2013年07月19日

授業(2013-14最終回)グロッサリーを構築する

 日本文学の研究成果を外国語で発表したりする時に、専門用語をどう言えばいいのか、頭を悩ませます。
 そんな時、グロッサリー(用語集や用語解説)があれば便利です。しかし、日本文学研究に関するもので手軽に利用できるものが、まだないのです。

 私もそのことが気になっており、数年前から少しずつ集めています。しかし、個人でできることは知れています。大きなチームを組んで取り組むべきです。何度か、科研費などに補助金の申請をしました。けれども、それは研究とは異なるものになるとの判断がくだされるのか、いまだに採択にいたっていません。
 辞典の編纂に類するものなので、大きな国際的なプロジェクトの中で構築した方が現実的な対処かもしれません。

 これについては、今後ともさらに検討していくつもりです。

 そうした中で、現在手元に集まっている情報の一部を確認しました。
 「日本文学関連語彙の英語表記と説明文」として取り組んでいるものです。
 まだまだ精度の低いものです。もう少しまとまったら報告します。

 また、『越境する言の葉 ─世界と出会う日本文学』(日本比較文学会編、彩流社、2011年6月)の巻末付録となっている「日本文学翻訳年表(1904〜2000年)」を確認しながら、どのような作品がいつ頃翻訳されていたかを追っていきました。

 今年の受講生は1990年、平成2年生まれだそうです。その頃は、古典文学の翻訳は少なくて、近代・現代文学が盛んに翻訳されていた時代です。こうした資料が時代を反映するものともなり、興味深い傾向がうかがえました。
 やはり、古典文学が海外向けに翻訳されている時代は、日本でも古典文学の研究が盛んな時代だと言えそうです。

 現代は、文学研究の中でも、古典文学が衰退している時代だといわれています。そうであれば、海外の方々と一緒に研究を進めていけばいいのかもしれません。そのためにも、古典文学作品の翻訳が積極的になされるように、意識的に問題を取り上げ、コラボレーションを通して実現していけばいいのではないか、と思われます。

 結論などは、早々に見つかるものとも思われません。
 不断の努力の中で、海外の方々の興味のありようを見ていく必要があります。それを意識しながら、若い方々が興味深く取り組んでもらえるような研究環境を整備しておくことが、今できる一番の対処方法だといえるでしょう。
posted by genjiito at 23:04| Comment(0) | ◎国際交流