2008年01月14日

井上靖卒読(22)『青衣の人』

 この作品を読むのは3回目です。1981年と1990年に続いて、今回また読みました。
 それなのに、どうしたことか、まったく内容について記憶がないのです。
 これが、井上靖の小説の特徴なのかもしれません。

 道介・暁子・れい子の3人が織りなす恋愛物語です。どこにでもありそうなトラブルをめぐる話が展開します。

 2人の女性は、美しく描かれています。しかし、私には、人工的に見えました。2人の同性としての愛情の香りは、井上が男の感性として掴んだものなのでしょうか。女性に、本当にこのような感情があるのかどうか、知りたくなります。

 道介は、非常に冷静です。概して、井上の作品に登場する人物は、そうした設定が多いのです。そして、常識から少しはみ出す所に、物語展開のおもしろさを見せてくれます。

 最後の終わり方は、あまりにも唐突でした。なぜこうなのか、私にはわかりません。

 10年後あたりに、またこの作品を取り出して読んでいることでしょう。【3】



初出誌︰婦人画報
連載期間︰1952年1月号〜12月号
連載回数︰12回

角川文庫︰青衣の人
井上靖小説全集1︰猟銃・闘牛
井上靖全集9︰長篇2


映画の題名︰離愁
制作︰松竹
監督︰大庭英雄
封切年月︰1960年8月
主演俳優︰岡田茉莉子、佐田啓二




posted by genjiito at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | □井上卒読