2020年11月25日

[学長ブログ]会議続きの後の茶道教室

 今日は、「国際交流委員会」「人事委員会」「将来構想戦略委員会」と、重要な議題を扱う会議が続きました。
 そして、息つく間もなく「茶道教室」。これは、和やかに楽しくお茶の基本を体験する、学びの2時間となりました。
 今日一番のポイントは、みんなでお茶を点てたことです。
 以下、写真の列挙で追体験をしてください。

 今日も、宗晶先生が綿密なプランを立ててくださいました。
 以下の通りに進んでいきました。

1)客、席入り。(挨拶、軸、花、釜、棚 の拝見。席入り。)

2)お菓子お運び(佐久間先生、湯浅先生、お運びをよろしくお願い申し上げます)

3)宗鉃先生、佐藤課長、佐久間先生、湯浅先生、佐藤宗晶もお菓子をいただく。

4)お菓子皿を下げる。

5)宗鉃先生が、丸卓入子点(総飾り)の御点前をお始めになる。

6)宗鉃先生が一服お点てになった茶は、佐藤課長にお飲みいただく。

 宗晶がその間写真を撮ります。

7)宗鉃先生、イレギュラーになりますが、佐藤がお客様へのお茶碗を後ろに置きますので、各茶碗に抹茶とお湯を入れていただけますでしょうか。
 それを佐久間先生、湯浅先生、ゴム手袋を装着なさり、お客様にお出しくださいますか。
 佐藤はお湯に通しておいた茶筅をお客様に渡します。
 お客様がご自服(自分で点てて飲むこと)で飲んでいただきます。
 点て方もお教えしますし、衛生面でもよろしいのではないかと存じ上げます。

8)宗鉃先生、その後入子点をお続けくださいますか。

9)総飾り、ご挨拶。宗鉃先生御点前お仕舞。

10)談話、振り返り、片付け。


 まずは、袱紗の扱いから。しっかりとメモを取る方もいらっしゃいます。

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 席入りの時の襖の開け方も、2回目となると動きが自然に見えます。

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 お花や釜もしっかりと見てもらいます。
 お花に関しては、あらかじめ宗晶先生からは次の報告が届いていました。

茶花は
山茶花(サザンカ)
榊(サカキ)の実
石蕗(ツワブキ)
等3種ほど花と実があります。
杉の葉も黄色く色づいているので手折って桶の中に入れておきます。
紅く色づいている葉がほしいのですが、高いところにあるので手が届きません。


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 私の今日の役割は、お茶を点てることに専念です。

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 そして、宗晶先生のご指導よろしく、みんなで一斉にお茶を点てました。壮観です。

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 終わってからの雑談が、これまた楽しいひと時となります。5時に始まり、7時に終わりました。みなさま、お疲れさまでした。
 今回は男性がお休みだったので、次回は、もう少し男性にお声掛けして呼んできましょう。

 その後は別の場所に移り、よもやま話に花が咲きました。気がつくと、守衛さんに締め出しを食う9時でした。大急ぎで帰ることになりました。
 楽しくお稽古をし、おいしいお菓子とお茶をいただき、篤く語り合うという、充実した一日が終わりました。
 
 
 
posted by genjiito at 22:27| Comment(0) | ■大学新生

2020年11月24日

エスペラント訳『源氏物語』の2種類を紹介

 阪大生協の方が今日、かねてより注文していたエスペラント訳『源氏物語より六帖』を総合研究棟6階の伊藤研究室に届けてくださいました。待ちかねていた本です。多くの翻訳本を発注している中で、こうして実際に手に入るのはほんの一部に限られています。その意味からも、根気強く発注を繰り返し続けてくださるお2人の特任研究員には、今回も感謝しています。

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 これは、2017年に初版が発行された小冊子(やましたとしひろ、ベルモント出版、91頁、Ver.1 2017-01、Ver.2 2017-09、Ver.2.1 2018-10)です。収録されているのは、8花宴、11花散里、16関屋、27篝火、30藤袴、38鈴虫の6巻です。
 各巻の扉には、尾州家河内本の巻頭が影印本で一丁分が転載されています。次の左頁にエスペラント訳、右頁に大島本の校訂本文と、見開きで読める形式です。
 一つの巻が終わると、QRコードが添えてあり、エスペラント訳の音読を聴くことができます。これは貴重です。また、各巻末には、登場人物系図に年齢が書き加えてあり、読む人への配慮がなされています。

 この2017年版を元にして、今年2020年6月に新装版が刊行されました(383頁)。「当時の日本語音韻にもこだわった原文からの直接翻訳」だとあります。

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 わからないなりにも2種類のエスペラント訳を追っていると、各所に補訂の手が入っていることがわかります。後掲のウェブから印刷本にする間にも、さらには新装版として再編集して整理する際にも手が入れられているのです。倦まず弛まずエスペラントの普及を心がけておられることが、ストレートに伝わってきました。
 この本は、予定されている全4巻のうちの第1巻にあたり、01桐壺から20朝顔までの20巻分を収録しています。
 今後は以下の計画で各巻が収録されるようです。続刊が楽しみです。
○第2巻は21少女から33藤裏葉までの13巻分、
○第3巻は34若菜上から41幻までの8巻分、
○第4巻は42匂宮から54夢浮橋までの13巻分

 このエスペラント訳は、ウエブで公開されています。興味を持たれた方は、次のサイトをご覧ください。その壮大な世界に、圧倒されることでしょう。

「esperas! エスペラントの世界へようこそ」

「源氏物語 Rakontaro Genĝi」

「エス訳『源氏物語』Rakontaro Genĝi」

 なお、私はエスペラントはまったく理解できません。しかし、興味と関心があるために、本ブログでも何度か取り上げています。参考までに、以下にその一覧を掲示しておきます。
 また、盲教育史研究会に参加した折に、数人の方からエスペラントに関するお話を伺っています。目が見えない方々と点字の問題から、さらにはエスペラントへの関係については、まだ調査ができていません。これは本ブログで記事にもしていないことなので、いつか整理して報告します。

「源氏千年(76)エスペラント語訳『源氏物語』」(2008年11月30日)

「エスペラント訳『源氏物語』は33種類目の言語による翻訳」(2016年06月12日)

「エスペラント訳『源氏物語』の最新情報を更新」(2017年01月04日)

「やました氏のエスペラント訳『源氏物語』の最新情報」(2017年05月19日)

 
 
 
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ■科研研究

2020年11月23日

京洛逍遥(669)高野川を散策した後はお茶のお稽古

 Go To〜で京都市内はコロナ拡散の実験場と化しているので、連休の最終日は高野川を散策して比叡山の錦繍を楽しみに出かけました。ここなら、観光客には出会いません。
 途中で、上賀茂神社から流れて来る泉川の水路が、白川疎水へと分岐する泉川橋に出会いました。左に流れが曲がっている先が、白川疎水で賀茂川に向かっています。泉川はこのまま左下へと南下し、下鴨神社に至ります。珍しい分岐点を見ることができました。

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 高野川から望む比叡山は、錦繍とまではいかない、少しくすんだ紅葉でした。河原には、多くの鷺がいました。子供たちのようです。

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 一斉に飛び立った様子は壮観です。

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 左を見ると、民家の間から、京都五山の送り火で「妙法」の「法」の字が読めます。

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 至る所にタンポポやカタバミ(?)が咲いています。蝶も舞っているので、この川辺はもう春です。

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 比叡山を眺めながら北山通りを直進して、国際会館の方へ歩き続けました。

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 帰りに、北大路橋から如意ヶ岳の大文字がきれいに見えました。今年の夏は6点の点火で終わったので、来年はみごとな「大」の字を楽しみにしましょう。

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 夕方から、昨日はお茶のお稽古を自粛したので、急遽思いついて自宅で稽古をしました。お茶菓子は、よく行く近所の和菓子屋さんでいただいたものです。道具は、使い古しですみません。半年ぶりとなる、炉での入子点です。写真は、最初と最後の様子です。

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 妻にメモを読み上げてもらい、忘れかけた記憶を探りながらの、ぎこちないお点前でした。こんな頼りない形でも、折々にお茶を点ててみると、身体が少しずつ動き出すので不思議です。今週は、大阪観光大学で茶道教室があるので、いい予行演習となりました。
(追記:最後の写真の柄杓は、伏せるのを忘れています。失礼しました。)
 
 
 
posted by genjiito at 21:01| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2020年11月22日

