2008年03月31日

井上靖卒読(34)「ある愛情」「斜面」

「ある愛情」
 「一度でいいからあの人の才能に花を付けてあげたい」と思って尽くす女。
 それは、三人の男を育て上げることに生き甲斐を持つ女であり、目的を達成すると、その男と分かれる女でもあります。
 何が幸せかを、一人の女を通して眺めやる物語です。【2】


初出誌:小説公園
初出号数:1951年9月号

角川文庫:霧の道
井上靖小説全集4:ある偽作家の生涯・暗い平原
井上靖全集3:短篇3




「斜面」
 猟師のとはずがたりです。
 井上は、昭和15・16年の、戦時というより少しのんきな時代を設定することが多いようです。そうした中で、物語は意外な展開を見せます。復讐というテーマの物語です。
 前半で、復讐に向かって引き金を引く、ということの意味が、具体的に語られます。
 結末に不満を感じました。しかし、これが短編の限界かもしれません。【2】


初出誌:別冊文藝春秋
初出号数:1951年7月22号

集英社文庫:楼門
角川文庫:霧の道
井上靖小説全集4:ある偽作家の生涯・暗い平原
井上靖全集2:短篇2


posted by genjiito at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | □井上卒読