2010年04月27日

谷崎全集読過(8)「憎念」「華魁」

■「憎念」
 いささか性根の悪い筆者が読者に語る、というスタイルを取っています。
 へそ曲がりの男の屁理屈です。それが、しだいにサディスティックに進行していくのです。
 嫌悪感を催す内容で、作者のねじ曲がった性癖が生んだ作品、といえるでしょう。
 こうした手法の話から、後に『武州公秘話』につながっていく性格を持つものです。【1】

初出誌︰『甍』(大正3年3月、鳳鳴社)に書き下ろしとして収録
 
 
 
■「華魁」
 16歳の丁稚由之介は、大人の心身を支配する「華魁」という不思議な女性を、どうしても理解できません。大人と互していくことに自信を持っていた由之介は、この「華魁」に挑みます。
 番頭の頼みで女郎屋へ使いに行くことになった由之介が、その後どうなるのか。ちょうどいい所で「未完」として終わります。
 これから先が読みたくなる話です。【4】
 
 
初出誌︰『アルス』(大正4年5月、鳳鳴社)。ただし、風俗壊乱のため発禁。
 
(参照︰「猫を償うに猫をもってせよ」小谷野敦
    http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20050601
posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | □谷崎読過