2013年07月25日

東京で『十帖源氏』を読む「紅葉賀」(その5)「花宴」(その1)

 一昨日、新宿であった『十帖源氏』を読む会には、私が早稲田大学の研究会に参加したために、その報告を書けませんでした。
 この東京での輪読会は、畠山大二郎君が取り纏め役です。畠山君から要点をまとめた報告を受け取ったので、当日問題となったことを以下に整理しておきます。

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 阿部さん担当の「紅葉賀」が今回で終わりました。
 「紅葉賀」の巻末は大幅な削除があり、阿部さんはそれを( )内で補足なさっていました。
 しかし、補足しなくても読めるところはそのままでよいであろう、との意見が出て、( )内は削ることにしました。


 しかし若宮(「冷泉院」)には政治力のある後見人がいません(なぜなら母方の親戚は皇族ばかりで、政治には関らないからです。そこで「桐壺帝」は母親(「藤壺」)をしっかりとした地位につけようとお考えです)。そして、…

しかし若宮(「冷泉院」)には政治力のある後見人がいません。そして、…


といったようにカットしました。
 
 続いて小川さん担当の「花宴」に入りました。
 まず、人物紹介では、漢字表記について問題になりました。
 登場人物紹介に「東宮(春宮)」と記載されていました。
 「東宮」(新編全集では、こちらの表記)とするのか、「春宮」(『十帖源氏』ではこれで統一されています)とするのか。
 結局、新編全集の呼称表記にならうという凡例に従い、「東宮」としました。
 そして、人物紹介のところで「東宮(春宮)」と、『十帖源氏』の表記を示すことにしました。

「花宴」本文に入り、「南殿」(2行目)をどうするか、ということになりました。
 固有名詞ではあるのですが、趙さんから「字面では〈南のところにある建物〉と読めてしまう」とのご意見があり、「紫宸殿という建物」としました。
 その他は、「皇子」→「親王」、「上達部」→「上流貴族」、「詩」→「漢詩」といったところです。

 最後に、65丁・ウ 9行目の、


「光源氏」は人に見つからないように、「藤壺」の部屋のあたりをうかがいます。
「弘徽殿女御」の《細殿》までやって来ると、三つめの戸口が開いていました。


というところ。「弘徽殿」は女御ではなくて建物をさすことや、どうして弘徽殿まで行ったのかを補足したほうがよいだろう(『源氏物語』本文から削除されている箇所です)、との意見が出ました。
 そこで、


「光源氏」は人に見つからないように、「藤壺」が住む建物のあたりをうかがうものの、何も出来ません。
光源氏はあきらめて弘徽殿という建物の《細殿》と呼ばれる廊下までやって来ました。すると、三つめの戸口が開いていました。


としました。

 次回は、66丁オモテの直前からになります。
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 次回は8月はお休みで、9月3日(火)に、いつもの新宿のレンタルスペースで行います。
posted by genjiito at 22:30| Comment(0) | ◎国際交流