公開する場所となるものです。


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 「桐壺」巻の多言語翻訳用の現代日本語訳は、すでに予定している方々にお渡しして翻訳をお願いすることになります。

 多言語での翻訳ができた資料の整理を終えたものから、次のような完成イメージを目指して公開していく予定です。


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 これは、2005年度の科研「外国語による日本文学研究文献のデータベース化に関する調査研究」
(基盤研究B、課題番号[15320034]研究代表者︰伊藤鉄也)における研究成果の一部です。
 もう少し詳しくいうと、オーストリアのウィーン大学で開催された国際学会(EAJS)で、『源氏物語の享受と変容』と題して研究発表した内容の一部をなすものです。

 ウィーン大学で報告した内容を、以下に引いておきます。
 ここでは『おさな源氏』の多言語翻訳としています。しかし、その後の翻訳作業を通して、対象とするテキストを今は『おさな源氏』から『十帖源氏』に変更しています。


日本文学研究に関する情報の共有化(伊藤鉄也)

◆キーワード◆
海外における日本文学研究、情報発信と情報共有、『おさな源氏』、多言語翻訳

1、『おさな源氏』の多言語翻訳について

 『おさな源氏』は、江戸時代に出版された『源氏物語』のダイジェスト版である。『おさな源氏』には絵も付いているので、ビジュアルである上に簡便に『源氏物語』の内容を知ることができる本である。この『おさな源氏』を、20カ国の言語に翻訳する、多国語翻訳プロジェクトを紹介する。
 現在、「桐壺」巻を20カ国語に翻訳することを進めている。今までに、英語、スペイン語、ヒンディー語、トルコ語、中国語ができている。これには、『おさな源氏』の版本の影印画像が、常に画面で確認できる仕様となっている。
 上図で少し説明しよう。画面中央の上段は、『おさな源氏』の版本の影印画像である。その下は、影印該当部分の翻刻本文となっている。この2段の表示領域には、常にこの2種類の本文が明示される。それに比べて、右側の3段は自由に見たい情報が切り替えられる。
 図版では、上段に『おさな源氏』の日本語現代語訳を、中段に英語訳を、下段にヒンディー語訳が表示されている。この3つの窓に何語の翻訳を表示するかは、左端の上段・中段・下段のプルダウンメニューを使うことになる。
 この試みは、海外の方々と『源氏物語』を共有する上で、有益なコミュニケーションツールとなるはずである。このプロジェクトに、一人でも多くの方々が参加してくださることを願っている。


 なお、今回の「海外源氏情報」(伊藤科研HP)では紹介していない『十帖源氏』の版本として、ハーバード大学に次のような彩色された版本があります。


Hinaya Ryûho
Japanese (1595 - 1669)
The "Tale of Genji" (Genji monogatari) in Ten Volumes (Jûjo Genji) 『十帖源氏』, Early Edo period, 1661
Transliterated Title: Jûjo Genji
17th century
Edo period, Early, 1615-1704
Creation Place: Japan
Ten thread-bound books, ink and color on paper; dark-blue paper cover
26.9 x 17.8 cm (10 9/16 x 7 in.)
Harvard Art Museums/Arthur M. Sackler Museum, Bequest of the Hofer Collection of the Arts of Asia, 1985.594


 この『十帖源氏』の全帖の画像は、私の手元にはありません。
 今は「ハーバード・アーツ・ミュージアムのホームページ」から、その一部を確認できるだけです。

 機会を得て、全容を紹介したいと思っています。
 着手すべきことが多すぎるため、しばらくは情報の紹介に留まることをお許しください。
posted by genjiito at 18:52| Comment(0) | ◆源氏物語

2014年10月08日

江戸漫歩(88)皆既月食から鋭気をもらう

 日ごろは、夜空を仰ぐことはほとんどありません。
 今夜は皆既月食だということなので、背筋を伸ばして見上げました。

 仕事帰りの立川の満月は、煌々と照っていました。


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 それから1時間半後。
 深川に着いた頃には、真ん丸だった月は欠け始めていました。


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 宿舎にたどり着いた時は、夜空一面に雲が垂れ込めていて、月は隠れていました。残念です。
 それでも、かすかに光の点が雲間から窺えました。


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 月と地球を意識することで、新鮮な気持ちになりました。
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2014年10月07日

iPhone 6 Plus のトラブルの対処方法

 昨日、台風の合間を縫って、iPhone 5を6 Plus に機種変更しました。au のスマートフォンです。

 入手までに経験した予約にまつわる苦労話は、いつものことなので省略します。
 とにかく、黙っていても売れるので、売る側は強気です。パソコンが市場に出始めた数十年前も、NECが強気だったように。

