2013年06月18日

読書雑記(66)稲盛和夫『新版・敬天愛人 ゼロからの挑戦』

 最近、息子の書棚に並ぶ本の背表紙を見ていて、読んでみようと思うものが何冊か目につきました。
 ビジネス書であり、啓蒙書であり、ものの見方や考え方の本です。
 こうした本に目が行ったのは、おそらく、私がNPO法人〈源氏物語電子資料館〉を設立したことに起因するのでしょう。

 たまたま親子が別々に起業を志し、共にそれを果たし、今はひたすら前を向いて取り組んでいるところです。
 期せずして同じ本に心引かれるのは、偶然ではないようです。その意味では、息子の方が先行しているのです。

 これまで、自分で買って読もうとは決して思わなかった本です。しかし、そうした本が同じ屋根の下に並んでいるのを見て、読んでみたくなったのです。おもしろくなければ即刻止めればいいので、気楽に手にしました。ところが、意外とこれがおもしろいのです。

 一言で言えば、揺らぐことのない起業精神の高揚であり、共に歩むための人心掌握術の伝授であり、何ものにも替えがたい純粋な気持ちの崇高さが、己が人生の総決算として語られているのです。これほど心に滲み入る本だとは思いませんでした。

 稲盛和夫、本田宗一郎、松下幸之助と、ビジネス・ストーリーとでも言うべき成功者たちが語る話に手が伸びました。しかも、PHP研究書から出ている本ばかりを手にしていました。

 南禅寺の近くにある、松下幸之助の「真々庵」へ行ってから、その生きざまに感銘を覚えたことが、潜在的に影響しているのかも知れません。そのことは、「京洛逍遥(208)「真々庵」でPHPを考える」(2011年12月22日)に書いた通りです。

 折々に書棚から取り出し、読み終えた本が積まれだしたので、整理を兼ねて読書雑記としてここに残しておきます。

 まずは、稲盛和夫の『新版・敬天愛人 ゼロからの挑戦』(PHPビジネス新書246、2012年11月)から、目に留まった文章を抜き書きしておきます。
 
 
 
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 稲盛和夫は、京セラの創業者で、KDDIの設立、そしてJALの再生を成し遂げた人です。その考え方の独創的なところに、大いなる魅力を感じました。
 
 

 現在の能力をもって、可否を判断していては、新しいことなどできるはずがない。今できないものを何としても成し遂げようとすることからしか、真に創造的なことは達成できないのである。(63頁)

 
 

 私は、「世の役に立ち、自分も幸せだった」と振り返って感じられるような生き方が、究極的には人々の求めている人生の姿であろうと思う。(82頁)

 
 

 人生・仕事の結果=「考え方」×「熱意」×「能力」
 私は長年、この方程式に基づいて仕事をしてきた。またこの方程式でしか、自分の人生や京セラの発展を説明することはできない。(98頁)

 
 

 成功への王道
 松下幸之助氏や本田宗一郎氏は、高等教育を受けておられない。学校を出てすぐ丁稚奉公に行かれたので、最高学府での学問の経験もなければ、専門知識もお持ちでない。
 しかし、何にも増してお二人は燃えるような「熱意」を胸に、誰にも負けない努力を払われた。また、事業を通じて、従業員をはじめ世の多くの人々に貢献したいという崇高な考え方を持っておられた。
 人問はともすれば、有名大学を出、学問をすればするほど「能力」に依存し、「熱意」や、さらには「考え方」の重要性に対する認識が希薄となってしまう。そのせいか有名大学出身の創業者で成功した人は思いのほか少ない。
 才能があればあるだけ、謙虚に考え、素直に努力することができないのではないかと私は思う。(105頁)

 
 

 仕事でも事業でも、その動機が純粋であれば必ずうまくいく。私心を捨て、世のため人のために善かれと思って行なう行為は、誰も妨げることができない。逆に、天が助けてくれる、そう思えるのである。(152頁)

 
 

 人間というのは、一人では成長できない。志ある者たちが集まり、揉まれ合うことによって、より素晴らしい人間に育まれ、その集団もさらなる成長発展を遂げていく。(187頁)
posted by genjiito at 22:17| Comment(0) | ■読書雑記