2010年04月24日

京の冷泉家展

 早朝から、岡崎公園の中にある京都府立中央図書館へ行って、資料の調査と複写に精を出しました。

 午後は、東京から京都に会場を替えて開催されている「冷泉家 王朝の和歌守展」に行きました。
 
 
  
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 冷泉家敷地内にある御文庫の扉(模型)が、会場に入るとまず眼に飛び込んで来ます。シンプルなデザインで、なかなか洒落た趣向です。まず、上品な京都らしさでお出迎えです。

 この京都での冷泉家展は、雑然としていた東京とは違って、非常に京都的なシットリとした雰囲気の会場となっています。まったく異なる雰囲気の展示会場なので、東京展を観た方は、是非この和の空間を味わってもらいたいと思います。
 京都文化博物館のYさんと出会い、今回の展示の背景を伺いました。東京とは違う京都の業者が担当したこともあって、このように上品な会場になったのでは、とのことでした。
 とにかく、展示室の雰囲気を味わってください。会場は、着物姿の女性が多いこともあって、東京での会場とは大きく異なる展覧会となっています。展示されている古典籍などは、東京とほとんど同じです。それなのに、こんなに違うことが、とにかく不思議に思われました。

 書写に用いられた経線枠の展示は、みんな自分の体験が共有できる小道具だけに、今回も観覧者に注目されていました。国宝や重要文化財は遥か彼方のモノです。しかし、文字を書くための道具は、自分との接点があります。おびただしい国宝や重要文化財を観ての、最終コーナーにあるのがいいですね。

 午後からは、京都文化博物館の別館ホールで開催された記念イベントである「和歌をうたう(披講)」に参加しました。
 
 
 
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 最初に、冷泉貴実子さんの解説がありました。
 冷泉家が守り伝えている型の世界が語られました。美の世界を共有する姿勢についてのお話でした。冷泉家の和歌は、自我や個性ではないことを強調しておられました。自我や個性の主張は下品だという考え方が、その根底にあるようです。

 続いて、和歌の披講です。今回の題は「暮春」でした。
 冷泉家の門弟の方々の6首を、講師の読み上げに続いて、発声が初句を読み上げ、続く2句からは講頌が加わっての混声合唱となりました。とにかく、すばらしい声での歌の読み上げでした。
 最初の2首は乙調で、続く2首は甲調で、そして続く2首は乙の甲調と乙の乙調で読み上げられました。

 平安時代以来の和歌が歌われた場が、みごとに再現された空間に身を置くことができ、王朝の香りを堪能しました。
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ■古典文学