2008年10月20日

源氏千年(63)『源氏物語』講演会の報告

 今日は、「たちかわ市民交流大学市民企画講演会」というイベントが、国文学研究資料館の2階大会議室でありました。

 テーマは「源氏物語千年紀の意味するもの」ということで、伊井春樹館長が「源氏物語 −読み継がれる不思議な魅力− 千年の享受史〜大沢本発見まで」と題する講演がありました。



081020ii講演会




 会場は、200名の方々で埋め尽くされました。

 いつもの、滑らかな語り口の伊井節でした。

 「若紫」の雀を逃がした場面からはじまり、中世・近世の『源氏物語』が読み継がれた歴史に及びました。
 時々おもしろいエピソードを交えて、会場を沸かせての語り口です。
 加賀美幸子さんとのラジオ放送の話なども、みなさん聞き入っておられました。

 大沢本については、「夕霧」の例をあげての説明でした。
 今後は、大沢本に描かれた人間像や人物像を明らかにしていくつもりだ、とおっしゃって、90分の講演が終わりました。

 最後に、質問の時間がありました。

(1)「匂宮」は「におうのみや」と読んでいることについて、なぜ「の」が入るのか? と。
 多分に読み癖なのだが、ラジオの朗読でも、リハーサルで読み方についてはいつも困っているとか。

(2)紫式部は男だったということについて。
 軽妙に、会場を沸かせながら、事実を踏まえて答えておられました。

(3)「松風」巻の右大将と左大将に関して、山岸先生と玉上先生の解釈の違いについて。
 これには、丁寧にお答えになっていました。そして、玉上説の方が妥当だと思われるが、と。

 なかなか盛り上がった講演会でした。
 参加者の、知りたいという気持ちが伝わってきました。
 素晴らしい企画だったと思います。

 終了後、たくさんの方が、1階展示室で開催中の『源氏物語展』にも、足を運んでくださいました。
 ありがたいことです。
posted by genjiito at 19:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎源氏物語