2009年05月26日

源氏千年(85)源氏物語車争図屏風

 このところ、いろいろと書いておくことが多かったために、時期が前後する記事となります。

 先週の5月17日(日)で終わりましたが、京都市歴史資料館で「特別展 回顧源氏物語千年紀特別公開」と題する展示がありました。



090531kyorekisikan正面入口



 そこには、京都歴史資料館所蔵の『源氏物語車争図屏風』が展示されていました。
 これは、昨年度の源氏物語千年紀を回顧して「源氏物語車争図屏風」を特別展示したものだそうです。
 折しも葵祭の時期にぶつけた企画のため、たくさんの方が見に来ておられました。



090515byoubu_2パンフレットから




 この屏風は、昨年の千年紀事業では、京都文化博物館と京都アスニーで展示されました。
 昨年の葵祭では、この屏風の複製パネルが上賀茂神社の境内に飾られました。幅17メートル、高さ5メートルもの、巨大なものでした。
 この上賀茂神社に置かれた屏風は、先般公開された映画『鴨川ホルモー』の一シーンにも出てきました。あの映画の上賀茂での撮影が、昨年の5月であることを、この屏風が証明してくれることとなりました。

 この屏風が、今回は京都歴史資料館で、ユニークな説明と共に展示されていたのです。
 屏風の側の壁面には、写真パネルによって、描かれた内容が紹介されていました。その紹介文が、ビールが飲みたいだの、ありがたやありがたやという民衆の声を吹き出しにして、楽しい画面説明となっていました。
 担当された学芸員の方は、楽しくことばを選ばれたことでしょう。
 この説明は、またいつかどこかで拝見したいと思います。

 実物をジッと見ていて、そして精細な拡大写真も見ていて、この屏風では誰も葵を身に付けていないことに気づきました。
 いつから、お祭りで葵を付けるようになったのでしょうか。
 調べてみたいと思います。

 この『源氏物語車争図屏風』を展示した京都歴史資料館は、京都御所の東側・寺町通り沿いに隣接する施設です。
 1982年に開館しました。
 しかし、京都市は2011年度をめどに、その閉館を検討しているものなのです。
 市としては、その跡地を売却して財源不足を補う方針だそうです。
 ただし、その最終決定は来年度中とのことなので、今後の動きが注目されます。

 京都の文化施設がなくなるのは寂しいことです。
 貴重な資料が1箇所に集中するのは、その保存や保管の観点からは利点があります。しかし、資料館が散在することにより、さまざまな切り口で資料を集め、研究し、展示することにつながり、利用者としてはいい面もたくさんあります。ただし、財政上の問題を理由にされると、なかなか異論の差し挟みにくいことになります。

 京都の魅力を伝え、残していく施設については、改めて検討するのもいいと思います。
 ただし、統廃合を念頭におくのではなくて、特定非営利活動法人(NPO)や民間のボランティア団体も交えての、話し合いの場での知恵の出し合いをするのが大事だと思っています。

 この京都歴史資料館の存続については、今後、動きがあれば報告します。
posted by genjiito at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎源氏物語