2013年06月28日

授業(2013-11)海外における日本文学の翻訳事情

 まず、本日の朝刊に掲載されていた、平安京にあった堀河院跡の土器に、墨書で「いろは歌」が書かれていた、というニュースを取り上げました。
 これは、平安時代末期(12世紀末)から鎌倉時代初期(13世紀初め)の土器に、「いろは歌」としては最古となる全文が書かれているのが確認された、というものです。

 ひらがなに関する情報なので、平安時代を中心として研究する仲間として、情報の共有を計るために話題としました。

 次に、伊井春樹先生が刊行された『世界が読み解く日本 海外における日本文学の先駆者たち』(2008.4.25、學燈社)について、確認をしました。
 この本の目次は、次のようになっています。


徐一平「中国における日本語・日本文化」
ロイヤル・タイラー「能の翻訳から源氏物語の翻訳へ」
ボナヴェントゥーラ・ルペルテイ「イタリアにおける日本文学研究」
ウイリアム・ボート「オランダからみた日本思想史研究」
ドナルド・キーン「日本文学との出会いから」
タチアーナ・サカローヴァ・デリューシナ「ロシアからみた日本文学」
セップ・リンハルト「オーストリアの日本研究」
ジャクリーヌ・ピジョー、アンヌバヤール.坂井「フランスにおける日本文学研究」
アンドリュー・ガーストル「イギリスからみた日本近世演劇、役者絵研究」


 世界で活躍なさっている日本文学研究者9人との、文学や文化に関する対談集です。
 刊行されたのが、ちょうど『源氏物語』の千年紀というタイミングで、日本文学の研究が世界的に拡がっていることを実感できる本です。

 また、昨年の6月には、文部科学省が文化庁の「現代日本文学翻訳・普及事業」を仕分けによって廃止としたニュースが流れました。
 日本の現代文学を翻訳して外国で出版するという、日本文学翻訳事業を廃止するいうことの意味を、あらためて確認しました。
 政治的なパフォーマンスによって、文化事業が追い遣られた印象を持ちました。もちろん、その背景にはさまざまな問題があったのでしょう。しかし、この件については、国際的な文化理解を共有するためにも、あらためて翻訳の意義を確認し、その方策を再確認する機運を作り出す必要がありそうです。

 続いて、ヒンディー文学の日本語訳に関する情報も確認しました。

 最後に、スペイン語訳された『源氏物語』について、私のブログをもとにして説明しました。

「今夏ペルーでスペイン語訳『源氏物語』刊行予定」(2013年6月24日)

 特に、この本の表紙には、國學院大學蔵「久我家嫁入本『源氏物語』」を使用する予定だということです。その点については、さらに情報を集めることにします。

 これとともに、スペイン語訳がなされている『蜻蛉日記』『土左日記』『枕草子』についても「ガレリアリブロのブログ」を見ながら、これらの本の内容を確認しました。

 外国語というと、とかく英語に目が行きます。しかし、スペイン語の話者はそれ以上に多い実態を知ると、こうしたスペイン語訳された日本の古典文学作品のありようを、無視するわけにはいきません。

 海外の方々と、日本文学を通して異文化間コミュニケーションを展開する上でも、こうした情報は語り伝えていきたいものです。
posted by genjiito at 23:54| Comment(0) | ◎国際交流