京洛逍遥(668)大混雑の北野天満宮へ紅葉狩り

 この三連休は、絶好の紅葉狩りのはずです。しかし、全国的な新型コロナウイルスの猛威で、感染者数は留まることを知りません。関西も、日々増え続けています。自ずと、外出自粛です。
 今日は、大和平群へお茶のお稽古に行くはずでした。しかし、昨日にははやばやと、お休みの連絡を入れました。先週も、コロナを理由にお稽古を休んでいます。

 とはいえ、家に籠っていては身体が鈍ります。散歩がてら、近場の紅葉狩りということで、北野天満宮へ行きました。
 北野白梅町までバスで行くと、その人の多さには驚くばかりです。天神さんの鳥居の写真を撮るのも一苦労です。

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 人出が引くのを待つために、食事をしようとしても、周りのお店は長蛇の列です。参道は、まさにラッシュアワーです。帰るタイミングを測りながらの参拝となりました。
 境内に、三十六歌仙の扁額が懸かっていました。

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 歌仙絵があることは知っていました。しかし、それが三十六歌仙であるとは思いませんでした。興味と関心が、見ても心に留まっていなかったようです。織物で縫い上げた歌仙絵です。後で、この絵のことを調べてみます。
 もみじ苑に入ろうとしても、ここも多くの人が入園待ちをしておられます。まさに、入る前から密状態です。もみじ苑は諦めて、境内の紅葉を楽しむことにしました。

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 本殿の前も、三本の長い列ができています。いやはや、初詣を思い起こす状態です。

 上七軒をぶらぶらしました。過日、祇園のお茶屋さんに行ったので、この花街を見る目が違います。何でも、見たり聞いたり体験しておくものです。こんなに見え方が違ってくるのですから。

 行きたかったお店がお休みだったので、もと来た西大路通りに戻りました。北野白梅町も、嵐電に乗る人でいっぱいです。海外からの観光客はほとんど見かけません。Go To トラベルを利用しての国内の方々です。手にするガイドブックが日本語でしたから。

 それにしても、このコロナ禍での人混みは異様としか言いようがありません。幸い、行き合う方々が、みなさんマスクをしておられるのが救いです。このマナーはしっかりと守られているので、新しい日本の美徳と言えるものとなりました。くれぐれも、過密状態や無理な飲食が、感染被害の拡大につながらないことを祈るのみです。
 
 
 
posted by genjiito at 20:32| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2020年11月21日

何もしない日(11月-1)

 11月も、何かと慌ただしい月となっています。
 今日は、何もしない、何も考えない1日とします。

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 マグロは泳ぎ続けないといけません。
 しかし、寄る年波を自覚する日々に、そういつまでも身体は持ちません。
 そこで昨年から、何もしない日を毎月2回は作るようにしています。
 
 
 
posted by genjiito at 23:47| Comment(0) | *健康雑記

2020年11月20日

[学長ブログ]コロナ感染者に関して濃厚接触者なし

 本日、大阪市保健所から、先日の新型コロナウイルスに感染した学生に関して、「大学の学生や教職員に濃厚接触者なし」という連絡がありました。

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 被害が拡大することに危惧の念を抱いていたところだったので、安堵しています。
 教職員のみならず、関係するみなさまの迅速な対応に感謝しています。
 今後とも新型コロナウイルスの感染を防止すべく、マスク、手洗い、消毒、ソーシャルディスタンス、換気などなど、徹底した対処をしていくことを心がけたいと思います。
 
 
 
posted by genjiito at 20:18| Comment(0) | ■大学新生

2020年11月19日

アレッ!と思う時〈その10〉日々利用するバス

(1)バスの行き先表示が電光のLEDになり、文字や数字が読み取りにくくなりました。番号の数字を確認しているうちに、ドアが閉まり、過ぎ去ってしまうこともあります。元の印刷文字の表示に戻ることを待ち望んでいます。光の点が構成する数字や文字は、どうも視認性が劣るように思います。フォント(字体)の問題もあるかと思われます。

(2)バス停で止まるたびに、「お待たせしました。●●系統です。」と言ってくださる運転手さんがおられます。乗ってしまうと、自分が何号系統のバスに乗っているのかわからないので、これは大いに助かります。本当は、車外だけでなく、車内にも何号系統のバスか常に表示すべきことなのですが。

(3)後乗り前降りのバスで、乗ると必ず前のスペースに詰め寄って来られる方がおられます。前降りのバスは、運転席の横に料金箱があるため、先細りにすぼまっています。そのために、降りる方がなかなか降りられません。キャリーバッグを持っていた場合は悲惨です。心理的に、人は前に詰める習性があるのでしょうか。前乗り後降りの方式は、京都ではまだまだ実験中です。

(4)バスで、女性の運転手さんが増えてきました。マイクを通した声がよく通るので、いいことだと思います。特に年配の男性は、マイクを通した声がボソボソしていることが多く、聞き取れません。さらに、不機嫌そうに喋る方は、中高年の男性に限られています。その理由は、いまだにわかりません。

(5)バスの運転手さんが、以前に増して格段にイメージアップしていて気持ちがいいほどです。特に、マイクを通してしゃべる様子が、数年前とは比較になりません。バスに乗って、この車内放送で不愉快な思いをすることは、ほとんどなくなりました。若い運転手さんは、幼い頃に不機嫌な対応をする運転手さんに出会ったことから、そうならないようにという意識の表れではないか、と勝手に思っています。これはいいことです。

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 この「アレッ!と思う時」という記事は久しぶりです。
 これまでの9回の記事を一覧にしました。
 おついでの折にでも、ご覧ください。
「アレッ!と思う時〈その9〉加齢と老化の兆し?」(2020年04月10日)

「アレッ!と思う時〈その8〉不便に感じること」(2019年06月26日)

「アレッ!と思う時〈その7〉加齢と老化の兆し」(2019年05月27日)

「アレッ!と思う時〈その6〉集中力散漫」(2018年12月26日)

「アレッ!と思う時〈その5〉少し認知症?」(2018年07月26日)

「アレッ!と思う時〈その4〉日々の中で」(2017年12月03日)

「アレッ!と思う時〈その3〉電車の中で」(2016年09月07日)

「アレッ!と思う時〈その2〉日本語あれこれ」(2016年08月13日)

「アレッ!と思う時〈その1〉指を見つめる」(2016年08月10日)

 
 
 
posted by genjiito at 20:05| Comment(0) | ◎国際交流

2020年11月18日

[学長ブログ]コロナ感染者発生のため11月19日〜20日は休校

 大阪観光大学のホームページ「重要なお知らせ」に、「2020.11.18 【重要】本学における新型コロナウィルス感染者の発生について」(https://www.tourism.ac.jp/news/cat1/7754.html)と題するニュースが掲載されています。
 大学に所属する学生1名が、昨日11月17日(火)のPCR検査において、新型コロナウイルス感染が確認されたことを受けて、速やかに公表したものです。
 今後は、感染者の行動などの調査を保健所と連携して行うと同時に、学内での感染症対策として、引き続き学内の消毒を徹底的に行ないます。そのため、11月19日(木)〜20日(金)の授業は休講となります。
 100名単位のオンデマンド授業は、予定通り実施されます。
 11月23日(月・祝)からは、通常の対面授業を行う予定です。

 なお、11月21日(土)の入試は、文科省のガイドラインを厳守する形式において、学内の消毒を徹底して感染対策を万全に講じた上で、当初の予定通り実施されます。
 大学のホームページ「入試情報」に、「【重要】11月21日(土)に本学の入学試験を受験される方へ」(https://www.tourism.ac.jp/news/cat6/7758.html)と題するお知らせを掲載している通りです。

 さらには、明日19日(木)に学内の国際交流サロンで開催を予定していた「初心者講座「古写本『源氏物語』のくずし字を読む」(第3期-第3回)」(担当:伊藤)は、上記の関連で中止となりました。
 今後のことは、またあらためて連絡いたします。
 
 
 
posted by genjiito at 19:22| Comment(0) | ■大学新生

2020年11月17日

手渡されたのは「消化器内ガス除去剤 ガスサール」

 大阪大学箕面キャンパスの周辺は、秋色に染まって来ました。
 研究室がある総合研究棟6階から、大阪モノレール彩都西駅方面を望みました。


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 温かい一日だったので、景色も穏やかです。

 科研の仕事は、研究協力者である特任研究員、技術補佐員、アルバイトのみなさまのお陰で、順調に進展しています。年度末までに調査研究を終えるために、ハイペースで資料整理などが捗っています。週一日しか箕面に行けなくなったために、みなさまにはお世話になりっぱなしです。いいスタッフに恵まれました。感謝の日々です。

