2010年11月03日

西国三十三所(32)長命寺

 長命寺は長生きの観音さんで有名です。
 JR琵琶湖線の近江八幡駅からバスで20分ほど乗ると、長命寺のバス停です。
 
 
 
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 そこから25分の登坂です。ただし、808段の階段で、しかも段差が高い上に、石が不規則に崩れかかっているので、非常に歩きにくい山道です。
 
 
 
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 登り坂の途中にある幾つかの小さなお寺やお堂は、崩れ果てて荒廃に任せてありました。長命寺の今後が不安になります。しかし、本堂のすぐ下の駐車場からの石段は整備されていました。
 
 
 
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 下から歩いて上る人はめったにいないので、駐車場から下の参道は荒れるがままになっているようです。歩いて登る人のための対処もお願いしたいものです。いつまでも人類が個人レベルの用途で自動車を使うとは限らないのですから。

 かつては人間が車というものを個人的に使い、自然環境を破壊し、たくさんの人を跳ねていた時代があった、と後世に記録されると思っています。たくさんの不要な車が排気ガスを撒き散らしていた、と。今、必要性のある自家用車というのは、実際にはどれくらいなのでしょうか。郊外や地方は別にして、都市と言われる地域では、総数で言えば日本の車の3割は不要な鉄くず、と言うと言い過ぎでしょうか。
 もっとも、私も奈良の平群の山に住んでいたときには、麓への買い物や灯油の買い出し、子供の用事などで車を活用していました。長女が生まれて以降、ここ京都に住まうまでの24年間は、自家用車が重宝しました。しかし、子供の手が離れ、便利なところに住むと、車は不要になります。
 少なくとも、私が住む京都の実家周辺の駐車場にある車は、まずは営業車以外は不要の極みです。8割以上が、京洛を破壊することに手を貸しています。

 日本人は賢いので、いづれ気づいて自発的に手離していくことでしょう。四条通りなども、車を制限した街作りがスタートしています。ただし、それに変わる自転車対策が追いついていません。もっとも、観光地はこの自動車規制がしやすいとも言えます。
 そうしたことを前提に、そろそろ一般市民が自家用車を持たない生き方に対応した対策を、意識してゆくべきでしょう。

 長命寺の参道も、駐車場から下は今は人が使わないので荒れ放題です。しかし、これは手を入れれば相当の価値のあるものです。山門近くまで車で上がる人が減れば、この石段の道は脚光を浴びるはずです。山門までは、身体の不自由な方だけの自動車道にして、歩くことを前提にした西国三十三所にしたらどうでしょう。施福寺も観音正寺も、車で上がれるところは制限されているのですから。

 おそらくお寺の方も、長命寺のある姨綺耶山の自然を守るためには、車を制限したいはずです。しかし、そうすることによる参拝者の激減が怖いのでしょう。大丈夫ですよ。賢い日本人は、自分だけが楽をするための車の使用は、自然と控えるようになりますから。

 長命寺の御詠歌は、次の通りです。


やちとせや
やなぎにながき
いのちでら
はこぶあゆみの
かざしなるらん

 
 
 
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 私がお軸を乾かしていると、先達に導かれた十数名ほどの巡拝団がいらっしゃいました。お一人の年配の女性が説明をなさっています。もう一人の若い女性が、朱印帳やお軸を一手に請負い、納経のとりまとめから肩に担いで運搬と、重労働をなさっていました。
 バスによる巡拝です。すぐ下の駐車場から歩いてお出でです。これはこれでいいと思います。個人の自家用車による巡拝について、先ほどは記しました。不便を強いるのではなくて、車のあり方からの私見ですので、歳とともに固陋の兆しが見えたと思わないでください。自然の中を歩き巡っていると、こんなことに反応するようになったのです。

 なお、この朱印所で「びわ湖108霊場」について尋ねると、御宝印の用紙を探し出して書いてくださいました。まだ、これを求めて来る方が少ないせいでしょうか。あそこに入っていたよな、と慣れておられません。
 また、近江八幡の周辺の「びわ湖108霊場」の場所を聞いたのですが、どこにあるのかわからないとのことでした。後で調べると、長命寺から近江八幡駅の間に2箇所あったのです。今は「びわ湖108霊場」について私もよく調べていないので、また次の機会にまわりましょう。これこそ、井上靖の『星と祭』よろしく、気長に琵琶湖を一周します。

 境内は、三重塔、本堂、三仏堂などがきれいに並んでいます。
 
 
 
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 境内からは、琵琶湖越しに比叡・比良連峰が望めます。
 
 
 

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 帰りも、808段の石段を下りました。
 野球部の生徒が、麓のバス停から本堂までの石段を、走って上り下りするトレーニングをしていました。跳ぶようにして急な石段を駈けて行く姿に、爽やかさを感じました。すれ違いざまに、いちいち挨拶をしてくれるので、躾のよさに感心しました。
 この近くには、何度も甲子園に出場している八幡商業高校などがあるので、野球のレベルは高いことでしょう。

 近江八幡市街は、メンソレータムの輸入や近江兄弟社などを創ったヴォーリス(日本名︰一柳米来留)が設計した建築物が、街中にたくさんあります。爽やかな街並みなので、もう一度来たくなるところです。
posted by genjiito at 21:08| Comment(0) | ・ブラリと