2008年08月31日

辞めることの煩わさし

 携帯電話をauからiPhoneに替えて、意外なことがわかりました。
 それは、これまで「駅探」という乗り換え案内のようなサービスに加入していた、ということです。
 かれこれ、4年もの長きにわたり、月額105円の利用料を支払っていたのだそうです。「そうです」というのは、私がそのことを知らなかったからです。

 まったく覚えがいなのです。しかし、私の携帯電話からしか契約できないそうなので、何かの拍子に登録したのでしょう。auの電話料金と一緒に請求されていたので、気づかなかったのです。

 パソコンであれば、このような検索サービスに、一々お金を払うことはありません。携帯電話特有の現象です。
 「駅探」は使わないのでもう解約したいとauに言ったところ、移転先のソフトバンクに言ってくれとのこと。ソフトバンクに行くと、こちらには何も引き継がれないので、auで対処してもらってくれ、とのことです。
 体のいいタライ回しに嵌ってしまいました。

 結局は、元に戻って相談したauでもどうしようもない、とのことで、次の請求を見て対処することになりました。
 何といいかげんな。105円だからでしょう。責任が伴わない仕組みになっているようです。

 こういうのは、利用者の不注意ではありますが、それを助けるシステムは、どうやら想定外のこととして放置されているようです。過日のauからiPhoneに移行する時のトラブルのように、会社の都合で契約させられていることを、またしても実感しました。
 auにもソフトバンクにも、言い分はあるのでしょう。利用者が我慢を強いられるのは世の常なので、あまり問題にならない処理がなされているようです。

 何かを「辞める時」や「辞めた後」には、かならずといっていいほど不愉快なことが伴います。

 生まれて最初に体験するのは,お稽古ごとを辞める時ではないでしょうか。クラブ活動を辞める時、学校を辞める時、交際を辞める時、契約を辞める時、計画を取り止める時、そして離婚する時と、さまざまな局面で辞めることに伴う煩わしさが発生します。
 その意味では、失恋はおもしろい現象ですね。交際を辞めようとする立場と、辞めさせられる立場は、まさにドラマに仕立てやすい設定を生みます。

 辞めてきれいサッパリとする場合はいいのですが、いろいろと揉めることもしばしばです。

 それが煩わしければ、損を承知で引っ被ることです。

 始めることは簡単です。しかし、辞める時は難しいことが付きまといます。
 辞める時がいつかは来ることが多いのですから、始める時には辞める時のことを考えておくべきなのでしょう。

 夢のない話になってしまいますが、夢もいつかは醒めるのですから……。
 もっとも、その醒めるまでを大いに楽しむのだ、というささやきも聞こえます。

 私は、ものごとにはいつかは終わりがある、ということは考えもせず、とにかく走り出すタイプです。回遊魚の仲間なので、常に動いていないと気が済まないのです。ということは、常にややこしいことに直面しながら生きている、ということにもなります。

 NOと言いにくいことがほとんどの日々の中では、何かを思い切って捨てる勇気が大切だということになるのでしょうか。
 にわかに実行できないことですが、意識しておくことにします。
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2008年08月30日

祇園で聴いた女言葉

 京都・祇園で同窓会をしました。
 20年来のコンピュータ仲間たちとです。

 『源氏物語別本集成』の母体となった組織の面々は、それこそ当時は、世界の最先端の魅力的なプロジェクトを推進していました。今もその仕事は継続していますが、あの頃の情熱とパワーは、いかんせん衰えてきたことは認めざるをえません。

 今は、みんなそれなりに当時を土台にして生きています。そうだからこそ、久しぶりに合うと、とりとめもない話であっても、楽しく語らえます。
 大したことを話しているのではないのに、心華やぐ思いを味わいます。
 先頭を一緒に走っていた仲間は、お互いが持つ自信の裏打ちを共有するからこそ、何でも楽しく語れるように思います。

 無理をしなくてもいい仲間は、本当にいいものです。
 相手を、褒めたり貶したりと、好き勝手なことを言い合っていました。

 場所は華やかな所にあります。
 四条から八坂神社へ向かって歩き、途中で建仁寺の方へ右折したところで集まったのです。


080830gion祇園


 写真の右手前の、こじんまりした居酒屋風の店です。
 我々は,大和西大寺駅前の焼肉屋でスタートしたメンバーです。こうした店が一番似合っています。

 飲みながら、食べながら、喋りながら、盛り上がっていた時に、突然違和感のある言葉が耳に届きました。
 お店の人が、

 「〜おくれやす

 と言ったのが聴こえたのです。
 それも、カウンターの中の男の人が、です。
 どう考えても、祇園で男が使うことばづかいではありません。

 壁の張り紙に、

 「お手洗いは こちらどすぅ

 と書いてありました。
 これも、変な京ことばです。

 それ以上は詮索しませんでしたが、男言葉と女言葉は、日本の文化の中ではうまく共存して来たと思います。
 そのありようが、揺れ出したのでしょうか。

 場所が場所だけに、よき伝統としての京言葉の使われ方に、興味を持ちました。
 もちろん、何をどう調べようというのではありません。
 ただ、何となく、京言葉の使われ方が知りたくなっただけ〈どすぅ〉。
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2008年08月29日

源氏千年(58)横浜美術館・源氏展の内覧会

 横浜美術館の「特別展 源氏物語の1000年 ―あこがれの王朝ロマン―」が、明日から開催されます。
 8月30日から11月3日までの長期間です。
 それに先立って、関係者を集めた内覧会が、本日催されました。

 立川から館長とともに電車で行きました。立川から横浜までは、各駅停車の電車で行きます。意外に早く、90分ほどで到着です。
 東急東横線のみなとみらい駅を出ると、目の前に美術館があります。
 ここは、これで3度目です。外観が周りの環境に馴染んでいるので、近代的な建物です。しかし、これから見る『源氏物語』という古典文学とは、大きな落差を感じました。明るすぎるように思ったのです。

 横浜美術館館長、中田横浜市長、NHK会長などのオープニングのお祝いのスピーチは、適度な長さで続きました。もちろん、社交辞令の言葉なので、聞き流せるものでした。おそらく、『源氏物語』などほとんど読んだことのない方々です。褒め言葉にも、何となく作文の匂いを感じるのは、致し方ないところでしょう。


080829yokohamag開会式


 とくに会場を沸かすスピーチもありません。『源氏物語』がテーマでは、自分とも、日常の話題ともかけ離れているので、惚けるわけにもいかないのです。なかなか難しいスピーチを要求される場です。

 一通りの挨拶が終わると、来賓の高円宮妃とお嬢さんのテープカットがありました。
 私は、前の方からiPhoneで写真を数枚撮りました。すると、会場の整理係の女性が私の前にやってきて、プレス以外の方は写真撮影はご遠慮ください、と言われるのです。
 なんということもない状況なのに … 。対象が皇室関係者だからでしょうか。肖像権の問題なのでしょうか。
 公人が公的な行事に参加しているのを撮影するのは、何がいけないのでしょうか。
 報道関係者は、事前に書類を出しているからいいのでしょうか。よくわかりませんが、とにかく、すぐにiPhoneを引っ込めました。
 ということで、ここには高円宮妃のテープカットのシーンは省略します。

 今回の楽しみは図録です。現在、私は源氏展の図録を作成中なので、とにかく早く見たかったのです。


080829yokohamag2図録


 内容は、京都文化博物館の方が充実していました。しかし、この図録は、近代の絵画が多いので、これも貴重な情報です。
 会場内は、加賀美幸子さんのナレーションを聞きながら回りました。ヘッドホンタイプのハンディーな機械を首からぶら下げて歩きました。
 分かりやすい解説でした。加賀美さんの声は、本当に古典の解説に向いています。やさしく語りかける口調がいいですね。作品を見ながらでも、じゃまになりません。

