2013年02月28日

今西館長科研の表記情報学に関する研究会

 今週は早々に、今西科研の本年度第4回目の研究会がありました。
 今年は第3回目がイタリアのフィレンツェで開催されたので、国内での研究会は3回目となります。

 この科研のテーマは、「日本古典籍における【表記情報学】の基盤構築に関する研究」と題するもので、古写本や版本などにおける仮名表記や漢字表記に関することが、ここでの議論の中心となります

 今回のプログラムは、以下の通りでした。

(1)ご挨拶 今西祐一郎
(2)発表 田坂憲二(慶應義塾大学)
    「京都大学図書館本『紫明抄』の表記情報」
(3)発表 斎藤達哉(専修大学)
    「書記・表記から見た源氏物語写本」
(4)発表 土山玄(同志社大学・院)
    「源氏物語の表記のゆれについての計量分析」

 これまで私は、世話役ということもあり、毎回つなぎ役として研究報告等をしてきました。幸い、今回は何もしなくてもよかったので、進行に気をつけながら質問役に徹しました。

 折しも、国文研に会議で出張して来ておられた天理図書館の岡嶌偉久子さんが、この研究会に少し顔を出してくださいました。帰りの時間の関係で、田坂さんの発表だけでしたが、聞いて帰られました。
 お互いに、刺激を受け与えながらの、長いつきあいです。また、改めてお話を聴ける機会を設定したいと思っています。

 今回の研究会の特徴は、若手に研究発表やオブザーバーとして参加してもらえた、ということにあります。
 研究発表をしてもらった土山さんは、同志社大学大学院生で、村上征勝先生のところで研究をされています。非常に興味深い問題を提起してもらいました。

 また、陪席という形でしたが、総合研究大学院大学(統計数理研究所)の大学院生である小野さんの参加がありました。土山さんと共に、文学とは異なる分野からの参加なので、お互いにいい勉強になります。
 今後とも、こうした若手の参加は大歓迎です。終わってからの懇親会でも、いろいろと刺激的な話が交わせます。

 これらの研究発表の内容は、来年度の科研報告書に掲載されます。折々に、ご意見をお聞かせいただければ幸いです。

 今年度は、『絵入り源氏』などのテキストを有効利用できるように加工しました。これは、今年度の報告書に、全冊カラー画像と共に、DVDに収録して発行されます。

 来年度は、古活字版『源氏物語』や、先月国文学研究資料館編として勉誠出版から刊行された榊原本『源氏物語』16冊を、有益なテキストに翻字・加工して公開する予定であることが確認されました。

 今西科研では、研究成果がみんなで利用できる形として、着実に実を結んでいます。研究も、さまざまな切り口から成果が見られます。後2年続きます。

 次回の研究会は、6月上旬を予定しています。
 表記に関する問題提起をしていただける方の、積極的な参加をお待ちしています。
posted by genjiito at 22:30| Comment(0) | ◆源氏物語

2013年02月27日

京洛逍遥(259)鷺が飛ぶ夕焼けの後に雪が

 先日、夕方の散歩では、鷺が舞い飛ぶ姿をたくさん見かけました。

 いつもジッと川に佇む鷺には、沈思黙考の趣があります。
 
 
 
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 それが、ひとたび飛び立つと、優雅な飛形で目を楽しませてくれます。
 
 
 
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 夕焼けを背景に飛ぶ姿にも、気品を感じさせます。
 
 
 

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 多くの鷺が飛び立ったのは、どこかのねぐらへ急いでいたのでしょうか。

 その夜、下鴨中通りや北大路通りは、降りしきる雪で刻々といつもとは違う景色に移り変わっていきました。
 
 
 
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 今年の冬は、全国的に大雪の地域が多いようです。
 京都では、積もりこそしませんが、小雪が舞い散る日は多いように思います。

 あの鷺たちは、この雪の前触れを感じ取って飛び立ったのでしょうか。
 こんな夜に、鷺たちはどこにいるのでしょうか。
 比叡山を越えて琵琶湖へ飛んで行ったとは考えられません。
 賀茂川の中洲や浮島に潜んでいるのか、上流の上賀茂あたりにいるのかもしれません。
posted by genjiito at 23:53| Comment(0) | ◆京洛逍遥

2013年02月26日

京洛逍遥(258)上賀茂神社の手作り市

 朝の散歩で上賀茂まで足を伸ばしました。
 
 
 
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 毎月第4日曜日は、上賀茂神社の境内を流れる「ならの小川」に沿った木立の中で、約250店もの出店がある手作り市で賑わいます。季節季節に、折々にのぞいています。
 回を重ねる毎に、並ぶ品物の質はもとより、お店の方の対応もよくなっているようです。

 早朝散策の途中だったこともあり、まだテントを張ったり台を組むなど、準備をしておられるところでした。
 
 
 
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 珈琲屋さんが3、4店出るようになりました。そのすべてをいただいたわけではありません。しかし、飲む雰囲気はいいとして、味については、私が家でコリコリと豆を挽いて淹れるコーヒーの方が、格段に美味しいと思っています。

 小物が多いので、ゆっくりと見て回りたいところです。
 時間もないので、鳥居前の2軒の焼き餅屋に立ち寄り、お腹を温めることを口実にして、葵餅をいただきました。食べ比べをしてみたのです。
 
 
 
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 それぞれの店で、1個ずついただきました。
 神馬堂さんの餅は、紙の小袋に入れて渡されます。
 葵家さんの餅は、セロファンでラッピングされています。
 共に1個120円。

 私は、雑誌などでよく取り上げられている神馬堂さんの焼き餅よりも、バス停前の葵家さんのよもぎ餅の方が好きです。神馬堂さんには白餅しかないので、味の比べようがありません。
 いつか、じっくりと白餅で比べてみましょう。ただし、血糖値の上昇を考えながら。

 帰りには、それまで少しだけ舞い散っていた雪が、しだいに本降りとなってきました。
 鷺や鴨たちの動きが止まり出しました。
 
 
 

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 雪を避けるためか、ゆっくりと移動する鷺もいました。
 
 
 

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 寒さの緩みが待ち遠しいこの頃です。
posted by genjiito at 00:11| Comment(0) | ◆京洛逍遥

2013年02月25日

大津直子著『源氏物語の淵源』(おうふう)

 大津直子さんの博士学位論文が『源氏物語の淵源』(おうふう、2013.2.25)と銘打って刊行されました。

 巻頭の「〈観魚〉する冷泉帝」は、「『源氏物語』六条院行幸における冷泉帝―<観魚>という視点から―」(『中古文学』第88号、平成23年12月)と題して、一昨年の学会誌に掲載されたものです。そしてこれは、昨秋発表された第5回中古文学会賞(平成二十四年度)を受賞しました。

 中古文学会のホームページに、「第5回中古文学会賞 受賞者のことば」(2012年11月3日 於 大阪大谷大学)が掲載されているので、その末尾を引きます。


 本論文は、〈観魚〉という視点が学界においてまだ十分に馴染みのないことや、古代の史料を『源氏物語』に持ち込む手法などを含めて、誤解される可能性も少なくない論文ではないかと危惧していました。しかし、今回の受賞は、私のそのような懸念に対して大きな勇気を与えてくれました。今後もこうした手法で物語空間を読み解くことにより、近代的な読みや、合理的解釈からこぼれ落ちる表現を丹念に読み解いて参りたいと思います。


 ますますの活躍が期待されます。

 これまでに、大津さんの論文はいくつか読みました。特に私は、谷崎源氏の資料を整理しながら研究を進めている点に注目しています。本ブログでも、「源氏文論尚友(3)「『潤一カ新訳 源氏物語』草稿」」(2009年11月15日)で取り上げました。
 
 そのこともあり、ここでは本書の最終章として収録されている「『源氏物語』から谷崎源氏へ−〈薄二藍なる帯〉はなぜ削除されたか−」に触れておきます。

 これは、「賢木」巻における帯の表現史を辿ることで、そこを削除した意義と谷崎の感性に迫ろうとするものです。古典から現代へ、という視点が有効に活かされています。
 『万葉集』に始まり、近松の作品や谷崎の他の作品などなど。幅広い目で文学の表現史を見ていきます。近松については、もっと深くみてもいいのでは、と思いました。谷崎の作品には、演劇の要素が多分に看取されるからです。
 ただし、ここでは紙数と本書のテーマから、この問題はその場ではないので、通覧するところに留まっています。これは仕方のないところでしょうか。

 さて、谷崎の旧訳(昭和14年〜16年)では、この男物の〈薄二藍なる帯〉が訳出されていないことを、本論考では大きな問題とします。校閲者の山田孝雄などへの言及も興味深いものがあります。ただし、これらはもっと広い視野が必要なので、ここでは問題提起がなされている、と読んでおいた方がいいでしょう。

 そして、次のような認識が示されます。

末松謙澄の英訳以来、『源氏物語』の訳出は受容される社会を意識して行われるのが常であった。(279頁)

 ここは、もっと例証が必要でしょうか。
 訳文の受容と社会の状況について、さらに具体的な考察が必要なところです。これは、訳文が背負う宿命なのです。今後は、この問題ももっと掘り下げてほしいと願っています。

 本書は、課程博士論文が元となって編まれたものです。ただし、そこに収められた谷崎源氏に関する論考は、本書では内容の統一から取り込まなかったとのことです。そして、現在はこの谷崎源氏と体当たりする中にあるようです。谷崎の『新訳源氏物語』の草稿が、平成18年に國學院大學に寄贈されたからです。

 この谷崎源氏の成り立ちについては、その貴重な資料をもとにして、今後とも大きな成果が期待できます。
 大津さんがそうであるように、私も谷崎の作品が好きな一人として、その『源氏物語』の現代語訳と関連した問題は、しばらくは目が離せないという状況にあるようです。
 次に谷崎源氏を扱った著書がまとまる日が、今から待ち遠しいところです。
posted by genjiito at 00:06| Comment(0) | ◆源氏物語

2013年02月24日

三井住友銀行に口座を開設できました

 一昨日は、京都駅前のメルパルクで総合研究大学院大学の教授会が開催されました。
 毎年、秋は東京で、春は京都で開催されます。

 毎度のことながら、100人以上もの出席者の意思を確認しながら議事を進行される議長のご苦労には、学ぶべき事が多いのです。今回もそうでした。完璧な議事進行のルールなどはないので、今後とも検討すべき課題がいろいろとあるのです。みんなでルールを決めることは、会議の運営としては正常なありようです。

 会議の後、京都駅の北側にある東本願寺南東角にある、「すき家」烏丸七条店に行き、間食をいただきました。
 「すき家」と言えば、当然、糖質制限食である「牛丼ライト」です。
 
 
 
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 ここの「牛丼ライト」は、ツユが多かったように思います。私は名前に「鉄」が付くのに、鉄分が不足しているのです。一緒に「ひじき」を追加しました。
 ここの「牛丼ライト」は、少しだけ温めてある感じがしました。もっとしっかりと温めてほしいものです。
 
 その後、すぐそばのヨドバシカメラで、iPhone と iPad mini のアクセサリーを買いました。
 着々と、デジタルデバイスによる情報管理が進行しています。
 
 さて、先週、三井住友銀行から突然電話があり、口座開始にゴーサインが出た、とのことでした。
 審査を急いでもらえたようです。意外に早く結果が出たので、驚きと安堵が入り交じります。

 持参する書類は、再度、法人の印鑑証明・登記事項証明・銀行届出印・身分証明のための保険証と免許証・事務所の建物の謄本でした。
 朝9時に私の家屋の謄本を取りに、あの! 法務局へ行きました。
 家屋の謄本は、誰でも、いつでも、印鑑も身分証明もなしに、自由にとれるのです。1通700円です。
 家の情報は、すべて公開されているのだそうです。

 次に、税務署へ行きました。確定申告の人で賑やかです。
 法人設立に伴い、税務関係の書類を提出しました。
 この時、2枚複写の用紙にカーボン紙を使って書くように言われました。そして、受け取ったカーボン紙を下に敷いて書きました。ところが、何十年ぶりかに使ったこともあり、裏表を間違えたために、2枚目の正本には何も文字が写っていませんでした。何とも、みっともないことです。

 それにしても、今やノーカーボンに慣れてしまっていて、この昔懐かしいカーボン紙の使い方をすっかり忘れてしまっていたのです。溜息交じりで、筆圧しか残っていないもう1枚の用紙に、同じことをもう一度書きました。
 
 その申請受付書を持って、10時に三井住友銀行京都支店へ行き、口座開設の手続きをしました。
 書類のやりとりで、少し時間がかかりました。しかし、無事にお昼までに新しい銀行通帳がもらえました。

 インターネットバンキングについては、三井住友銀行ではマッキントッシュに対応していないとのことなので、マックユーザーの私は申し込むことすらできません。マックユーザーは締め出しなのです。
 窓口の方には、一応、利用者を差別しないでほしいと、ほんの一言だけ厭味は言っておきました。

 この三井住友銀行も京都銀行も、法人口座の場合のネットバンキングについては、何かと手数料や利用料金が設定されています。個人口座の場合は、無料でネットを活用した預金管理ができます。しかし、法人口座はそうではないことを、今回初めて知りました。いろいろと法的な問題があるのでしょう。詳しくはわかりません。とにかく、ヘーッの連続です。