 昼食のお弁当をいただいた頃から、鼻がグスグスし出しました。そういえば、今朝は咳が出ていました。風邪のようです。新型コロナウイルスに加えてインフルエンザが心配される中、ニュースが「【速報】京都、最高レベルのコロナ特別警戒基準に 17日正午段階で32人感染確認」と報じていることを教えてもらいました。これは大変です。
 研究室のみなさんには、体調不良もあり少し早めに帰宅することを伝えて、研究棟の真下のバス停に急ぎました。そのバスの車中で、今度は急に腹痛に襲われました。ちょうど半年ほど前に、突然の腹痛に端を発して、私は緊急の開腹手術をしています。
「京大病院で開腹手術をするまでのこと(1)」(2020年05月31日)
 すぐに再発したかと思い、とにかく家路へと急ぎました。バス電車バスと乗り継ぐ間も、痛みを堪えて歩くのが大変でした。額からは脂汗が滲み出ます。

 家に帰ると、すぐに横になりました。少し休んでいると、痛みは治まりました。お腹が空いてきたので、お寿司を口にしました。すると、また腹痛です。近所のかかりつけのお医者さんの診察時間ギリギリに駆け込み、今日一日の状況を説明しました。私の身体のことはよくご存知の先生なので、すぐにレントゲンを数枚撮り、詳しく説明してくださいました。
 体内の各所にガスが溜まっており、ちょうどお腹の辺りのガスの塊が内蔵を圧迫しているようだ、とのことです。確かに、目の前のモニタに映し出されたレントゲン写真で、そのことはよくわかります。私は、消化器官をいくつも切除しているので、内蔵の数は少ないのです。そのためもあって、溜まったガスがいたずらをしているのでしょう。ただし、過日の「絞扼性腸閉塞」ではなくて安心しました。命に別状はなさそうです。
 渡された薬が「消化器内ガス除去剤 ガスサール」(東和薬品)です。冗談かと思うほどにわかりやすい薬の名前です。これを飲んで、体内のガスをなくすことになりました。他に、風邪薬も処方していただきました。
 これで一安心です。
 明日は一転、和歌山方面に向かいます。今夜は、ゆっくりと身体を休めます。
 
 
 
posted by genjiito at 22:02| Comment(0) | *健康雑記

2020年11月16日

薬剤師さんから教わった自然のままにという考え

 非常に個人的なことながら、久しぶりに感化を受けた出来事がありました。
 最近、洗髪後に抜け毛が気になっていました。加えて、白髪が目立つようになったことも。
 そこで、近所のドラッグストアへ育毛剤を探しに行ったところ、対応してくださった薬剤師さんの話に感銘したのです。ご自分のことやお父さんの例を話される中で、自然の成り行きにまかせ、自然のままの生活が一番いいですよ、と。

 私の髪は歳相応なので、抜け毛があってもそんなに気にしなくてもいいそうです。自然に抜け、自然に生えているので心配はないとも。そして、髪を染めると傷むだけでいいことはないし、止められなくなるとのことです。今のままの自分を大切にし、おしゃれに生活すればいいと思いますよ、と人生観を交えて話してくださいました。

 実は、テレビでよく宣伝している発毛効果が高い医薬品を購入しようと思っていました。しかし、その価格に逡巡しているところで相談したことがよかったようです。
 その医薬品は、効果が出るまで4ヶ月使うと、3万円もかかるのです。そして、それは止めると効果がなくなっていくので、また使うというサイクルになるのだとか。それよりも、今私が二十歳の頃から使い続けているメリットというシャンプーだけで、十分に今のままの髪が維持ができるのだそうです。そして、巧みに感じのいい髪型だと褒めてくださいます。

 そして、自然にグレーから白くなっていくのも、私らしい風貌になり、それでいいのでは、とおっしゃるのです。そんなことを気にするよりも、今のままで自分を大切にして自信をもって生活し、おしゃれな70歳を迎えたらいかがですか、とも。なかなか巧みな語り口ながら、商売っ気なしの、ざっくばらんな話しぶりに、聴き入ってしまいました。そして、それもいい考え方だな、と思うようになりました。
 いずれロマンスグレーになっても、私はまっ白にはならないようです。そして、自然に任せているうちに、抜け毛は少なくなるそうです。そのことばを信じて今日から実践する気になりました。そして、何も買わずに、というか、いつも使っているメリットシャンプーの詰め替えを、いいお話を聞いた記念にいただいて帰りました。

 ということで、今日からは清潔なヘアスタイルだけを心がけることにします。日々、しだいに白さが目立つかも知れません。しかし、それが自分らしい味になるのであれば、それもまたいいものだと思うことにします。どうなるのか、これからが楽しみです。
 一人の薬剤師の方に出会い、自然のままにということばに惹かれたのも、何かの縁のように思います。
 
 
 
posted by genjiito at 21:22| Comment(0) | *健康雑記

2020年11月15日

京洛逍遥(667)突然の休息日となり府立植物園を散策

 賀茂川はポカポカ陽気です。今日は大空を舞う鳶が多くいました。急降下をしてきて襲われそうなので、緊張します。

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 北山はまだ色づいていません。左に送り火で有名な船形の帆が見えています。右の半木の道は、冬の小径です。

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 天気も穏やかなので、半木の道の東に拡がる植物園へ行きました。
 来年から、無料パスがいただけます。あと1年が待ち遠しく思われます。
 今日はいつもに増して多くの親子連れで賑わっていました。

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 比叡山の山頂も顔を覗かせています。

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 レストハウスで軽食をいただきました。席の目の前には、ムラサキシキブや百日草が咲いています。

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 広場の一画には、菊で飾られた車と、カバが背中に小さな動物を乗せた菊人形が飾られています。

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 菊花展を見ていたら、ご近所の方と出会いました。みなさん、陽気に誘われて近場の植物園へお散歩に出かけて来ておられるのです。

 昨日の東京行きが、新型コロナウイルスの第3波襲来により中止となりました。
 今日は、奈良にお茶のお稽古にいくはずでした。しかし、これもこのところの関西圏でのコロナ感染者の増大のために、外出を自粛することにしました。
 植物園は空気も浄化されているようで、気持ちよい散策ができました。
 2日間もの久しぶりの自宅待機で、ありがたい英気を養う休息日となりました。
 
 
 
posted by genjiito at 18:00| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2020年11月14日

京洛逍遥(666)色づき出した比叡山と高野川

 高野橋から比叡を望みました。この山肌は、これから日に日に黄みや赤みが増していきます。
 今年はどんな鮮やかな斜面を見せてくれるのか、大いに楽しみです。

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 下流の川沿いは、色鮮やかな紅葉の散策路が続いています。

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 この高野川の川下に下鴨神社があり、出町柳に出ます。そこで賀茂川と合流して鴨川となり、三条や四条へと流れて行きます。

 この高野川の散策路は狭いので、あまり歩くことはありません。対岸から見るのが好きです。
 
 
 
posted by genjiito at 20:17| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2020年11月13日

仕事帰りの電車が運休のため小旅行となる

 大阪観光大学の構内は、いま紅葉がきれいです。

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 こうした景色を見ていると、何気なく置かれたイスも、何やら芸術的に見えてきました。

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 一昨日から新型コロナウイルスの感染者が急増したため、大学から帰る時間を早めないと感染リスクが高まります。和歌山寄りで関西国際空港に近いところから、大阪市内を北上して京都の洛北まで帰るのです。3時間半はかかります。
 今日は、珍しく午後の会議が一つだけだったので、早々に大学の門を潜りました。
 日根野駅に着いたところ、改札口に多くの人が集まっています。駅員さんが、人身事故のために電車が停まっていることを、丁寧に説明しておられます。
 京都に帰るためには、いつものJR以外に、迂回して南海を使う選択肢があります。そのためには、日根野駅と関西空港駅の間にあるりんくうタウン駅へ1駅足を延ばし、そこから南海に乗り換えます。
 りんくうタウン駅で降りるなら、ついでに駅前にある回転寿司屋に寄ることにしました。そこは、広くて清潔感のあるお店です。
 食事をして帰る頃には、電車は復旧していました。JRでも構わないと思っていたら、ホームに入ってきた電車は南海でした。しかも、鉄人28号のラピートだったのです。ここは、JRと南海が相互に乗り入れている駅です。どれに乗っても良かったので、久し振りにラピートに乗りました。