 私は、『源氏物語』の古写本の展示が一番気になりました。

 陽明文庫本の説明では、「主に別本系」の写本だと言っておられました。台本の作者は不明ですが、「別本系」は不適切です。ライターの方は、古い本を見て原稿を作成されたようです。
 大島本については、藤原定家が「手を加え整えた」写本だと言っておられました。「手を加え」というならば、さらに「言葉を削った」ということにも触れるべきだったと思います。そして、どちらかというと、定家は言葉を積極的に削ったと、私は思っています。削ることも、確かに手を加えることです。それにしても、大島本に関してこのような説明が流れるのは、『源氏物語』の本文研究が着実に進んでいることを示していると思います。

 本日の展示は、次の巻々がケースの中にありました。

 ・陽明文庫本(10/1まで)12須磨 14澪標 15蓬生 19薄雲
 ・大島本(9/17まで)  45橋姫 46椎本 47総角
 ・尾州家本(10/1まで) 32梅枝・33藤裏葉 34若菜上 

 これが、後半(10/3〜11/3まで)には、次の巻に入れ替わります。
 見たい巻がある方は、お気をつけください。
 ただし、尾州家本の34若菜上は、後半のはずが、本日は展示されていました。
 なお、大島本は3期にわかれています。

 ・陽明文庫本(11/3まで) 9葵 21少女 22玉鬘 28野分
 ・大島本(9/19〜10/11まで)48早蕨 43紅梅 50東屋   
 ・尾州家本(11/3まで)  34若菜上

 ・大島本(10/12〜11/3まで)44竹河 52蜻蛉 53手習   


 今回は、源氏絵も楽しみでした。

 ・出光-源氏物語画帖(9/17まで) 22玉鬘以下8枚
 ・徳川-源氏物語画帖(10/1まで) 5若紫 30藤袴 50東屋 53手習


 源氏絵は、これでもか、というほど出品されていました。

 会場の後半は、近世以降の注釈書や近現代の源氏絵ばかりで、サーッと流して見ました。
 私にとっては、前半がよかったので、後半は雑然とした感じがしました。
 新しいところが好きな方には、この後半がいいのでしょう。

 この源氏展は、一般の方々が対象であることもあり、やや統一がとれていないように感じました。京都文化博物館の方が、圧倒する力がありました。
 また、展示も図録も、説明が不親切なように感じました。
 図録には、国文学研究資料館館長のミニコラムが、何と5本も掲載されています。
 巻頭にある54巻の物語内容のダイジェストは、館長の書き下ろしです。
 それでも、各出品作品の情報が少ないのです。
 また、なぜその巻が、その部分が展示されているのか、意図がわからないものが多くありました。このあたりの説明が、どこかでなされていたら、見る人々はもっと充実感を持つことになったように思います。

 さて、10月からの国文学研究資料館の展示は、どのような評価がもらえるのか、今から気になり出しました。


 なお、9月3日から2ヶ月開催される宇治市源氏物語ミュージアムの「源氏物語千年紀特別展 写し伝える美―陽明文庫の源氏物語―」が、数日後にスタートします。
 今年は、『源氏物語』にとっては幸運な年です。
 たまたま自分がその仕掛ける側にいるために、その中に浸って楽しめないことが、一番の心残りです。
 それでも、少しでも多くの『源氏物語』に接してみたいと思います。
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2008年08月28日

京洛逍遥(46)「紫式部通り」を見つける

 北大路通りを西に自転車を走らせていた時のことです。
 大徳寺前の信号から下ったところに、こんなものを見つけました。

080827sikibudori

 初めて目にする通り名です。
 調べるのは後にして、とにかく写真に収めました。
 どこかのイベントで使ったものを、ここに立て掛けて置いているのかと思いました。
 しかし、それにしても、材木屋の前であるのが不思議です。今、作ったばかりなのか、または修理をしようというのか。
とにかく、興味を引くものです。実は、この家は、築100年以上の町家であることがわかりました。

後で調べると、とにかく、いろんなことがわかりました。
まず、ここで「紫野ほのぼの日曜・朝市」というのが、毎週日曜日に開かれているそうです。
そして、この大徳寺の前の通りを、紫式部通りと名づけているのだとか。その管理運営は、紫式部通り商店会がやっているとのこと。なかなか、その背景におもしろい文化を嗅ぎ取りました。
この商店会は、紫式部の墓所等を通じて、地域の活性化を図り、紫式部通り界隈の活力を取り戻すことなどが、その結束の目的です。島津製作所の隣にある「紫式部の墓所」の整備管理のため、紫式部ブランドの商品開発・販売をもめざし、売上の一部を整備管理費用に充てる予定となっています。実際には、どれくらいの費用が調達できているのでしょうか。

地域マップがあるようなので、またいつか入手したいと思います。
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2008年08月27日

食後の血糖値を測る

 これまでは、起き抜けの血糖値を計測していました。
 先月の人間ドックの結果を受けて、思い出したように行く病院の医者のアドバイスを素直に受け、食後2時間後の血糖値を見ることになりました。

 朝の数値を安定させていても、平均値であるヘモグロビンA1cの値が高いそうです。
 胃が3分の1しかない私は、一般的な食事指導が効かないのです。
 自分の身体を実験台にするしかありません。

 朝の食前の傾向はわかったので、計測方法を変えて様子を見ることになったのです。
 食後2時間の数値を見て、いくつかわかりました。

 ハンバーグは、2回とも同じ条件で食べたのですが、共に250を超えました。
 食事の2時間後は、180に留めることがいいとされています。悪くても220と言われています。
 もちろん、個人差があるのですが、何かを固定しなくては何もわからないので、この普通の方々のための物差しを、一応私も参考にしています。

 具がたくさん入ったデラックス蕎麦も、2回とも215でした。悪くはないのですが、もう少し低めがいいようです。

 中華料理では、レバニラ炒めが好きですが、これは計測しなくてもわかっています。
 そこで、めったに食べないのですが、ラーメンにもチャレンジしました。
 野菜がたっぷり入ったタンメンは、243だったので、これもハンバーグと同じで、手をださない方がいいようです。

 そして大好きなお寿司です。それも、私は回転寿司しか食べません。1日の3食ともお寿司、という日もあります。
 このお寿司についてなら、毎日1食はたべるので、数値はたくさんあります。

 今日の場合を例に取ると、いつもは多くても6皿くらいしか食べられないのに、何と8皿も食べてしまいました。そして、おまけに生ビールの中まで飲んだのです。一日中、気を遣って走り回った後だったので、とにかくお腹が空いていました。
 お寿司を食べた後は、ほとんどが安全圏内の数値を示します。
 今日は、いつになく多く食べたので、少しドキドキしながら計りました。
 結果は、158でした。参考値の表でも、これは良好となっています。

 やはり、好きなものは、身体もよく知っているのでしょうか。
 明日から、また回転寿司屋へ、胸を張って通うことにします。
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2008年08月26日

『源氏物語』の絵本とCD

 今年は『源氏物語』の千年紀だけあって、さまざまな企画がなされています。
 お子様向けに、こんなものもあります。



080826cdehon1


『NHKみんなのうた えほん 光のゲンちゃん』は、手に入りやすい本です。
参考までに、奥付を掲載しておきます。
上品な仕上がりになっています。


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CDの中は、こんな感じです。


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編集協力者の名前を見て仰天しました。
これも、千年紀の記念すべき受容資料です。
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2008年08月25日

7時間がかりの出勤

 ようやく、職場に到着しました。
 自宅を出てから7時間です。

 月曜日は、いつも5時に起き、京都駅6時過ぎの新幹線で出勤です。
 こんな生活が、もう9年になります。

 今日は大雨のために、品川に1時間遅れで到着しました。
 ところが、品川から動きません。前に列車がつかえているからだそうです。すぐそばに、終点の東京があるのに。
 しばらくしてから、山手線か京浜東北線を使って東京へ出た方が早い、との車内放送が流れました。10分だとも。