 自宅で、新機種の iPhone 6に iPhone 5のバックアップデータを復元しました。しかし、いつまでたっても終了しません。妻の iPhone は30分以内に完了したのに、私のものは5時間たっても終わりません。

 私は欠陥商品を受け取ることが多いので、今回もまたかと思いました。
 仕方がないので、一度出荷時の状態にリセットした後、再度バックアップデータから復元しました。何とか無事に終えることができました。

 この復元にあたり、iCloud にバックアップしていたデーターは使えませんでした。パソコンに退避していたデータでは復元できました。2カ所にバックアップをとっておいたので事無きを得ました。

 その後、日本語変換が異常に遅いので、たまりかねて昨日購入した au ショップへ相談に行きました。
 その結果、アプリがたくさん起動していたために、日本語変換機能がどのアプリからの要求かわからなくなっているためだ、ということでした。この説明が、私にはよく理解できません。アップル以外のアプリであるATOK Padは、普通に日本語が入力できたからです。
 とにかく、言われるままに、もう使わないアプリを1つ1つ手動で上に引き上げて終了させると、正常な早さで日本語変換ができるようになりました。

 アプリの終了方法は、まず、タッチパネルの下にある丸いホームボタンを2度押しします。すると画面下に現れるアプリのアイコンパレードの中から、終了したいアプリの画面を上に引き上げて消す操作を繰り返せばいいのです。
 これまで、初代の iPhone からずっと使ってきました。しかし、こんな終了が必要だとは、今回初めて知りました。何年も使っているのに起きたことがない現象が、購入して2日目に起きたのです。電子機器よくわかりません。

 今後は、こまめにホームボタンを2度押しして、起動しているアプリを終了させるようにしたらいい、とのアドバイスをいただきました。しかし、そんな面倒なことを一々しなくてもいいような製品に仕上げてほしいものです。

 持論ですが、パソコンはまだまだ情報文具としては未完成です。iPhone も同じように、まだまだ発展途上の商品です。ソニーがIT分野から撤退し、その先導的な役割を終えた今、アップルに期待するしかありません。さまざまな不具合の情報を効率良く回収して、その対処を繰り返す中から、よりよい情報文具として育ててほしいものです。

 そして、日本の企業には、アップルへの部品の供給に留まることなく、新たな発想での情報文具の開発で成果を見せてもらいたいと熱望しています。かつてのソニーのような、夢を叶えようとする企業人の出現を、今はひたすら心待ちにしているところです。
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ◆情報化社会

2014年10月06日

読書雑記(110)澤田ふじ子『地獄の始末―真贋控帳』

 澤田ふじ子『地獄の始末―真贋控帳』(徳間書店、2001年7月)を読みました。


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 古物としての書画の鑑定を家職とする古筆見了意を軸にして展開する、連作の物語です。
 個人的には、所有者の思いが籠もった古物を扱う題材の性格からいって、もっと人間の情を盛り込んだほうがふっくらとした作品に仕上がるように思いました。作者のスタンスの問題なので、これはこれで澤田流の味付けとして読みました。
 
 
■「雪村の絵」

 開巻早々、ならず者と浪人が喧嘩をする場面が、生き生きと描かれています。話は、古筆了意が見せた不吉な陰をほのめかして進みます。読者を惹きつけるのがうまい展開です。ただし、最後は話の収まりがよくないと思いました【3】。
 
初出誌︰『問題小説』2000年5月号
 
 
■「利休の判形」

 古筆家の目利の真価が語られます。入門用の知識が参考になります。なぜ古典籍に極め書きが付いているのか、というその理由がわかります。所持者は、これが本物だという証明がほしいのです。それだけ偽物が多い、ということでもあります。
 本話は、利休の掛け花入けの出現で、めでたく話が収まります。趣向が作り事めいていて、興ざめでした。しかし、おもしろく読むことができました【3】。
 
初出誌︰『問題小説』2000年8月号
 
 
■「二天の鵙」

 偽物の古筆了意が、大垣城下に出現します。古筆見としての自家を守るために、江戸からの帰りに通りかかった了意は、当人に会いに行くのでした。人間関係の謎解きに引き込まれます。それ以上に、絵が転々として今に残る事情も語られており、興味深い美術伝来の歴史もうかがえます。気になったのは、最後の詰めの一点だけです【5】。
 