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 お客さんは、1輛に二、三人とゆったりです。少し贅沢ながらも、うつらうつらと居眠りをしながら帰りました。小旅行をした気分でした。
 
 
 

posted by genjiito at 23:13| Comment(0) | ・ブラリと

2020年11月12日

明後日14日(土)の日比谷での源氏講座は中止です

 新型コロナウイルスの感染者の数が急増しています。
 大阪、東京、北海道の感染者の情報を、昨日から注意深く見つめています。
 東京は、昨日が317人、今日が393人。
 大阪は、昨日が256人、今日は231人。
 昨日からの一連の動きで、第三波の注意喚起が出ています。

 明後日14日(土)には、日比谷図書文化館で「古文書塾てらこや」の源氏講座が組まれています。本当に久しぶりの開講です。しかし、このままでは、私自身が上京できそうにありません。
 しかも、あろうことか今朝は、私が所属する大阪大学でも、感染者が出たというニュースが流れました。
 私は、糖尿病を患う高齢者です。周りが、こうした事態を心配してくださっています。

 ちょうど明後日の講座の準備をしていたところだったので、直前のことで私も大混乱です。
 もし感染等で陽性となれば、隔離となります。すると、現在順調に進展している大阪観光大学の再建の足を引っ張ることになります。
 今回の上京は、個人はもとより、大学運営においてもリスクが大きいのです。
 しかし、日比谷図書文化館の関係者は、いろいろと慎重に準備をなさっての開催だったかと思うと、気持ちが揺らぎます。
 そこで、「古文書塾てらこや」でまとめ役をなさっている先生に、もし可能であれば、別の日に移すなりの処置ができないかと、相談を持ちかけました。
 すると、しばらくしてから電話があり、状況を判断して新年正月も開催が難しいと思われることから、今回の私の3回講座は白紙に戻すことにしたい、とのことです。受講生のみなさまには、至急、電話で連絡をします、と丁寧で心の籠もった対応をしてくださることになりました。

 安心・安全を心がけての運営をなさっているので、いつも信頼して講座をお引き受けしています。本年2月15日の第19回から、ずっとお休みが続いていました。9ヶ月ぶりの開催も、こうして新型コロナウイルスが突如広まったことで、心ならずも中止となりました。新年2月以降の、新しい企画に望みをつなぐことにします。

 受講を予定していらっしゃった方々や、今回は受講できないという連絡をくださったみなさま、来春またお目にかかりましょう。再会の日を、心待ちにしています。
 そして、新型コロナウイルスには十分に気をつけて年末を迎えましょう。

 これで、モヤモヤとした不安がどうにか解消されました。
 
 
 
posted by genjiito at 20:39| Comment(0) | ■講座学習

2020年11月11日

新たな公開講座がスタートします

 本年9月24日から、初心者講座「古写本『源氏物語』のくずし字を読む」(第3期)と名付けた公開講座がスタートしました。初日の様子は、「初心者講座「古写本『源氏物語』のくずし字を読む」(第3期-第1回)」(2020年09月24日)を参照願います。

 これが好評なのを受けて、さらにパワーアップした企画、4人による新公開講座が来月、12月から始まります(伊藤のくずし字の講座は継続扱いです)。

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 今回からスタートする企画は、公開講座と言っても新しい考え方で取り組むものです。それは、「リカレント教育」を意識した講座である、ということです。
 私のブログ「社会人がもう一度学び直す「リカレント教育」について」(2020年09月22日)の冒頭に記したように、「義務教育や高等教育を終えた社会人が、新たなスキルを身につけるために学び直すこと。」と定義されていることを踏まえてのものです。退職者などの高齢者だけでなく、若・中・高年者が学びをさらに深めたり、学習をし直す方々が多くなった時代を意識したものとなります。大学は、18歳の若者世代だけを相手にするのではなく、こうした幅広い世代の学習意欲に応える学びの場であるべきです。その学びの場の提供という視点で、今回の企画を始めました。
 近在、地域の方々の参加はもちろんのこと、交通機関が発達しているので遠方であっても、月に一度、週に一度の学びに支障はないはずです。私などは、京都の北部から3時間以上をかけて大阪観光大学に通っているのですから、距離や時間はあまり問題にならないことかと思います。学ぼう、という想いの強さにも期待しての公開講座です。
 サテライト講座に通うつもりでお越しいただけると、共に楽しい時間が持てると思います。
 多くの方々のご参加を、お待ちしています。


posted by genjiito at 19:34| Comment(0) | ■講座学習

2020年11月10日

阪大から展示資料を運び込み大観大分室を立ち上げる

 大阪観光大学の構内は、新型コロナウイルスに警戒しながらも、落ち着きを取り戻しています。
 クレープ屋さんも、平常通りに営業をしています。

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 大阪大学の箕面キャンパスにある伊藤研究室から、科研の資料の内、翻訳本関係の書類や資料の一部を大阪観光大学に移動させました。阪大の特任研究員、技術補佐員、アルバイトのみなさまには、忙しい中にあっても荷造りなどに多くの時間を割いていただき、感謝しています。
 大阪観光大学の5号館6階の一室に、「阪大伊藤科研―大観大分室」を設けてもらいました。ここでは、来月から大阪観光大学図書館で3回にわたって開催する、翻訳本の展示会のための作業をします。また、科研の最終年度にあたり、資料整理などをこの分室でも行います。作業にあたるのは、この科研の最初の2年間にアルバイトとして手伝ってくれた学生5名です。
 今日は、男子学生2人が、阪大から送られてきた荷物の整理に当たってくれました。

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 阪大からの搬出が要領よく行われたことから、搬入も迅速にできました。ただし、今日はあいにく「ゴットの日」(5、10日)の上に道路工事が重なり、大幅に到着が遅れました。それにもかかわらず、運送会社の方の手際の良さと、学生の的確な対応で、とにかく無事に資料の移動は終わりました。
 明日からは箱を開梱し、資料や展示用の演示具などを整理してもらいます。
 12月からの展示に合わせて、箕面と熊取とでの連携プレーが始まります。
 学生同士には、自由に考えてやってもらうつもりです。これまでも、学生たちが主導的に動いて展示を行なってきたので、今回も安心して見ていられます。さらによい展示ができるように、みんなでスキルアップのための勉強もしていきたいと思います。
 
 
 
posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ■科研研究

2020年11月09日

京大病院での診察結果は良好でした

 何かと忙しくて、隔月上旬の月曜日に入れていた京大病院での検査と診察が、延び延びになってやっと今日になりました。仕事を熟すことと体調を気遣うことの優先順位が、いろいろ微妙になっています。
 消化管を持たない私は、内臓の耐用年数とされていた満63歳を、すでに6年も過ぎて余分に生存しています。出来ることを出来る内にやっていれば、いつ力尽きても悔いは残りません。その日が突然やって来て、みなさまにご迷惑をかけないように、体調管理には十分に気をつけて、お医者さまとは親しくお付き合いをしています。今は、京大病院と那須医院に、ささいなことでも頻繁に通って相談をし、診てもらっています。病院大好き人間の典型だ、と言われています。

 今日は、賀茂川沿いの紅葉を楽しみながら、ブラブラとくだって行きました。荒神橋の手前から病院を望みました。

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 iPS 細胞研究所の前を通って、病院の南口から入ります。東口などは、出る時だけにしか使えません。これも、新型コロナウイルス対策です。
 病院の前庭は色付いています。しかし、東山はまだまだです。

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 新型コロナウイルスの対処に我々が慣れて来たせいか、院内はいつもに増して多くの来院者で満ち溢れていました。
 まずは採血から。ここで、1時間ほど待たされました。
 採血が終わった後は、昨夜から絶食だったので、いつものように院内のレストランで「彩り和朝食」(635円)をいただきました。人数制限があり、広々とした所に数人しかお客さんはいません。ご飯以外は完食しました。