 さて、どうしようか、と思案した揚げ句、すぐに動くだろうと思って、原稿の校正にいそしんでいました。
 気付くと、もう30分以上も品川に止まっています。少し、腰が浮きぎみになりました。
 それでも、もうすぐだろうと思い、また仕事に没頭。

 品川に止まって1時間ほどしたころだったでしょうか、隣に停車中のこだまが先に東京に向けて発車するとのことです。
 大急ぎで乗り換えて、東京に向かいました。
 東京から立川に降り立つと、外は雨。
 100円ショップで傘を買い、モノレールで1駅の高松駅まで行き、そして傘をさして歩きました。


 平日の東京での通勤は、片道1時間50分です。 
 週末に京都へ向かうのですが、これは片道5時間です。

 一日の内の相当時間を電車の中で過ごす生活にも、もう大分慣れて来ました。
 最近は休息の場所にしています。
 電車の振動が目にこたえて、本が読めなくなったのです。

 iPhoneの活用も考えましょう。
 電車の効率的な活用に、知恵を絞って対処したいと思っています。
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2008年08月24日

源氏千年(57)源氏物語をテーマにした大壁画

 京都市役所と本能寺の間の御池通りの地下は、ゼスト御池というショッピングセンターになっています。


080800hekiga1地下街


 そこの、市役所前広場の大壁画に、京都芸術デザイン専門学校の学生である山梶千明さんが、「源氏物語千年紀」をテーマにした壁画「運命」を完成させています。

080800hekiga2市役所前広場


 歩いていると、柱の陰で目立ちません。しかし、近づくとなかなかの迫力があります。

 埋め込まれたプレートには、こう書いてあります。


080800hekiga6プレート


 これは、5月29日から7月10日にかけて、1ヶ月半の日時を要して制作されたものです。7月11日に完成し、来年の3月まで展示されることになっています。

 壁画の前には柱の列がある関係で、おのずと横から全体を見ることになります。そして、横長の絵は見る角度によって雰囲気が違う、ということに気づきました。
 そこで、左右から、その見え方の違いを確認しました。
 まずは、右から。


080800hekiga3壁画・右から



 そして、左から。


080800hekiga4壁画・左から


 真っ正面から見ることができないことから、意外な視点で見る面白さを見つけたことになります。

 これも、絵を見る楽しみの発見と言えるでしょう。
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2008年08月23日

源氏のゆかり(28)説明板38-梨木神社

 廬山寺の真ん前に、梨木(なしのき)神社があります。
 木立の中にひっそりと佇む神社です。



080800nasiki1梨木神社1


080800nasiki2本殿



 ここは、『源氏物語』の「帚木」や「花散里」に出てくる、中川の家に当てられています。
 空蝉や花散里などが、このあたりにいたことになります。

 説明板は、木々の間に埋もれていました。




080800nasiki3説明板


 『蜻蛉日記』の作者である藤原道綱の母の家も、このあたりにあったそうです。
 平安京域のホンの少し東にズレた、賀茂川に近いところです。

 現在の京都御所からこのあたりは、落ち着いた雰囲気の散策エリアです。
 角を曲がると、牛車とぶつかるのでは、とか、路地から平安人が出てきてもおかしくない所です。
 何も考えないで歩くのにうってつけの、観光地らしからぬお薦めの一角です。
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2008年08月22日

源氏のゆかり(27)説明板37-廬山寺

今年は新春早々、盧山寺と縁がありました。


080800rozanji1廬山寺



2月に、節分会の鬼法楽に行った時のことでした。
翌日の新聞に、妻の姿が写っていたのです。
それも一面にカラーで。
鬼法楽のことは、その時のブログを参照してください。

京洛逍遥(24)廬山寺の節分会に注文


その廬山寺の境内に、


080800rozanji2境内



源氏物語千年紀を記念して、説明板が設置されました。


080800rozanji4説明板




ここが紫式部のいたところとされています。
その根拠は、『河海抄』ですが、もっとも詳細な考証をなさったのが角田文衛先生です。

学生時代から、この廬山寺には何度も足を運いでいます。
事実かどうかは別として、この廬山寺は、平安時代を、紫式部を、ぐっと身近にしてくれた所であることは事実です。
学問の成果が史跡を産んだ、いい例と言えるでしょう。

来月早々には、〈NPO法人 平安文学〉が発足します。
「もっと身近に平安文学」を合い言葉にしてのスタートです。
このNPOが主催する文学散歩などを、今から楽しみにしています。

また、新しいことにチャレンジする若者たちの手助けをしたいと思います。
posted by genjiito at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆源氏物語

2008年08月21日

日常化した遅れる電車

 東京の電車は、外国並に遅れます。
 かつては、日本の電車は時刻表通りに走ることで、世界的に驚異の対象となっていました。驚嘆と称賛を得ていました。
 それが、今は世界に肩を並べるほど、無理をして走らせないようになったのです。
 我々も、そのことに理解を示すようになりました。

 イタリアでは、高速特急以外は、非常にアバウトに走っていると思います。
 イギリスは、列車によって経過時間はまちまちです。
 インドは、とにかく時間のことは考えないで走っています。

 このところ4日連続で、通勤電車が遅れました。
 遅れることは承知で、移動に電車を使っています。しかし、かつての日本では電車が定刻通りに走っていたことを知っているだけに、つい、いつものように駅に電車が来て、いつもの時間に目的駅に着くと勘違いしてしまうのです。

 遅れる理由は、おおよそ以下のようです。

(1)人身事故
(2)車両故障
(3)強風予防
(4)大雨落雷
(5)線路内立入
(6)急病救助

 いずれも、文句の言いようのないものです。
 しかたがない、と、優等生になって諦めるしかないのです。

 それにしても、かつては、どうしてあんなに時間に正確に走っていたのでしょうか。

 神戸でのJR列車横転事故以来、無理をして電車を走らせないことが常態となりました。
 利用者も、時間の正確さよりも、安全優先、事故防止を尊重するようになったと思われます。
 利用者が、鉄道会社に理解をしめすようになったのです。
 その結果、電車は堂々と遅れるようになったのです。

 これまでのように、ガソリンを燃やして移動する時代の再来はないでしょう。
 すると、公共交通としての鉄道の役割が大きくなります。
 しかし、電車は、安全優先で時間にルーズになります。

 難しい問題です。
 時間通りに走る電車のことを、もっと考える時代に入っているように思えます。
posted by genjiito at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑記

2008年08月20日

イタリアで源氏物語の集会

 忙しい時には、いろいろなことが被さってくるものです。

 来月の中旬に、「源氏物語の成立と享受 −絵と本文から−」というテーマで、イタリアのベェネツィア大学を会場にして国際集会が開催されます。


080820italy


 いろいろと仕事が山積する悩ましい時期ではありますが、私も研究をすることが本職なので、久しぶりに海外で研究発表をします。
 内容は、10月に開催する〈源氏展〉の宣伝を兼ねながら、源氏絵に関する考察です。
 日頃は事務的な仕事に追われるばかりなので、勉強していることをまとめて発表することができる機会は、本当に貴重です。せっかくのチャンスなので、前後のことはしばし置いて、本来の責務の一端を果たして来ます。
 といっても、メールが使えるので、日本にいるときと変わらない仕事ぶりになるかと思われます。
 環境が変わっただけ、ということになりそうです。

 それはさておき、イタリアの方々は、絵に対する興味は大変なものがあるので、タイムリーな企画だと思います。

 準備を進めておられる國學院大學の豊島秀範先生は大変な思いをなさっていますので、少しでもお手伝いを、と思っています。

 多くの知り合いの先生方と再会できるので、それも楽しみです。
 特に、日本の源氏物語千年紀に合わせて、10月の下旬から来日なさる先生が数人いらっしゃるので、その意味でも話が弾む事でしょう。

