2009年01月03日

源氏千年(83)上賀茂神社の紫式部歌碑

 上賀茂神社の2つ目の鳥居を潜った神域に、円錐のような形をしたおみくじを結び付ける道具が並んでいました。正確には八角錐ですが。



090103kamigamo1鳥居



 これは、去年まではなかったものだと思います。
 細殿の前にある円錐形の2つの「立砂」と対照的で、なかなかいいアイデアです。
 結び付けられたおみくじの紙片が幣帛のように見え、また円錐全体が依り代にも見えます。これは、神社のご神体である背後の神山の姿を意識したものだと思われます。

 さらに奥の本殿の楼門からすぐ前の御手洗川のほとりに、片岡社(片山御子神社)があります。ここは、紫式部にまつわる縁結びの摂社として知られています。
 京都北ライオンズクラブの結成45周年を記念して、紫式部歌碑が奉納された、というニュースが昨年の10月にあったことを思い出しました。
 そこで、その歌碑を探したのですが、片岡社の周りにはどこをどう探しても見つかりません。

 思い違いをしていたのかと諦めて帰ろうとしたとき、奈良(楢)の小川のそばの舞殿の少し先に、3人のご婦人が立ち話をしておられました。これではわからないよね、という言葉を耳にしたので、私もそこへ歩みを寄せました。




090103kamigamo2奈良の小川のほとり


 確かに、紫式部歌碑です。境内の散策路から外れているので、これに気づく人はほとんどいません。



090103kamigamo3歌碑




 灯籠の柱にプリンターで急遽印刷したと思われる説明書きには、こうあります。
 ただし、歌碑の文字を正確に翻字していなかったので、刻まれたままの文字で示します。


ほとゝきす聲

万つ本とは

片岡の杜の

  しつくに

  立ちや

  ぬれま

     し


揮毫 後藤西香
石材 鞍馬石
奉納 京都北ライオンズクラブ



 最近では、こうした変体仮名の崩し字を読める人は少なくなっているので、日本文化のすばらしさをさらに正しく継承する意味からも、用字に忠実に翻字しておいたほうがいいと思います。

 この歌碑を見て振り向くと、1本の記念木柱が建っていました。よく見ると、「源氏物語千年紀 紫式部歌碑建立記念植樹」とあります。背面の日時は、平成二十年十月十八日となっていました。




090103kamigamo4記念標柱




 散策路からも見えません。
 奈良の小川の向こう岸からみると、こんな位置になります。
 左手前に舞殿があり、その奥の朱塗りの建物が楼門です。




090103kamigamo5奈良の小川から



 ただし、この対岸は少し行き難いところになります。
 この記念植樹の標柱も、場所がよくないように思いました。
 前の石碑との関係が記されていないので、ほとんどの人には関係がわからないままで通り過ぎてしまわれます。

 この小川は、小倉百人一首に入集された藤原家隆の歌に、
 「風そよぐならの小川の夕ぐれは みそぎぞ夏のしるしなりける」
とあることで有名です。
 少し下流に石碑と説明文があります。

 紫式部歌碑はいいところに設置されました。
 もっと知られるようになってほしいと願っています。
posted by genjiito at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎源氏物語