2010年11月04日

西国三十三所(34)成相寺

 天橋立にある西国札所第28番の成相寺までは、片道4時間かかります。そのため、朝早く出発しました。

 朝食を急いで食べたせいか、突然の腹痛が襲って来ました。
 天橋立行きは、実は今日が3回目の挑戦です。
 最初は突然の雨のために中止。2回目は出発早々に乗り換えを間違えたため、乗り継ぎが複雑になって断念。今日が3回目なのに、出掛けに腹痛です。ついていません。

 それでも、今日を逃すと今週中の満願が達成できないので、我慢して駅に向かいました。来週が結婚記念日で私の誕生日なので、それまでに満願とし、総本山の永平寺に報告にいく計画でいるのです。
 
 突然の顔が歪むほどの腹痛で、何度か引き返すことを考えました。しかし、何とかなるさと開き直り、とにかく電車に飛び乗りました。
 山陰線に乗ってから、腹痛に加えて気分も悪くなりました。どの駅で引き返すか、そのタイミングを計っているうちに、1時間ほど経った頃に、しだいに痛みが和らぎ、気分も快復してきました。

 とにかく、今日は無理をしないことを自分に言い聞かせて、一路天橋立へと電車の揺れるままに身を任せました。

 JR山陰線は福知山駅までです。そこから北近畿タンゴ鉄道に乗り換えて終点の宮津まで行きます。宮津からまた乗り換えて次の駅の天橋立駅へ、というのが、今日の往路です。

 福知山駅で北近畿タンゴ鉄道の乗り換え口に行くと、今電車が出るところなので急いで、とのことです。私がPiTaPaカードを出すと、それはここでは使えないので、すぐにこの下の精算所で処理してもらってくれ、とのことです。それまで、電車は止めておくから、とも。

 ご親切に、乗り換え時間がないので乗れないと思っていた電車に、駅員さんの配慮で乗れるのです。感謝しながら精算所へ行くと、先客がモタモタしておられます。焦る気持ちを抑えて、ジッと待ちます。ここで深呼吸して焦らないようにするコツを、最近覚えました。

 無事に精算を終えて走って北近畿タンゴ鉄道の改札口へ戻ると、今度は北近畿タンゴ鉄道の切符を別に買ってくれと。ただし、割り引きになる1日フリーキップがあるので、これを使ったらいいと、またもや親切にしていただきました。
 電車はまだ待たせてあるから、とのことで、言われるままにホームに駆け上がると、運転手さんがおいでおいでをしておられます。急いで乗ると、1輌だけのワンマン電車のドアが閉まって発車しました。
 
 
 
101104_senro
 
 
  
 腹痛で始まった旅が、こんな形で行くことになりました。人が電車を動かしていることを実感させてくれた出来事でした。

 宮津でも、すぐに乗り換えの1輌だけのワンマン電車に接続していました。ここから1駅しか乗らないのがもったいない、ローカルな単線の旅となりました。
 京都に来るまでにいた、奈良の平群を走る生駒線を、さらにローカルにした線でした。

 天橋立駅の案内所で、今日のタイムスケジュールを相談しました。
観光船、ケーブルカー、バスを使うと、2時間半で十分に成相寺へ行って戻って来ることができるそうです。ちょうどお昼までに駅に戻れるので、それから西国第29番札所松尾寺へも行ける、とのありがたい助言もいただきました。

 私としては無理をせずに、今日は天橋立に泊まってもいいくらいに思っていたので、これはこれで僥倖です。午後から松尾寺へ行くことにして、まずは成相寺を目指します。

 日本三文殊の一つである天橋立智恩寺の文殊堂と、その横にある和泉式部の歌塚を見ました。私の護り本尊は文殊菩薩なので、天橋立に来ると必ずここに立ち寄ります。

 その参道のお土産物屋さんで、レンタル自転車があることに気づきました。天橋立の松並木を、自転車で走るのも一興です。これまでは車で来ていたので、思いもよらない行動パターンとなります。2時間で400円なので、これは借りて乗るしかありません。
 ということで、突然ですが、サイクリングを兼ねて成相寺へ、と相成りました。
 
 
 
101104_byscle
 
 
 

 右手に宮津湾を見ながら、快適に天橋立の松林の中をサイクリングです。
 天橋立の長さは3・6 キロあり、8000本の松並木です。手と頬を撫でる風が、少しひんやりとしていて、心地よく感じられます。
 
 
 
101104_sunahama
 
 
 

 対岸の籠神社に自転車を置き、ケーブルカーで笠松公園へ。ケーブルカーは、外国の方々で満員でした。
 そしてバスで、標高570メールの成相寺の本堂真下に到着です。嶮しい山道を唸りながら登るバスが頼もしく思えました。

 本堂では、別ルートからの巡拝団がたくさんおられました。やはり、天橋立は人気のスポットです。
 
 
 
101104_hondou
 
 
 