 現地からの報告も、ネット環境が整備されているはずなので、逐一できると思います。

 私としては、iPhoneを研究発表の際に使う事と、日常生活でどのような局面で役立つのか、興味深いことがたくさんあります。

 ベェネツィアには6回目の訪問となるはずです。
 国際交流の一端も意識して、無事に帰国できるように、準備を整えて行きたいと思っています。
posted by genjiito at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆国際交流

2008年08月19日

久しぶりに銀座で泳ぐ

 超過密スケジュールをこなす日々のためもあって、銀座に足を向けるのは1ヶ月ぶりです。
 毎週土曜日は、京都の自宅の傍のクラブで、テラピーを取り入れたマットニュートラルというコースに参加しています。
 背筋を伸ばし、腹筋を鍛えるクラスです。もう、1年くらい続けています。

 そのせいもあってか、東京では無理をしないフィットネス生活です。
 怒濤のごとき仕事を終えると、帰路の2時間弱の電車での移動で、これまたグッタリです。その途中で、銀座に寄って身体を動かす気力が、すっかり萎えてしまいました。

 これではいけないと思い直し、気分転換を目的にすることにして、どうにかして銀座へ足が向かったのです。
 久しぶりの銀座は、いつものようにネオンが赤々と灯っています。しかし、人の出足は鈍いようです。

 路上に出て客引きをするお兄さんの姿が、やたらと目立っています。
 そして、女性の姿がさらに増えたように思えます。

 時間は、夜の8時を過ぎています。
 そんな街中を、女性たちは元気に道幅いっぱいに歩いています。怖いもの知らず、という感じです。こんな銀座に、近々悲劇が起きなければいいが、と思うのは私だけではないはずです。
 
 かつての銀座はしりません。しかし、写真や話などで聞く銀座は、男がお金をばらまく空間だ、と思っていました。吉行淳之介の小説にも、そのような銀座が描かれています。

 私が大学生の頃に、銀座の一角にある数寄屋橋でアルバイトをしていました。あの頃は、華やかな街でした。しかし、今は明るくて安全な街になってきたようです。

 庶民的な銀座よりも、敷居の高い銀座をよしとする人は、今でも多いはずです。しかし、それはそういつまでも続きません。今は、急激に変化をしているところのようです。

 一つの文化の変わり目に立ち会えたことを、幸運と思っています。
 これから消え去るものを、今のうちに目に留めておきたいと思っています。
posted by genjiito at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 銀座探訪

2008年08月18日

京都御苑の自転車の跡

 京都御苑は、とにかく広大です。
 今の御所を見るためにここを訪れても、しばらくすると自分の位置を見失います。

 そんな御苑の中を自転車で通っていて、砂利道を走る一筋の道跡が意外ときれいなことに気づきました。

 乾御門から中を望むと、すぐに1本の湾曲した道筋が見えます。


080800gomon1乾御門


 微妙にカーブを描いているのは、道の平坦さと砂利の過多を見極めて走る、自転車乗りの絶妙の感覚が織りなすものです。



080800gosyo1御所の北側


 上の写真は、御所の北側です。今出川通りに近いところの直線は、こんな感じで線が走ります。

 御所の南側は、これまた微妙な線が通っています。



080800gosyo3御所の南側


 御所の北側から今出川御門を見ると、比較的直線に近い道が走っています。


080800gosyo2今出川御門


 今出川御門の向こうには、同志社大学と同志社女子大学があります。

 こんな調子で、京都御苑の中を走る1本の自転車の軌跡は、なかなか味わいのあるものです。
 その線をなぞるように走ると、さらにその線の意味がわかります。

 足腰が丈夫でないと、砂利にハンドルを取られてなかなか進めません。
 楽しみながら、自転車でもエクササイズができる、格好のフィットネスエリアです。
posted by genjiito at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆京洛逍遥

2008年08月17日

源氏千年(56)紫式部追善法要の記念品

 今春4月12日に、紫式部をしのんでの追善法要がおこなわれました。
 角田文衞先生が会長をなさっていた紫式部顕彰会が、紫野にある紫式部の墓所で、源氏物語の千年紀を迎えたことから執り行われたものでした。


 当日の新聞報道によると、平安時代に宮中で春と秋に行われていた、大般若経転読の法会に倣った法要が営まれたようです。

 京都には古道具屋さんや骨董屋さんが、街を歩くと至る所で目に付きます。
 たまたま散策していたら、町家で骨董市をやっていました。
 フラリと立ち寄り、お茶道具などを見ていたら、部屋の片隅にこんな箱がありました。


080816tuizen1記念品箱


 段ボールのフタには、こう書いてあります。




紫式部追善法要
源氏物語千年紀
特別記念詰合せ



 中を開けると、こんなものが入っていました。



080816tuizen2記念品


 法要で使われたものなのでしょうか。少し汚れがあります。


 もう少し拡大します。


080816tuizen3表札



 儀式の中で、これがどのような役割を持ったのか、私にはわかりません。
 どなたか、ご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示をお願いします。

 いらなくなったので処分されたものなのでしょう。
 しかし、とにかく、これも何かの縁だと思い、買い求めました。
posted by genjiito at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆源氏物語

2008年08月16日

京洛逍遥(45)大文字の送り火

 京都五山の一つである「大文字」が、近くの賀茂川から見えます。
 昨日の夕刻、いつもの散歩の途中にその様子を確認しました。


080815okuribi1北大路橋から


 北大路橋の欄干は、先月に新装なったばかりです。
 もう少しで満月です。
 如意ケ嶽に「大」の字がくっきりと山肌に認められます。
 ここに、16日の夜8時に火が点くのです。


080815okuribi2川面の月


 出雲路橋の方へ下ると、月光が賀茂の川面に映っています。

 あの世から帰ってきていた両親をはじめとするご先祖さんたちも、明日の送り火で帰って行きます。
 この景色は、明日の壮大な儀式が整ったことを伝えてくれているようです。

 送り火当日の今日は、家の周辺が警察の厳重な警備と交通規制により、いつもとはちがう雰囲気と熱気が感じられます。
 賀茂街道は、すべての車が遮断され、歩行者天国となっています。
 たくさんの人が、河原に陣取り、いまかいまかと8時の点火を待っています。

 私は、昨日確認した場所へ直行です。


080816daimonji1点火


 点火直後は、じょじょに「大」の字が形作られていきます。



080816daimonji2大文字


 10分もしないうちに、きれいに「大」の文字が夜空に浮かび上がりました。
 昨日、煌々と照り輝いていた満月は、今日は一面の雲に遮られて闇夜です。

 さらに10分もする頃には、しだいに火勢が弱まります。
 すると、上空の雲間から、月がおぼろに見え出したのです。



080816daimonji3朧月


 そして、大文字の火が消えかかる頃には、雲の隙間から満月が顔を出したのです。


080816daimonji4満月



 あらかじめストーリーが作られていたかのように、すばらしい大文字の送り火を見ることになりました。

 帰りに、北山の松ヶ崎方面に、「妙法」の文字の一部が木の間がくれに見えました。

 来年は、「妙法」を見にいくつもりです。
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆京洛逍遥

2008年08月15日

源氏のゆかり(26)説明板21-一条院跡

 この名和児童公園の地は、紫式部がお仕えした、中宮彰子が住んでいた場所です。
 ここは、一条天皇の里内裏だったのです。

 東三条院詮子は、息子の一条天皇のためにここを用意しました。
 長保元年(999)に内裏が焼けた後、寛弘8年(1011)に一条天皇が崩御されるまでの里内裏として利用されました。


080814itijyoin1一条院

 現在ここは、名和長年の遺跡として知られています。

080814itijyoin2名和長年遺跡

 その公園の前に、説明板があります。写真の左端です。


080814itijyoin3説明板


 『紫式部日記』の中に出てくる内裏は、この一条院を指します。
 紫式部はこのあたりで、中宮彰子の家庭教師役をしていたのです。
 ここが、当時の女房階級を中心とした知的文化圏だったのです。
 そう思って周囲を歩いてみました。しかし、今はそのようなイメージを掻き立てるものは、何もありません。
 この児童公園の隣にあるアンティークショップが、タイムスリップの手伝いを、少しだけですがしてくれます。ただし、昭和初期までしか連れていってくれませんが……。


