2008年03月19日

誇るべき日本語「お役にたてなくて … 」

愛用の時計を修理に出しました。突然、止まったからです。
この時計は、7年半前にスイスで買ったものです。
昨年の夏(2007年7月12日)に止まった時には、ロフトで見てもらいました。その時の様子は、以下のブログで報告しました。

http://blog.kansai.com/genjiito/19

 息子とスイスへ行った時の、自分への土産として買った思いでの品です。CANDINOという無名の会社のものですが、とにかく不思議なほどに正確な時計でした。

 使い続けたいので修理をしてもらおうと思い、立川の伊勢丹へ持ち込みました。確りした時計店で、丁寧に見てもらいたかったからです。
 持参すると、いかにも経験豊富という年配の方が対応してくださり、すぐに方位磁石にかざし、磁石の針が大きく振れることを確認されました。こんなに針が触れる時計は見たことがない、とのことでした。まさに、時計が磁石と化していたのです。
 ということは、私の身体が磁気を発しているのでしょうか。それが溜まりに溜まって、こんなに磁気を帯びてしまったのでしょうか。

 そういえば、最近はドアに触れるたびに静電気が起きるので、除電する小物を身に付けて、金属を触る前に電気を逃がしています。私が触ると機器が狂う、と思われているのは、この辺りに原因があるのでは、と本当に思ってしまいます。ただし、私は電磁波測定器を持っていますが、それでは何も変化がありませんので、よくわかりません。

 時計売り場の担当の方には、とにかく修理の見積もりをしてもらうことにしました。最低でも1万5千円前後になるとのことでしたが、理由も知りたかったのでお願いしました。
 これまで、毎日正確に時を刻んでくれた時計に対する、感謝の気持ちからでもあります。

 2週間後に連絡があり、修理費用は1万7千円とのことでした。そして、中の部品が相当サビを生じていて、修理をしても防水機能は望み薄であることと、動かせても数年持つかどうか、ということでした。
 それを聞いて、私はすぐに新しい時計を京都の時計店で購入しました。

 今回の時計はシチズンの普通のものなので、特にどうということはないものです。しかし、とにかく軽いのと、ソーラーパネルで充電するタイプで、日付と曜日もわかるものなので、これにしました。文字盤が夜でも見られる蛍光板だったことも気に入りました。
 写真の左側がこれまでの時計で、右が今回新たに購入したものです。



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 今日、修理することを断念した時計を受け取りに行きました。そして担当の方は、いろいろと詳しく説明してくださいました。希望が持てない状況を伺った後、時計の管理についても教えてくださいました。
 車に車検という定期点検があるように、時計も3、4年毎に点検すべきだそうです。毎日頼りにするものなので、なるほどと思いながら、丁寧なアドバイスを伺いました。
 そして、見積もりにかかる費用は不要だとのことでした。
 ロフトといい、伊勢丹といい、利用者にとってはありがたい対応です。お店としての信頼を勝ち取る意味でも、いい方針だと思います。

 そしてお世話になったお礼を言って帰ろうとした時に、対応してくださった方は、

「お役にたてなくて申し訳ございませんでした。」

とおっしゃったのです。
 私は、この言葉の美しさに感激しました。なんと相手の気持ちを思いやった、すばらしい日本語ではないでしょうか。日本人として、このような人間関係を円滑にする言葉を、それも自然なコミュニケーションの流れの中で口にできる方がいらっしゃることを、誇りにしたいと思います。
 「お役にたてなくて … 」という言葉は、相手の失望や落胆を和らげる、暖みと思いやりと心配りのある表現です。このような日本語を、マニュアルにあるからではなくて、臨機応変にさりげなく上品に使っていきたいものです。



posted by genjiito at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | *身辺雑記