初出誌︰『問題小説』2000年10月号
 
 
■「暗がりの土地」

 清貧の心がけでおかきを焼き続ける清助が、淡々と語られます。清々しささえ伝わって来ます。
 織部の沓茶碗と黒織部や青織部など、室町期の美濃焼が話題にのぼります。目の前の3つの茶碗は本物なのか。清助が庭から掘り出したものだけに、つい読まされます。そして、歴史の背景が語られ、さらに驚かされます。現代の発掘話まで引かれ、たっぷりと楽しめました。ここまでは、あまり情を前面に出さなかった作品の中でも、本作はほろりとさせる仕上がりです。
 題名が暗すぎるので、もっと別の命名にすべきだと思いました【5】。
 
初出誌︰『問題小説』2001年1月号
 
 
■「世間の罠」

 平安・鎌倉時代の仏画が出てきます。応挙に又兵衛と、話題となる出演者も豪華です。西陣の説明に国会図書館の資料が紹介されているなど、現代と江戸時代の自由な往き来がいいと思います。ただし、話は中途半端なままに幕切れとなります【2】。
 
初出誌︰『問題小説』2001年4月号
 
 
■「地獄の始末」

 小野道風が書いた『古今和歌集』の色紙が話題となって始まります。昭和13年の国立京都博物館展覧会の話や、昭和31年の売春防止法のことなど、島原遊廓を舞台にして人情噺が紡がれます。
 書画骨董をからめて人の心を語るのが、本作の本領です。いい話です【5】。
 
初出誌︰『問題小説』2001年6月号
 
 
※本書は、同書名で「徳間文庫」(2004年1月)と「光文社文庫」(2007年11月)にも収録されています。続きを読む
posted by genjiito at 23:49| Comment(0) | 読書雑記

2014年10月05日

京洛逍遥(338)性差別・放送禁止用語を使う青蓮院の時代錯誤

 今朝の賀茂川散歩では、たくさんの鴨たちを見かけました。
 いつもは川中を泳ぐ鴨も、護岸まであがって来て仲間たちを眺めています。
 この鴨の視線には、何となく余裕を感じます。何に対するものかはよくわかりません。


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 飛び立つ鴨を、間近で初めて撮影しました。


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 半木の道の紅葉も始まり、植物園越しに比叡山(写真右下端)も望めます。
 京洛は秋を迎える準備を進めているのです。


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 北山はまだ色付く気配はありません。
 相変わらず、朝はランニングやウォーキングの人で、賀茂川は賑わっています。

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 鷺の親子でしょうか。朝食を探しながら、仲良く一緒に時を過ごしています。


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 ヌシのような顔をした鷺も元気です。


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 冬支度に入る如意ヶ岳の大文字も、台風接近を察知してかどんよりと曇っています。


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 最近の天候は予測がつかず、日本本土を目がけて突っ込んでくる台風のことが心配なので、新幹線が止まらない内にと、大急ぎで上京です。
 ホームに滑り込んできた新幹線の自由席は満席です。一本見送り、次の列車に乗りました。これはガラガラに空いていました。

 エキスプレス予約は毎回とっています。しかし、予約した列車に乗ることは、年に1度あるかないかです。まさかの場合の席の確保をしているだけです。この制度は、ポイントも特典も無意味だし、予約変更も面倒なので、早く見直しをしてはどうでしょうか。毎週末と週明けには、私が予約した席には誰も座らないままの列車が走っているのですから。

 今日も、車内で子供が大声で泣いたり騒いだりしていました。毎週体験することからの実感なので、おそらく私の予見は外れていないはずです。子供の躾が、確実に緩んでいます。親が子供のご機嫌取りをしているせいか、子供は好き勝手に振る舞っています。

 こんな子供たちが明日の日本を造るのです。甘やかされて育った人間たちが中心となって造る国のありようを、早い段階からシュミレーションをして検討を始めてもいいかと思います。お隣の国などは、その検討には良き参考となることでしょう。

 こんなことを言うのは、歳を重ねたせいであり、若者からは無視される意見でしょう。しかし、車内での子供の様子は、同じ車輌に居合わせた若者も見聞きしているのですから、少し問題提起をすれば、今の若者はよりよい社会作りのために取り組むはずです。若者の奮起を期待したいものです。

 京都新聞の4頁目に、東山にある青蓮院門跡飛地境内に完成した、将軍塚青龍殿の落慶に関する全面広告がありました。明後日からなので、この次に帰洛した折にはぜひ行こうと思っています。


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 この記事の下段に拝観料金のことが記されています。そこに、「小学生以下は父兄同伴で無料」とあります。

 まさか、この青蓮院は女人禁制というわけではないと思われます。
 女性を差別する言葉である、ということで、私が高校の教員をしていた頃から、この「父兄」という語は使わないようになっていました。それでも、時代遅れの校長や来賓の方などが時たま「ご父兄におかれましては……」と言っておられました。もちろん、家父長制社会の再興を願って、などということではなくて、ご自身が育った環境からつい口を突いて出た言葉だったと思われます。