 説明板の中の、平安時代の一条院周辺の位置図を拡大しておきます。


080814itijyoin4位置図


 こうした図は、平安京の雰囲気を想像するのに役立ちます。
 もう少し、説明がほしいところです。
posted by genjiito at 02:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆源氏物語

2008年08月14日

源氏のゆかり(25)説明板20-平安京一条大路跡

 平安京の最も北に位置する一条大路は、30メートルもの道幅があったとも言われています。
 現在の一条通りの狭さからは、想像できないものです。今は、軽自動車が通るのがやっと、という狭い道です。


080814itijyo1一条大路跡


 この一条通りを大宮通りから東向きに、現在の御所の方角を見たところが、上の写真です。
 この左の家のポスターを貼った壁の陰に、「一条大路跡」の説明板があります。



080814itijyo2


080814itijyo3説明板


 一条大路は、葵祭の行列が通った所です。
 『源氏物語』の「葵」巻に、光源氏の晴れ姿を見ようとする六条御息所と葵の上の車争いが描かれています。それが、この一条大路です。

 現在の通りの姿からは、千年前の賑わいを想像することはできません。
 平安時代の京都を求めて歩き回ると、当時と同じ場所が今も残っています。しかし、そこは当時とは相当縮小された光景であることが多いのです。現状から平安時代を実感するには、相当な想像力を要求されます。
 そうだからこそ、京の街を歩き回る楽しみがあるのです。

 古都・京都は、想像力をかき立てる街です。
posted by genjiito at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆源氏物語

2008年08月13日

ネットと電話とFAXで展示図録を作製中

 今年の夏は、源氏物語展の図録作製で明け暮れています。

 今回の図録は、京都の思文閣出版から刊行されます。
 また製作は、京都文化博物館の隣にある鷺草デザイン事務所です。

 展示する重要文化財と重要美術品のほとんどが奈良と京都にあるために、土日を含めて半分は身を京都に置いて作業を進めています。
 写真撮影の立ち会いは、無事にすべてを終えることができました。
 図録作製をしながら、展示品の借り受けのための交渉から事務手続きまでを、とにかく数十本ものラインを通して並行処理しています。
 関東にある文化庁や宮内庁書陵部とのやりとりと、中部にある徳川美術館、そして関西の久保惣記念美術館や京都府総合資料館や古代学協会との連絡や打ち合わせが、同時進行しているときは、自分が今どこにいて交渉事をしているのか、混乱します。
 部屋を見渡して、自分が今いる場所を確認するようにしないと、いつどこへ出向けばいいのか、とんでもない約束をしてしまいかねないのです。

 年々、同時に複数の仕事をすると、いつも何かが抜けることを痛感していました。今回も、いろいろと抜けているとが多いことに気づいています。しかし、事務方のスタッフがうまくサポートしてくれています。救われることが多いのです。

 私は、ひたすら前を見て突っ走っています。
 いろいろと段取りが悪くて難渋することもあります。
 しかし、気心の知れたメンバーとの仕事は、失敗も後手後手の対処も、何とかうまくカバーしてもらいながら進めています。

 このようなことが可能なのは、やはりインターネットのおかげです。
 メールでの連絡はもとより、データの転送などにも、ネットは大活躍です。
 昨日から今日にかけては、「データ便」というファイル転送サービスを活用しました。
 「宅ファイル便」でデータがうまく届けられないことがあったので、別のサービスを利用してみました。これは、問題なく64メガの容量のファイルまでを、確実に送り届けることができました。無料のサービスだったので、ありがたいことです。

 さらには、iPhoneのおかげで、移動中にも連絡がこまめにとれます。電話のみならず、インターネットも同時に使えるiPhoneは、重宝する電子文具です。これは、もう携帯電話ではありません。そのことを、今回の仕事を通して実感しています。

 仕事のしすぎであることはわかっています。しかし、こうしないとこなせないだけの、膨大な作業やチェックが必要なのです。
 展示に関わっている方々は、このようなハードなことをしておられたのだと、改めて展覧会の舞台裏を知ることとなりました。

 まだ、道半ば、というところです。しかし、少しずつでも毎日前に向かって進んでいるのです。
 開催までに間に合うのか?、と不安に駆られることがよくあります。何かしていないと、少しでも前に進めていないと、何か落ち着かないのです。
 私は回遊魚で、常に動いていないといけない質だと言われます。
 今、日々、やはりそうだったのだ、と思います。

 今年の酷暑の中を、とにかく気分転換をすることを守りながら、後悔しない展覧会の開催に漕ぎ着けたいと願っています。
posted by genjiito at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑記

2008年08月12日

下鴨神社の「納涼古本まつり」

 下鴨神社の糺の森で開催されている「下鴨納涼古本まつり」に行ってきました。
 京都古書研究会が主催するもので、37店が店を並べていました。


080812oldbook1糺ノ森


 広い境内の木立の中を、たくさんのテントが並んでいます。


080812oldbook2古本祭


 最初の10店を見たあたりで、もう目がだるくなりました。
 膨大な本の背表紙を見るだけで、疲れがたまってきます。
 また、ゆっくりと移動するので、足腰もだるくなります。
 後は、ほとんどの店の本を流し見ることになりました。

 そんな心理を知ってか、屏風を立てて目立たせる店もあります。


080812oldbook3木立の中


 今日の収穫は『諸説一覧 源氏物語』(昭和45年、阿部秋生編)の一冊だけです。
 この本は、私が高校を卒業した年に刊行されました。
 『源氏物語』の研究史の上でも、一つの区切り目をまとめたものです。

 定価は800円です。これが、古書店では高価なものになっていたので、つい購入することなく、図書館などで利用していました。
 今日、2500円の値段がついていました。昭和45年までの諸説をわかりやすくまとめているので、重宝する本です。手元に置いておいてもいいので、買いました。
 改めて頁を繰ると、『源氏物語』の本文に関することは、3頁半しか記述されていません。
 解説は、池田亀鑑と山岸徳平の2代碩学の対立に留まるものです。
 昭和50年から2年間、私は山岸先生の授業を聞き、本文研究に取り組むようになりました。
 『源氏物語』の本文についての問題は、まだまだ表面には現れていない時代だったのです。
 そんな、当時の研究状況がわかるものとして、本書『諸説一覧 源氏物語』はよくできた本です。

 それにしても、これだけたくさんの本が目の前にあると、生きている内にいったい何パーセントの本を読んで人生を閉じるのか、と、あらためて気が遠くなります。縁あって手にした本を、丁寧に大切に読んで行きたい、との思いを強くしました。
posted by genjiito at 23:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 身辺雑記

2008年08月11日

プリウスで墓参

 家族と姉夫妻みんなで、鞍馬口にある養林庵の住職さんにお越し願ってお盆をお迎えしました。

 読経の後のお話を楽しみにしています。
 今日も、仏事のことなど、いろいろなお話を伺うことができました。

 あらかじめ今出川のレンタカー屋さんから、エコカーとして注目されているプリウスを借りて来ていました。

 今年は、環境のことに加えて、ガソリンの高値の影響からか、レンタカー業界ではハイブリッド車がよく出ているそうです。そんな流行はしりませんでしたが、車を処分してからは乗る機会がなくなったので、めったに乗ることのないハイブリッド車のプリウスをリクエストしました。

 エンジンのかけ方などは、新しい車らしく独特のものでした。しかし、すぐに慣れました。

 電動のモーターとガソリンエンジンの組み合わせで走るのですが、そんなことはまったく意識しないで運転できました。

 車を返して、走行データを確認しました。

 今日一日で189キロ走りました。ガソリンは13リットル使ったので、燃費は14キロ/Lというところでしょうか。
 これなら、カローラクラスです。

 そのことをレンタカー屋さんに言うと、何人で乗ったのかときかれました。5人だと答えると、それに加えて今日の暑さでエアコンをつけっ放しだったからでしょう、とのことでした。
 また、名神高速、近畿道、西名阪を使いました。高速道路の利点があったかのようです。しかし、実際には一般道で渋滞が多く、ロスは高速道路以外のところで生じたようです。