 ゆうちょ銀行は、ネットが無料で自由に使えます。これは、ありがたいことです。

 それはともかく、三菱東京UFJ銀行に見切りをつけて、三井住友銀行に取り扱い銀行を変更して正解でした。気持ちよく口座が開設できたのですから。

 以下にあげるのが、今回の口座番号です。
 会費などの振り込み・入金にご利用いただければ幸いです。


取引銀行:三井住友銀行 京都支店
取引店番:496
口座番号:8925177
口座名義:トクテイヒエイリカツト゛ウホウシ゛ンケ゛ンシ゛モノカ゛タリテ゛ンシシリヨウカン
   特定非営利活動法人源氏物語電子資料館
   (山カッコがないことにご注意ください)


 これで、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉設立に関する事務的な手続きは、すべて終了となりました。
 いろいろなことがあり、遠回りをしたようにも思います。しかし、着実に法人設立が完遂しました。

 関係者のみなさま、ありがとうございました。
 そして、今後とも、ご理解とご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
posted by genjiito at 00:07| Comment(0) | ◆NPO活動

2013年02月23日

京洛逍遥(257)府立総合資料館で見る翻刻の実体

 本日より、京都府立総合資料館で「<国宝>東寺百合文書展−原本と翻刻で見る古文書の世界−」と題する展覧会が始まりました。
 
 
 
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 私にとって、翻刻は日常的な仕事となっています。しかし、それは仮名文字の世界です。古文書などは、そのほとんどが漢字で記されています。私は、この漢字を読むのが苦手です。

 先日も、お茶のお稽古に行ったら、床に架かっていたお軸の禅語が漢字だけだったので読めません。これはいけないと思い、今回の展覧会を機会に、漢字の勉強もすることにします。

 この展覧会については、京都府立総合資料館のホームページを見ると、次のように紹介されています。


 筆で書かれた古文書の文字は読みにくいものです。これを今の文字に置き換えてもっと読みやすくしようという作業を翻刻(ほんこく)といいます。
 総合資料館では、所蔵している国宝東寺百合文書(とうじひゃくごうもんじょ)について、その翻刻事業を進めています。
 今回の展示は、東寺百合文書と翻刻出版物とを対比させて、一般の方にはあまりなじみのない翻刻の作法を紹介し、古文書の入門にもなるような、見ておもしろいものにしています。また、「国宝指定書」の原本を展示し、東寺百合文書が国宝に指定されるまでの当館の取組も紹介します。

  ※東寺百合文書とは、京都市南区の東寺(教王護国寺)に伝えられた文書で、奈良時代から江戸時代初期までの約900年間に渡る文書群です。宗教活動、寺院救済、荘園経営など中世史研究等の基本資料で、昭和42年に京都府が文化財保護を目的に購入し、平成9年には国宝に指定されました。

会期  平成25年2月23日(土曜)〜3月17日(日曜)
      ※休館日 3月13日(水曜)
時間  午前9時〜午後4時30分
会場  京都府立総合資料館 2階展示室及び会議室 入場無料
構成
  ◆プロローグ     唯一の文書とその複製
  ◆翻刻の技術と工夫  紙、文字、文章、ビジュアルな様子、姿
  ◆エピローグ     翻刻のこれから

 
 
 
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 国宝を目の前にして古文書の実態を通して漢字の勉強をするのもいいものです。

 37メートルもの長大な巻物が展示されています。その前の説明には、巻物はパラパラと見られないので、いろいろな箇所を同時に見たいときにはどうしたのでしょうか?、との観覧者への問いかけがありました。
 かつてのカセットテープやビデオテープで、早送りで先に録音録画されている場所を探した記憶があるかと思います。コンピュータの分野でも、テープに情報を記録していた時代には、後の方にある情報を探すのに手間取りました。シーケンシャルな検索をしていた時代の話です。
 そのことを、この巻物の説明を読みながら思いました。

 翻刻における記号についても、おもしろいと思ってみました。

 私が『源氏物語別本集成』を作り始めた時には、ミセケチには「$」、ナゾリには「&」、補入には「+」などなど、いろいろな記号を決めました。
 『東寺百合文書』の翻刻では、ナゾリの箇所には「擦り消しに重ね書き」と一々断ってありました。丁寧ですが、説明口調となり、印刷して刊行された本の紙面がすっきりしません。
 『源氏物語別本集成』の翻字用の記号を、もっと広める必要がありそうです。

 その他に、■、□、(ママ)、などの記号を見ると、裏方である読み手の苦労がヒシヒシと伝わってきます。古文書という1枚の紙と睨めっこをしながら、長時間にわたり、ああでもない、こうでもない、と思案された結果が、■や□や(ママ)の記号として翻字されるのです。実際に翻字をしている者にしか伝わらない、作業者同士の共感が、こうした実物とその説明から感得できました。読めないとして■で印刷された一つの記号も、みなさんの苦労の結晶なのです。

 今回の展覧会で、中世関係の文書に疎い私は、以下の専門用語の意味を、実物と実態を見ながら確認することができました。実見による学習は、得るものが多いことを実感しました。


宿紙・堅紙・続紙・封紙・包紙・礼紙・切封・墨引・押紙


 中でも、「礼紙」と「押紙」の説明は、感心して何度もその説明を読みました。

 「礼紙」は手紙の作法の一つでもあり、1枚の紙に文が収まった時には、白紙を1枚重ねて出すその紙のことなのです。いただいた手紙に、白紙の便箋が入っていることがあります。こんな仕来りのあることだったのです。

 「押紙」については、古文書の写真版で翻刻していて、原本の確認の見落としがあり、「押紙」と「付箋」が混在する翻刻になってしまった、という失敗談の中に出てきました。
 原本の確認を怠った事による失敗は、私も数限りなくあります。気持ちが引き締まりました。

 最後のコーナーに、翻刻出版とネットへのデジタル公開の今後について、言及してありました。
 この問題は、資料の中身がわかるようにしたり確認するための翻刻と、資料の実際を見たり確認するデジタル画像の共存について、大いに期待できるおわりのことばとなっていました。これがないと、この展覧会は気が抜けるところでした。

 短い時間でしたが、充実した時を持つことができました。
 特に若い方々が足を運ばれることを、お薦めします。
posted by genjiito at 22:51| Comment(0) | ◆京洛逍遥

2013年02月22日

『源氏物語』を海外の方々へ−《新版・十帖源氏「夕顔」Ver.2-1》−

 第4巻「夕顔」の『十帖源氏』については、昨年末(2012年12月 6日)に新版として資料を公開したばかりです。
 
 しかし、凡例の見直しによる補訂を加え、表記を統一しましたので、「夕顔」巻に関しては本日公開したものを最新版とします。
 
 主な補訂は以下の3点です。
 

@登場人物表を最初に掲載した 
A人物を強調する記号である「」を、〈〉に訂正した
B「翻刻本文」を「翻字本文」とした
Cその他、訳文の見直し

 
 

《新版・十帖源氏「夕顔」Ver.2-1》PDF版をダウンロード
posted by genjiito at 22:44| Comment(0) | ◆源氏物語

2013年02月21日

『源氏物語』を海外の方々へ−《新版・十帖源氏「空蝉」Ver1-1》−

 昨日、新しい〈凡例 Ver.20130216〉を公開しました。
 これに合わせて、これまで公開してきた資料に補訂を加え、全体を統一する作業が進行しています。
 
 すでに新版として公開した、次の首巻「桐壺」は新しくなっています。
 
【2-源氏物語】「《新版・十帖源氏「桐壺」Ver2》の公開」(2012/2/16)
 
 ただし、第2巻「帚木」は、まだ補訂が終わっていません。
 しばらくは、以下の旧版をご参照ください。
 
【2-源氏物語】「『源氏物語』を海外の方々へ −『十帖源氏 帚木』の資料公開−」(2010/8/25)
 
 第3巻「空蝉」については、本日公開した《新版・十帖源氏「空蝉」Ver1》が最新となります。
 以下の補訂がなされています。
 

@登場人物表を最初に掲載した 
A人物を強調する記号である「」を、〈〉に訂正した
B「翻刻本文」を「翻字本文」とした

 
 引き続き、補訂版を公開していきますので、各国語に翻訳しておられる方は、いましばらくお待ちください。
 当座の翻訳は、恐縮ですが旧版で進めておいてください。
 
 

《新版・十帖源氏「空蝉」Ver1-1》PDF版をダウンロード
posted by genjiito at 22:46| Comment(0) | ◆源氏物語

2013年02月20日

現代語訳『十帖源氏』のための〈凡例 Ver.20130216〉

 現在進行中の『十帖源氏』の現代語訳について、その方針となる〈凡例〉を再確認して来ました。
 その最新版が届きましたので、ここに公開します。
 これはあくまでも、海外の方々のための各国語訳を作成する上で、翻訳するのに参考となる現代日本語訳を提供しようとするプロジェクトです。
 この〈凡例〉は、今後とも見直しをしていくものです。
 お気づきの点やご要望がございましたら、ご教示のほどをお願いいたします。
 
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『十帖源氏』の凡例 (平成25年2月版)
 
          責任者:畠山大二郎
 
◆体裁について
・横書きにする。
・1行50文字とする。
 
◆翻字について
・「翻刻」ではなく「翻字」の語を用いるようにする。
・訳に合わせて句読点、濁点を打つ。
・会話文には鉤括弧をつける。心内表現に鉤括弧をつけるかは、各担当者にまかせる。
(例)「〜」と、おほせらる。  ※「と」の後に読点を打つ。
・和歌は句の切れ目にスペースを入れる。
・踊り字「/\」の濁点は、「/゛\」と表記する。
・誤字や表記上誤解を招きそうな箇所には、(原文通り)を入れる。
・巻名は、3字下げにする。訳もこれに準ずる。
・傍記、合点は言葉の句切りのところに入れる。
・「けしき」「けはひ」の母字に「気」が使用されている場合は「気しき」「気はひ」とする。
・「雲井」は「雲ゐ」、「雲居」は漢字表記とする。
・「物の気」は「物の気」の表記のままとする。現代語訳では「物の怪」の表記とする。
 
◆現代語訳について
・海外の人が理解できるよう、平易な文で訳すことを旨とする。
・公立高校入試を控える中学3年生くらいのレベルで現代語訳を作っていく。
・「です」「ます」体に統一する。
・主語を明確にする。
・できるだけ理解しやすいように言い換える。
・文はできるだけ切る。
・敬語にはこだわらず、忠実でなくともよい。
・敬語は帝につける程度でよい。
・「何とか」といった抽象的な語はさける。
・「方」は、「女性(女)」「男性(男)」「人」などの語に置き換える。
・「もの心細げ」の「もの」は、心細い「様子」といったように訳出する。
・訳文は1文が長くならないようにする。1文は50字くらいまでの長さが好ましい。100字以内に収めるようにする。
・「そば」という言葉を用いるときは、平仮名表記。
・和歌は訳さず、句ごとにスペースをおき、表記通りにする。
・「女房」は混乱をさけるため、「侍女」などの語に変換する。
・巻名に括弧はつけない。
・卒業論文を書くような大学生が手書きで書けないような漢字表記は平仮名にする。
・誤字や表記上誤解を招きそうな箇所には、翻字に(原文通り)を入れ、現代語訳では直して表記する。和歌の場合、翻字はそのままにし、訳は直して表記する。
 (例)翻字「じゝま(原文通り)」→訳「しゞま」(末摘花巻)
・時制は、基本的に原文に従う。ただし、訳出する際に不都合・影響が出ない場合に限る。
・分量・数値は算用数字にする。
・「人は皆」といった場合は「人々」に変更する。
・その他、漢字表記や言葉の意味など、困った場合は、旺文社の辞書・日本国語大辞典を使用する。
・「対」は「館」にする。(「西の対」→「西の館」)
・逆接の「が」は極力使用しない。
 
◆注について
・注は原則つけない形とする。
・まず現代語訳を作り、訳者から注の依頼を受ける、という形にする。
・現在保留。公開時にどうするか検討。
・なるべく注がつかないように、名詞は平易なものにたとえる、説明的に訳出するなど、固有名詞を使わない工夫をする。
 
◆絵について
・絵は場面の説明をつける。説明は、5W1H(Who(誰が) What(何を) When(いつ) Where(どこで) Why(どうして)How(どのように))を書く。
・絵のキーワードを現代語訳の中から5つ選び、訳に《 》をつける。
・絵のキーワードは、ネット公開時に色をつけるか。
 
◆括弧の使い方
・( )(丸括弧)…@人物呼称の補足  (例)若君(光源氏)のことを…
         Aその他、補足や補文等 (例)(桐壺)
・「 」(鉤括弧)…@会話文・心内語  (例)「…だろうか」と、言いました。
         A引用など
※巻名には「」をつけない。
・『 』(二重鉤括弧)…@作品名  (例)『源氏物語』は、…
           A会話文中の会話 (例)「ある人のいふやう『…』」とて、…
・〔 〕(亀甲括弧)…@傍記  (例)おもしろきにあそび〔傍・あ/管絃〕をぞし給ふ
          A割注  (例)あつしく成ゆき〔をもき/病也〕*/は改行。
                  訳も〔 〕内に入れる。
・〈 〉(山括弧)…@人物呼称  (例)〈桐壺の更衣〉は、…
A和歌の詠者  (例)翻刻→〈御〉たづねゆく…
                    訳→ 〈帝〉     *訳の場合、詠者は
たづねゆく…  1行扱いにする。
         B挿絵     (例)〈絵100〉 光源氏が…
・《 》(二重山括弧)…@絵のキーワード (例)《紫式部》は、《石山寺》に…
                       *訳にのみ使用。