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 予約時間になっても、なかなか呼ばれません。予定の1時間ほど経ってから、ようやく診察室に入りました。先生は開口一番、検査機器が壊れたために、今日はヘモグロビン A1cの値は出ないのです、とのことです。血液検査の他の項目は出ているので、尿検査の値でこれまでと比べながら診察をしましょう、とのことでした。
 結局は、前回と大きく変わらないそうです。ただし、激務の中に身を置いていることだろうからということで、次回の来年正月の検査では「ビタミンB12」と「鉄」の検査項目を入れることにします、と、私の生活をよくご存知なのでいろいろと検査の調整をしてくださいました。体重は、47キロを前後しています。低体重で痩せ過ぎとはいうものの、タンパク質やその他の数値が初夏の手術からは少しずつ上がっているので、特に心配はないそうです。このまま、筋肉が落ちないように運動を続けるように、と心強いありがたいアドバイスもいただきました。
 これで、またしばらくは仕事に集中できます。
 最近は、朝食後の胸やけが激しくて、体調があまり良くないのです。お昼には良くなるので、その勢いで午後は仕事に専念できます。これについて先生は、消化管を摘出していて物がないのだから気にしないことだ、とのことです。医学的には、私の身体はまだ正確には説明できないそうです。この身体を操っている私は、貴重な存在なのです。胸やお腹が痛くても、苦しくても、とにかく上手く付き合っていくしかありません。医学的には、血糖値以外に異常は認められないのですから、その意味では健康だと言えます。
 見た目は悪くても、中身は、内臓はしっかりと機能しているので、まだまだ働けます。
 これから年末に向けて、新型コロナウイルスとインフルエンザには特に気を付けて、日々を送ることにします。
 夕方からは、薄暗くなった賀茂川へ、妻と散歩に出かけました。夕陽がきれいでした。
 
 
 
posted by genjiito at 22:18| Comment(0) | *健康雑記

2020年11月08日

3つのお祝いが重なった一日

 今日は、3つのお祝いが重なった日曜日でした。
 まず、孫の七五三参りがありました。
 右のお姉ちゃんの着物は、私の母と姉の手作りです。
 いや、母が作った着物を娘が着て、それを姉が直して今回孫が着たようです。
 左の妹の方の洋服は、妻の手作りです。
 複雑なので、大体そんなところです。

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 そして、私の誕生日と、妻との結婚記念日のお祝いも今日です。
 誕生日と結婚記念日が同じだと、何かと便利です。

 二人の息子が、久しぶりに来てくれました。
 息子二人が揃って我が家に来るのは、何年ぶりのことでしょうか。
 ワインとチーズでお祝いをしました。
 子供たちはみんな、それぞれに前に向かって進んでいるので、報告を聞くだけです。
 何も言わずに黙って見ているだけなのに、それも結構楽しいものです。
 
 
 
posted by genjiito at 23:50| Comment(0) | *身辺雑記

2020年11月07日

[学長ブログ]虹色の明光祭-2020

 今日と明日は、大阪観光大学の大学祭である「明光祭」の日です。今年は、新型コロナウイルスのため、開催が危ぶまれていました。しかし、大学祭関係者の慎重かつ英断により、「虹色の明光祭-2020」が、対面とオンラインを併用しての開催となりました。

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 明浄ホールに YouTube の中継スタッフが入り、オープニングからネットにライブ配信です。第一声を発したのは、実行委員長のニコラス君です。

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 彼は、1回生だった3年前に、私の科研で翻訳のアルバイトとして、手助けをしてくれていました。今、4回生となり、立派にこの一大イベントを差配しています。二回りも三回りも、大きく見えました。
 私の役割は、彼に促されるままに、開催にあたっての挨拶をすることです。
 このコロナ禍での開催の意義と、今日までの綿密な計画を推進してこられた関係者に敬意を表しながら、手短かに話しました。感染拡大を防ぐために、「大いに盛り上げていきましょう。」という言葉は禁句です。つい言ってしまったために、すぐに「大いに楽しみましょう。」と、表現をソフトに言い換え、言い直しました。社会情勢に、いろいろと気を遣います。
 大学祭を対面式で行う大学は、あまりありません。この、ネットと会場参加を慎重に使い分けた、新しいスタイルの大学祭が無事に楽しく終わることを願うばかりです。

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 吹奏楽部の演奏が始まるや否や、私は次の会場に移動です。1号館から一番遠い5号館に急いで駆けつけ、弁論大会のお手伝いです。

 「大阪観光大学 第11回留学生日本語弁論大会」は、7名の留学生が、日本語で各々のテーマを論じます。今回は、全員が1回生ということで、その話し振りを楽しみにしていました。最初に開会の挨拶をしました。そして審査員の紹介の後、ベトナムとバングラディシュからの留学生の弁論が始まります。
 予想以上の語り口で、これからさらなる上達が期待できます。
 ここで私には、採点という役割が振られていました。評価項目は3種類あります。「内容・構成(10点)」「運用力(10点)」「言語力(10点)」で30点満点。それぞれがさらに細分化されており、24種類の評価基準で採点をします。高得点者は順に「最優秀賞」と「優秀賞」を、それ以外の中から「特別賞」を選定します。
 表彰式では、3名に賞状を渡しました。それ以外の学生には「参加賞」を渡しました。
 最後に、参加者全員と記念撮影です。最優秀賞のチャン ティ ハオさん(ベトナム)は真ん中でトロフィーを持っています。その右のグエン スアン イェン チンさん(ベトナム)が優秀賞、後ろで賞状を持っているのが特別賞のビスワスショーミトロ君(バングラディシュ)です。

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 今回、「最優秀賞」を取ったチャン ティ ハオさんは、審査員3人が一致して最高得点でした。感動的な内容で、会場では目を潤ませている方がチラホラ。かくいう私も、思わず知らずジーンと来て、審査員という立場もあり困りました。
 その時の原稿が、本人の了解が得られたので、以下に全文を引用します。表情豊かに、表現も巧みに、会場を魅了しながらの熱弁でした。それを、ここで文字で読むのは臨場感に欠け、無粋であることは承知です。しかし、ほんの少しでもその内容が伝われば、との思いで、あえて掲載します。

■弁論大会優勝者原稿■
 皆さん、おはようございます。
 今日は、私が来日したばかりのころに経験した「おもてなし」について皆さんにお話ししたいと思います。
 私は留学を準備した時、日本の様々なことを調べました。「本音と建て前」や「おもてなしの心」などの日本の文化も学びました。世界中の人々、特に日本で暮らしている外国人は、日本の「おもてなし」という心の文化のことを、少なくとも、知らない人はいないと思います。例えば、日本の店に入ると、スタッフは丁寧に笑顔で「いらっしゃいませ」と挨拶してくれるし、席に座ると、すぐにお水とおしぼりがきます。また、帰る時もスタッフが出口まで見送ってくれます。このような日本の文化は、自分で体験することにより、一層深く感じられるのではないかと私は思います。
 2019年1月から、私は留学生として群馬県の日本語学校に1年3か月通っていました。最初は、世界で有名な日本の接客はどんなものかしりたくて、アルバイトを探しました。有難いことに、学校の先輩から中華料理店のアルバイトを紹介してもらえました。研修期間に入って、店長と皆は優しく教えてくれました。しかし、接客は簡単ではないこと、ただメニューに書いてある料理の名前や基本的な挨拶を暗記さえすれば大丈夫だというのは間違いだったということが分かりました。お客さんから「日本語が上手だね」、「すごい、頑張っているね」など褒められたときは、本当に嬉しくて、普通より時間が早く過ぎていくように感じました。その一方で、お客さんから質問されて、答えられなかったり、クレームを受けたりしたこともありました。たくさんの思い出のある職場ですが、そこで出会ったあるお客さんの言葉は今でも覚えています。そのお客さんは今でも私がずっと「ありがとう」と言いたい人です。
 ある土曜日の夜7時ぐらい、店は少し混んでいて、注文待ちのお客さんがいました。私は疲れていましたが、笑顔をたやさず、1番のテーブルでオーダーをとりました。そのお客さんは瓶ビール2本を注文されました。普通瓶ビールは冷蔵庫から出して、お客さんに渡すのですが、私は隣にあるカゴの中から出して、常温瓶ビールをお客さんに渡してしまいました。私はその事に気づかず仕事を続けました。なぜその時冷蔵庫の中にある物ではなく常温のビールをとったか未だにわかりません。当然のことですがお客さんに「すみません」と呼びとめられ、不安な気持ちのままテーブルに行くと、お客さんは「これ、飲めないよ、このビール」と常温瓶ビールを指(さ)して少し怒っているようでした。すぐに自分の過ちに気付き、「申し訳ありません。すぐ交換させていただきます。」と私は謝りました。困惑している私の姿を見て、そのお客さんは微笑んで「もういいよ、早く持ってきて」と先より少し優しい声で言いました。その後は緊張してしまって、作り笑いしかできず、つらいまま仕事を続けました。一時間ぐらい後、私は、下げた物をキッチンの方に持って行っているとき、大きな声で「ハオさん」と自分の名前を呼ばれました。誰に呼ばれたかわかりませんでしたが、「はい」と答えました。「ごちそうさまでした、また来るよ。お前の笑顔は素敵だよ。」という声が聞こえ、レジのほうを見ると、さっきの1番テーブルのお客さんでした。他のお客さんは急にシーンとなり、私の方を見ました。ずっと落ち込んでいた私はそのお客さんに「ありがとうございました」と言って、すぐキッチンのほうに走りました。お客さんに言われた言葉で我慢していた感情があふれ、涙が出てきました。私はとても嬉しかったです。マネジャーは「それはハオが知りたかった’おもてなしの心’だよ」と私に言いました。その土曜日のあと、その方は店の常連客になってくれました。このことはとても貴重な経験になりました。形だけのサービスでお客様は満足できません。相手の気持ちを考えることが真(しん)の「おもてなし」であり、心からの行動こそが大切なのだと私は思いました。そして、この経験が大阪観光大学を選んだ理由の一つになりました。
 これから、大阪観光大学で憧れていた日本の素晴らしい文化、「おもてなしの心」を一生懸命頑張って、勉強したいと思っています。
 ご清聴、ありがとうございました。


