2010年10月27日

西国三十三所(27)粉河寺

 堺市の与謝野晶子文芸館における自筆原稿の写真撮影も、みなさまのお陰で無事に終わりました。

 一点ずつ貴重な原稿用紙を確認しながらの撮影なので、一枚の写真にも大変な手間がかかっています。公開された画像を見る限りにおいては、貴重な手書き原稿のカラー写真です。しかし、その一枚の写真のシャッターを切るまでには、さまざまな背景があり、ドラマがあります。
 堺市文化部、与謝野晶子文芸館、そして撮影担当の光楽堂と、前回同様の鮮やかなチームプレーに拍手を送りたいと思います。
 さらなる貴重な資料公開に、今後ともご理解とご協力をお願いします。

 以上、業務報告も兼ねて、認めました。

 さて、予定より早く終わったので、私は南の和歌山まで脚を延ばすことにしました。

 JR和歌山線は、いくつもの駅で電車のドアが全部は開きませんでした。先頭車両の一番前だけが開くので、乗る場所に注意が必要です。その中でも、粉河駅は大きな駅になるので、車両のすべてのドアが開きました。
 
 
 
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 紀ノ川沿いの粉河寺は、西国第三番札所です。粉河駅から歩いて10分のところにあります。
 この大門の朱には、落ちついた味わいがあります。
 
 
 
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 国宝『粉河寺縁起絵巻』は、今は京都国立博物館に寄託されています。現物は、国宝展などで、ガラス越しに何度か見ました。下半分が焼けて痛々しい絵巻物だったことを、強烈な印象として残っています。
 粉河寺までの整備された参道に、石造りの立派な案内板が道沿いに並んでいて、そこに『粉河寺縁起絵巻』の場面場面が掲示されていました。参拝の行き帰りに、読みながら記憶の整理をしました。

 『枕草子』にも出てくる粉河寺は、その後さまざまな歴史に巻き込まれます。しかし、紀州徳川家の保護もあり、今は威厳の中にも親しみが感じられる境内のたたずまいです。気分がスッキリとする、そんな雰囲気の中にあるお寺といえます。

 境内に入ると、中門がドッシリと待ち構えています。大門の鮮やかさとこの中門の渋さが、自ずと好対照となっています。
 
 
 
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 本堂前の枯山水の庭が、参拝者の気持ちを少しかき乱してくれます。
 穏やかな境内を、この庭が気持ちに変化を与えてくれるのです。なかなか心憎い演出だと思いました。
 
 
 
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 粉河駅から南に下った竜門橋を渡ると、龍門山温泉があるようです。2001年正月にオープンしたとか。しかし、もう遅い時間で、ここから京都の自宅まで3時間以上かかるので、また次にすることとします。
 何やら、このところ「また次……」ということが多い巡拝となっています。

御詠歌は、次の通りです。


ちちははの
めぐみもふかき
こかわでら
ほとけのちかひ
たのもしのみや


 
 
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posted by genjiito at 22:38| Comment(0) | ・ブラリと

西国三十三所(26)法起院

 
 
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 法起院は、長谷寺へ行く参道の途中にある、見過ごしてしまいそうな小さなお寺です。
 狭い境内なので、ここがどのようなお寺なのか、なかなか理解しづらいところがあります。
 ここは、西国札所の番外3つの内の1つなのです。それも、西国三十三所巡礼を再興させた花山法皇ゆかりの2寺ではなくて、開基である徳道上人の威徳を讃える大切なお寺です。
 
 
 
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 法起院の御詠歌は、次の通りです。


ごくらくは
よそにはあらじ
わがこころ
おなじはちすの
へだてやはある




 お軸によって、番外の寺院は朱印をもらう位置が違います。
 今回のお軸では、最下段に3つある空欄を使うようになっています。
 
 
 
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 今月10月からJRがスタートさせたスタンプラリーでは、この番外のお寺は対象外となっています。そのためもあって、この番外3寺院を訪れる人は極端に少なくなっています。お気の毒としか言いようのないことです。これは、何とかしてほしいものです。

 確かに、この法起院以外は、わざわざ行かなければならないので、企画する方としては、とりあえずは外しておきたいのでしょう。しかし、この3寺院をサービスポイントのお寺としてスタンプラリーに組み込んでいたら、今後の西国札所巡りの人々を誘い込むラッキーポイントになったのでは、と私は思います。
 今回のスタンプラリーは平成26年まで実施期間があります。どこかで参入してもらったらどうでしょうか?

 帰り道で、新聞配達店の看板に目が止まりました。
 
 
 
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1つの配達店で、こんなにたくさんの新聞を扱っているのです。戸数が少ない地域では、各紙を一手に引き受けざるをえないのでしょう。効率的ではあります。しかし、配る方は地獄のはずです。つい、昔の自分だったらいやだな、と思い、しばし佇んでしまいました。

 長谷寺温泉に入りました。参道にある湯元井谷屋は、温泉だけ入ることもできます。
 
 
 
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 私の最初の著作である『新・文学資料整理術パソコン奮戦記』(桜楓社、1986年)が刷り上がったとき、ちょうどS氏(現社長)が奈良へ出張になったこともあり、本を自宅まで持ってきてくださいました。そのとき、この長谷寺温泉に誘いました。家族とも、何度も来ました。
 ここの温泉は肌に馴染む水質です。
 長谷寺にお越しの節には、ぜひこの温泉にも脚を留めてみてください。旅が一層思い出深くなること請け合いです。
posted by genjiito at 07:05| Comment(0) | ・ブラリと