 それにしても、運転しやすい車でした。

 折を見て、レンタカーを活用したいと思っています。
posted by genjiito at 23:13| Comment(0) | TrackBack(1) | 身辺雑記

2008年08月10日

五条坂陶器まつりと源氏絵陶器

 五条通りに沿って、五条大橋東詰から東山の東大路通りまでの間で、五条坂陶器まつりが開催されました。連日の真夏日の中を、約430店が歩道を埋め尽くしました。

 観光客よりも、地元の京都の人が多かったように見受けられました。



080802toki1_2


 私は、こうした巻物の陶器が気に入りました。
 使うというよりも、何かを乗せて飾って置くのにいいからです。


080802toki2巻物


 お店の中では、団扇型の陶器に源氏絵を焼いた物もありました。
 現在、秋の『源氏物語展』の準備をしていますが、今回の目玉は『源氏物語団扇画帖』です。その意味からも、この形式の図様に興味を持ちました。
 額入りなので、ガラスに光が反射して、あまりうまく撮影できませんでした。
 おおよその感じを伝える、記録としての写真です。

080802toki3源氏団扇絵1



080802toki42



080802toki53



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 また、角皿に源氏絵を焼いたものもありました。
 この形式はよく見かけます。ただし、巻物のような雰囲気を出しているものは、なかなかいいと思います。

080802toki8角皿1



080802toki92



080802toki103



080802toki124


 別のお店の前では、ショーウインドウの中に飾ってあった源氏絵皿を見かけました。
 スナップとして撮影したものです。後日、確認が得られたらきれいに撮りたいと思います。

080802toki13額絵皿1



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080802toki153



080802toki164


 とある店で、百人一首のシリーズとして作製された、小振りの角絵皿を見つけました。たまたま紫式部の歌を描いたものがあったので、これは記念にと買いました。


080802toki17紫式部


 字も絵も、きれいにでているものです。

 また別のお店で、茶わんに源氏絵を描いたものを見つけました。
 ばらばらで並べてありましたが、空蝉・若紫・紅梅・総角・浮舟の5客1組にして買いました。

 この絵は、本年2月5日の下記のブログで紹介した、北野天満宮の前にある「とようけ茶屋」の丼の絵柄とよく似ています。

「源氏絵柄の生湯葉丼」


 ひょんなことから手に入ったので、しばらくは飾って楽しみたいと思います。
 この茶わんは、がんばって安くしてもらいました。
 稚拙な絵ですが、掌でころがして楽しめます。


080802toki18茶わん1



080802toki19茶わん2
posted by genjiito at 17:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆源氏物語

2008年08月09日

文庫本の自動販売機

 JR中野駅のホームで、文庫本の自動販売機をみかけました。


080725book1


 初めて見たので、街角によくある雑誌の自動販売機かと思いました。
 収納されている本は、確かに文庫本です。
 ただし、私が読んだことのない、しかも見たこともない文庫本です。
 おそらく、売れ筋の本なのでしょう。
 私が、この種の本を読まないだけであって、こうした本との出会いが増えるのは、楽しみが一つ増えたことになります。
 これまで読む機会のなかった本との邂逅が可能となったのです。

 どんなことであれ、本との出会いの機会が増えることは、すばらしいことです。


080725book2


 文庫本が自動販売機で売られるのは、いろいろな意味でもいいことです。その本の選定が、人それぞれの好みと合致しないことも多いでしょう。しかし、そのような販売がなされることは、いつでもどこでも本が手に入ることになるので、歓迎すべき試みです。

 おそらく、そんなに売れないと思われます。しかし、これは続けてほしいて企画です。
posted by genjiito at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑記

2008年08月08日

宇治の源氏グッズ(2)

 宇治橋のたもとから平等院の方を臨むと、こんな光景が目に飛び込んで来ます。


080802ujishop1宇治橋から


 写真の左端に、紫式部の像が見えます。その後ろが宇治川です。

 写真の右端が平等院へ向かう商店街の入口です。

 この商店街の中程に、こんな和物のお土産屋さんがあります。



080802ujishop31お土産屋


 この中には、『源氏物語』に関するものがたくさんありました。

 お店の方に了解をとって、片っ端から写真に撮りました。時間がなかったので、少しピンぼけの写真が多いのはお許しください。

 以下に、列挙します。


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 平等院へ向かってさらに歩いていると、小さなお店の前に、こんものがありました。



080802ujishop32



 とにかく、さまざまな源氏グッズが販売されています。
posted by genjiito at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆源氏物語

2008年08月07日

初めてiPhoneでブログを書く

かれこれ二時間。
iPhoneでブログを書いています。
保存しようとするころになると、突然画面が消えます。

書いては消え、また書くと消え。
根競べです。

今日は、ここまでにします。

これまでで最長時間のブログ執筆となりました。

しかし、新しい文房具に手応えを感じ出しています。
posted by genjiito at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆情報化社会

2008年08月06日

宇治の源氏グッズ(1)

 宇治にも、たくさんの源氏グッズがありました。

 宇治十帖ゆかりの地だけに、浮舟にまつわるものが多いように思いました。

 まずは、JR宇治駅の横にある、宇治市観光案内所にあったものから。



080806ujigoods11観光案内所


 この案内所の前に、ドリンクの自動販売機があります。
 その中に、宇治のお茶のデザイン画が、『源氏物語』の絵になっているものが入っていました。

 近寄ってみると、こんなペットボトルでした。



080806ujigoods12源氏絵のペットボトル


 案内所の中には、たくさんの源氏ボトルが冷やされていました。


080806ujigoods13店内のボトル


 店の奥には、たくさんのグッズが並べられています。

 目に付く限りのグッズを紹介します。

 今回も、お店の責任者に撮影の許可をとってから、写したものです。



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 とにかく、宇治でもたくさんの源氏グッズが販売されています。

 これには驚きました。

 宇治の続編としては、商店街の中の和装のお店でみかけた源氏グッズを紹介しましょう。
posted by genjiito at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆源氏物語

2008年08月05日

iPhoneで遊ぶ

 いろいろとあったiPhoneですが、やっと手にできました。

 近所の深川のソフトバンクには今日もなかったので、また探す日々が続くのかと観念しました。

 通勤途中に乗換駅の中野で、北口にあるブロードウェーの入口にあった携帯ショップにフラリと立ち寄りました。そして、この辺にソフトバンクの店がないかと聞くと、うちでも取り扱っているとのことでした。ダメモトでiPhoneのことを聞くと、何と在庫があるとのこと。
 代理店のようですが、品物は一緒なので即決しました。ラッキーの一言です。

 少し説明を聞いてから、念願のiPhoneを入手とあいなりました。
 本当は32ギガタイプがほしいのですが、それはまだ発売になっていないので、諦めてこれしかない16ギガにしました。

 強制的に契約させられた今後2年間、この16ギガタイプをこのまま使い続けるとは思えません。来年早々に買い替えることでしょう。そして、その料金のことで不愉快な思いをするはずです。そこまでわかっていても、今、この16ギガを求めたのは、このiPhoneの魅力に投資する価値があると判断したからです。

 この中野のブロードウェーは、35年前になりますが、学生の頃によく来ました。当時は1ドルステーキと言って、1枚360円でステーキが食べられた時代でした。妻とよく行ったその商店街で、いま電話を買っているのですから、これも何かの縁なのでしょうか。

 いろいろと機能を試しています。これは、電話ではなくて、まさにパーソナル・データ・アシスタントの進化型です。
 これで、私の日々の生活が激変することは確かです。
 このような知的好奇心を刺激する文房具は、本当に久しぶりです。アップルならではの企画の産物です。

