2012年04月02日

源氏物語の本文に関する座談会

 豊島秀範先生が、科学研究費補助金・基盤研究Aで「源氏物語の研究支援体制の組織化と本文関係資料の再検討及び新提言のための共同研究」を立ち上げられたのは、今から5年前の平成19年でした。
 活動内容については、ホームページ「源氏物語の本文資料の再検討と新提言のための共同研究」に、その詳細が記録されています。
 
 
 
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 平成22年度で4年間の取り組みが終了したことを受けて、その成果や課題について関係者5人で座談会を行ないました。昨年師走の中旬でした。それが『國學院雑誌』(第113巻第2号、平成24年2月)に掲載されています。
 
 
 
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 タイトルは「〔座談会〕源氏物語本文研究の現状と課題」。
 豊島秀範先生が司会で、参加者は、渋谷栄一、田坂憲二、中村一夫、伊藤鉄也でした。
 それぞれに、この科研に関わって思うところを自由に語っています。
 参考までに、その小見出しを列記しておきます。


一 座談会を開くにあたって
二 源氏物語本文研究の状況
三 データベース構築上の問題
四 本文研究の四年間の成果
五 イタリアでの学会について
六 今後の研究課題
七 今後の方向について


 ここでは、『源氏物語』の研究における根本的な問題である物語本文について、現状が具体的な事例のもとに提示されています。そして、この四年間の成果と課題が、それぞれの発言から浮き彫りになっています。

 街中で容易に手にできる、活字化された『源氏物語』の本文を読んで研究をするあやうさを、この座談会の中から実感していただけたら、と思っています。そして、若い研究者にこそ、こうしたテーマに取り組んでほしいと願っています。

 この座談会は、35頁ほどの分量です。読みやすい語り口で進んでいるので、ぜひともこれから『源氏物語』を研究対象にしようと思っている若手に、一読してもらいたいと思います。

 なお、この科研でやり残したテーマの一部は、現在進行中の今西裕一郎・国文学研究資料館館長の科学研究費補助金・基盤研究Aとして取り組まれている「日本古典籍における【表記情報学】の基盤構築に関する研究」に、発展的に引き継がれています。これは、平成22年から26年度までの5年間実施される共同研究です。この研究会の様子は、本ブログでも報告している通りです。

 『源氏物語』の本文の問題は、今後ともさらに深く追究されるテーマとなっています。
posted by genjiito at 22:42| Comment(0) | ◎源氏物語