2010年10月18日

西国三十三所(17)藤井寺

 藤井寺駅前の元気な商店街を通って、西国札所第五番の藤井寺に行きました。
 
 
 

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 商店街に入ってすぐのところに、遣唐留学生だった井真成の石人形がありました。
 
 
 

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 真成は19歳の時、阿倍仲麻呂らと共に渡唐し、36歳の若さで急逝しています。あの玄宗皇帝も、日本人の真成に高位を贈り追悼するほどの有能な官人だったのです。

 その彼の墓誌が、平成16年に中国の西安市で見つかり、テレビなどでも話題になりました。これまで、歴史に確認されていなかった無名の人物が、突然出現したからです。

 真成は、ここ藤井寺の出身です。
 彼は、唐王朝の中央官僚となった人です。墓誌の最後には、

身体はもう異国に埋められたが、魂は故郷に帰ることを願っている。


と記されています。
 さぞかし無念だったことでしょう。

 さて、今日は18日。毎月この日は、藤井寺のご本尊で秘仏の、十一面千手千眼観音のご開帳の日です。
 
 
 

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 幸運にも、ご本尊を拝むことができました。
 たくさんの人がお参りです。すでに縁日の出店は片づけられるところでした。それにしても、この寺は商店街に負けず劣らず、大阪的な活気があります。
 
 
 
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 ご開帳ということもあってか、本堂の内陣には、巡礼姿の善男善女が御詠歌をあげておられました。その分だけ、私のお軸を書いていただくのも待たされました。
 
 
 
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 藤井寺の御詠歌は、次の通りです。



まゐるより
たのみをかくる
ふぢゐでら
はなのうてなに
むらさきのくも



 今から27年前、父が亡くなってすぐに始めた西国三十三所札所巡りは、この藤井寺でお軸をいただき、そこに最初の印をもらってスタートしました。

 初めてのことでもあり、どのお軸にしたらいいか迷いました。結局、観音さまを西陣織りで縫い込んだお軸にしました。
 今回の自分のための札所巡りのお軸は、同じ西陣織ですが、石山寺のものです。
 自分らしくていいのでは、と気に入っています。
posted by genjiito at 23:51| Comment(0) | ・ブラリと

びわ湖百八霊場(1)湖西2-岩間寺

 今日は滋賀県と京都府の境にある西国12番札所の岩間寺に行きました。そして、西国札所巡りとともに、これを機会に「びわ湖百八霊場」(事務局・西教寺、大津市)も巡拝することにしました。ただし、何年かがかりのことになるはずですが……

 我が愛読書は、井上靖の『星と祭』です。
 そこに出てくる、琵琶湖岸の観音さまのすべてを拝んで回ることを、いつかやりたいと思っていました。今回の病気を機に、その夢を実現すべく実行を思い立ちました。
 いつかいつか、と思いながらいたことです。それが、この岩間寺に着いて、本堂の柱に「びわ湖百八霊場」のことが書いてあったので、眠っていた思いが呼び起こされ、急遽決めたものです。これも、何かのご縁なのでしょう。

 「びわ湖百八霊場」の宝印を書いていただいている写真の、向かって左側には、琵琶湖の地図が写っています。
 
 
 
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 この赤い部分が、近江湖西二十七名刹霊場の範囲を示すものです。

 この「びわ湖百八霊場」については、今から約20年も前に、その構想が進められていました。
 平成4年に、県下4ブロックの内、まず湖北二十七名刹霊場会が創設されたました。
 その後、平成8年に湖東二十七名刹霊場会が、平成16年に湖南二十七名刹霊場会が組織されました。
 そして遅ればせながら、平成21年にこの湖西二十七名刹霊場がこれらのネットワークに入り、これで滋賀県下4ブロック全域を網羅する近江の108の霊場が、琵琶湖を囲む形でスタートすることになったのです。

 湖西ブロックの発足が遅れた原因は、湖西には大寺院が多く、足並みがなかなか揃わなかったからだと言われています。しかし、延暦寺・三井寺・石山寺・西教寺などが加盟することにより、ようやく108の霊場が完成したのです。

 平成21年9月8日をもって、「びわ湖百八霊場」は正式に創設されました。同霊場会の朱印授与は9月18日から始まりました。この百八の寺院の巡拝順路は、石山寺から始まり琵琶湖を時計回りに巡って、延暦寺横川中堂で満願です。

 これから長く受け継がれる霊場となることを願いたいと思います。
 参加したお寺の数は、仏教でいう人間の煩悩の数108をなぞらえているようです。

 舞台裏では、さまざまな困難があったことと思われます。とにかく、円満に解決して発足できたことを悦びましょう。
 ただし、まだスタートしたばかりでもあり、全108霊場の一覧は容易に手に入れることができません。ネットではすでに公開されています。しかし、各霊場にその一覧が置かれていないのです。それよりも何よりも、駅やインフォメーションセンターの方々も知らないのですから、これからのPRに期待しましょう。

 公式キャラクターができています。「かけるくん」と「めぐるくん」という、かわいらしい双子の男の子です。
 
 
 
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 この旗が琵琶湖の湖岸を数珠つなぎに囲んでいることを思うと、本当に楽しくなります。

 また、今はまだ「御宝印帳」というバインダー式の納経帳しかありません。
 
 
 
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 いずれお軸などが頒布されることでしょう。西国・板東・秩父の百観音があるので、そのパターンでのグッズが販売されることでしょう。これもまた、今後が大いに楽しみです。

 そして、私の興味は、各霊場のご本尊は琵琶湖を向いて立っておられるかどうかにあります。
 『星と祭』では、湖岸の十一面観音さまは湖を見ているとあったように思います。ただしラストシーンで、満月の夜に湖面で亡くなった子どもたちの葬儀をします。そのとき、湖岸の十一面観音さまが、みんなすっくと立ち現れます。ただし、充満寺の十一面観音さまは背を見せており、医王寺の十一面観音さまは横顔を見せているとありました。この確認もしたいと思っています。

 108の霊場の内、十一面観音さまがおられる26ヶ寺に、まずは回ってみるつもりです。
 確か、『星と祭』では、琵琶湖のまわりに十一面観音さまは四十数体あると書いてあったように思います。
 この「びわ湖百八霊場」を回ると、その半数を拝むことになります。
 これはまた、楽しい予感がし出しました。
posted by genjiito at 08:08| Comment(0) | ・ブラリと