2007年08月02日

読書雑記(2)『パール判事』快著誕生

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 中島岳志氏の『パール判事 東京裁判批判と絶対平和主義』(白水社、2007.8.15、1,800円)が刊行されました。
 新進気鋭の手になる、読みごたえのある本です。内容は固い印象があります。しかし、若い人に、ぜひ読んでもらいたいと思います。学校で教わったこととは違う、視点を新たにした近現代の歴史が立ち現れてくることでしょう。

 中島氏の文章は、いつものことながら語り出しがいいですね。描写が生き生きとしています。話を聞きたくなります。希有の文才を持った若者です。

 本の内容は、パールという人物について<東京裁判>を中心に据えて、冷静に読み解いていきます。
 あとがきに、「本書では「パールの論理」を描くことはできても、「パールという人間」を描くことは出来なかった。」(303頁)とあります。著者の意図はともかく、パールという人物に真正面からぶつかった中から、私にはパールという人間がイメージできたように思います。
 中島氏は、パールを直視します。知りうる限りのことを語ろうとしています。パールの論理展開と歴史認識を辿る中島氏の姿勢には、好感が持てます。

 一つだけですが、欲を言えば、アメリカによる原爆投下について、やや詳述を避けたのではないか、と思われるのですがどうでしょうか。
 次は、中島氏の原爆投下についての意見を聞きたいものです。

 本書については、述べたいこと、紹介したいことがたくさんあります。今はこれ以上書く時間がないので、日を改めることにします。
posted by genjiito at 00:03| Comment(0) | TrackBack(1) | ■読書雑記