御詠歌は、次の通りです。


なみのおと
まつのひびきも
なりあひの
かぜふきわたす
あまのはしだて

 
 
 
101104_jiku
 
 
 

 成相寺のご本尊は、聖観音さまです。ご開帳は、33年に一度となっています。しかし、一昨年に3年ぶりのご開帳があり、昨年もあったそうです。この調子なら、私が生きているうちに、尊顔を拝する機会がありそうです。

 ご本尊もいいでしょうが、私はその右横にお立ちの十一面観音さまが気に入りました。そば近くまで行って、ジックリと拝見しました。なかなかいいお顔でした。

 本堂横には、木漏れ日の中に石仏たちがズラリと勢揃いです。
 元気になれよ、という声が、今にも聞こえてきそうでした。
 
 
 
101104_isibotoke
 
 
 

 展望台からの景色は、絵はがきの通りです。
 
 
 
101104_miharasi
 
 
 

 バス停のそばには、雪舟の絵「天橋立図」にある五重塔が平成12年に復元されてスックと建っていました。スッキリとした、いい形です。
 
 
 
101104_5jyuunotou
 
 
 

 天橋立駅に向かうサイクリングも、帰りは風も滑らかに感じられるくらいに、穏やかな天気となりました。
 ちょうど2時間借りました。これはお薦めです。
 さらに、成相観音温泉や、駅の横にある天橋立温泉智恵の湯に入ることができたら申し分ないのですが、そこまで贅沢は言えません。

 次は、天橋立駅から松尾寺を目指します。
posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | ・ブラリと

西国三十三所(33)宝厳寺

 琵琶湖の湖北にある長浜から船で25分。静かな湖を滑るようにして、竹生島へと進みます。
 湖北一帯が靄って見えます。
 
 
 
101103tikubusima2
 
 
 
 船の前方左側に、周囲2キロの小さな竹生島が見え出しました。
 
 
 
101103tikubusima1
 
 
 

 竹生島にある宝厳寺は、西国三十三所の第30番札所です。724年に行基が開いたというのですから、その歴史の重みを感じます。
 船着き場のお土産物屋さんは、5軒のうち3軒が店じまいしていました。少し寂しい感じです。おでん定食を妻と分け合って食べました。
 
 
 
101103tikubusima6
 
 
 

 本堂は、弁天さんを祀っています。江の島、厳島と並んでこの竹生島が、日本三弁天と言われています。
 
 
 
101103tikubusima02
 
 
 

 本堂の横でお軸を書いてもらいました。
 
 
 
101103tikubusima3
 
 
 

 御詠歌は、次の通りです。


つきもひも
なみまにうかぶ
ちくぶしま
ふねにたからを
つむここちして


 「びわ湖108霊場」の湖北27ヶ寺の一覧がないかを聞くと、納経所の3人ともご存知ありません。その横に立ててある旗は、最近配られたものだそうです。無住の寺があるから、と小馬鹿にしておられます。苦労して設立されたのに、現場がこのていたらくですから、「びわ湖108霊場」が認知されるまでには、まだまだ時間がかかりそうです。まずは、こうしたお寺の関係者への啓蒙から始めないといけません。この人たちが、今は「びわ湖108霊場」の普及の足手まといとなっています。よく言われる、身内の教育から、ということです。

 江戸時代に焼失した三重塔が、10年前に重機を使わずに人手だけで再建されたそうです。その10年祭として御開扉されていました。かねてより、日本的な美しさがその色褪せた渋さにあると教えられて育ったせいか、この眩いばかりの大日如来や極彩色の天部の神様たちには、やはり違和感を感じます。インドへ行ったときの電飾の中の神様仏様のようなけばけばしさには、正直なところ戸惑います。日本文化について、改めて考えてしまいます。出来たばかりの時には、新しさに輝いているのがあたりまえです。しかし、それが古びた方を日本的としてありがたがる美意識を、無意識の内に植え付けられてきたように思います。新しさや若さや新鮮さというものに対する意識を、自分の中で見つめ直す必要がありそうです。後ろ向きではない、前向きな視点で文化を見ることが、今まで以上にこれからは大切にすべきではないかと。

 国宝の観音堂は唐門造りです。
 
 
 
101103tikubusima4
 
 
 

 本尊の千手観音は、今年5月の1ヶ月間がご開帳でした。次は27年後の2037年だそうです。この次のご開帳に立ち会えるように、細々とでも長生きをしたいとの思いを強くしました。

 この観音堂から本殿である都久夫須麻神社(国宝)につながるのが、船廊下です。
 
 
 
101103tikubusima5
 
 
 

 ここでは、不思議な空間に身を置くことができます。
 そして、竜神拝所での「かわらけ投げ」は、素焼きの小皿に願い事を書いて琵琶湖に向かって投げます。目の前の鳥居をくぐると願い事が叶うとか。2枚一組の内、1枚が鳥居をくぐりました。ホッとしました。
posted by genjiito at 06:10| Comment(0) | ・ブラリと