 今では、この「父兄」は放送禁止用語とされ、性差別用語となっているかと思います。
 男女同権、離婚急増、父親不在の現代社会で、この語は今は不適切な言葉となっているのです。

 社会から遠ざけられていた「父兄」という言葉が、今また青蓮院で復活したようです。このお寺関係者の無知と無自覚さに失望しています。人の心を問題にする宗教寺院が、こんなていたらくです。門跡寺院の傲りが露呈したのでしょうか。
 さて、この失態を、青蓮院さんはどうなさるのでしょう。
 お詫びの広告では済まない、この組織が内在させる意識が問われる問題だと、この記事を見ながら私は思いました。

 京都仏教会は、さまざまな活動を通して抵抗勢力となって頑張っています。ホームページを見て確認したところ、青蓮院は役員には入っていないようです。ただし、リンク先にあがっているので、京都仏教会には入っておられるのでしょうか。それとも、門跡寺院は別格の扱いを受けるのでしょうか。

 京都に、言葉の感覚が麻痺して無頓着な寺院があることを、新米の京都人ながらも残念に思います。続きを読む
posted by genjiito at 23:34| Comment(0) | ◆京洛逍遥

2014年10月04日

京都で「蜻蛉」を読んだ(第14回)後に流通前の古典籍を見る

 京都で『源氏物語』の古写本を読む会は、いつものワックジャパンで開催しました。

 今日の娘からの差し入れのお茶菓子は、奈良・菊屋の「御城乃口餅」でした。


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 これは、豊臣秀吉が名付けた「鶯餅」が、お城の入り口で売っていたことから通称が付いたものです。子守唄にも歌い継がれた、奈良の名物茶菓です。

 また、お店の名前はわかりませんが、月にウサギの和菓子もいただきました。


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 さて、今日はハーバード大学本「蜻蛉」巻に書かれている文字の字母が何回出てくるかを調べた結果から始まりました。次の資料をご覧ください。


漢字かな=26,114字
-----------------------------
・止=1,330
・之=1,281
・奈=1,058
・乃=837 可=813
・幾=792 毛=791 天=789 利=757 以=747 多=734
・八=693 己=664 留=653 尓=650
・良=546 久=502
・於=494 左=492 川=482 宇=461 加=444 部=435 礼=433
・比=373 万=370 三=356 給=345 无=341 也=330
・安=296 者=272 世=259 末=255 遠=252 曽=242 寸=238 人=234 計=230 知=226 与=224 女=219 不=219 个=212
・御=196 越=191 仁=189 心=181 保=169 衣=129 踊=129 奴=127 由=124 呂=120 本=117 春=113 阿=103
・武=90 思=81 里=81 美=75 侍=71 能=69 祢=66 和=66 太=60 波=55 二=54 王=50 事=47 須=44 免=43 宮=42 身=33 所=31 江=29 大=29 日=28 殿=28 志=28 母=27 中=26 満=26 古=26 登=25 恵=24 将=21 我=21 累=21 物=18 又=18 為=17 堂=15 飛=15 右=14 井=13 地=13 文=13 君=12 遣=12


 現在「か」として使っているものについては、その字母が「可」とするものは813例、「加」が444例です。今我々が「か」として使っている字母の「加」よりも、変体仮名とされている「可」が2倍も多く出現しています。
 「た」の場合は、「多」を字母とするものが743例、今平仮名の字母である「太」はたったの60例です。これは12倍もの差があり、「多」が圧倒的に多く使われていることがわかる例です。

 ハーバード大学本「蜻蛉」は、鎌倉時代中期に書写されたものだと考えられます。とすると、今の平仮名が明治33年に一つに決められた時の、統一化の基準が知りたくなります。

 また、「勢(せ)」、「寿(す)」、「起(き)」など、一例も出ない字母も確認できました。
 今後は、「須磨」についても調査をして、また報告しましょう。

 今日は、この平仮名の字母のことから、平仮名を覚え始める幼児の教育や、今後の平仮名や漢字の行方などを、自由に語りあいました。
 コンピュータやスマートフォンなどで文字を打つ時代となり、手書きからますます遠ざかっていきます。すると、縦書きが今後どうなるのかとか、さらには筆順はどう教えるのか、ということにまで話は発展しました。