※原則として、とじ括弧の前には句読点をつけない。 (例)〔つけない。〕→〔つけない〕
 
◆登場人物呼称
※登場人物名の一部は、本文の漢字表記を通行の表記に改めてある。
(例)「御休所」→「御息所」、「義清」→「良清」
※「頭の中将」「紀伊の守」など、「の」を補う形を基本とする。
※本文の呼称を載せる際は、「統一呼称(本文呼称)」の形とする。
※人物呼称の表記は、新編日本古典文学全集(小学館)に倣う。
 
◆主な登場人物
・巻の冒頭に主な登場人物の紹介を入れる。
・5〜10人程度の人数を挙げる。
posted by genjiito at 22:46| Comment(0) | ◆源氏物語

2013年02月19日

法務局のミスで市役所への登記完了届出書が不受理になりました

 先週のドタバタ騒ぎを、これも記録の1つとして残しておきます。

 法務局が作成した、NPO法人の「登記事項証明書」に読点が1つないというミスがあり、とにかく翻弄されました。

 京都市からNPO法人の認可を受け、最終段階となる登記を京都法務局に提出した時のことは、「法人登記のため小雨の中を走り回る」(2013年2月 5日)に詳しく記したとおりです。

 ところが、です。

 上記のブログにあるように、京都法務局に「特定非営利活動法人設立登記申請書」を提出し、バタバタとやりとりがあったものの、無事に登記が完了しました。そのことを受けて、その週末にまた法務局へ行き、「登記事項証明書(履歴事項全部証明書)」や「印鑑証明書」を発行してもらいました。それを受け取ったその足で京都市役所へ行き、「法人等設立届出書」を提出すと、一連の法人設立のための手続きがすべてが終わるはずでした。

 ところが、世の中には不条理なことがあるもので、何とも思いがけない書類上のミスが発覚したのです。

 市役所の窓口である文化市民局地域自治推進室へ書類を持って行き、市民活動支援担当の方に「設立登記完了届出書」を渡しました。いつもの姫野さんは、ちょうど別の対応に追われていたため、東垣さんが目を通して下さいました。そして、これで一段落と思う前に、この法務局で発行された証明書は、市役所に提出した定款と異なるところがあるので、登記完了は認められない、とのことでした。青天の霹靂とはこのことです。

 詳しい説明を伺うと、「目的等」という項目の文言は、定款と一字一句違えてはいけないのに、最初の行にまず間違いがあるため、これは正式な証明書とは見なせない、とのことなのです。

 問題の箇所は、写真の赤丸のところです。
 定款では、「……データベース化は、『源氏物語別本集成』と……」となっているのに、この証明書では「……データベース化は『源氏物語別本集成』と……」と、読点がないのです。
 
 
 
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 さすがプロだ、と感心しながらも、なぜこのようなことになっているのかに気が回りました。頭の中はフル回転です。

 担当者の方の話では、法務局に CD-ROM やUSBなどのデータで渡したのでないのならば、担当者が提出書類を見て手入力をするか、OCRで読み取って文章にする、とのことでした。そして、今時手入力ではないでしょうから、OCRで読み取った可能性が高い、との言われるのです。そして、向こうもこの仕事が専門なので、何度も確認をしているから入力に間違いはないと思われる、とのことです。ということは、私が法務局に提出した書類が古いバージョンの可能性がある、という流れになりました。

 私としては、マッキントッシュのタイムカプセルでデータのバックアップの管理はしているし、自分でも間違わないようにバージョン管理をしていることを説明しました。マッキントッシュのタイムカプセルでは、何月何日何時何分の時点での文章の復元ができるので、家に帰ればこの間違いの経緯が判明する、と答えました。しかし、どう見ても私の方が形勢不利であることは否めません。そんなことよりも、一刻も早くこの事態に対処しなくてはなりません。

 市役所の担当者の方の話では、法務局で証明書の原本に校正をかけてもらい、その後に証明書を請求することになるので、少なくとも1週間はかかるでしょう、とのことでした。とにかく、それでもそうせざるを得ません。大急ぎで歩いて、また法務局へ向かいました。

 その道々、なぜこのようなことになったのかで、頭は目眩く思いでいっぱいです。
 私が何かの手違いで古いバージョンの原稿をコピー&ペーストした、ということになります。しかし、この部分は昨年の10月以来、変更のなかった部分のはずです。しかも、古い文書の一部をコピーするなど、自分がしたとは思えません。
 しかし、この最初の行末の禁則処理をするための、私がこの読点をいじった、ということも考えてみました。次第に、自分を責める自分と闘っていたのです。

 一体、何がどうなっているのか。混乱した思いのままに、法務局へ急いだのです。とにかく、事実が知りたい一心でした。

 自分は間違っていないはずだ、との思いが強い中で、いや何かの間違いをしたのでは、と自分を責めるところもあります。自問自答しながら歩いていたのです。
 それでも、とにかく、法務局で私が提出した文書の原本を見れば、この読点が1つないという事の、本当のことがわかるのです。

 法務局の窓口では、先般相談に乗ってくださった方が対応してくださいました。そして、すぐにその文章を入力して作成された方に、事情を説明し、確認しておられます。私は、その横顔を食い入るようにジッと見つめていました。そして、事態は法務局のミスの雰囲気が伝わって来だしたのです。そして、入力なさった方と共に、お詫びに来られました。

 私が提出した書類の当該部分はこうなっていました。
 
 
 

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 赤丸が付いているところに、読点があるのが確認できます。
 そして、入力担当の方は、この読点の入力を見過ごされたのです。

 さて、それでは正しい証明書はいつ、どのようにしてもらえるのか、ということになりました。
 私は、入力された文書に読点を1つ入れるだけなので、すぐに証明書の再発行をしてほしい、とお願いしました。すると、驚くべき答えがなされました。入力後、データは廃棄したのだと。嘘だろう、と思いました。

 また、それでは、再度OCRで読み込めば、すぐにできるでしょう、と尋ねると、OCRは使わずに、すべて手入力なのだそうです。またもや驚愕の事実です。
 そして、2度とこのようなことがないように、慎重に点検するためにも、今日中には証明書の発行はできない、とのことです。逃げるな、と叫びたい気持ちを、グッと堪えました。

 実は、この手続きにはウエブや電子データで申請できるのです。しかし、それはウインドウズによるものに限られ、私のようにマッキントッシュを使う者には、その方途が用意されていません。今は差別だ、とは言わないでおきます。

 それにしても、担当者の話には何やらごまかしがありそうです。嘘が見え隠れしています。何かあるな、と思いました。しかし、それをあげつらう余裕は、その時の私にはありません。

 先日私の相談を担当なさった方は、私が週末に京都に帰り、週明けの月曜日には東京へ行くことをご存知です。このままでは、証明書を入手するのは、さらに1週間後になります。逃げるな、と言いたい思いをじっとこらえて、とにかく月曜日の朝一番で登記事項証明書をもらい、すぐに市役所に持って行って登記完了にしたい気持ちを伝えました。

 必死になるのが、主客転倒しています。しかし、相手の責任を攻めても、何もいいことはありません。こうした相手を思いやる気持ちを持つのが、日本人のいいところだと言われています。
 しかし今、私がすることは、一刻も早く証明書を入手することです。

 月曜日の早朝、上京の準備をしている私のもとに、法務局から電話がありました。証明書が渡せるようになったと。
 そして、あろうことか、1通でいいですね、という言葉が耳に届きました。何を寝ぼけたことを。

 先般、私は証明書を3通請求しました。そのための料金である、1通700円かける3部の料金を払っています。それなのに、あの時に受け取った3通すべてが何の効力のないものであり、新たにもらえる本物が1通では、これは割に合いません。とにかく先週は、その偽物とも言うべき、市役所が正規の書類ではないと判断して受け取ってもらえなかった証明書の3通分の料金を支払っているのです。そのことを言うと、渋々3通用意します、とのことでした。
 どこまで逃げようとするのか、と言いたい気持ちを、グッと抑えました。

 法務局へ大急ぎで行き、今度はとにかく正式な証明書を3通受け取り、また大急ぎで市役所へ向かいました。
 今度は、しっかりと読点がはいっています。
 
 
 
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 法務局の担当者は、私の目の前で見苦しい弁解をしておられました。しかし、それは時間もないことなので無視しました。聞いても詮ないことなのですから。今後は、もっと真面目に仕事をしてほしいものです。

 2月18日午前、無事に市役所で「設立登記完了届出書」を受理していただけました。
 京都市役所の東垣さん、懇切丁寧なご教示に感謝します。

 その時、まだすることがあるとのアドバイスをいただきました。
 それは、烏丸御池の交差点角にある、京都市行財政局税務部法人税務課法人市民税担当に、「法人等設立届出書」を提出することと、京都府の法人税、さらには税務署へも行く必要があるそうです。これは今すぐではないものの、後で脱税にならないように対処すべきことだ、とのことでした。

 出来るときに出来ることを、との方針でいるので、すぐに烏丸御池の法人市民税担当の方の処へ行き、書類をその場で書き、無事に受理されました。

 いろいろなことがあるものです。

 その後、京都法務局が手入力で書類を作成したとのことだったので、自分でOCRを使うとどうなるのかを実験しました。

 iPhone で、メディアドライブの 「e.Typist Mobile」(v1.0.3、\900)を使って文字認識(OCR)をしてみました。

 私が法務局に提出した書類の元の文章は、以下の通りです。


目的及び事業
 『源氏物語』の本文に関するデータベース化は、『源氏物語別本集成』と『源氏物語別本集成 続』の刊行を通して、約22万レコードのデータベースとして構築が進行しています。今も更新の手が加えられ、日々成長しているデータベースです。
  本法人は、『源氏物語』の本文データベースに関連するあらゆる資料及び情報を、調査・収集・整理・修正・追補することを活動の原点とします。そして、その知的資産としての情報の維持管理を次世代に継承する中で、さらなるデータベースの発展に資することを目的とする法人です。
  併せて、『源氏物語』が海外でも幅広く理解されることを願い、『源氏物語』のダイジェスト版の多言語翻訳や海外の研究者との懇談会も実施します。このような、国際的な日本文化の理解を深める活動にも取り組みます。
この法人は、その目的を達成するため、次に掲げる種類の特定非営利活動を行う。
 (1) 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
 (2) 国際協力の活動
 (3) 前各号に掲げる活動を行う団体の運営、又は活動に関する連絡、助言
  又は援助の活動
この法人は、その目的を達成するため、次の事業を行う。
 (1) 特定非営利活動に係る事業
    @『源氏物語別本集成 続』等の学術出版の支援
    A『源氏物語』に関する諸情報の整備と公開
    B『源氏物語』に関する国際文化交流
    C『源氏物語』に関連する研究支援と資料の翻字・校正及びデータ
     入力の代行
    D『源氏物語』の普及のための講演会や懇談会及び勉強会や物品販売


 これを、私が手元にある iPhone を使って、900円で購入した文字読み取りソフトで実験した結果は次の通りです。


目的及び事業『源氏物語』の本文に関するデータベース化は、『源氏物語別本集成』と『源氏物語別本集成続』の刊行を通して、約22万レコードのデータベースとして構築が進行しています。今も更新の手が加えられ、日々成長しているデータベースです。本法人は、『源氏物語』の本文データベースに関連するあらゆる資料及び情報を、調査・収集・整理・修正・追補することを活動の原点とします。そして、その知的資産としての情報の維持管理を次世代に継承する中で、さらなるデータベースの発展に資することを目的とする法人です、併せて、『源氏物語』が海外でも幅広く理解されることを願い、『源氏物語』のダイジェスト版の多言語翻訳や海外の研究者との懇談会も実施します。このような、国際的な日本文化の理解を深める活動にも取り組みます。この法人は、その目的を達成するため、次に掲げる種類の特定非営利活動を行う。(1)学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動(2)国際協力の活動(3)前各号に掲げる活動を行う団体の運営、又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動この法人は、その目的を達成するため、次の事業を行う。
ω
特定非営利活動に係る事業@『源氏物語別本集成等の学術出版の支援A『源氏物語』に関する諸情報の整備と公開B『源氏物語』に関する国際文化交流C『源氏物語毒に関連する研究支援と資料の翻字・校正及びデータ入力の代行D『源氏物語』の普及のための講演会や懇談会及び勉強会や物品販売


 この読み取り後の変換結果を見ると、後半の「(1)」が「ω」となっていることと「続』」が「側」になっている2箇所だけが読み取りミスです。
 改行がなされていません。しかし、私はこのような設定で使っています。

 今の文字読み取りの技術は、こんなに精度の高いものなのです。

 私はこのメディアドライブのOCRソフトは古くから使っていました。いろいろなOCRにチャレンジしていた20数年前。パソコン初期のころなので記憶が曖昧です。確か、「MacReader」の流れをずっと使っていました。もっとも、価格は20万円前後だったと思います。読み取り結果の手直しが大変でした。しかし、漢字入力の手間は、大分省けて助かりました。
 「e.Typist」が出てからも、メデイアドライブに好印象を持っていたので、これを使っていました。そのうち、マッキントッシュ用のOCRは姿を消しました。マックユーザーからの需要がなかったからでしょうか。