 購入したはいいが、使いこなせない方も多いとか。パソコンのマッキントッシュもそうですが、クリエイティブなユーザーはそう多くはないと思います。みんな誰でもが使いこなせる、という道具ではないと思います。たくさんの方が使えばいいと思いますが、1割のシェアで落ち着くのではないでしょうか。

 第1日目にして、いろいろとわからないことがあります。幸い、私には相談できる仲間がいるので、少しずつ聞きながら楽しんでいます。先達者はあらまほしきかな。恵まれた環境にいることに感謝しています。それでいて、同じものを買っても、私にだけ欠陥商品やトラブルがつきものなのは、一体どうしてなのでしょうか。

 この携帯電話では、今度はどんなトラブルが出来するのか、これも大いに楽しみにしているところです。このiPhoneは、物理的に駆動する部分がほとんどないので、あるとすれば組立部品の当たりが悪かった、というものに留まるのでは、と楽観的に思っています。

 それにしても、ワクワクする文房具を横に、これからの生活の変化が楽しみです。
posted by genjiito at 23:43| Comment(0) | TrackBack(1) | ◆情報化社会

2008年08月04日

auの巧妙な携帯電話欠陥隠し

 修理に出していたauの携帯電話を、東京・深川のお店に受け取りに行きました。
 この受け取りをしていないで、いつまでも代替機を使っていると、iPhoneに移れないのです。

 一昨日の、慇懃無礼なauの対応を1日も早く忘れるためにも、修理機は受け取らないと前に進めません。

 お店に行って、修理が終わったとされる電話機を受け取りました。
 その時に、不思議なものを見ました。
 「修理報告書」というものです。
 auにはまったく落ち度がないような書き振りです。


修理内容 基板修理(予備処置交換)

詳細内容 ご利用頂きありがとうございます。ご不便をお掛けし申し訳ございません。再現試験を行いましたが、症状を確認できませんでした。予防処置として検査済の基板と交換・内部点検・清掃を致しました。万一再発する場合は、より詳細な状況をお知らせ下さい。バッテリーには問題ありませんでした。修理後に新品同等の検査(テスターによる無線性能/発着信/各種機能動作)を実施し、正常性を確認いたしました。今後ともご愛顧の程よろしくお願い致します。

交換部品 基板(キー側)


 この報告書には、たくさんの嘘があります。巧妙に欠陥を隠蔽しようとする意図が読み取れます。
 詳細は、必要な場合にします。以下は簡略に。

 おそらく、おざなりの点検はしたのでしょうが、面倒な故障なので、手っ取り早く基板を交換して証拠となるものを処分し、点検とか清掃などという、顧客のことを思ってのやらずもがなの対処をいかにもしたかのように説明する雛形文を送り付けられたのだと思います。

 この1ヶ月半というもの、ほぼ毎日、携帯電話のパワースイッチを押して1日がはじまりました。それも、携帯が起動しても、ICが読み取れないというエラーメッセージが、これも毎日のように表示されたのです。再度電源の入れ直しを強いられる日々だったので、この報告書のようなことはありえません。au側の嘘に満ちています。

 修理ドックに入ったら途端にいい子になったということは、ありうるかも知れませんが、私の手元にあった期間は、正常な起動はしませんでした。

 また、代替機からデータを自分の携帯に移してもらった時に、不思議なことを確認しました。
 それは、転送したメールの発信者名が、すべて「非通知設定」となっているのです。メール本文は転送できているのですが、発信人の名前がないのです。ということは、誰からのメールかが皆目解らないのです。

 その他いろいろ、ここには書きませんが、auというのは不思議な会社です。でたらめな対処と処置を、いくつかの事例を通して目の当たりにしてしまいました。

 今は、見てはいけないものを見てしまった、という気持ちです。

 もちろん、こうしたことは、携帯を使う上で、不具合やトラブルを体験しないと思い知ることがないことです。

 いやはや、とんでもない内幕を見てしまいました。

 1日も早いiPhoneへの移行を目指します。

 そう思って、3軒のソフトバンクへ行きましたが、やはりiPhoneは売り切れでした。

 運が味方してくれません。
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2008年08月03日

原爆は必要だったと強弁する駐日米国大使

 朝日新聞(8月2日)に、「原爆は必要だった」と、日本の高校生に答える駐日某国大使の記事が掲載されています。

 まだこんな輩が地球上にいるのか、というのが率直な感想です。
 一時、かの国には、この手の意見を吐く人がたくさんいて呆れました。
 脳味噌が酢味噌になったとしか思えません。
 いや、鱧やオバイケやホタルイカを食する時に欠かせない酢味噌に失礼な表現でした。
 いまだにかの国は、こんなていたらくです。
 低レベルな話です。

 お決まりの、野蛮なかの国の人の原爆投下に関するコメントです。
 「戦争終結を早めるために必要だった。」「より多くの生命が失われるのを救うため、戦争を短くするためだった。」と、福岡県の高校生の質問に答えています。
 こんな大使を代表とする国家が地球上に存在しているのですから、お荷物以上の厄介者です。

 こんな国に守ってもらおう等と、幻想にとりつかれてはいけません。
 日本という国が平和ボケしているからこそ、こんな国が同盟国として認められているのです。

 「長崎には必要なかったのでは」との生徒の鋭い問いには、「広島投下では日本は降伏しなかった。米兵や日本人の死者数を予想し、トルーマン(大統領)が難しい決断をした」と答えています。
 人の命を軽視する、かの国の多くの人々の発言等を見聞きするたびに、おいおい、と言いたくなります。

 こういう民族には、どのようにしてその考え方の誤りを教えて差し上げればいいのか、これはこれで難しい問題です。
 なまじ、正義感とブライドだけはしっかりとあるのですから。

 こうした記事を目にするたびに、日本人の人間としての質の高さを痛感します。
 日本人の寛容と忍耐の精神は、世界に誇るべきものだと思います。
posted by genjiito at 02:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆国際交流

2008年08月02日

『源氏物語』の別本とは何?

 本日(8月2日)の朝日新聞の朝刊に、
 「「源氏物語」全54帖の写本 発見相次ぐ」
と題する記事が、文化欄に掲載されました。

 このところ、飯島本や大沢本という『源氏物語』の古写本の存在が、マスコミ各社のニュースとなっています。それも、その54巻のセットの中には、池田亀鑑の分類による「別本」と思われるものがたくさんあるらしい、ということから、70年もの長きにわたり停滞していた『源氏物語』の本文研究の重要性を改めて問いかけるものとなっています。

 しかし、そもそも「別本」とはなんでしょうか。

 それが曖昧なままに、新聞記事がどんどん書かれています。
 池田亀鑑が言った「別本」であれば、それは『源氏物語』の古写本の形態的特徴から分類されたときの「その他」の写本です。それを、『源氏物語』の内容にまで敷衍して、拡大解釈によって認定した「別本」が見つかった、としています。伝えられて来た「物の形」で分類した物差しによって、その「物の内容」をも計る尺度にしようとしているのです。そもそも、計測する用途が違う物差しが、物語の本文を評価するときに使われています。
 こんなことがまかり通っていること自体が、『源氏物語』の本文研究がいかに遅れているのかを教えてくれます。

 『源氏物語』の古写本や、ましてやその内容である本文が新聞等に報道されるのは、今年が『源氏物語』の千年紀であることに起因します。しかし、そればかりではないのです。
 これまで、我々が読むテキストが、大島本一辺倒であったことへの揺り戻しが作用していると思われます。これは、これまでに絶対視されていた写本への信頼が揺らぎ出したことが伏流しています。

 もっとも、この問題は、早急に解決できるものではありません。

 マスコミは、学者へのインタビューを通して、やたらと「別本」の研究や解明をあおります。しかし、その本文研究のための資料や情報を持っている人が、いったい何人いるのでしょうか。片手があれば足りるほど、数人しか本文データや情報を持っていません。
 本文研究を何とかしようにも、どうにもならない状況です。