 参加者の中に、障害児の教育に携わっておられる先生がいらっしゃるので、この件については具体的な実態も伺えました。
 20歳代から60歳代までの幅広い年齢層の者が、自分の受けた教育や今の周辺環境を含めて語るので、まさに異論百出です。そして、議論のための議論ではなくなっていきました。

 そんなこんなの知的興奮に包まれた時間があっという間に過ぎてしまい、結局は「蜻蛉」の物語の確認や、写本を読むことがまったくできませんでした。すべて次回に、ということになりました。

 次回は、11月8日(土)の午後1時から、場所はワックジャパンです。

 いつもなら、少し休憩を置いて『十帖源氏』を読むことになります。しかし、今日はみんなで学びの場を外に移し、古典籍を取り扱うところへ行き、源氏物語屏風絵や源氏絵巻詞書などを実際に見ることにしました。
 みなさん、屏風や軸物になった物語絵や古筆などを初めてご覧になったので、ことのほか印象深く記憶に刻み込まれたようです。生きた日本の古典文化に触れていただくことができました。

 みんなで出かけて行った場所や、今日見た古典籍については、ここに書くことができません。しかし、まさに室町時代から江戸時代にかけて再生された、日本の古典作品を自分の目で間近に見ることができたことは、参加者のみなさんの貴重な体験となったはずです。

 今回、みんなで見せていただいた作品が、しかるべき所に収まって展示された時に、実はあれをこの前見ることができたのです、と言えるのだろうと思います。今しばらくは、今日の参加者各自の記憶の中に留め、それがさらに大きく育っていくことを楽しみにしたいと思います。
posted by genjiito at 23:19| Comment(0) | ◆源氏物語

2014年10月03日

各国で翻訳された『源氏物語』の表紙絵の展示

 今年も古典の日(11月1日)のために、国文学研究資料館1階展示室の一角をお借りして、ミニ展示を開催します。
 展示期間は10月9日(木)〜11月5日(水)です。
 これは、特別展示「中原中也と日本の詩」として開催される会場の出口に、小さなコーナーを作って観ていただく展示です。

 昨年の古典の日に関連した展示では、『源氏物語』に関する館蔵の貴重な本を出品しました。
 鎌倉時代に書写された『源氏物語』、室町時代の注釈書『花鳥余情』、江戸時代の『源氏物語団扇画帖』と『偐紫田舎源氏』、の4種類でした。

「国文研で「ミニ 源氏展」開催中」(2013年11月11日)

 今年は趣を変え、各国で出版された『源氏物語』の表紙絵の多彩さを観てもらうことにしました。
 この表紙絵については、昨年の国際日本文学研究集会の会場に2つのケースを並べ、14種類の翻訳本を休憩時間などに観ていただきました。

「翻訳本『源氏物語』のミニ展覧会の解説」(2013年11月29日)

 あれが好評だったので、今回は21種類とさらにパワーアップし、4ケースを使っての展示としました。
 本日、機関研究員の高科さんのすばらしいセンスにより、展示本の演示作業を無事に終え、来週9日のお披露目を迎えることとなりました。

 2008年に、〈源氏物語千年紀〉と〈国文学研究資料館の立川移転〉を記念して、源氏物語展「千年のかがやき」を開催しました。それを私が担当することになったので、重要文化財等の資料を扱うこともあり、懸案の学芸員の資格を取得しました。以来、折々に学芸員の目で展示を見ることが多くなりました。

 今回は、選書と簡単な解説文を整理しただけで、展示はすべて専門の高科さんがやってくださいました。演示に関して、以下のお願いをしました。
 
〈第1ケース〉
・【2】イタリア語の外箱の天地に丸みがあることに注目できるように……
   (赤の矢印を付けていただきました。)
・【3】クロアチア語の天金の装幀が見えるように……
   (天部を手前に傾けていただきました。)


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〈第2ケース〉
・【8】スロヴェニア語は2冊共に同じ表紙なので対処を……
   (1冊は扉が見えるようにしていただきました。本を重ねると痛むので演示台をとの提案に、自然なままに重ねましょう、と言ってこうしました。素人っぽくなったのであれば、お願いして演示台を使っていただきますが……)


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〈第3ケース〉
・【13】ハングルは3冊共に同じ表紙が並んでいることに、今、こうして京都に向かう新幹線の中で、この記事を書きながら気付きました。先ほどの展示会場では、迂闊にも気付きませんでした。
 これは、高科さんにお願いをして、どれか1冊を、裏表紙に須磨浦が描かれた面にしていただきます。
 この本の表紙絵は、この絵を描いた植村佳菜子さんと、この絵を所蔵する私には何の連絡も許可もなく、私がホームページから公開している画像を勝手に加工して使われたものです。しかも、ご丁寧に切り抜いて左右を反転するという、作品に対する権利意識がまったく希薄な盗用と改変になっています。