 午後は、「大阪観光大学 第2回英語弁論大会」が、同じ会場でありました。
 8人の学生が、英語でスピーチをします。日本人2人、バングラディッシュ人3人、中国人3人が熱演を展開しました。
 私は審査員ではなかったので気楽に聞いていました。しかし、賞状を渡す役を頼まれました。
 最優秀賞は平林秀隆君(日本)、優秀賞は張 馬亜諾君(中国)、そして特別賞がウディン モヒン君(バングラデシュ)でした。それが終わると、突然ながら最後に挨拶を、とのことです。何とか責を塞ぐことはできたものの、予定になかったことがいろいろと入ると戸惑います。慣れなくてはいけません。
 いくつか、気づいたことがあります。午前中の留学生による日本語でのスピーチは、身振り手振りはまったくない、パフォーマンスのない、まさに日本式の弁論が展開していました。しかし、午後の英語によるスピーチでは、両手が動きます。参考までに、平林君と、昨年度最優秀賞を受賞したゲストの増本結友さんの姿を紹介します。

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 こうした違いは、どこから来るものでしょうか。
 最後に、参加者全員で記念撮影です。

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 この後、しばらく歓談が続いていました。
 すばらしいスピーチコンテストでした。
 みなさま、お疲れさまでした。

 なお、本日と明日のライブストリーム(YouTube 版)は、[https://www.youtube.com/user/OsakaKankoDaigaku]でご覧いただけます。
 ご自宅でお楽しみください。
 
 
 
posted by genjiito at 22:12| Comment(0) | ■大学新生

2020年11月06日

[学長ブログ]野球部のグランドを実見して

 大阪観光大学のコリドールの前は、鮮やかに発色した木々が気持ちを和らげます。
 個人的にもいろいろとあった夏からの数ヶ月、この並木は本格的な秋の到来を実感させてくれます。
 天災や人災で、地球の自然環境が大きく変わりつつある今。まだ四季の移り変わりが肌身に感じられる、この日本の気候風土に感謝します。

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 昨日、午前中の関西エアポート訪問でこれからの明るい再建のイメージを温めた後は、今秋、二部リーグで優勝した野球部の練習場所となっているグラウンドへ、車で連れて行ってもらいました。監督代行の佐藤弘樹さんから、これまでと今とこれからの野球部について、詳しい説明を聴きながらの2時間となりました。
 まず驚いたのは、敷地の入口に「大阪明浄女子短期大学 翔美会」という文字を刻んだ標石があったことです。「翔美会」は、卒業生たちの同窓会の名前です。

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 大阪観光大学の前身である大阪明浄女子短期大学は、当時40歳になったばかりの私を研究者に育ててくれた、恩愛に溢れる学校名です。この文字を見ると、さまざまな思いが去来します。文献実証を心がける研究者を自認する私ではあっても、この文字列を見ると途端に旧懐の情に引き込まれます。今回、今の職を引き受けて大学再建に微力を捧げているのも、この情愛に包まれているからこそです。

 さて、キャンパスを離れた山間の地にあるグラウンドを見て、恵まれた環境にあると思いました。

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 しかし、佐藤さんの話を聞いているうちに、再度の一部リーグ入りを果たし、これから関西を代表して神宮球場を目指そうとする若者たちに、さらなる支援として何ができるのかを考えるようになりました。破綻した大学の再建途上ではあるものの、何か方策はないものかと。若者たちの夢が叶うように支援することは、多くの学生や教職員においても達成感を共有できる機会につながります。
 そんなことを思いながら、グランドや周りの施設を見て回りました。そして、クラブハウスとでもいうべき更衣室の環境に、大いに問題があることを知りました。更衣ロッカーすらないのです。大きな姿見も、ガラスが割れていました。建物の裏のスペースも、部員の着替えなどに使われています。

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 使い古しの机に貼られていたシールに、また「大阪明浄女子短期大学」と書いてあるのに気づきました。今もこうして、大学のそこかしこで、その後の大学の発展を見つめているのです。

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 投球練習場は、雨が降ると使えず、ネットも傷んで来ています。

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 このグランドの周囲は崖なので、手狭なグランドのフェンスを越えて飛んで行ったボールは、回収は不可能だそうです。いろいろな維持に物入りだということでした。
 監督やコーチや外来者が休む部屋には、過日優勝を祝して贈呈した表彰状が飾ってありました。その表彰式のことは、「野球部優勝報告会と表彰式」(2020年10月23日)に詳しく書いています。

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 一枚の紙に文字が印刷されたものであっても、関係者には折々にその成果に至った意味を確認するものとなっているのです。一枚の表彰状が単なる飾りものではないことを知り、手渡した私もあらためて優勝の意義を再確認しました。

 野球部の寮にも立ち寄りました。「五門寮」はAとBの2棟が並んでいます。

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 この寮から大学までは、歩いて15分ほどです。
 今回、初めて大学の付属施設を見ました。若者の夢を叶えるためにも、それぞれが有効に活用されるような環境作りを、みんなと一緒に考えていきたいと思います。
 
 
 
posted by genjiito at 20:00| Comment(0) | ■大学新生

2020年11月05日

[学長ブログ]「関西エアポート」へご挨拶に行く

 関西国際空港の中にある関西エアポート(株)へ、学長就任のご挨拶をしに行ってきました。そして、空港のお膝元にある大学ということで、今後とも連携したお付き合いをお願いします、という気持ちをお伝えしました。
 関西エアポートは、関西国際空港(KIX)と大阪国際空港(ITAMI)、さらには神戸空港(KOBE)の運営をしている会社です。学長補佐をお願いしている中村真典先生の仲立ちで実現した面談です。
 お忙しい中を、三浦覚氏(常務執行役員、最高渉外責任者)、久保治之氏(渉外部 上席グループリーダー)、高垣昌仁氏(渉外部 グループリーダー)のお三方が対応してくださいました。
 三浦氏のお話は、航空業界の現状に始まり、日本の空港運営が民営化によりどのように変わったか、ということなどを、わかりやすく語ってくださいました。こちらからの質問にも、丁寧に答えてくださいました。今回の新型コロナウイルスによる甚大なる影響は、サーズの時の経験があるとはいえ、想像を絶するものがあるとのことでした。しかし、明るく前向きなことばが多かったことが印象的でした。
 これまで、会社と大学において、双方の行き来はまったくなかったので、現状において一緒にできることは何かを考えていくことで、共通の認識が得られたと思います。
 私からは、一例として、AIを活用した通訳や翻訳での共同プロジェクトの提案をしました。空港は、多国籍の人々が離合集散する場所です。さまざまな言語が行き交います。そうであれば、主要言語ではない、少数の人々が使う言語ならなおさら、多くの生きた会話の用例が集まります。それが、通訳や翻訳の精度を自ずと高めていきます。
 大阪観光大学としても、立地条件に恵まれた中でのAIを活用した通訳や翻訳のテーマを設定して、壮大な試験運用ができます。願ってもない夢を実現する課題となるはずです。これについては反応を示してくださったので、こちらからの具体的なプロジェクトの内容次第では、今後は楽しいおもしろいことができるかもしれません。
 関西エアポート側から、大阪観光大学を訪問したい、ということが出ました。それまでに、さらなるアイデアを集結して、夢のある話を共に展開できるようにしたいと思います。
 お話の中に、ロシアとミャンマーの空港に関して、今後に期待している旨の発言がありました。私なりの意見は、またの機会とします。特に、ミャンマーとのことについては、今年の3月に予定されていた角田光代さんとのイベントが延期になったままなので、時間をかけてでもこのことでお話をしたいと思いました。
 帰り際に、過日放映された、藤原定家が書写した『源氏物語』の話が出ました。私としては、待ってましたとばかりにお話をしたくても、もう時間がありません。とにかく、「『源氏物語』は41種類の言語で翻訳されていますから」ということを強調して、今日のところはおいとますることとなりました。
 このコロナ禍では、なかなかゆっくりとお話をすることは難しいと思われます。しかし、夢が語れる方々であることがわかったので、「またいつか」に期待したいと思っています。
 
