2013年06月19日

読書雑記(67)岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿2』

 岡崎琢磨著『珈琲店タレーランの事件簿2 彼女はカフェオレの夢を見る』(宝島社文庫、2013.5)を読みました。
 
 
 
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 前作については「読書雑記(52)岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿』」(2012年11月14日)をご笑覧ください。あまりいい評価はしていません。

 この第2作目は、さらに出来が悪いようです。前作にあった文章のキレがまったく感じられません。私は、いいところを探すようにして読むことが多いと思っています。しかし、これに関してはまったくそうした褒めるところを見つけられませんでした。
 『〜3』が刊行されても、それを読むかどうか……。余程大々的な変化が見られない限り、もう読まない作家となりそうです。相性の問題だと思われます。作者さん、ごめんなさい。何事も縁ということで。

 第一話「拝啓 未来様」におけるプロポーズという推理と、郵便の消印をめぐる小細工は、いかにも作った話で興ざめでした。【1】

 第二話「狐の化かんす」はおもしろい展開で楽しみました。
 京都見物に来たはずの妹の秘密の行動を推理する過程は、ごく自然で納得できました。ただし、最後に付けられた状況説明は、それまでの話を水で薄めるようでいただけません。せっかくいい話として収まりそうだったのに。【1】

 第三話「乳白色のハートを壊す」は、コンパクトによくまとまった作品になっていると思います。
 話がわかりやすいことと、推理に無理がありません。ただし、あまり事件におもしろさはありません。明るさのない話なので、ただこじんまりとまとまった、というのが正直な好意的な感想です。【2】

 第四話「珈琲探偵レイラの事件簿」は、読み終わってみるとおもしろい話でした。
 しかし、終盤まではつまらなかったのです。読みさして次の話に移ろうと思い、どこで止めようかと切り上げどころを探しているうちに、ズルズルと最後の段落まで来ました。そして、突然話がおもしろくなりました。
 作者は損をしていると思います。まず、話が暗いこと。そして、表現と構成が練られていないことで。【1】

 第五話「(She Wanted To Be)WANTED」は、私にはよくわからない話でした。
 1話で完結していないこともありますが。【1】

 第六話「the Sky Occluded in the Sun」では、話が急展開します。
 下手な推理がないので、安心して物語についていけます。ただし、根拠が薄弱な理由で断定的に、決めつけて行動する登場人物たちに、読者を引きずり回す手法を感じました。1話完結ではないので、引き伸ばされている感じも、終始つきまといます。【2】

 第七話「星空の下で命を繋ぐ」は、最後になってこれまでの話をうまくつなげることになりました。ここでやっと、話がまとまった印象を受けます。終盤で、やたらと星空を持ち出して、話をきれいにしようとしています。これまでとの違いに戸惑いました。【2】

 最後のエピローグは、きれいにまとまっています。
 全体としての構成がまずかったことが、返す返すも残念です。【2】
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ■読書雑記