「植村佳菜子画「伝言」(関屋1)」
 
 出版社には、現地にいる仲間を通して抗議をしました。そして、私がソウルに行った折に、話し合いの場としてソウルの国際交流基金を指定して待ちました。しかし、そこに出版社の方はお出でになりませんでした。
 それ以後も何度かやりとりをする内に、いつしか連絡が途絶えた経緯があります。
 この田溶新氏によるハングル訳『源氏物語』は、私にとっては思い入れのある本です。このことは、時期を見てあらためて詳しく報告します。
 なお、表紙の裏面には、次の絵を切り抜いたものが使われています。

「植村佳菜子画「海辺」(須磨2)」

 このことは、2005年8月にオーストリアのウィーン大学で開催されたEAJS(ヨーロッパ日本研究協会)のオープニングセッションで報告しました。
 その予稿集のブックカバー(見開き)は次のようになっています。


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 この予稿集の冊子に、私は次の文を掲載しました。資料が散乱しないうちに、記録として留めておきます。


2.表紙の源氏絵について
 本年5月に、韓国ソウル市内の大型書店でのことであった。私が所蔵する絵画が、ハングルに翻訳された『源氏物語』(全3冊)の各裏表紙に、無断で使用されているのを見つけた。これは、教え子の植村佳菜子さんが描いた源氏絵108枚の内の「須磨」巻の一部を取ったもので、私のホームページ〈源氏物語電子資料館〉(http://www.nijl.ac.jp/~t.ito)から公開している源氏絵の盗用である。見つけたその場で、すぐに出版社に電話をし、出版にあたってのルールを守ってほしい旨を伝えた。私のホームページで公開している情報や資料が、作者と所蔵者に対する確認も了承もなく勝手に商用目的で使われることは、許されないことだからである。
 「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」に、日本は明治32(1899)年に加盟、韓国も1996年(日本の平成8年)に批准している。つまり、韓国においても、ベルヌ条約に加盟している日本における著作物であるこの「須磨」巻の源氏絵は、明らかに保護の対象とされるものである。
 お互いが快適に文化交流を続けて行ける環境を築き上げ、そして保って行くためにも、基本的なマナーは大切にしたいものである。
 このできごとは、〈源氏絵〉〈翻訳〉〈出版〉などに関連する問題とも言える。「源氏物語の享受と変容」の別視点からの資料となるのではないか、という問題意識のもとで、本冊子の表紙にデザインを加えて取り上げたしだいである。(61-62頁)


 前置きが長くなりました。今回の展示ケースの中は、こんな様子です。これは今日の段階のものであり、週明けにはハングル訳『源氏物語』の3冊の内の1冊は裏表紙が見えるようになっているはずです。


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〈第4ケース〉
・『あさきゆめみし』をいくつか取り揃えました。右側にタイ語訳を、左側に和装本が置かれています。このレイアウトは高科さんの妙技です。私も気に入っています。華やかさが感じられる見せ方ですね。
 左端のカラー画は、ゆったりと引き出した形になっています。この演示について、担当者は見開きの小口を折ってしっかりと見せたい、との意向でした。その確認を受けて、私は上部のカーブがなかなかいい雰囲気を出しているのでこのままにしておいてほしい、と伝えました。


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 今回の展示に添えた説明文を、このミニ展示へのお誘いを込めて、以下に引用します。
 なお、展示番号【4・5・6・11】の4点は、国文学研究資料館が所蔵する本です。ここに写真を掲載する手続きが間に合わないので、上掲写真ではカットしています。会場でご確認ください。

 また、『源氏物語』が翻訳されている言語は、本年2月にベトナム語訳『源氏物語』を確認したので、現在は32種類となっています。したがって、昨秋よりも一つ増えています。
 
 

「特設コーナー」
《さまざまな言語に翻訳された『源氏物語』》


 今回の特設コーナーでは、翻訳本『源氏物語』の表紙デザインの多彩さを楽しんでいただけるような選書をしました。
 各国で『源氏物語』がどのように受容されているか、という視点でご覧いただけると幸いです。
 【4】・【5】・【6】・【11】は国文学研究資料館蔵、それ以外は個人蔵です。

【『源氏物語』が翻訳されている32種類の言語】

アッサム語(インド)・アラビア語・イタリア語・ウルドゥー語(インド)・英語・オランダ語・オリヤー語(インド)・クロアチア語・スウェーデン語・スペイン語・スロベニア語・セルビア語・タミール語(インド)・チェコ語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・テルグ語(インド)・ドイツ語・トルコ語・現代日本語・ハンガリー語・ハングル(韓国)・パンジャビ語(インド)・ヒンディー語(インド)・フィンランド語・フランス語・ベトナム語・ポルトガル語・マラヤラム語(インド)・モンゴル語・リトアニア語・ロシア語