 今は、iPhone で「e.Typist」を重宝して使っています。しかも、これが900円なのです。
 ただし、これは iPad mini では文字認識の段階になると画面が消えるので、使い物になりません。

 調査研究活動と業務の間の出来事とはいえ、なんとも慌ただしいことです。
 そろそろ、一息入れて、4月からの新年度に備えようと思っています。
posted by genjiito at 23:55| Comment(0) | ◆NPO活動

2013年02月18日

NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の銀行口座開設の報告

 昨日、このブログに書いた通り、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の銀行口座に関して、三菱東京UFJ銀行では作らず、三井住友銀行京都支店に開設することとしました。

 四条烏丸の交差点角にある三井住友銀行は、四条通りを挟んで三菱東京UFJ銀行と対面するように店舗があります。
 店内で少し待つと、法人口座開設に必要な書類の説明がありました。そのすべてを持参していたので、そのまま確認へと流れて行きました。

 先日の京都銀行やゆうちょ銀行と同じように、提出を求められたのは、法務局で受け取った「履歴事項全部証明書」「法人の印鑑証明書」と「来店者を確認する公的資料(健康保健証)」の3点です。参考のために、定款等、京都市から認定を受けるために申請した時の書類も添えました。

 これらは、三菱東京UFJ銀行に提出したものと同じです。違うのは、この三井住友銀行では、活動実績を示す資料は不要でした。産声をあげたばかりのNPO法人なので、活動実績を証明するものは無理なのですから。

 他の銀行の通帳やホームページやパンフレット等の話はまったく出ませんでした。そのため、通帳の中をコピーされることもありません。

 とにかく、「口座開設承り書」に必要事項を記入し、上記の確認資料3点で新規の申し込みの手続きは終わりです。
 2週間ほどで結果の連絡があるそうです。
 先日は三菱東京UFJ銀行で、根掘り葉掘り活動実体の有無を問い質されたのとはまったく違い、いろいろと問答を想定していたことがなくて、実のところホッとしました。

 すぐにその足で、四条通りを隔てた三菱東京UFJ銀行へ行き、窓口で口座開設をしないことを伝え、先日提出してコピーを取られた資料を返却してもらいました。
 30分ほど待たされ、対応に出られたのは先日と同じ方でした。

 「お願いしたNPO法人の口座は、この銀行では作らないことにしたので、書類を返してもらいに来ました。」と告げると、「わかりました。」と言ってすぐ奥に行かれ、1分ほどで書類を出してこられました。
 そして、「履歴事項全部証明書」「法人の印鑑証明書」「健康保健証」「定款」「京都銀行・ゆうちょ銀行の通帳表紙と残高記載頁」のコピーを手渡されました。

 この「通帳」については、先日受け取った「受取証」には明記されていなかったので、もし返ってこなかったら言おうと思っていたものです。
「申し込み時に記入された用紙はこちらで裁断します。」とのことでした。

 対面の事務手続きは、これですべて終わりです。
 実際に顔を見て言葉を交わしたのは、ものの2分もなかったのです。
 速攻で破談の処理が終わりました。
 
 先週遭遇した、法務局でのありえないミスは、明日にでも記します。
 京都市役所への「設立登記完了届出書」は、そのために遅れましたが、2月18日早朝に完了しています。
 税務関係の届け出は、今週末に終える予定です。
posted by genjiito at 22:24| Comment(0) | ◆NPO活動

2013年02月17日

京洛逍遥(256)茶寮宝泉でぜんざいをいただく

 自宅周辺には、お茶菓子のおいしいお店がたくさんあります。どこもよく知られているようで、いろいろな本でも見かけます。
 血糖値を気にする生活をしている私には、何かと悩ましいことです。一応、お抹茶と一緒にいただくと血糖値が急激には上がらない、という自分流の口実の元、お茶をいただくのは特別な日として、和菓子も折々にいただいています。

 下鴨膳部町にある、あずき処・宝泉堂・本店の和菓子は、お土産や贈り物等に使わせていただいています。「賀茂葵」というお菓子は、葵の葉をイメージしたハート型です。葵の文様を丹波大納言小豆で仕上げてあります。私は、必ずこれを入れて組み合わせています。

 なお、江戸時代の文献である「出来斎京土産」に描かれるている申餅は、葵祭の日に食べる習わしがあったそうです。その申餅を、先年、この宝泉堂さんが140年ぶりに復元されました。下鴨神社の糺の森の中にある休憩所「さるや」で、このお餅が食べられるようになっています。
 この「さるや」のことは、【4.1-京洛逍遥】「京洛逍遥(190)下鴨神社の糺の森に茶店オープン」(2011/5/21)で、詳しく記した通りです。

 下鴨神社はみたらし団子発祥の地でもあり、このあたり一帯は甘い物に縁があるようです。

 昨日、姉夫妻が京都に来たついでに、我が家の仏さんに挨拶をしに立ち寄ってくれました。
 鶴屋吉信の右近左近をお供えにしてくれました。
 また、きれいな和菓子も持って来てくれたので、大急ぎで炉の支度をして、お茶を点てました。こんな時に、電気の炉は便利です。ちょうど、娘夫婦がお正月にくれた一保堂のお抹茶が未開封のままであったので、これで香り高いお茶をいただきました。

 お点前の作法はともかく、いろいろな話をしながら、ざっくばらんにお茶をいただく一時となりました。
 おもな話題はNPO法人〈源氏物語電子資料館〉のことです。以前に、別のNPO法人に私が協力した時、姉には幹事をお願いしたことがありました。今度は何もしなくてもいいの? とのこと。若者たち中心でやるので、困ったらまた助けてもらうことにしました。

 そして、自ずと銀行口座の話に。
 義兄は金融関係の仕事をずっとやってきて、京都の支社長で定年を迎えた経緯があります。そのため、銀行のいろいろなことを教えてもらえました。
 姉も同じ会社で義兄と知り合ったこともあり、先週私が直面した、三菱東京UFJ銀行の話題では盛り上がりました。なんと、最近姉は、長年付き合っていた三菱東京UFJ銀行の口座をすべて解約したとのこと。あまりにも酷い対応になってきたので、その変節ぶりに呆れ果て、縁を切ることにしたそうです。

 これを聞いて、私もこの銀行の口座を持つことへの縛りから、やっと解放されました。利用者なのに、我慢してジッと堪え忍ぶことはないのです。いくら法人の口座の審査が厳しくなっているとはいえ、惨めな思いをさせられて口座を持つことの意味を、あらためて考えさせられました。
 これについては義兄も同じ意見だったので、この銀行に口座は持たないことになると思います。

 話に花が咲く中、2服づつ飲んでもらえたので、点てる私は結構忙しい思いをしました。こんな時、いかに早くお点前をするか、しかもきれいに。このことは、また先生に聞いておきます。

 見送りがてら、気分転換に散歩にでかけました。そして、下鴨西高木町にある茶寮宝泉でお腹を温めることにしました。このお店は、かねてより行こうと思っていたところです。本店から少し東に歩いたところにあるので、いつでも行けるとの気持ちから、機会を逸していました。
 
 
 

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 ここは、広いお座敷が2つあり、庭を見ながら休めます。
 座敷には、炉も切ってありました。
 
 
 

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 本当に久しぶりに、甘いぜんざいを食べることになりました。もちろん、消化を遅らせるベイスンという薬を1個口に放り込んで、おもむろに禁断のぜんざいに舌鼓を打ちました。
 さすがに自慢の小豆だけに、あっさりとしていて、おいしいぜんざいでした。小餅が2つ入っています。お腹がホカホカと温まりました。
 お座敷に腰を下ろした頃から、少し小雪がちらついていました。それでも、泉川の川縁を歩く身体はホクホクしていて、小雪が風に舞いながら顔にかかっても、気持ちのいい散策となりました。

 なお、新幹線の京都駅改札内に、宝泉JR新幹線京都駅店があります。これまで、乗り換えのために急いで乗り降りする京都駅であり、しかも改札の中にあるということで、チラリと見ただけでした。今度機会を見つけて、入ってみたいと思います。
posted by genjiito at 21:25| Comment(0) | ◆京洛逍遥

2013年02月16日

『十帖源氏』に関する記事の掲載順リスト

 今週も、いつものように新宿で『十帖源氏』の輪読会をおこないました。
 最近は、『末摘花』巻を読み進めていました。
 そして、一昨日この巻の現代語訳を確認し終えました。

 その際、これまでの凡例、登場人物の紹介方法、その他の表記についても再確認をしました。
 近日中に、これまでのファイルを整理して補正したものを公開します。

 今後の活動については、毎月第2火曜日に、新宿アルタ横の喫茶店ボアのレンタルスペースで、午後6時半から2時間、というのを基本とすることになりました。
 
 
 

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 興味をお持ちの方は、一度参加してみてください。いろいろな分野の方々のお考えが伺えることを楽しみにしています。

 次回からは、第7巻『紅葉賀』の確認です。討議資料は、当日配布します。

 なお、これまでに本ブログに掲載してきた『十帖源氏』に関する記事が、いろいろと錯綜してきました。
 また、現代語訳についても、新しい訳を補足したり補訂したりしています。

 そこで、あらためて、これまでの記事を公開順に一覧できるようにしました。
 当座の確認のために、利用してもらえるかと思います。
 
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ブログ「鷺水亭より」における『十帖源氏』の記事一覧
 
【2-源氏物語】「『十帖源氏』を読む会の後は質素な新年会」(2013年1月18日)

【2-源氏物語】「『源氏物語』を海外の方々へ−《新版・十帖源氏「夕顔」》の資料公開−」(2012年12月 6日)

【2-源氏物語】「『十帖源氏』の「夕顔」の点検が終わる」(2012年11月16日)

 
■以下、「投稿2千件一覧(1)〈古典文学/源氏物語〉」(2012年10月29日)のリストに収録済み■
 
【2-源氏物語】「新宿であった『十帖源氏』の輪読会」(2012/10/18)
【2-源氏物語】「『十帖源氏』の現代語訳を楽しむ」(2012/5/17)

【2-源氏物語】「『十帖源氏』の「夕顔」を読む会」(2012/4/17)

【2-源氏物語】「『十帖源氏』の登場人物名を検討」(2012/3/14)

【2-源氏物語】「『十帖源氏』をヒンディー語訳するための提言と教示」(2012/2/21)

【2-源氏物語】「『十帖源氏』をヒンディー語に翻訳する時の問題点」(2012/2/18)

【2-源氏物語】「《新版・十帖源氏「桐壺」Ver2》の公開」(2012/2/16)

【2-源氏物語】「『十帖源氏』を8種類のインド語に翻訳するために」(2012/2/7)

【2-源氏物語】「《新版・十帖源氏「桐壺」》の公開」(2012/2/2)

【2-源氏物語】「『十帖源氏』を読む会に室伏先生をお招きして」(2011/12/7)

【2-源氏物語】「多言語翻訳のための『十帖源氏 葵』」(2011/9/8)

【2-源氏物語】「多言語翻訳のための『十帖源氏 花宴』」(2011/6/14)

【2-源氏物語】「多言語翻訳のための資料公開『十帖源氏 紅葉賀』」(2011/6/13)

【2-源氏物語】「多言語翻訳のための『十帖源氏 末摘花』の資料公開」(2011/6/12)

【2-源氏物語】「多言語翻訳のための『十帖源氏 若紫』の資料公開」(2011/3/10)

【2-源氏物語】「『源氏物語』を海外の方々へ ―『十帖源氏 夕顔』の資料公開―」(2011/3/9)

【2-源氏物語】「『源氏物語』を海外の方々へ ―『十帖源氏 空蝉』の資料公開―」(2010/9/29)

【2-源氏物語】「『源氏物語』を海外の方々へ ―『十帖源氏 帚木』の資料公開―」(2010/8/25)

【2-源氏物語】「『十帖源氏 桐壺』の翻刻本文と現代語訳の公開」(2010/7/15)
posted by genjiito at 23:41| Comment(0) | ◆源氏物語

2013年02月15日

不愉快だった銀行の対応

 昨夜は新宿で、毎月1回の恒例となっている、『十帖源氏』の輪読会に参加しました。
 その時のことは、また後日記します。

 その後、アルタの上で仲間と軽い食事をして、そのまま新宿西口バスターミナル発の夜行バスで帰洛しました。
 とみに多くなる公私の仕事をこなすため、東西の移動に最近は夜行バスを利用しています。
 目を開けている時間帯に新幹線に乗るのが、もったいなくなってきたからです。

 新幹線の小刻みな揺れが、読書や資料作成の妨げとなりだしたのです。
 私の身体が、あの揺れに適応できなくなったのか、あの振動が変化したためなのか。
 とにかく、2時間ほどの車中での仕事が、思うようにできなくなったのです。
 これも、加齢のせいなのでしょうか。

 夜行バスなら、寝ている間に身体を東西へと運んでくれます。
 狭い空間なので疲れます。しかし、翌日に響くことは、今のところありません。
 これには、今のところは加齢が影響することはないようです。

 今朝は6時に三条大橋でバスを降り、三条河原町で朝食を食べました。
 京都は雨です。
 いつもは京都駅に着くバスです。しかし、今回は、新宿から京阪三条駅経由で枚方へ行くコースのバスでした。
 三条から我が家は近いので、これはなかなか便利です。