 
 
posted by genjiito at 21:47| Comment(0) | ■大学新生

2020年11月04日

[学長ブログ]として/第21回協議会

 パソコンやネットワークの不調で、ブログ更新の効率が悪くなったため、先月末の10月31日に、[学長ブログ](http://gakutyo.sblo.jp/article/188080957.html)を、この[鷺水庵より]に引っ越すことにしました。
 その関係で、6月30日以来4ヶ月間にわたって大学の動向の「見える化」を意図した情報発信は、この[鷺水庵より]で報告することとなりました。

 一昨日の2日(月)の「9ヶ月ぶりの東京行き」(http://genjiito.sblo.jp/article/188088407.html)と題する記事は、本来なら[学長ブログ]で報告すべきものでした。それは、まだ[鷺水庵より]の記事に近いものです。しかし、今日の会議報告は、明らかに性格を異にするものなので、あらかじめ、今後はこのような記事もここで取り扱うことをお知らせしておきます。大学の教職員向けの情報ながら、今後はこうした記事もこの[鷺水庵より]に書きます。表題の先頭に、識別マークとして[学長ブログ]という文字列を付けるようにします。

 さて、本日大阪観光大学の明浄5号館で開催された第21回協議会では、以下の案件が審議され、また報告がありました。ほとんどが教務関連です。

【審議事項】
・次年度 学年暦について(連休の対処)
・ポートフォリオレビューについて
・英文卒業論文について
・卒業制作、卒業発表について
・今年度の卒業論文発表会について
・卒業判定について(継続)
【報告】
・研究生について
・入試広報に関して
・授業担当者の検討について

 これから、年度末に向けて、会議が多くなります。
 記録を残すということの意義を意識して、整理しながら報告していきます。
 
 
 
 
posted by genjiito at 18:45| Comment(0) | ■大学新生

2020年11月03日

京洛逍遥(665)植物園前と比叡山の紅葉と賀茂川の鳥たち

 散策の途次の秋景色を切り取りました。
 川沿いの紅葉が色づきました。
 左端には、送り火の船形が望めます。

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 比叡山を背景に半木の道と植物園前の散策路も、鮮やかな紅葉を見せています。

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 植物園の中も、色とりどりの花が咲き誇っています。
 晩秋とは思えない華やかさがあります。

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 目の前を一羽の鷺が、優雅な姿で通り過ぎて行きました。

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 鷺と鴨たちの様子は、見ていて飽きません。

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 一昨日の記事の最後に、次の文章を引用しました。

記憶力や認知力に関わる前頭葉を活性化させるには呼吸に意識を向けたり、一点を見つめたり、マントラや暗示の言葉を繰り返すなど、意識を集中させる瞑想を1回15分から1時間、一日に1、2回実践するとよいそうだ。


 今日は、まさにその実践です。
 川風が少し冷たくなってきた頃に、腰を上げました。
 
 
 
 
posted by genjiito at 18:04| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2020年11月02日

9ヶ月ぶりの東京行き

 この前東京へ行ったのは、本年2月15日でした。あれから9ヶ月ぶりに今日、上京しました。

 毎月1回、日比谷図書文化館の社会人講座「古文書塾てらこや」において、「変体仮名で『源氏物語』を読む」という講座を担当していました。それが、新型コロナウイルスのために休会となり、今月14日からようやく再開です。そんな中で、急遽東京で大阪観光大学の大学経営会議が設定されたため、今日の上京となりました。

 新幹線はガラ空きでした。私が乗った車輌は、10人ほどです。ただし、急病者の救護があり、到着が心配されました。もっとも、迅速な対処がなされたようで、遅れることもなく無事に東京に着きました。余裕を持って出かけていたので、東京での会議には影響はありません。

 会場となった市ヶ谷のZENホールディングスのビルは、今回の支援者である麦島氏の東京での活動拠点です。大阪観光大学とはウェブでつないでの会議となりました。
 教学部門を中心にしたさまざまな課題や、中期計画策定の課題の整理などなど、今後の「新生・再建」について、大学の経営という視点から、具体的に突っ込んだ話題で意見交換をしました。麦島氏の理念を伺いながら、大きな夢も交えた、有意義な会議でした。
 この大学経営会議は、毎月開催することで了解が得られました。議題の整理は、毎週大学側で開催する経営会議準備会で行われます。東京と大阪が連携して大きく動き出しました。

 その後、私学会館別館にある日本私立大学協会を訪問しました。常務理事で事務局長をなさっている小出秀文先生をお訪ねし、ご挨拶を兼ねての面談が実現しました。私立大学を運営する視点からの大学のあり方について、親しく語ってくださいました。大局からのご意見を伺い、私自身の立ち位置が見えました。直接ご教示いただけたことに、感謝いたします。

 いつもとは違う気遣いをしたせいか、新幹線の中ではストンと熟睡。満ち足りた思いで京都駅に降り立つと、また元気が湧いて来ました。
 人と会うことの大切さや、直接ことばを交わすことの意義深さを、あらためて痛感しています。対面に勝るものなし、と言える貴重な体験をした一日でした。
 
 
 
posted by genjiito at 21:14| Comment(0) | ■大学新生

2020年11月01日

年をとるほど脳が活性化する条件

 ウェブのニュースの中で、非常に興味深い記事と出会いました。
 <ハーバード大が突き止めた「年をとるほど脳が活性化する条件」>(『PRESIDENT Online』https://president.jp/articles/-/38459/エリコ・ロウ/2020年10月15日)というものです。

 最近私は、思い出せないことがよくあります。
 人名と数字は以前から思い出せなかったので、これについては諦めています。しかし、時間的な経緯が思い出せないと、いろいろな支障が起きます。お話をしていても、話題の前後があやふやになり、話がまとまりません。

 この記事は、最初にこう書かれています。

人の脳には加齢に抗する底力があることが近年の脳研究で明らかになってきた。脳は高齢になっても可塑性(自分とその周辺の状況に応じて変化する能力)を維持し、誰もが加齢に従って認知力の低下を体験するとは限らない。逆に中年以降に高まる能力もあるということなのだ。(中略)
 被験者の15%は高齢になってからのほうが若いときより記憶力が優れていたのだ。

 これは、聞き捨てならないことです。ワシントン大学の「シアトル縦断研究」の研究成果のようです。

 認知力においては、「若年層は単純作業には左右の片側の脳しか使わないが、高齢者では左右の脳を活用する傾向が見られ、活用する部位が多いほど成果は良い。」とあります。

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 また、「高齢者は若年層より物の見方が前向きになることも南カリフォルニア大学の研究が証明している。高齢になると情動反応を司る扁桃体がネガティブな刺激に反応しにくくなるのだ。また40歳を過ぎた頃からネガティブな記憶よりポジティブな記憶のほうが増え、その傾向は80代まで続く。つまり感情に左右されにくく、ストレスに強くなるということだ。」と言っています。
 私は、まだ先行き10年は老いを嘆かなくてもいいのかもしれません。来年は古希の私も、まだまだ仕事ができるような気がしてきます。

 さらに、心強い、元気が出ることも言っています。
同じ結論に達するのに様々な脳の部位を使うのでより深い洞察が伴い「知恵脳」になるとも考えられる。
 「ですから国や企業のリーダーには高齢者のほうがふさわしいともいえるのです。若い頃と変わらない『脳力』を持つ高齢者は少なくありません。脳には優れた可塑性があり脳の備蓄、維持、補償がうまくできていれば70代、80代になっても人は優れた脳力を保てます」と、グレディー博士。

 文中には、「加齢による脳の機能低下の多くは瞑想で防げる」とか、「脳も筋肉と同じで鍛えればそれだけ育ちますが、脳を鍛えるには激しい運動をする必要はなく、頭を雑念から解放し休ませる瞑想やヨガ、気功などが効果的なのです」ともあります。自分の記憶に自信を失いかけている私にとって、この提案は追い風となります。

