2010年11月29日

第34回 国際日本文学研究集会−職場復帰報告

 先週の土曜日と日曜日に開催された国際日本文学研究集会から、長かった療養生活と在宅勤務を打ち切り、職場復帰を果たしました。
 たくさんの方から、まだ早いのでは、との助言をいただいていました。しかし、目標の体重50キロは今年中にはクリアできそうもないことと、体力的に自信がついたため、思い切ってこのタイミングを選びました。

 問題は、食事だけです。
 何でも食べてもよいとのことなので、高カロリーのものもメニュー入れています。しかし、今でも、食事のスピードと時間と分量を間違えると、腹痛に襲われます。1時間ほどで治まります。しかし、この腹痛は、なかなか苦しい時間であることは確かです。
 それさえなければ、ごく普通の生活が送れます。もっとも、相変わらず東京での単身赴任生活となるので、いろいろとクリアすべき問題が山積してはいますが。

 2週間前にも一度上京し、渋谷の國學院大學での研究集会に参加しました。それ以来の上京です。職場である立川の国文学研究資料館へは、8月初旬の、今回の国際日本文学研究集会に関する委員会に出席して以来なので、3ヶ月半ぶりの立川への出勤です。

 まず驚いたのは、国文学研究資料館の真ん前に「立川学術プラザ」というバス停が出来ていたことです。「裁判所前」と「立川市役所」との間に、こんなバス停が新設されていたのです。
 
 
 
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 これから国文学研究資料館にお越しになる方は、立川駅北口のバス停2番から乗って、このバス停で降りてください。すると、目の前に建物があります。
 
 
 
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 人事係の方と出勤に関する書類の確認をし、病気休暇と年次休暇などの振り分けをして、晴れて職場復帰となりました。事務の方々の温かいご配慮に感謝しています。

 今年の国際日本文学研究集会は、もう34回目となります。日本文学に関する国際集会の中では老舗です。そして、2日間とも、例年にも増してたくさんの方々の参加がありました。担当セクションにいる者としては、参加者数が励みとなります。

 この研究集会の詳細は、年度末である明年2月に、「会議録」として刊行されます。研究発表の内容や写真などは、どうぞ「会議録」でご確認ください。

 また、当日のプログラムは、国文学研究資料館のホームページ「催し物」をご覧ください。
 その中の「当日の日程はこちらをご覧ください。」から、プログラムがPDFの形でダウンロードできます。

 今回は13人の研究発表と6人のショートセッションがありました。
 また、本年度からは、ポスターセッションが新設され、4人の方の工夫を凝らした発表がありました。

 以下、私に限ってのメモとして、少し報告を兼ねた記事を記します。

 初日の第2セッションで、ケンブリッジ大学大学院生であるレベッカ・クレメンツさんの「江戸時代における『源氏物語』の俗語訳―解釈と弄び―」と題する研究発表がありました。
 これは、あまり日本人が研究対象としていないテーマを取り上げたものです。それだけに、非常に興味深く、よく調査研究した成果が顕れており、好評でした。
 次の写真は、国文学研究資料館の今西祐一郎館長が、俗語訳ということに関して質問をなさっているところです。
 
 
 
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 この後のレセプションなどでも、レベッカさんは館長と懇談の機会を得たようなので、充実した研究発表と教示を得ることになったようです。
 昨年の秋には、ケンブリッジ大学でお世話になったこともあり、今回の来日に少し手助けをした関係で、実りある日となったことを共に慶んでいます。
 レベッカさんはイギリスにいますが、日本で勉強している若手に負けることなく、これからがますます楽しみな研究者です。今後とも、応援したいと思っています。

 2日目の第4セッションでは、足立匡敏さんの「与謝野晶子訳『蜻蛉日記』の成立―堺市蔵・自筆原稿の考察を中心に―」と題する研究発表がありました。
 足立さんは、本ブログ「与謝野晶子の自筆原稿『新新訳源氏物語』と『蜻蛉日記』の撮影」(2010年10月26日)でも紹介したように、堺市文化部文化課に勤務されています。先月の晶子自筆原稿の写真撮影に立ち会った時にも大活躍でした。
 自筆原稿の読解と、調査資料等を元にしての、文献実証を土台にした手堅い研究発表でした。これも好評でした。与謝野晶子自筆原稿の画像データベース公開に関わっている者として、この『蜻蛉日記』の自筆原稿全部が来春2月に国文学研究資料館のホームページから公開されることを、発表後の質疑応答の最後に宣伝を兼ねて紹介させていただきました。

 2日目の最後は、ケンブリッジ大学図書館日本部長である、小山騰先生の招待講演でした。
 演題は「英国における明治時代の日本研究と書物交流−日本文学の本格的紹介(翻訳)の前段階として−」です。
 小山先生の紹介などを私が担当しました。これが私の職場復帰後の最初の業務となりました。
 
 
 
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 この講演の詳細も、「会議録」に全文掲載されますので、どうぞお楽しみに。
 とにかく興味深いお話で、視点がイギリスから日本を見てのものということもあり、刺激的な内容でした。また、小山先生が最近発見された、イギリスの新聞記事が紹介されました。明治時代に日本とイギリスの交流を通しての、日本の近代化が浮き彫りにされました。
 得難い講演を伺うことができ、実りある2日間の幕を閉じることができました。

 研究発表のみなさんはもちろんのこと、関係者のみなさん、お疲れさまでした。
 また来年、すばらしい国際日本文学研究集会にしましょう。

 なお、来年の「第35回 国際日本文学研究集会」は、平成23年11月26日(土)と27日(日)の2日間にわたって開催されます。後日、発表者の募集も含めて公表されます。
 また、たくさんの方々からの研究発表の応募をお待ちしています。
posted by genjiito at 23:08| Comment(0) | ◎国際交流