 自宅で書類を作成したり資料を整理してから、小雨の中を、歩いて京都北山郵便局に出かけました。
 特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉のための口座を開設するためです。
 京都府立総合資料館や京都コンサートホールの近くにある郵便局です。
 過日1度訪問し、手続きの相談をしていたので、今日はスムーズに対処していただけました。15分ほどだったでしょうか。テキパキと手続きを進めてくださいました。

 参考までに、開設した口座の情報を記しておきます。


取引銀行:ゆうちょ銀行
記 号 :14460
番 号 :45621781
口座名義:トクヒ)ケ゛ンシ゛モノカ゛タリテ゛ンシシリヨウカン
     特定非営利活動法人源氏物語電子資料館
     (山カッコがないことにご注意ください)


 なお、この口座に他金融機関から振り込まれる場合は、以下の内容を指定してください。


店名:四四八(読み ヨンヨンハチ)
店番:448
種目:普通預金
口座番号:4562178


 次に、雨が上がりかけた下鴨中通りを少し歩き、地下鉄烏丸線の北山駅から四条駅へ直行しました。そして、交差点角にある三菱東京UFJ銀行京都支店に入りました。

 実は、私はこの三菱東京UFJ銀行が苦手です。
 最近では昨年末にありましたが、不愉快すぎて書きませんでした。
 次のブログくらいなら、可愛いいものでしょうか。

「平和ボケした銀行の窓口」(2009年2月25日)

 奈良の家を処分してからは、1つずつ利用項目を減らし、がんばった甲斐もあり、ついに今は何も取引がない状態にしました。
 それなのに、今回また新たに法人の口座を開設することにしたのは、NPO法人のために振り込んでくださる方々のことを考えてのことでした。支店の数が多いのです。

 京都銀行は、東京には八重洲に1店舗あるだけです。三菱東京UFJ銀行は京都に限っても、窓口が一番多いのです。NPO法人としての活動を理解して支援してくださる方々のためには、これは大切な配慮であり、サービスです。

 窓口では、愛想よく明るく対応していただきました。しかし、審査に時間がかかり、口座が開けるかどうかは1週間ほど待ってほしい、とのことでした。現在活動していることを証明することを、いろいろな角度から求められました。
 この法人は出来たばかりで、支払いも請求書も入金もありません。なかなかの難問でした。

 これから活動しようとしている者が、設立の認可を受けたばかりの書類を持って来ているのです。それなのに、活動実体を証明できないか、と言われつづけるのですから、無体な要求です。よほど、口座の不正利用に神経を尖らせておられるようです。

 私が京都銀行に入金した会費なら、記帳すると確認できるが、と言うと、本人ではだめなのだそうです。家族に前もって振り込んでおいてもらったらよかったのですが、それも今からでは参考資料にならないのだそうです。かといって、口座開設を諦めろ、とまではおっしゃいません。

 何度か上司に相談してきます、と言い残して奥に入られました。とにかく、実体のある組織なのかどうかを、しつこく問いただされました。
 最近は、法人の未公開株や社債購入等における詐欺被害や、不法な商行為による消費者被害が拡大しているそうです。銀行口座が悪用されることを防ぐために、とにかく慎重な姿勢を貫いておられるようです。

 もう、いやになりました。話を打ち切り、すぐ向かいにある、私が主に使っている三井住友銀行にしようかと思いました。しかし、やはり店舗数のことを考え、じっと我慢しました。

 さらに、ホームページはないのか、とのことでした。そこで、1995年9月にインターネット上に開設した、私のホームページである〈源氏物語電子資料館〉を教えました。
 窓口の方は、その場で机上のパソコンで検索し、トップページをカラー印刷されました。

 さらに活動の実体を示せとのことなので、このブログである「鷺水亭より」で昨秋から何度もNPO法人を立ち上げる記事を書いて来たことを言うと、店頭では見られるサイトと見られないサイトがあり、私のeoネットから発信しているこのブログは、三菱東京UFJ銀行の店頭端末からは見られない部類になっていました。
 そこで、持っていた iPhone に本ブログ「鷺水亭より」を呼び出し、京都銀行の口座を開設したことを報告したページを見てもらいました。

 また、今回のNPO法人が、『源氏物語別本集成 続』を刊行することを目玉の1つとする組織であることから、向かいにある大型書店の大垣書店に行けば、『源氏物語別本集成』15巻と『源氏物語別本集成 続』7巻が並んでいるので、そのシリーズ本を見れば出版活動を継続する組織であることが立証できるはずだ、と言いました。しかし、その意味はどうやら伝わらなかったようです。

 とにかく、どのようにして会員を集めようと努力しているのか、その努力の跡も見たかったようです。
 会員を勧誘するためのパンフレットなどもないのか、とのことです。今は認可されたばかりなので、それは今後対応することであり、そのためにも口座を開設することを優先に考えている、と言いました。

 また、京都銀行もゆうちょ銀行も、すでに口座を開設したと言うと、参考資料として通帳を見せてくれとのことでした。取り出すと、表紙や中をコピーさせてほしいとのこと。私の2冊の通帳を持って、奥に行かれました。
 人の通帳の中身をコピーする行為は、銀行の窓口でなら合法なのでしょうか。しかも、他の金融機関のものなのです。作ったばかりなので、中身は0円の記載しかありません。気分はよくありません。

 しばらくソファーで待てとのこと。
 もう帰ろうと思いましたが、これだけ長時間かけたので、その労力がもったいないので、しばらくなら待つことにしました。そして、再度の対応が不遜だったら、それこそ席を蹴って向かいの三井住友銀行で口座を作ろうと心に決めました。

 再度名前を呼ばれてからは、とにかく揉めないように私の方が努めて冷静に対応したこともあり、来週あるという審査結果の連絡を待つことで引き下がりました。

 さて、こんな銀行と、今後とも付き合っていくべきかどうか、今は思案中です。
 銀行側から、審査に通ったので口座を開設するために来い、と言われても、私の方が行かない、という選択肢もあり得るのです。
posted by genjiito at 23:04| Comment(0) | ◆NPO活動

2013年02月14日

井上靖卒読(159)「火の燃える海」「暗い舞踏会」「レモンと蜂蜜」

■「火の燃える海」
 軽快に話が展開します。長崎から上京した女優志望の娘がうまく描かれていて、つい読まされます。その背後に居座る劇作家の存在も、興味深いものがあります。女優のことを語りながらも、その背景としておかれている劇作家が、実はこの小説の主人公と言えるでしょう。いい作品だなと思って読み進んでいたところ、最後になって、女優がこの劇作家を愛し続けていたのだと思い至った、とあります。このまとめ方には、無理を感じました。
 なお、「ほうり落ちる涙」(『井上靖全集』第5巻198頁)という表現が気になりました。【3】
 
 
初出誌:サンデー毎日
初出号数:1956年3月臨時増刊号
 
集英社文庫:火の燃える海
井上靖小説全集11:姨捨・蘆
井上靖全集5:短篇5
 
時代:昭和14年春頃〜昭和28年の春頃
舞台:東京都(駒込、日比谷公園、銀座)、北陸の小さい半島
 
 
 
■「暗い舞踏会」
 見合い結婚をした2人。授かった子には、不幸にも脳に障害がありました。やがて夫に愛人が出来、そして出世します。それと正比例するように、2人の仲は冷えていくのでした。この作品には、1つの構成上の仕掛けがあります。予想外の展開に、読者は意外な思いを持つことになります。そして、男と女の愛情とは何かを考えさせてくれます。井上の創作手法のうまさが印象付けられました。【4】
 
 
初出誌:文芸
初出号数:1956年5月号
 
集英社文庫:夏花
角川文庫:狐猿
潮文庫:桜門
井上靖小説全集19:ある落日
井上靖全集5:短篇5
 
 
 
■「レモンと蜂蜜」
 社長の会社運営の話と、競馬の話が展開します。ただし、話はあまりきれいにはまとまりません。構想を練る時間が足りなかったのでは、と思わせる話に留まっています。【1】
 
 
初出誌:知性
初出号数:1956年7月号
 
角川文庫:狐猿
井上靖小説全集19:ある落日
井上靖全集5:短篇5
 
 
 
〔参照書誌データ〕
 井上靖作品館
 http://www2.plala.or.jp/baribarikaniza/inoue/
posted by genjiito at 00:09| Comment(0) | 井上靖卒読

2013年02月13日

事実認定を保留する楽しみ

 昨日、上京中の新幹線で、先週実施された四大陸フィギュアスケート選手権男子の部で優勝した、ケビン・レイノルズ選手らしき人と乗り合わせました。

 「らしき」と言うのは、妻の意見を汲んでのことです。
 妻は、テレビの中継も録画も何度となく見たので、絶対に間違いないと確信を持って断言します。iPhone で検索をして、ニュースの顔写真も見せてくれました。

 しかし、私はどこか違うように思いました。まず、髪が型違うのです。
 これは、妻の意見によると、競技が終わり、スッキリと刈り上げたのだと言うのです。

 高い鼻は、確かにケビン選手本人のようです。それでも、スラリと背が高いのはいいとして、目の前にいる若者はあまりにも線が細すぎます。
 これも、妻の意見では、テレビでは大きく見えるためだとか。

 デッキですれ違うことがありました。好青年です。報道によると、22歳のはずです。優勝したということで、誰かサインを求めてもいいはずなのに、皆さん気づかないのでしょうか。

 絵に描いたような、好印象の若者です。しかし、やはり私には、テレビで見た、スケートで優勝した選手とは違うように思われます。

 大阪で優勝した選手が、数日後に京都から新婚線の「ひかり」号の自由席に乗って、一人で移動しておられるのです。そのことに加え、その姿形がテレビの中のケビン選手よりも大人っぽい雰囲気があります。

 いろいろな国に行った経験があります。しかし、私は人の顔を見分ける能力を持ち合わせていません。相手の目を見ながら、ご本人かどうかを識別することが多いのです。

 おそらく、これまでの体験に照らしても、妻の記憶と識別能力は各段に優れています。それを認めつつも、いまだに優勝したケビン選手だったのかどうか、半信半疑です。

 今後、何かのことでご本人の動静がわかれば、新幹線で出会ったのが本人かどうか、はっきりすることでしょう。

 顔だけで見分けられるかどうかに留まらない、いろいろな要素が判断の背景にあるはずです。

 目撃情報のあいまいさを思い出します。それも、今の場合は、テレビに映っていた人かどうか、ということです。

 直感がえてして的を射ることを認めつつも、迷いがあれば、あえて結論を先延ばしにするのも、これまた、ささやかな楽しみの一つといえるでしょう。
 
 こうして、また一つ小さな楽しみを溜め込むことになりました。
posted by genjiito at 00:09| Comment(0) | ◆情報化社会

2013年02月12日

京洛逍遥(255)鴨川に生息するヌートリア

 最近、鴨川にヌートリアという大きなネズミが棲み着き、いろいろな問題が出来しているようです。

 我が家の近くを流れる賀茂川では見かけません。しかし、その下流である賀茂川と高野川とが合流する出町付近の鴨川辺りでは、いろいろな被害が報告されているようです。
 
 
 
130203_nutoria
 


  ヌートリアにエサをあげないでください
 
    エサをあげるとドンドン増えて
 
 貝などの生き物もたくさん食べられてしまいます
 
ヌートリアは、もともと南アメリカにすんでいた大きな
ネズミで、とてもたくさんの子供を産みます。
鴨川に昔からいる生き物が減ったり、畑の野菜を食べ
て人に迷惑をかけたりします。
エサをやっていて指をかまれると、ケガをしたり、病気
になったりして大変です。

 
 たまたま、出町に近い葵橋の西詰めで、この問題のヌートリアを見かけました。
 
 
 
130203_saginutoria_4
 
 
 

 残念なことに、その横でパンの耳を撒いておられるおばさんがいらっしゃったのです。そのため、たくさんの鳥たちといっしょに、ヌートリアも餌がもらえるので出没したところのようです。とにかく、大きくて丸々と太っているのです。
 
 
 
130203_esayari_5
 
 
 
 これは、個人レベルで餌を撒く方に声をかける、ということで解決するものではなさそうです。
 賀茂川で鷺や鴨たちに、パンなどの餌を撒く人は、結構おられます。鳥たちが自分のそばに集まってくるので、施しをしている錯覚に陥り、気持ちがいいのでしょう。しかし、それは刹那的な自分勝手な優越感だと思います。

 賀茂川では定期的に環境保護の観点から、市の職員の方や委託を受けた業者の方々が見回っておられます。そうした環境問題の一環として、こうした餌やりについても、市のレベルでの対処が先決だと思われます。

 現実に、毎年根気強くキャンペーンをしておられる成果もあって、河原でバーベキューや花火をする人は激減しています。時たま、何も知らずに来た高校生や大学生のグループが、賑やかに焼き肉パーティなどをしています。しかし、それもすぐに、自分たちのしていることがよくないことに気づくようです。

 この川は、みんなで気持ちのいい川にしようという気持ちが、いい意味で実感できます。また、そんな目が向けられていると言えるでしょう。

 今回のヌートリアも、早めに専門家を交えての対策が講じられることを願っています。
posted by genjiito at 00:05| Comment(2) | ◆京洛逍遥