 
【展示した翻訳本 21種類 16言語】

【1】アラビア語(エジプト、2004年)
   アハマド・モスタファ・ファトヒ訳
   瀬戸内寂聴訳『源氏物語』の抄訳のアラビア語訳。
   国際交流基金での出版翻訳事業のひとつ。

【2】イタリア語(2012年)
   マリア・テレサ・オルシ訳
   イタリア語訳としては初の古文からの直訳。
   表紙は国宝『源氏物語絵巻』「関屋」巻の西陣織。

【3】クロアチア語(2002年)
   ニキツァ・ペトラク訳
   表紙は国宝『源氏物語絵巻』「鈴虫」巻で、天金装訂が施されている。

【4】スペイン語(2004年)
   フェルナンド・グティエレス訳
   挿絵は、山本春正の『絵入源氏』(慶安三年版)の絵を使用している。

【5】スペイン語(2005年)
   ハビエル・ロカ・フェレール訳
   表紙は宮川春汀の「さくらがり」(Picnic、1897年)を使用している。

【6】スペイン語(全2巻、2006年)
   ジョルディ・フィブラ訳
   第1巻の表紙は「花宴」巻、第2巻は「浮舟」。
   挿絵に、底本のタイラー訳にある版本の絵を使用している。

【7】スペイン語(全2巻、ペルー版、2013年)
   イヴァン・アウグスト・ピント・ロマン、下野泉 共訳
   スペイン語で初の古文からの直訳。
   表紙は國學院大學蔵「久我家嫁入本『源氏物語』初音巻」。

【8】スロヴェニア語(全2巻、1968年)
   シルベスター・スカル訳
   ヘルベルト・E・ヘルリチュカのドイツ語訳からの重訳。
   表紙に浮世絵を使用している。

【9】タミール語(インド、1965年)
   K.アッパドライ訳
   サヒタヤ・アカデミーが企画したうちの1冊。
   表紙は太陽と金閣寺を背景にした、近世風の男女の絵。

【10】中国語(全3巻、2001年)
   黄锋华訳
   本シリーズは表紙にボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」を使用している。

【11】ドイツ語(1911年)
   ミューラー・バブッシュ・マキシミリアン訳
   末松謙澄の英訳『源氏物語』を翻訳したもの。
   扉絵は傘をさした武士と女性の絵。

【12】ハンガリー語(2009年)
   ホルバート・ラースロー訳
   サイデンステッカーの英訳の重訳。
   ハンガリーでは初の完訳『源氏物語』。

【13】ハングル(1999年)
   田溶新 訳
   表紙に、植村佳菜子画・伊藤鉄也所蔵の源氏絵を切り抜いて反転したものを配している。

【14】パンジャビ語(インド、1961年)
   ジャジット・シン・アナンド訳
   サヒタヤ・アカデミーが企画した内の重訳の1冊。
   表紙は浮世絵を使用している。

【15】フランス語(1952年)
   山田菊訳
   初版は1928年。
   ウェーリー訳を底本としたフランス語では初の翻訳。

【16】ポルトガル語(全2巻、2007年)
   第1巻はリヒア・マリェイロ訳、第2巻はエリザベート・カーリ・レイア訳
   表紙は立松脩のデザインによるもの。

【17】ポルトガル語(全2巻、2008年)
   カルロス・コレイア・モンテイロ・デ・オリベイラ訳
   第1巻の表紙は江戸時代の武士と雪月花をイメージした絵、
   第2巻は「椎本」巻が題材。

【18】モンゴル語(2009年)
   オチルフー・ジャルガルサイハン訳
   国家事業のひとつとして翻訳された。
   谷崎潤一郎、与謝野晶子、瀬戸内寂聴らの訳を参照している。

【19】タイ語(全13巻、1980年)
   大和和紀訳画『あさきゆめみし』のうち、吹き出しがタイ語に翻訳されたもの。
   同じくタイ語で翻訳されたものでは、美桜せりな『源氏ものがたり』(2007年)もある。

【20】日本語(全6巻、2001年)
   大和和紀 訳画
   講談社漫画文庫の『あさきゆめみし』で、今も多くの読者を掴んでいる。

【21】日本語(全7巻、1987年)
   大和和紀 訳画
   愛蔵版として出版された『あさきゆめみし』で、和装豪華本仕立て。
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2014年10月02日

