2008年06月13日

京洛逍遥(40)紫式部が火の用心

 街中の至る所に、市の広報板があります。そこには、地区のお知らせ等が掲示物として貼られています。
 京都市を散策していると、いろいろなお知らせの掲示を目にします。
 そして、やはり、ありました。
 紫式部からのメッセージが……。


Tvcuoafp_sポスター





紫式部からのメッセージ
 「火危し」
  〜源氏物語より〜
源氏物語千年紀
  今も昔も「火の用心」
       上京消防署




 この背景となっている絵は、宇治市源氏物語ミュージアムが持っている『源氏物語画帖』の第41巻「幻」です。

 この絵の場所は、六条院の東南(春)の町です。季節は冬で、光源氏が52歳のときのことです。
 年末に出家を決意した光源氏は、これまでに女君たちから受け取った思い出深い数々の手紙を、親しい女房たちと一緒に焼却するのです。須磨に流謫していた時に貰った紫の上からの手紙も、惜しまずに燃やして、愛執の念を断ち切るのです。

 この絵では、光源氏が中央上に座していて、女房たちが囲炉裏に手紙を投げ入れて燃やしています。

 この絵と同じ場面を描いた源氏絵には、浄土寺蔵『源氏物語扇面散屏風』や京都国立博物館蔵土佐光吉筆『源氏物語画帖』、そして京都民芸館蔵『源氏物語色紙絵』や個人蔵の土佐光起筆『源氏物語画帖』などがあります。
 いろいろな画帖によく似た絵柄があるということは、パターン化していたことを意味します。この絵を見ると、火に手紙を投げ入れるシーンを想起し、火に気をつけようという注意力を喚起する意味合いがある、と見ました。

 なかなか、うまい絵の選定です。
 源氏絵が現代の生活の注意力を喚起するのですから、源氏文化の底力を見る思いがします。

 偶然でしょうが、その左横には、藤原紀香のポスターが貼られています。
 絵柄といい、その隣のポスターといい、よく出来たポスターの掲示だと思います。



posted by genjiito at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎京洛逍遥