2012年04月04日

米国議会図書館蔵『源氏物語』の報告書(その2)

 昨年に続き、『米国議会図書館蔵『源氏物語』翻字本文 若菜上〜幻』(高田智和他編、国立国語研究所、平成24年3月30日、全192頁)が完成しました。
 これは、平成23年度の人間文化研究連携共同推進事業として実施された「海外に移出した仮名写本の緊急調査(第2期)」の報告書です。すでに本ブログ「米国議会図書館蔵『源氏物語』の翻字本文が第41巻「幻」まで公開されました」(2012年3月 5日)で紹介したものの冊子版です。
 
 
 
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 この冊子版には、翻字本文以外に、「擦消一覧」と「特殊表記による和歌一覧」が巻末に付いています。特に後者は、本写本の特色を窺い知る上で貴重な資料となっています。

 冊子とウエブの両面からの公開により、米国議会図書館本『源氏物語』の書写実態に迫りやすくなりました。書写されている本文は、特に異文を持つような写本ではありません。しかし、古写本という文字資料としての価値に加えて、文化史から見える社会的背景を見せるその存在意義において、有益な情報の公開になっていると思います。

 一つでも多くの『源氏物語』の写本の情報を公開することの意義は大きいと思います。
 今後とも、このデータの活用が望まれます。
posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | ◎源氏物語