2008年05月07日

源氏千年(43)朝日「人脈記」10

 第10回のタイトルは、「これぞ傑作! 翻訳の至福」(関東版)/「世界に響く 人間描写」(関西版)です。

 『源氏物語』は世界中で読まれています。現在私が確認した所では、20種類の言語で翻訳されています。
 黄金週間で中断していた「人脈記」では、今回は海外での翻訳状況を踏まえた話となっています。

 フィアラ先生は、何かと連絡をくださいます。非常に細やかな心配りのできる方です。お願いした約束は、キッチリと果たしてくださいます。今日の記事にあるように、「なめらかな日本語」で話されます。
 今年、チェコ語訳が完成しました。近刊の『源氏物語【翻訳】事典』でも、先生直々の原稿をいただきました。

 2人目のエルキン先生は、今年の1月まで職場でご一緒でした。トルコ語への翻訳の苦労話を、たくさん伺いました。今日の新聞を見ると、トルコ語訳『源氏物語』は、今秋刊行とのことです。しばらく連絡がとれなかったので、心配していました。お元気のようで、安堵しました。

 サイデンステッカー訳の『源氏物語』を凌駕する英訳を果たされたタイラー先生も、『源氏物語【翻訳】事典』に寄稿してくださいました。いろいろなイベントでお世話になっています。飾らない語り口が、多くの方々の信頼を得ていると思います。もっともっと、翻訳の裏話を聞きたいものです。

 今回登場の3人の先生は、みなさん日本の文学を熟知しておられます。このような先生方が、海外にはたくさんいらっしゃいます。そして、その教え子である学生さんたちも、海外にもかかわらず『源氏物語』と真剣に取り組んでいるのです。
 日本人よりも熱心に『源氏物語』を読んでいる方が多いので、海外に行くたびに、日本の研究が遅々として進まないことに焦燥感を覚えます。

 日本の文学作品は、海外では非常に注目されています。書店に入るとわかります。近現代の文学の翻訳が多いのですが、古典も予想外に健闘しています。
 たくさんの日本の文学作品が、さまざまな言語に置き換えられて、たくさんの海外の方々に読み続けられています。

 まさに、『源氏物語』は世界文学の中の一大金字塔なのです。




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源氏千年(42)新聞誤報で「車争図」見られず

 上賀茂神社では、5月4日に「御禊の儀」がありました。
 これは、今月15日に行なわれる葵祭のヒロインである斎王代が、身を清める儀式です。御手洗川に手をつける所作が、写真で報じられていました。
 この「御禊の儀」は、上賀茂神社と下鴨神社とが隔年交代で行なっています。

 5月5日の朝日新聞(関西版、朝刊)は、このニュースを次のように記していました。



 源氏物語千年紀の今年は禊の儀の場所取りを描いた「車争い」の巨大なバネルも登場、儀式に彩りを添えた。
 パネルは高さ5メートル、幅17メートル。禊の儀で行列に参加する光源氏を見ようと、光源氏を愛する六条御息所と光源氏の妻葵の上が牛車を止める所を争う場面を描く「源氏物語車争図屏風」を引き伸ばした。
 今年新調された十二ひとえに身を包んだ斎王代の村田紫帆(25)さんには今回初めて地元の小学生が育てたフタバアオイが飾り付けられた。パネルは6日までと14〜17日に見られる。



 ここで言う「源氏物語車争図屏風」は、掲載されていた写真から、京都文化博物館の源氏展で展示中の「車争い図屏風」(土佐光茂作、六曲一双、江戸時代、京都市歴史資料館蔵)だと思われます。

 この巨大パネルを見たかったので、5日に行くつもりでした。しかし、当日はお昼頃から小雨となりました。朝日新聞には「6日までと14〜17日に見られる」とあったので、雨が上がる6日に行くことにしました。
 そして今日6日、朝日新聞の朝刊に、こんな訂正記事が掲載されました。


 5日付「源氏屏風さながら 葵祭」の記事で、「車争い」のパネルが見られるのが「6日までと14〜17日」とあるのは、「5日までと15日」の誤りでした。訂正します。


 巨大パネルを見に行こうとしていただけに、見られるのが昨日までと15日だけだとわかり、ガッカリでした。18日は京都で調査なので、前日の土曜日に見る機会も奪われた形です。

 またいつか公開されることを願って、今回は諦めます。

 昨日が雨でなければ、と思うと、この誤報の被害にあわれた方は多いのでは、と推測します。
 新聞の訂正欄では、人名や顔写真の間違いなどはよく見かけます。しかし、自分の行動予定を狂わすものに直面したのは初めてです。
 報道の正確さの重要性を再認識しました。




posted by genjiito at 00:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ◎源氏物語