 今回の一連の騒動で、『源氏物語』の本文研究がいかに遅れていたか、ということをマスコミが吹聴してくれたことに対して、大いに感謝したいと思います。
 しかし、新聞記事の中には、どこまでが実際に語られた発言かが不明なものが掲載されていることがあります。その責任が、発言者にあるのか、記事を執筆した記者にあるのかは不明でな場合のことです。

 例えば、次の例はどうでしょうか。


平安時代の物語の本文は写した人が好きなように手直ししたと考えられる。その結果、多様な本文が生まれ、現在の混沌(こんとん)とした本文状況を作り出している。


 「写した人が好きなように手直しした」という本文とは、どのような例をさしているのか、また、その事実はどのようにして証明されたものなのか。

 私はこうした例をまったく知りません。たくさんの古写本を見て来ましたが、まだ一例もこうしたものに出会っていません。
 古写本の書写という過程で、本文を「好きなように手直し」することが可能でしょうか。
 どの例がそうなのか、一例でもいいので、具体例を提示してほしいと思います。
 提示された資料をもとにして、みんなでこの問題を考えていけばいいと思います。
 論評を加えるのが先ではなくて、まずは事例の検討をしていきたいと思います。

 せっかく、『源氏物語』の本文が抱える現状と問題を解決する糸口となりうる資料が発見・公表された段階なので、推測での評論は加えるべきではないと思います。
 素直に資料の出現を歓迎し、今後の問題点の検討にたくさんの人が参加するような機運を育むための環境作りに、こうした報道が支援するような流れになってほしいと願っています。
 書写した人が、どのような形で本文の内容の異同に関わったのかは、今はまったく不明だというのが、遅れている本文研究の現状なのです。そうした未熟なままの研究分野の活性化に、マスコミの後押しがあるといいですね。そんな記事を見て、若者たちがやる気を起こして参加する、ということになればいいですね。

 とにかく、『源氏物語』の本文に関して結論をだすのには、まだまだ時間がかかります。

 『源氏物語』の大島本だけで受容されている研究状況に異議を唱え、『源氏物語別本集成』と『源氏物語別本集成 続』で具体的に検討する資料を提供し出して、やっと20年が過ぎました。そして、ようやく大島本の本文に対する疑問が議論されるようになり、また「別本」と言われるものの存在に目が向けられるようになってきました。
 この70年の停滞を思うと、それだけで一大進歩です。
 ここまで辿り着くのに、とにかく20数年を要したのです。
 資料が一つや二つ増えたからと言って、軽々にその意義と見通しを口にするのは早過ぎます。
 まだ、こうした資料を論ずるには、あまりにも手元に情報が少な過ぎます。

 私は、『源氏物語別本集成』を作成している側にいるので、本文に関するデータは幾分多く持っている方だと思います。それでも、わからないことだらけです。なぜこんなに違う文章が伝流しているのか。いつも疑問を抱えながら、『源氏物語』の諸本の本文に向き合っています。軽はずみに「好きなように手直し」している、などとは、私はとても怖くて言えません。一番データを持っているはずの者がこんなお寒い現状なのです。

 新たな資料が加わるということなので、これでまた考えるネタが増えます。資料が増えることは、とにかく大歓迎です。新資料を丁寧に慎重に読み解いて、わからなかったことを明らかにしていきたいと思います。

 思いつくままに記しました。
 妄言多謝。
posted by genjiito at 23:55| Comment(1) | TrackBack(0) | ◆源氏物語

2008年08月01日

auという電話会社の限界を痛感

auの携帯電話の変更に関して、悩ましいことに遭遇しました。
結論は、希望するiPhoneを購入してソフトバンクへ移行することができない、というものでした。
今回の2日間にわたるやりとりは複雑なので、その詳細を綴る暇がありません。
とにかく、今後のためにも、その経緯を簡略に箇条書きとしておきます。

・京都でiPhoneをみつける。
・購入手続きを進める。
・これまでのauからの移行で問題発生。
・私のauの機械が代替機だった。
・本来の私の電話機は電源不良のため東京で修理中。
・この件はすでに本ブログで修理前までを報告した。

携帯電話の欠陥報告


・すぐに電源が切れるのはあまりにも不便なので堪り兼ねて修理に出した。
・これが本件のトラブルのそもそもの原因となる。
・auのお客様相談窓口に電話をして問題解決の話し合いを開始。
・修理完了後の返還手続きが終わっていない段階での移行はできないと。
・すると修理に出した東京のauショップから完了の電話あり。
・これは嘘みたいな本当の偶然の出来事。
・ただし本人に本体が渡されていない段階ではやはり電話番号の移行ができないと。
・つまりソフトバンクに電話番号を持ち越しての移行手続きができない。
・いますぐ東京で受け取らないことには明日までに移行はできない。
・受け取る受け取らないはあくまでも私の問題だと。
・しかし私には今日はまだ京都での仕事があって東京へ戻れない。
・また明日も京都で仕事があるので、時間的にも往復は不可能である。
・au側はご迷惑をおかけしてすみませんの一点張りで埒があかない。
・謝り倒して諦めるのを待つ、という戦法のようだ。
・私にどんな落ち度があったのかという一点で粘る。
・諦めずに納得できないことを確認しつづけた。
・いろいろと不愉快なことを言われた。
・企業内論理を押し通しての対応に疑問を呈する。
・最終的には3ランク上まで担当者があがっていった。
・ワンランクあがるごとに、相手方との話の内容も質が向上する。
・初期段階の窓口の対応は先方にとっては消火活動だと思わざるを得ない。
・各社ともクレーム対応の研究はしておられることだろう。
・最初の段階の窓口は冷やかしやクレーマー撃退のマニアルによる対応。
・窓口からさらに一歩や二歩食い込んでも結論に向けてのまとめには入らない。
・最後は夜の9時近くまで対応をしてもらった。
・その意味では誠意ある対応をしたとau側は言うことだろう。
・しかし、その内容はあくまでも企業内論理での物言い。
・auの逃げ道としての結論は移行できないと言う以外にない。
・唯一のauからの提案は、新たな電話番号でiPhoneを手にしたら、というもの。
・そんなことなら、一々相談等はしない。
・望みの機種を手にすることの価値論を持ち出して、au側の不誠実さを隠蔽しようとされる。
・個人における価値の重さをここで持ち出すことの矛盾を指摘する。
・これには先方の保身からとはいえ、対応のレベルの低さを痛感させられた。
・さまざまな場合を想定しての結論だったが、それにしても幼稚な対応だった。
・さすがに、最後の方は相当地位が上の方のようだった。
・決定権がある方のようで、話は通じる方だった。
・しかし、それでもやはり企業内で作成したルールからははずれない判断を示された。
・曰く、私の知恵の中ではこれ以上考えられない、と。
・おいおい、いい年をしたおじさんよ、と突っ込みたくなる。
・結果として、明朝10時に入手できるはずのiPhoneが誰か別の人の手に。
・最後に対応された方は紳士だったがauという会社が持つ決定的な限界を痛感した。
・あのような自己都合で固めたルールの中で仕事をする方々に憐憫の情を抱いてしまった。
・auという会社に対して、大いなる不信感を増大させた。
・今日までは家族5人全員がauだったが、これを機会に順次他会社に移ることにする。
・6年以上も全員がauだった。
・電話回線もNTTを解約してKDDIの回線を使用していた。
・auという会社の内実を見たので、固定電話もそろそろ別会社を検討しよう。
・10年以上前から何度もネットで報告したようにNTTは無能で技術力の皆無な会社である。
・そんなNTTの電話回線を使うという愚かな選択肢は断じてない。
・つまるところは、固定回線を持たないことになるのだが……。
・そしてiPhoneはまた私の手からすり抜けて行ってしまった。
・次の出会いが楽しみとなる。
posted by genjiito at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 身辺雑記