日比谷図書文化館で『源氏物語』を読み始める

 今夜は、日比谷図書文化館で、ハーバード大学本「蜻蛉」巻を読む体験講座がありました。
 自己紹介に始まり、ハーバード大学本「蜻蛉」の来歴など、自由気ままにお話をしました

 今回は導入でもあり、平仮名が書かれた出土物のことから語り出しました。9世紀後半には平仮名があったのです。藤原良相の邸宅から見つかった平仮名が書かれた土器のことです。

 みなさん、熱心に聞いてくださいました。若い女性が多かったので、お話は少し若者に向けた内容を意識しました。それでもやはり、年配の方の反応がいいので、両にらみで語り続けることになります。

 最後に、『源氏物語』は紫式部という女性が独りで書いた作品だとは思わないことと、宇治十帖では男の手が入っていることを指摘しました。すると、みなさん目を輝かせて聞いてくださいました。
 このことは証明しづら問題です。しかし、そうとしか考えられない状況で、『源氏物語』は執筆を進めています。このことも、追い追いお話します。

 今日お配りした資料の中に、「ひらがなと点字の歴史」があります。この資料を作っていて、平仮名の成立と展開が、点字の成立と普及に連動しているのです。
 次の年表をご覧ください。明治33年と34年に、何かが動いていたように思います。それが、今具体的には見えません。どなたか教えてください。
 偶然なのか必然なのか、明治から大正期はおもしろいことがたくさん語られています。


・1670年(寛文10) イタリアのフランチェスコ・ラナ・デ・テルツィが点と線の組み合わせでアルファベットを表す記法を考案。
・1854年(安政元) ブライユ式点字がフランスで正式に採用される。
・1884年(明治17)文部省が編集した教科書『読方入門』では、字体が1つとされた字は8字にすぎない。
・1886年(明治19)刊『現今児童重宝記-開化実益』の「変体いろは四十七字」
・1890年(明治23) 石川倉次の考案した日本語の6点式点字が、東京盲唖学校で採用される。
・1900年(明治33) 平安時代から続く平仮名のうち、小学校令施行規則の第一号表に48種の字体だけが示され、以後これらが公教育において教えられ一般に普及するようになり、現在に至っている。規則制定の理由は一音一字の原則に従ったためである。なお「え」「お」の第一号表の字体は現在のものと多少異なっていた。また「ゐ」「ゑ」は、現在は歴史的仮名遣などにおいてのみ用いられている。そして採用されなかった字体は以後、変体仮名と呼ばれることとなった。
・1901年(明治34) 日本式点字が官報に公表される。
・1908年(明治41)に26の異体字が復活したものの、最終的にはすべて1922年(大正11年)に廃止された。
・1922年(大正11) 大阪毎日新聞社(現 : 毎日新聞社)が「点字大阪毎日」(現 : 点字毎日)を発刊する。商業新聞としては日本唯一の点字新聞として現在も発行中である。
・1926年(昭和元) 点字による衆議院選挙の投票が認められる。
   【「ウィキペディア」〈点字〉〈ひらがな〉〈変体仮名〉より抜粋】


 明治34年から41年は、平仮名の単独使用が整定されたことと、日本点字の広報が密接に動いているのです。
 この点は、今後ともさらに調査をしていきます。しばらく、私への宿題とさせてください。
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2014年10月01日

科研HP「海外源氏情報」への情報提供のお願い

 現在、科研の成果と情報交換の場を提供する目的で、ホームページ「海外源氏情報」(科研HP)を公開し、順調に更新を続けています。
 お陰さまで、いろいろと問い合わせや情報提供があり、その整理と調整を進めているところです。

 そこで、海外の研究者を中心としたみなさまに、本科研のホームページ「海外源氏情報」で流すのにふさわしい情報を受け入れる窓口を、新たに設けました。

 ホームページのトップ・バナーの右下に、「サイトの諸注意・情報提供」というボタン(赤矢印部分)があります。


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 そのボタンをクリックしていただくと、「サイトの諸注意(リンク・利用など)と情報提供のお願い」のページに飛びます。その後半に「情報提供のお願い」の依頼内容を記したところがあります。


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 「世界の翻訳・論文・イベント情報」の連絡用メールフォームは、以下のようになっています。


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 「翻訳論文・海外で発表された論文、講演などの情報」の連絡用メールフォームは、以下のようになっています。


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 海外における平安文学の研究状況がわかるような情報が、さまざまな国から寄せられることを楽しみにしています。
 上記のメールフォームを自由に活用していただければ幸いです。
posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | ◆情報化社会