2008年05月19日

源氏のゆかり(9)説明板11-温明殿跡

 建春門跡から西にまっすぐ進むと、カギ型に左に折れた所の鉄格子に、温明殿跡の説明板が取り付けられています。


Zzkwzumw_s温明殿跡



 説明板が仮止めのような形なので、つい見過ごしてしまいがちです。
 この通りは、いくつもの説明板がなにげない形で取り付けられています。
 左右をよく見て歩きましょう。


F1ijttys_s11の説明板



 この温明殿の南側の内侍所(賢所)には、三種の神器の1つである神鏡が安置されていました。
 『源氏物語』の第7巻「紅葉賀」では、光源氏がこの温明殿の辺りを歩いていて、琵琶を弾く源典侍と出会います。

 この温明殿跡から、今来た建春門跡の方角を見ると、こんな風景になっています。

Cnupsis4_s建春門の方角を見る



 これでは、かえって内裏の様子を想像しにくくなるかもしれません。
 今では民家の密集する地域なので、これも仕方のないことです。当時の面影らしきものはまったくないので、建物の位置と殿舎同士の距離感がわかることが大事です。

 次は、ここから10メートルも行かない右側に移動しましょう。
 この一番上の写真で、見学者が自転車を止めている所です。



posted by genjiito at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎源氏物語

井上靖卒読(38)「俘囚」「花粉」「四つの面」

 新潮文庫『姨捨』に収録された短編作品の最後です。

 ■「俘囚」
 1人の女性を通して、何が幸せかを問いかけます。
 「とりこ」というキーワードも、最後に提示されます。
 生きる上での問題を、投げかけてくる話です。
 羨望ということばも、キーワードになります。
 人間のおもしろさを感じさせてくれました。
 サリーが出てきました。井上のインドへの興味について、仏教ではない観点から、いつか考えてみたいと思っています。【3】


初出誌:文藝春秋
初出号数:1955年5月号

新潮文庫:姨捨
角川文庫:花のある岩場
井上靖小説全集11:姨捨・蘆
井上靖全集5:短篇5



 ■「花粉」
 外出する耿太郎に合掌するさくの態度をどう見るか。主人公は、主人の無事を祈ると見ます。それに対して、藍子は、自分の幸せに感謝していると見ます。うれしくて合掌している、という見方です。
 一事の解釈に、このような違いが語られるのはめずらしいと思います。
 末尾のビキニの灰の話は、この小説の中でどのような意味を持つのか、私には、よくわかりませんでした。
 また後に、考えてみたいと思っています。【2】


初出誌:文藝春秋
初出号数:1954年7月号

新潮文庫:姨捨
角川文庫:花のある岩場
井上靖小説全集11:姨捨・蘆
井上靖全集4:短篇4




 ■「四つの面」
 これは、短編小説集に入っていますが、小説とは言えないものだと思います。
 エッセイにすべきでしょう。
 四つの話は、非常におもしろいものです。トイレの話は、もっと聴いてみたいものです。
 男女のことも、嫉妬は少しピンぼけのように思われます。
 思いつきを文字にした、という程度のもののように思われました。【1】


初出誌:群像
初出号数:1957年10月号

新潮文庫:姨捨
井上靖小説全集27:西域物語・幼き日のこと
井上靖全集5:短篇5




posted by genjiito at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | □井上卒読