2013年02月11日

家の片付けの合間にお茶のお稽古へ

 賀茂川の右岸から左岸に引っ越して早1年。しかし、運び込んだ荷物は、まだ片付いていません。

 この三連休を利用して、思い切って2階の片付けを一気に終わらせようとしています。
 階段の上り下りと屋根裏への行き来で、早々と筋肉痛です。

 そんな中、昨日はお茶のお稽古を控えていたので、掃除の合間を見て、妻を相手に練習をしました。

 1ヶ月ほどお稽古が空くと、細かなことはほとんど忘れています。正客役の妻には本を見ていてもらい、お点前の流れを囁いてもらいます。
 決まって、うっかり忘れる箇所があります。

 我が家の釜の蓋は、摘みが南鐐です。そのため、女性と同じように帛紗扱いで練習をしています。
 そこで、釜の蓋を蓋置きに置いてから、右手に持った帛紗をどのタイミングで左膝横に仮置きし、それをいつ腰に着けるのかが、どうしても思い出せません。

 また、水差しの蓋を取ることを忘れ、終わりの段階で茶碗に水を入れるときに、蓋がされていてアレッ、ということになります。

 妻に、本を何度も引っくり返してもらいましたが、その説明がなかなか見つかりません。

 今朝、時間を見つけて、昨日の復習をしました。そして、昨日わからなかったことがどうにか解消しました。

 この点を、今日のお稽古で早速先生に伺い、確かめることができました。
 出したお茶に口を付けられたら、帛紗を腰につけるのでした。
 水差しの蓋は、どうにかうまくできました。

 もっとも、今はわかっていても、また1ヶ月先になると、スカーッと忘れているので、難儀なことです。

 今日新たに確認できたのは、男性と女性でお手前において作法が異なるのは、一点だけだということです。
 それは、釜の蓋を取るときに、摘みが南鐐か鉄の場合は、男性も女性と同じく帛紗扱いをすることです。それ以外は、男は素手で摘みを持つのです。

 点前座で座る位置、道具を置く場所などなど、いろいろとつながってきました。
 帛紗さばき、柄杓の扱いなども、しだいに正しい形がわかってきました。
 鳩尾を意識し、お腹に力を入れて背筋を伸ばし、手の位置、足の運び方なども、その意味がわかると、さらにうまく振る舞えるようになろうとします。流れるようにとは行きません。しかし、身体を覚えるのを根気強く待つことにします。

 お茶は、本当におもしろい世界です。
posted by genjiito at 00:06| Comment(0) | 身辺雑記

2013年02月10日

京大病院での定期検診の結果を分析

 今回、京大病院で受けた血液検査の結果、ヘモグロビン A1cの値は〈6.5〉(日本基準)でした。これは、糖尿病学会のガイドラインに照らし合わせると、優・良・可・不可のうちでは、良と可の境界値です。血糖値のコントロールが、何とかうまくいっているけれども、さらなる努力が必要、というところです。

 ただし、これには説明が必要です。
 次の、これまでのヘモグロビン A1c値の推移とグラフを見れば、この背景にはいろいろとあることがわかります。
 
 
 
130208_carbo
 
 
 

 まず、今回の検診を前にして、1月19日に中野のワンコイン検診でヘモグロビン A1cを測定しました。毎月自主的に測っているものです。これは、何と予想外に高くて〈7.9〉だったのです。これは、ガイドラインで言うところの、可と不可の境界値です。これは明らかに危険信号です。

 グラフを見ると、その前の11月30日(京大計測)と12月18日(ケアプロ計測)から突出して高い数値なのです。
 実は、11月30日は京大病院で検診を受けた日でした。その時に主治医の先生から、毎食後に消化を遅らせるセイブルを飲んだ方がいい、とのことだったので、それを実践した結果なのです。それまでのベイスンよりも少し強い、セイブルによるテストを始めた時なのでした。

 この数値急騰という結果を受けて、1月19日以降は、昨夏まで1年間取り組んでいた糖質制限食に急遽切り替えました。身体をリセットする意味からです。

 もっとも、先生の説明では、1月19日から糖質制限食に切り替えたからといって、2週間後のヘモグロビン A1cの値が〈7.9〉から〈6.5〉に急落したとは考えられないことなのだそうです。また、私の身体からはケトン体の増加が見られないので、おそくら糖質制限食といっても非常に緩いものになっているようだ、とのことでした。

 このような経緯を踏まえて、この1月19日の〈7.9〉には、2つの問題が考えられます。

 1つは、先生が言われた、計測機器の誤差です。精密機器でも、民間で使うものには20%の誤差があるそうです。しかも、ワンコイン検診は街中のカウンターで実施され、さらには7分間で結果を出すので、どうしても安定した数値にならないそうです。
 その点では、京大が使っている機器とその検査環境を信用してほしいと。つまり、この1月19日の中野での値は、何かの原因で正確ではなく、おそらく〈7.9〉ではなくて〈7.5〉以下だった可能性があるのではないか、ということでした。
 街の計測は、あくまでも参考値として割り切る方がいいようです。

 もう一つの原因は、私自身が薬を飲んでいるという安心感から、いつもよりもたくさん炭水化物を含む食事をしたことが考えられる、ということでした。しかも、年末年始の時期です。食事内容や時間帯、そして運動不足になりがちな日々だったのです。
 これは、どうやら図星のようです。

 今から思うと、この2つともに思い当たります。とすると、11月30日の京大での測定値と昨日の測定値を見る限りでは、特に異常な変化は無視しても構わない、とも言えます。

 また、さらにその前のグラフの値を見ると、8月24日に京大病院から退院した後の11月30日までの数値も、少し上がっただけだと理解してもいいようです。

 つまり、先生の言葉によると、京大での測定値である〈6.5〉→〈6.7〉→〈6.5〉以外は、いわゆる雑音として見た方がいいのではないか、ということなのです。専門医の立場からは、このような判断が示されることは当然でしょう。このことは、今後の検討材料としたいと思います。

 今後の対処については、今回があまりいい傾向ではなさそうなので、最初に飲んだ、少し効果の緩いベイスンにもどし、しかも11月30日までやっていた、血糖値が高くなりそうな食事のときだけ、このベイスンを飲んでみる、ということを再度試すことになりました。
 これならば、取り組みやすいと思います。何よりもいいのは、お寿司がメニューに入ることです。

 主治医の先生はいつも、「長生きするためにはある程度の炭水化物は必要です。」ということと、「豊かな食生活をすべきです。」とおっしゃいます。還暦を過ぎた私には、いいアドバイスだと思っています。

 さて、また2ヶ月後の4月にどうなっているのか、大いに楽しみです。
posted by genjiito at 00:48| Comment(0) | 健康雑記

2013年02月09日

NPO法人の口座開設でまた名前が問題に

 今日はお昼前に、京都大学病院へ定期検診を受けに行く予定が入っていました。
 その前に時間があったので、病院のすぐ近くにある京都地方法務局で、特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉の登記事項証明書を発行してもらうことにしました。

 少し小雪が舞い散る中を、今日も自転車を軽快に飛ばして行きました。

 2月4日に、バタバタとではあっても、とにかく登記を済ませました。その後、法務局からは何も連絡がなかったので、登記が無事に完了したことがわかっていたのです。そこで、次の手続きとして、法人印の印鑑登録を法務局でしました。
 一枚の書類を提出し、渡された印鑑登録カードを使って、自動発行請求機で印鑑証明書と登記証明書を、今後必要となる数通分を入手しました。

 確かに、「履歴事項全部証明書」の「法人成立の年月日」の欄に「平成25年2月4日」と明記されています。
 これで、特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉の設立日は「平成25年2月4日」と、正式に記録され、認められたのです。この日が、この法人の創立記念日となったのです。

 ここで入手した証明書は、市役所に登記が完了したことを報告するためと、銀行口座を開設するために必要なものです。

 この手続きが完了して証明書を入手するのに、1時間半はかかると想定していました。
 ところが、何と10分で終わりました。
 うまくいくときは、こんなものなのですね。

 ここまではよかったのです。厄介な問題は、その後に待ちかまえていました。私のすることなので、そうは問屋が卸しません。

 京大病院での定期検診が終わり、立命館大学大学院生の川内有子さんとの今後の打合せを終えると、京都銀行へ直行しました。

 店内のブースで口座開設の手続きを始めたところ、2点の問題が発生しました。
 まず、法人の名称の文字列に関して、面倒なことが出来しました。
 銀行側としては、口座の名義に記号は使えないので、〈 〉という記号のない、登記上の標記「特定非営利活動法人源氏物語電子資料館」でないと口座が作れない、とおっしゃるのです。

 法人設立の定款の冒頭に、次のように書かれています。


第1条 この法人は、特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉と称し、登記上は特定非営利活動法人源氏物語電子資料館と表示する。


 これは、私が〈源氏物語電子資料館〉という山カッコ付きの標記に拘ったために、通常用いる名称と、登記上の名称が異なることを明言しているものです。つまり、〈源氏物語電子資料館〉と山カッコをつけるのを常態とし、あくまでも登記上だけが山カッコのないもの、ということにしました。
 ここまでは、京都市役所の担当者の方のアドバイスで決めたことです。それが、銀行口座を作成する段になって、またもや浮上したのです。

 会員のみなさまに、口座へ入金していただくときに、山カッコが付いていると口座名義人として一致しないとの判定で、入金が受け付けられないことが想定される、とのことなのです。今さら定款は変えられませんし、変えたくありません。

 この件については、「京都銀行下鴨支店」に法人の口座を作ることを決めていました。そのこともあり、ここは銀行側の方針に折れて従れ、今は口座名義はともかく、京都銀行に口座を作ることを最優先にしました。

 「下鴨支店」に拘ったのは、自宅がある地名というだけではなく、『源氏物語』とも関係する地名ということで、この支店にしたかったのです。

 そもそもが、『源氏物語』に関するNPO法人なので、京都市管轄の法人として申請したのです。東京都や京都府に申請しなかったのは、あくまでも『源氏物語』の舞台を法人の存在と結びつけたかったのです。そして、取引銀行も。

 次に、口座開設にあたって、当事者である私の名前が問題になりました。つまり、「鉃也」の「鉃」なのです。金ヘンに「矢」か、金ヘンに「失」か、ということです。

 これについては、京都地方法務局で登記する際にも、お役所が Windows による処理が行われている慣例ということもあり、「鉃」が表示されないので「鉄」で登記することになる、という説明を受けていました。

 登記の手続きをしていてわかったのですが、法務局としてはウエブ申請を推奨しながら、使うソフトはウインドウズ用しか用意されていません。マッキントッシュを使うユーザーは排除されているのです。そのため、使える漢字も制限されているのです。
 マッキントッシュでは自由に使える漢字の「鉃」も、このウインドウズのシステムでは表示できないのだそうです。幅広い普及という観点からすると、レベルの低いマシンに合わせるのはいいことだと思います。ただし、そのために漢字制限を強いるのは本末転倒であり、日本の文化を破壊する行為です。

 こんなことはウインドウズの利用者が9割以上の日本では、言っても仕方がないので、日本語の表記で未熟な部分が多いウインドウズが、さらに成長してくれるのを待つしかありません。

 ということで、銀行口座での私の名前の登録は、登記証明書に記載されている、正式ではない「鉄」でなされました。
 つまり、京都銀行のルールにより、京都市役所に申請して認可を受けたはずの「〈源氏物語電子資料館〉」と「鉃也」という日本語の表記は、共に無視されて違うものになったのです。これは、日本語としての漢字表記の軽視と言えます。しかし、今はこの程度の日本語に対する認識しか、法務局も銀行側にもないようです。悲しい事実です。

 そんなこんなの、日本文化の崩壊という一端を垣間見ながら、とにかく京都銀行に特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉の口座を開設することまでは漕ぎ着けました。

 今日から、以下の口座が使えるようになったことを、ここに明記しておきます。
 会費や寄付等の受け入れも、この口座を通して行います。
 

取引銀行:京都銀行下鴨支店
取引店番:142
口座番号:3359090
口座名義:トクヒ)ケ゛ンシ゛モノカ゛タリテ゛ンシシリヨウカン
     特定非営利活動法人源氏物語電子資料館
     (山カッコがないことにご注意ください)

 
 後日、あらためて広報しますが、一応念のために定款で定める会費は、次のようになっていることを記しておきます。


 この法人の設立当初の入会金及び会費は、第8条の規定にかかわらず、次に掲げる額とする。
(1) 正会員 入会金 10,000円(学生は免除)
        会費  10,000円/年
(2) サポート会員 入会金      0円
          会費(登録料)5,000円/年
(3) 賛助会員   入会金      0円
          会費 1口  30,000円/年(1口以上)


 ここにいうサポート会員というのは、古写本の翻字やデータ作成、あるいは翻訳や校正の仕事をしていただく方々のことです。

 なお、近日中にゆうちょ銀行の口座も作ります。
 これは、時間の都合でできませんでした。
 2週間後までには、京都北山郵便局で口座を開設する準備は整っています。

 こうして、とにかく特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉はスタートしました。
 今後は、1人でも多くの方々にこの法人の趣旨と意義を理解していただき、会員になっていただけるように努力していきたいと思います。
 
 これまで以上の、ご理解とご支援のほどを、どうぞよろしくお願いいたします。
posted by genjiito at 01:16| Comment(0) | ◆NPO活動

2013年02月08日

国語研究所で開催された合同研究発表会

 国立国語研究所で、2つのプロジェクトの合同研究会がありました。
 国語研究所は、私の勤務先である国文学研究資料館とは地続きの敷地にあり、歩いて3分以内に行けるので、会議と仕事の合間に少しだけでしたが参加しました。

