2009年01月26日

インド人留学生の眼(3)「年末に実家で考えたこと」

インドから来ているクマール君の報告・第3弾です。


「年末に実家で考えたこと」

 子供の時から、社会のために何か出来るといいなぁー、と思っていました。そして、インドで親にもそう言われていました。
 もしちゃんと教育を受ければ、社会人になれば、この世の中をきれいにできる、と。
 でも本当だったのか、嘘だったのか、今、本当に考えるようになりました、最近。

 先月、インドに帰国し、すぐトンボ帰りしました。そして、逆カルチャショックというものを実感しました。
 10日間も、インドが耐えられなかったのです。
 この一年間で、日本に知らず知らず溶け込んでいたことが分かりました。

 インドに帰った時、インディラ・ガンディー空港から自分の実家まで、タクシーに乗りました。そこで、面白いことがありました。
 私は空港の特別タクシースタンドで、(先払いの)プリペードタクシーを予約しました。それなのに、不規則に並んでいるタクシーの中から、何回もいろんなドライバーに、連れていくようにお願いしなければなりません。
 インドで、タクシーを予約して乗った、ということが面白かったのです。私はインド人ですが、外国人にとって、これがいかに辛いものかを、初めて知りました。

 まず、びっくりしたのは、タクシーの予約料金でした。それは512ルピー(約1,500円)でした。去年までは150ルピー(450円)だったのに。
 何でそれほど高いのか、混んでいた窓口で聞いてみました。しかし、「Hath Hath 」、つまり「どけ、どけ」と言われるだけでした。
 そこで余儀なくされたことは、その人と口論するか、残念なことに、言われた通りのお金を出してタクシーを予約して乗るか、という選択でした。
 口論すれば、暴力まで覚悟しなければなりません。前の私だったら、後はどうなっても、きっと口論の方を選んだことでしょう。しかし、その時は疲れていて、早く家に帰りたかったのです。

 とにかく、家に着いてから領収書をもらって、その後に何かしよう、と思いました。
 家に着いてから領収書を聞くと、タクシードライバーは「それを持っているが、もし私に手渡すと自分はお金が貰えない」と言いました。その領収書をタクシースタンドに戻ってから、返さなければならないそうです。
 そこで念のために、その領収書のコピーを遠い店まで行ってしました。
 後でネットでチェックしたところ、283ルピー(850円)だったのです。

インドのタクシー料金

 ここで腹が立ったのは、金よりも、だまされたという気もちの方でした。その状況を変えるためには、ニューデリー警視庁に苦情を書かなければならないのです。

 同じようなことは、その10日間でいくらもありました。

 例えば、バイクを運転していて途中で、パンクがあったのです。
 せいぜい60ルピー(180円)もしないのに、150ルピー(450円)も払わされました。
 そこでも口論ができたのですが、やめておきました。

 今回は、紛争よりも平和に徹することにしました。

 その人たちも、悪い人じゃない、と思います。
 インドの物価も高くなっている一方だし、未整理分野の仕事をする人の人生には、政府はちっとも関わらないからだと思いました。
 経済の成長にも、経済危機にも、影響を受けない人たち、恩恵も打撃も受けない人たちは Unorganised sector の人ですから、自分で自分の人生、自分の子供の人生を支えなければなりません。
 それで、生き残るために、勝手に手数料を決めているわけです。

 ここで一番言いたいことは、システムがないと、人は勝手に何かをするしかない、ということです。それで、儲かる人は嬉しいかもしれないけど、見切られる人はつらいものです。
 問題は、ある社会を管理している、必要性を見抜く仕事をしている社会科学者、社会のシンクタンク、政府などに関係しています。

 システムということに関しては、日本が世界一、と言えるほど優れています。
 それはドイツ、アメリカ、スイス, ギリシャ、シンガポールなど、世界中の友達に聞いてみて分かりました。

 何で日本人は、システムを作るのに優れているのかが、今よく考える関心ごとです。
posted by genjiito at 19:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎国際交流