 そのプロジェクト名とプログラムは、以下のとおりです。


■プロジェクト名・リーダー名■
 ・「統計と機械学習による日本語史研究」 (略称:統計日本語史)
     リーダー:小木曽智信(言語資源研究系・准教授)
 ・人間文化研究連携共同推進事業「海外に移出した仮名写本の緊急調査(第2期)」
     リーダー:高田智和(理論・構造研究系・准教授)
■発表者氏名・発表テーマ■

(1)「平安仮名文学作品テキストの形態素解析」
    小木曽智信(国立国語研究所・言語資源研究系・准教授)

 近年「中古和文UniDic」が公開されたことにより,課題とされていた古典の形態素解析が可能になった。これにより,コーパス言語学の手法を導入した日本語史研究が可能になり,また,資料に対してより高度なアノテーションを施すことが可能になってきた。
 本発表では,平安仮名文学作品を中心に,古典の形態素解析の現状と問題点,今後の可能性について述べる。

(2)「統計的機械学習を用いた歴史的資料の表記整理支援」
    岡照晃(奈良先端科学技術大学・大学院生)

 生の歴史的資料の中には,濁点無表記や仮名遣の不統一,送り仮名の不徹底,踊字による省略表記といったように,表記のバリエーションが多く含まれている。表記のバリエーションは,可読性・検索性を下げるため,歴史コーパス整備の際にはその表記を整理する作業が行われる。しかしながら,表記整理は専門家にしか行えないため,作業人員の確保が大きな課題となっている。また,作業対象が膨大であるため,作業を完了するまでにも時間がかかる。
本発表では,統計的機械学習を使った表記整理作業を支援する試みについて述べる。主として,これまでに行なってきた近代文語論説文を対象にした濁点の自動付与について解説を行う。

(3)「米国議会図書館蔵『源氏物語』の全巻翻字本文公表と原本画像の一部公開」
    高田智和(国立国語研究所・理論・構造研究系・准教授)

 米国議会図書館蔵『源氏物語』写本の全巻翻字本文のWeb公表と,研究者向けではなく,原本で古典を読みたい一般や,変体仮名の学習者向けに設計した原本画像公表について述べる。

(4)「文字表記資料としての米国議会図書館本源氏物語」
    斎藤達哉(専修大学・教授)

 平成22年から24年度にかけて,室町末期から江戸初期の仮名資料である米国議会図書 館本「源氏物語」写本の調査に参加してきた。この調査の成果としては,電子テキス トに翻字したものが,国立国語研究所からウェブ公開されている。調査では,翻字データのほかに,一部の異体仮名の字母のデータ化も行ってきた。発表では,異体仮名【八】【盈】についての調査結果を報告し,表記の関係を考察するとともに,文字表記資料としての可能性について述べる。

 
 私が聴けたのは、最初の小木曾さんの発表だけでした。以前から興味のあったテーマなので、じっくりと聴くことができました。

 この発表で私が記憶に留めたのは、以下の点です。これらは、私の問題意識とも深く関わることでもあります。


・「無濁点資料に対する濁点の自動付与」技術を開発した
・「茶器」で中古和文のコーパスを利用可能に
・中古和文における個人文体とジャンル文体
・古文・歴史的資料に対応した UniDic(形態素解析用の電子辞書) の開発
・現代語用の UniDic では古文は解析できない
・中古和文 UniDic の短単位規定では、現代語の連体詞である「この」「その」が、中古和文では代名詞「こ」「そ」に格助詞「の」がついた形となる
・各種 UniDic で仮名文学作品のテキストを解析した場合、専用辞書を使わない場合の品詞認定の精度は以下のようになった
  中古和文→97.77%
  近代文語→83.78%
  現代語 →59.25%


 発表後の質疑応答で、1つだけ質問をしました。それは、伊井春樹先生を中心として角川書店でやった仕事で、『源氏物語』の大島本の校訂本文をすべて品詞分解したデータがあることに関してでした。活用形まで特定しているので、何かお互いに連携して役立てられないか、ということです。
 これについては、すでに別に小木曽さんたちのグループで単語認定をしていて、さらに現在も他の中古作品の分析をしている、とのことでした。お互いのデータを持ち寄れば、その確認作業に益することが多いと思われます。
 同じようなことを別々にやっていたわけです。しかし、今後の情報交換で、お互いの手法が再検討を経てまた有意義なものになることでしょう。

 後の発表も、どれも興味深いものばかりでした。しかし、どうしても大事な会議があるので帰らなければなりません。また、個別に内容の詳細を伺うことにします。
posted by genjiito at 00:56| Comment(0) | 古典文学

2013年02月07日

井上靖卒読(158)「冬の来る日」「街角」「春の入江」

■「冬の来る日」
 密会の途中で乗っていたタクシーが交通事故に巻き込まれた男は、大したことのないことを確認すると、とにかく女と逃げることにしました。その後、子供を持つ女の方に用事あったことがわかり、その子の学校へ行きます。同じ頃、自分の会社の近くで火事があったことを知ります。その店へ立ち寄ることにし、女は喫茶店で待つことになります。しかし、そこで女は知り合い合うのです。その後、2人で赤坂に向かうと、途中で女が子供の服を受け取りたいと言います。何とも、次から次へと日常生活の雑事が紛れ込んで来ます。
 その後、2人は何もないままに、もう会うこともない予感を持って別れるのでした。人間の行動に、意外な出来事が突発的に起き、予定の行動が意図しない方向に流れていく様が、軽妙に語られます。『井上靖全集』に初めて収録された作品です。【3】
 
 
初出誌:オール読物
初出号数:1960年2月号
 
井上靖全集6:短篇6
 
 
 
■「街角」
 見合いをするとき子。美容院へ行く途中に、かつて親しかった中越と出会います。中越は3人の子供を連れていました。その間の6年間という時の流れに、とき子の思いは複雑です。そんな時、一緒にいた3人の子供の内の1人が、突然いなくなります。大変な思いをした挙げ句、美容院にも行けなくなり、そのままの姿で見合いの席に臨むことにしました。ありまのままの自分を見てもらうことで、気持ちは落ち着くのでした。昔の恋人と出会い、そこには子供が介在しているというのは、井上がよく用いる設定です。これも、『井上靖全集』に初めて収録された作品です。【3】
 
 
初出誌:週刊女性自身
初出号数:1960年2月3日号
 
井上靖全集6:短篇6
 
 
 
■「春の入江」
 昭和30年代の春のことです。富士山と駿河湾が見える漁村の一流旅館を経営する夫婦は、有名な画家が来ることになり、てんてこ舞いです。特に、おかみの三都子は美術学校への進学を断念した経緯もあり、人生の意義を変えるほどの一大事となったのです。この画家に尽くす内に、惹かれるようになったからです。
 死を決意していた画家と三都子は、共に死んでもいいと思います。彼の死後、三都子は果たしてあれが愛だったのかと煩悶します。夫の安次は、終始妻を温かく見守る立場として描かれています。人間の心の内面が、きれいに浮かび上がる作品となっています。【3】
 
 
初出誌:週刊文春
初出号数:1961年3月15日号記念特大号
 
集英社文庫:青葉の旅
井上靖小説全集27:西域物語・幼き日のこと
井上靖全集6:短篇6
 
時代:昭和30年代、春
舞台:(静岡県?)の富士山と駿河湾が見える市、半島の漁村

 
 
 
〔参照書誌データ〕
 井上靖作品館
 http://www2.plala.or.jp/baribarikaniza/inoue/
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2013年02月06日

メリッサ・マコーミック先生との会食に同席して

 先週土曜日に、ハーバード大学のメリッサ・マコーミック先生と京都でお目にかかって長時間お話をしたことは、本ブログ「京洛逍遥(254)メリッサ先生と丸太町のマダム紅蘭へ」(2013年2月 3日)に記したとおりです。

 その折の話について、同席した立命館大学大学院の川内有子さんに、その内容を簡潔にまとめていただきました。

 以下、その文章を紹介します。
 
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《メリッサ・マコーミック先生と伊藤鉄也先生の対談に同席して》

 ハーバード大学で日本美術・日本文学の研究をなさっているメリッサ・マコーミック先生が、東京大学に客員教授として来日されています。京都にお立ち寄りになった際の伊藤鉄也先生との会食をしながらの打合せに、私も同席させていただきました。以下、その時のお話の内容を、メモとしてまとめておきます。

 お話は約2時間にわたりました。まず「翻訳の難しさ」が話題になりました。
 伊藤先生は現在、『源氏物語』を様々な言語へ翻訳する下地としてもらうことを目的として、江戸時代の梗概本『十帖源氏』の現代語訳に取り組まれています。
 その際、和歌は現代語訳をすると、訳者の解釈の幅を規定してしまうのではという危惧から、原文のまま表記するように対応されています。

 和歌・俳句の訳者による解釈の可能性に関しては、メリッサ先生も実感された経験がおありでした。
 メリッサ先生も入っていらっしゃるアメリカの日本文学研究者のメーリングリストでは、「俳句の翻訳」が題として出されることがあるそうです。その際には回答者の数だけ多様な翻訳が出来上がり、どの翻訳も正解であり、たった三行の俳句に潜在する解釈の可能性はとても感慨深いです、というお話でした。

 『源氏物語』は作品自体が長大な上に、作中では約900首にのぼる和歌が詠まれています。その翻訳には大変な時間がかかり、メリッサ先生のお話では、ロイヤル・タイラー先生は英訳に7年の歳月をかけられたということでした。翻訳・解釈にかかる時間・労力の大きさが、海外における『源氏物語』研究にとっての一つの大きな壁ともなっているようです。

 原典解釈の難しさは『源氏物語』だけでなく、日本の古典文学全体(特に近世よりも前のもの)についても同様にあてはまります。

翻訳に関連して「解釈」という言葉が出たことから、話題は先行研究の共有へと移りました。
 研究者同士の交流が多くはなされていないため、日本語による研究成果と海外での他言語による研究成果は共有する機会も少ない、というのが現状です。

 メリッサ先生のお話では、他言語圏の研究者には、新たな解釈の可能性を見出しても、日本ではすでに指摘済みのものなのではないか、という不安感がある、ということでした。
 日本語による論文の研究成果は、国文学研究資料館の論文データベースで一括して検索することができます。このデータベースは、大学院生が一本一本の論文に目を通し、キーワードをつけて作成しているそうです。海外で研究する方々にとっても、研究状況を把握する手立てとなるのではという話に、メリッサ先生も大きく頷かれていました。

お二人お話の終わりの方では、日本文学を研究しようという学生の興味をどのように維持していくか、という話題になりました。
 ハーバード大学には、『おさな源氏』、彩色された『十帖源氏』、箱入りの『源氏物語』のセット、源氏物語画帖、「須磨」「蜻蛉」の古写本など、貴重な資料が良い状態のまま残っているそうです。

 貴重な資料に囲まれた環境があるものの、日本の古典文学の研究に対して学生の興味を維持することには、メリッサ先生もお悩みになっていました。
 本文解釈の難しさだけでなく、日本の古典文学の世界を学生自身が感じる機会が少ないことも関係するのでは、というお考えから、先生は、ゼミ生と京都の文学巡りを行うことを考えられています。
 お寺に宿泊したり、文学の舞台を直接目にすることが、日本文化に独自の興味を抱くきっかけになり、研究への意欲へと繋がる契機になると思います、と仰っていました。

 会食が終ったあとも、私はメリッサ先生にご一緒させていただきました。その際、ゼミ生との京都巡りについて、先生がいくつかお悩みになっていることがあると伺いました。ご懸念は、何を見て回るかということについてです。
 ゼミ生の皆さんは、アメリカから長時間の飛行機の旅を経て来られ、さらに時差という負荷も感じた上での旅になります。体力を考えると、あまり多くの場所を回ることはできません。
 先生は、日本に来る機会が貴重であることを考えると、ゼミの皆さんに東京も見せておきたいということもお考えで、コースはなかなか決まりませんね、というお話でした。

 学術的なことではまだまだお役に立てない私ですが、コースの下調べや、ご一緒して案内をすることはできるかな、と思いますし、同じ思いを抱く学生はきっと多いと思います。
 文学を研究する同士であれば、お互いの問題意識の交換にもなると思うので、個人の関わりで終ってしまわないよう、人を巻き込んだ活動にできれば、と感じました。
 
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posted by genjiito at 00:05| Comment(0) | ◆国際交流

2013年02月05日

法人登記のため小雨の中を走り回る

 NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の法人印が完成したので、それを持って、廬山寺の東南にある京都地方法務局へ行きました。

 あらかじめ、提出する書類はネットなどで確認して作成しておきました。まさに一発勝負の気概を持って出かけたのですが……

 登記書類を提出する前に、職員の方が丁寧に見て下さいました。完璧と言いたいところでしたが、2点だけ不備を指摘されました。

 まず、大事な私個人の印鑑証明書が必要でした。実印は持参していました。しかし、その証明書は、書類を確認する中で、私の場合は不要と判断したのです。というよりも、書類を見る限りでは、注記が曖昧なので経験による判断が必要です。職員の方も、わかりにくくて申し訳ないのですがと、気の毒がってくださいました。

 すぐに区役所に印鑑証明書の発行の確認をしました。しかし、今日中に入手できそうにはありません。法務局に書類を出したら、その足で上京する予定でした。そのために、朝8時に出てきたのです。

 また週末にしか帰ってこられないのです。これでは、申請書類の受理が一週間遅れます。市役所で認証書を受けてから、2週間以内に登記をすること、となっているので大ピンチです。

 指摘を受けた不備のもう1点は、理事に関するものでした。これも、公開されている説明では、素人には意味不明なところです。単純なものだったので、すぐに訂正できました。代書屋に任せろ、と言わんばかりの微妙な日本語表現でした。

 とにかく、今は自分の印鑑証明書の入手が喫緊の課題です。しかし、状況からして、これは諦めざるを得ないと判断し、一旦帰宅しました。

 しかし、どう考えても印鑑証明書の入手が心残りです。
 すぐに自転車を飛ばして区役所へ行き、職員の方に事情を説明しました。熱意は通じるもので、何とか即日発行にこぎつけ、印鑑証明書を手に入れました。

 ここで学んだことは、運転免許証かパスポートは、役所での手続きではオールマイティーだということです。

 電話口での説明で諦めることなく、足を運んで事情を説明することも大事だと痛感しました。直接話をしてみるものです。ラッキーでした。

 そして、法務局へもう一度行き、印鑑証明書を添えて登記書類すべてを提出しました。

 そのとき、何となく気になったことを聞いたところ、案の定、法人印がもう一カ所必要でした。気になることは、その場で解決しておくに限ります。

 審査結果は、明日の夕方にわかります。電話がなければ登記は完了だそうです。

 予定では、すぐに法人の印鑑登録をして、銀行口座を作るつもりでした。しかし、この時点ではまだ登記が完了していないので、それもできません。

 いずれにしても、最速で金曜日には銀行口座を開設できそうです。

 一仕事終わったので、上京の準備をしていたところ、法務局から携帯電話に留守番電話が入っていました。先ほど提出した中の一枚の書類に、「及び代表理事」という文言を挿入しなければいけなかったのだそうです。

 またまた、自転車を廬山寺方面に飛ばして法務局へ。この頃には、上がっていた雨が降り出していました。しかし、時間を惜しんで自転車で行きました。文言の追加をして法人印を押して、これで私ができることはすべて終了です。

 市役所から交付された認証書の原本は、この時点で返却してくださいました。また、法人印の出番です。

 慌ただしい上京となりました。
 一度しかないことが多い一連の手続きです。しかし、とにかく何でも記録として残しておけば、どなたかの参考にはなるでしょう。そんな思いで、少し詳しく書きました。
posted by genjiito at 00:02| Comment(0) | ◆NPO活動

2013年02月04日

NPOの法人印を精魂込めて彫っていただく

 特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉を登記するためには、法人の実印が必要です。
 どこで作ってもらうか、いろいろと探しました。
 結局は、やはり地元でと思い、その実印と認印の作成を、北大路駅前の印鑑屋さんである「京印堂」にお願いしました。
 
 
 
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 御主人の井上好央さんは80歳。手彫りにこだわる方でした。とにかく、お元気です。
 
 
 
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 人一人がやっと通れるほどの狭い店内で、入るやいなや印鑑の意義に関する講釈を受けました。

 日本人は、印鑑を軽視していると。大量生産の印鑑でごまかしていてはいけないと。
 外国のサインと同じように、手彫りの、この世に2つとない印鑑を守り伝える心構えを説かれました。

 とにかく、職人肌の方です。印章彫刻工として職業訓練指導員でもあります。
 今回依頼する印鑑がNPOのものであることの意義を理解して下さり、料金面でもいろいろと配慮をしてくださいました。いい若者を育て、私が彫る印鑑を次々の世代に手渡しして繫いでいってほしいと。

 角印の認印はすぐにできました。しかし、法人の実印が予定通りには出来ませんでした。原因は、手彫りで作っていく上で、18ミリの円周上に20文字を入れるのに納得がいかないとのことで、一旦断念されたことにあります。

 次の写真は、井上さんが数十年ご愛用の小刀と、今回制作途中で作り直しを決断されることになった18ミリの印材と印面です。赤い色の上に墨で文字を円周上に書き、それを彫り出されたところです。
 
 
 
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 そして、新たに20ミリの印材を取り寄せて、夜を徹して再度彫って下さったのです。
 
 
 
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 まさに、井上さんが精魂込めて作ってくださった貴重な作品です。大切に引き継いで行こうと思います。

 井上さん、本当にありがとうございました。大事に使います。

 帰り道で、北大路橋から賀茂川を見ると、ちょうど鷺が温かな冬の1日を、のんびりと鴨たちと戯れているところでした。そして、見ている私の目の前で、みごとな羽を広げて、華麗に飛び立ってみせてくれました。
 
 
 
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 記念すべき印鑑ができたので、氏神さまでもある下鴨神社へ行き、ご報告と今後のさらなる発展をお祈りしました。
 次の写真の手前にある世界文化遺産の石碑の向こうに、朱の垣に囲まれて鎮座するのが、下鴨神社の末社の1つで「印納社」といわれるところです。
 
 
 
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 写真右の説明板には、次のように記されています。


末社 印納社(いんのうのやしろ)
  御祭神 印璽大神(おしでのおおかみ)
      倉稲魂神(くらのいなたまのかみ)
 御本宮の御垣内に古くから祀られてある印璽社(おしでのやしろ)の御祭神を祀り、ここに古印を収め御守護を仰ぐお社である。またこの一帯は平安時代初期より室町時代まで賀茂斎院御所(文明の乱により焼失)のあった由緒地である


 境内の御手洗川に架かる輪橋(そりはし)の袂の光琳の梅は、まだ蕾が固いようです。
 
 
 
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 今スタートを切ろうとしている特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉も、春に向けてしだいに花さかせることでしょう。そして、細々とでもいいので、末永く多くの方々に見守られる中で、若い人たちがバトンタッチをしてつないでもらえることを願いました。
posted by genjiito at 00:36| Comment(0) | ◆NPO活動

2013年02月03日

京洛逍遥(254)メリッサ先生と丸太町のマダム紅蘭へ

 ハーバード大学のメリッサ・マコーミック先生が京都にお出でになりました。昨日京都にお着きになり、今日はもう東京にお帰りになるという、慌ただしいことです。そのような中、昼食をご一緒しながら楽しい話をすることができました。

 メリッサ先生は、先月中旬から6月までの半年間、東京大学の東洋文化研究所に客員教授として来日中です。ご専門の日本の美術と文学に関して、さらに刺激的な研究を展開なさることでしょう。

 今日は、京都御所の南東角にあるマダム紅蘭で、ミニ会席をいただきながらの会食です。
 ここは、家族で何度か行っている店です。京町家で中華料理を食べるのも、なかなかいいものです。
 サッパリした味で、脂っこくなく、見た目もすっきりしていて、品数もあるのです。もちろん、繊細なうまみが身上のお店です。
 
 
 
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 11時半の開店に合わせて待ち合わせをし、2時間弱もの長い間お話をしました。

 立命館大学の大学院生で昨夏ケンブリッジに1ヶ月間留学していた川内有子さんにも同席してもらいました。彼女は『蜻蛉日記』を研究していますが、海外の日本文学研究にも問題意識があるのです。特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉の設立にあたっても、関西在住のメンバーとして支援してもらっています。今日の話には、その活動にも及ぶことが多々あったので、彼女にとってもいい勉強の場になったようです。

 今日のことを忘れないようにするため、一緒にお話ししたことは、陪席の川内さんが後で文章にまとめてくれることになりました。そのこともあり、私はメリッサ先生との話に集中できて、有意義な一時を共にできました。

 現在、ハーバード大学所蔵の鎌倉時代の古写本『源氏物語』の写真版を出版するため、その作業を続けています。ようやくメドがついたので、その本の解説をメリッサ先生にお願いしています。今日の話では、英語で書くので英訳してほしい、とのことでした。そして、川内さんがそれを引き受けてくれました。

 京町家の急な階段を降りてお店を出てから、私の予定では寺町通りの一保堂で日本茶をと思っていました。しかし、メリッサ先生は紫式部に縁のある廬山寺にはまだ行ったことがない、とのことだったので、お茶はまたということにして、廬山寺にご案内することにしました。

 私は自転車で行っていたので、それを押しながら、3人でブラブラと京都御苑のすぐ横を南北に走る寺町通りを上りました。
 少し歩くと、同志社大学の新島会館があります。NHKの大河ドラマ『八重の桜』をメリッサ先生も楽しみにして見ておられるということで、楽しく話が弾む散歩となりました。

 京都府立鴨沂高校のすぐ北側にある、藤原道長の法成寺跡には、源氏千年紀に説明板が設置されました。しかし、道からは見えにくいので、誰も気づきません。まずは、そこで記念撮影をしました。

 次に、廬山寺の向かいにある梨木神社で、これまた源氏千年紀に設置された説明板を見ていただきました。ここは、『源氏物語』の空蝉や花散里に関係する中川の宿の地です。また、『蜻蛉日記』の作者とも関係があります。大変興味をもっていただけました。

 そして、明日の節分会の準備に追われている廬山寺の前でたくさん写真をとりました。紫式部が『源氏物語』を執筆をした家の跡ということで、角田文衛先生が考証なさってからは、紫式部の邸宅跡として一般にもよく知られるようになりました。
 境内には、ここにも源氏千年紀に設置された説明板があります。また、その横には、百人一首でも有名な紫式部と大弐三位の歌を刻んだ石碑も、じっくりとご覧になっていました。

 ただし、明日の節分会の準備のため、寺内は拝観はできませんでした。
 中の源氏庭はまたの機会に、ということで門前でお別れしました。私は岡崎の府立図書館で少し仕事があったので、後は川内さんに任せることにしました。

 先生にとって貴重な1日でもあり、もっとご案内したかったのですが、それはまた春先にでもゆっくりと、と思っています。
posted by genjiito at 00:05| Comment(0) | ◆京洛逍遥

2013年02月02日

NPO法人の認証書の交付を受けました

 昨年10月12日に申請した、特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉の設立認証が決定し、認証書(平成25年1月31日付)の交付を受けました。
 
 
 
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 これで、次は法務局で法人設立の登記をすることになります。
 スタート地点まで、あと数歩です。

 これまでに、このNPO設立に関して書いた記事は、以下の通りです。
 私は、若い方々へタスキを渡すために、第1走者となっただけです。
 そのためにも、その歩みは記して残し、伝えたいと思っています。
 
(1)「NPO法人〈源氏物語電子資料館〉を設立します」(2012年8月30日)
 
(2)「NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の設立総会で活動内容が承認される」(2012年9月 2日)
 
(3)「今、夢を育てようとしているか」(2012年10月 9日)
 
(4)「NPO法人の申請書類が受理されました」(2012年10月12日)
 
(5)「NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の正式認証は2月上旬に」(2013年1月26日)
posted by genjiito at 00:11| Comment(0) | ◆NPO活動

2013年02月01日

家電量販店での前時代的なレジシステム

 ささいなことですが、お店のレジで支払う時に気をつけなければいけないことに出くわしました。

 最近、関東や関西のテレビで幅広く宣伝をしているエディオンという会社があります。
 この会社は、2012年10月に、「イシマル」「エイデン」「ミドリ」「デオデオ」などを統一してスタートしたそうです。

 たまたま立ち寄ったそのチェーン店の1つで、500枚入りのA4コピー用紙が、1包み298円のところを2包みだと550円という表示が目に入りました。極端に安くはありません。しかし、シャープシステムのサプライ品で、リサイクル用紙とは異なるレーザープリンター対応の紙なのです。質のいいまっ白な紙なので、お買い得品だと思いました。

 最近は印刷が多くなっていた所なので、用紙切れになる前にちょうどよかったと思い、2包みをレジに持って行きました。ところが、バーコードをかざしてレジに表示された金額が596円なのです。550円に消費税を加えても変です。

 あそこに2包みで550円と書いてありますが、と店員さんに言うと、少しお待ちを、と言って奥で相談をしておられます。そして、間違いでしたということで、それからレジの表示から46円を値引きする操作をなさいました。何かおかしいな、と思いました。

 一連の対応に興味を持ったので、その店員さんになぜそのような操作をするのか聞くと、2包みで550円になっていることを知らなかったとのことでした。レジでこの商品のバーコードを読み取ると、2つで自動的に特価にならないのかと尋ねると、このレジでは単品扱いしかできないので、単純に298円の商品を2包み販売したという請求になったのだそうです。

 そして、特価の取り扱いをすることは、店員さんの記憶にまかされていたこともわかりました。つまり、対応した店員さんによって、596円になったり550円になったりするのです。こうした特価の対処は、コンピュータのプログラムの問題としては初歩的なことです。私でも、こんなに単純なシステムならすぐにプログラムを作れそうです。

 今売り出し中の家電量販店でさえ、驚いたことにこんな調子です。同じフロアには、パソコンや情報処理機器を売っているのに、レジはこんなに前時代的なシステムで販売がなされているのです。

 スーパーマーケットやコンビニなどで、複数個買うと特価になる際には、本当に値引きされているのか確認したほうがいいようです。機械を信用しすぎてはいけないのです。
 ささいなことですが、後で気づくと不愉快になることでしょう。
 レジでは今一度の確認を怠らないように、気をつけましょう。
posted by genjiito at 00:04| Comment(0) | ◆情報化社会