 次の文章を読み、手首に着けているアップルウオッチが、時々「静かに自分の呼吸に意識を向けましょう。」と言って、深呼吸を促してくれることの意味を理解できました。
記憶力や認知力に関わる前頭葉を活性化させるには呼吸に意識を向けたり、一点を見つめたり、マントラや暗示の言葉を繰り返すなど、意識を集中させる瞑想を1回15分から1時間、一日に1、2回実践するとよいそうだ。

 これからは、アップルウォッチのアドバイスを素直に聞き、脳の活性化に努めることにします。
 
 
 
posted by genjiito at 20:41| Comment(0) | *健康雑記

2020年10月31日

紫風庵で三十六歌仙と源氏物語の変体仮名を読む(第9回)

 昨日30日(金)の京都新聞「まちかど」欄に、次の紹介記事を掲載していただきました。

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 前回のことは、「紫風庵で三十六歌仙と源氏物語の変体仮名を読む(第8回)」(2020年01月25日)に詳しく書いています。

 何と、この第9回の勉強会は、実に9ヶ月ぶりの開催です。
 新型コロナウイルスの被害拡大を避けるために、一月ずつ順延順延で、今日まで来ました。

 「紫風庵」の門が、いつものように迎えてくれます。

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 庭の芙蓉も、ポカポカ陽気の中を爽やかに出迎えてくれました。

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 今日は、いつものメンバー9人が集まり、密にならず、少し距離を取って座卓に座りました。もちろん、しっかりとマスクをして。
 今日の三十六歌仙の絵と和歌は、南面左から三領目の襖に貼られた、「小大君」「藤原仲文」「大中臣能宣」の3名を確認します。

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 これまでに確認した歌人は、上の写真左側に掲載した、赤字の人々です。
 あと8人が残っています。コツコツと、ここまで来ました。

 まずは「小大君」から。

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 この「紫風庵」の歌仙絵と、私が持っている『探幽筆 三拾六哥仙』の図様とは、非常によく似ています。架蔵の歌仙絵については、これまでに何度もここで書いたので、今は省略します。
 この和歌を「変体仮名翻字版」で翻字すると、次のようになります。

  左     小大君
【岩】者し能【夜】の
  【契】りも【絶】ぬへし
 阿くるわひしき
   かつら起の【神】

 ここでは、「者」と「契」と「起」に注意して、文字をよく見ました。

 この勉強会に参加しておられる全盲のHさんには、資料を立体コピーにしたものをあらかじめお渡ししています。これを指でナゾリながら、一緒に読んでおられます。

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 次に「藤原仲文」です。

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 右   藤原仲文
阿りあ希濃【月】の
 悲可り乎【待】本度尓
  わ可よ能い多具
 【更】尓介類可那

 ここでは、「希」「濃」「悲」「乎」「度」「具」「更」「介」「類」「那」と、多くの変体仮名に気を付けながら読みました。

 最後は、「大中臣能宣」です。

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左    大中臣能宣朝臣
 【千】とせま帝 かきれる
    【松】も気ふよ梨盤
 【君】尓ひ可連て
     【萬代】や辺舞

 ここでは、「せ」「帝」「盤」「辺」「舞」に注意をしました。
 特に「辺」については、その字母について、じっくりとみんなで確認しました。
 参考までに、拡大写真を掲載します。

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 この後は、また元の座卓に戻り、ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」の16丁裏3行目から6行目までの4行分を、字母に気を付けながら読みました。

「【月】可けの・やとれ累・そては・せはく
とん・と免ても・三者や・あ可ぬ・ひ可里越・い
三しと・おほい堂る可・【心】くるし个れ八・可つ
八・なくさ免・きこゑ・【給】ふ・


 今日も、よく集中して文字と対座しました。あっという間の2時間です。
 次の「第10回」は、来月11月28日(土)、午後2時からです。
 こうした勉強会に、興味と関心をお持ちの方の参加をお待ちしています。
 このブログのコメント欄を通して、お知らせください。
 
 
 
posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | ◎NPO活動

2020年10月30日

本日も休載です

 パソコンが相変わらず不調です。
 14年間連続更新の記録が途切れると心配をおかけするので借り物での更新です。
 本日のブログも残念ながら休載となります。

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posted by genjiito at 23:47| Comment(0) | ◎情報社会

2020年10月29日

本日は休載とします

 ネットワークもパソコンも不調のままです。
 本日のブログは、残念ながら休載とします。

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posted by genjiito at 17:59| Comment(0) | ◎情報社会

2020年10月28日

[学長ブログ]を受けて、今日の「茶道教室」のこと

 今日の午後、大阪観光大学における「将来構想戦略委員会」が終わってからのことです。
 [学長ブログ]のサイトで「協議会と将来構想戦略委員会」が不安定になったので、発信場所を急遽この[鷺水庵より]に移しました。

 午後5時以降は、お茶室で初回となる茶道教室がありました。
 今日はお茶室で、基本的な作法に関する体験会です。

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 扇子の使い方や襖の開け閉めに始まり、お茶室の歩き方、帛紗の扱い方などなど、佐藤宗晶先生の懇切丁寧な説明で進みました。

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 お菓子を運び出したり、茶碗を下げることは、宗晶先生のご指導の元に一人ずつ実際にやっていただきます。

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 その間に、私はお茶を点てる役に徹します。

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 襟を正して茶道を習う、というわけではありません。ゆったりとしたお茶室で「茶筅を使い、お茶を点てる」という雰囲気を楽しむための集まりです。「茶道教室」と言うと堅苦しくなります。おもてなしの文化を体験する中で、場面場面における所作や意味がわかると、先人が伝えてきた和の心がわかるのではないか、との思いでお話をし、お茶を点てました。
 当面は、集まって下さったみなさまには、お茶の点て方よりも、お茶のいただき方を中心にして行きます。

 その基本を学ぶ今日の初日は、私も宗晶先生の説明に聞き入ってしまいました。基本の「き」は、実はあまりよく知らないことが多いものです。いや、すっかり忘れています。
 本日も、お手伝いの佐久間先生、湯浅先生、佐藤課長、ありがとうございました。そして、お疲れさまでした。

 今後は、以下の予定で開催します。

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 学内の教職員のみなさまを対象とする親睦会でもあるので、仕事が終わったお手隙の折に、フラリと参加も大歓迎です。一人でも多くの方とこのお茶室でお目にかかれることを、楽しみにしています。
 次回は、11月25日(水)の午後5時から。
 風炉から炉に変わります。
 
 
 
posted by genjiito at 23:20| Comment(0) | ■講座学習

2020年10月27日

本日届いた翻訳本と探索中の翻訳本一覧

 本日、阪大生協を通して以下の6冊の翻訳本が、箕面キャンパスの研究室に届きました。
 カタロニア語訳とスペイン語訳の本です。
 海外からの本が届くのは久しぶりです。


■Diari de Tosa
(カタロニア語訳『土佐日記』)
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■El diario de la dama Murasaki
(スペイン語訳『紫式部日記』)
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■Si pudiera cambiarlos . Torikaebaya monogatari
(スペイン語訳『とりかへばや物語』)
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■Cien Poetas, Cien Poemas
(スペイン語・日本語版『百人一首』)
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■El diario de la dama Izumi
(スペイン語訳『和泉式部日記』)
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■Poemas amorosos del Manyooshuu
(スペイン語訳『万葉集』)
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 すでに10年以上前から、東京の国文学研究資料館で科研に取り組んでいた頃から、常時数十冊にも及ぶ翻訳本の発注をし続けています。しかし、入手できるのは1割にも満たないのが実情です。
 とにかく、気長に待つしかありません。
 実際に、海外の現地で入手できることも、多々ありました。その折々に、本ブログで書影を紹介してきました。しかし、新型コロナウイルス禍の現在は、海外に調査で出向くことすらできません。
 現在、探し求めている翻訳本は、以下の通りです。
 もし、譲っていただける方の情報や、本の所在なりをご存じの方がいらっしゃいましたら、ご教示いただけると幸いです。出版年や再販本などには拘りません。あるゆる版を探し求めています。
 収集した翻訳本は、科研のホームページである「海外平安文学情報」の翻訳史年表に掲載し、その解題などは不定期ながら刊行しているオンライン版『日本古典文学翻訳事典』や『海外平安文学研究ジャーナル』(ISSN番号 2188ー8035)などに収載して、広く公開しています。また、展示会などで紹介もしています。
 以下の2点の一覧表形式の画像は、クリックすると精細な画像として表示されます。

 この本に関する連絡は、本ブログのコメント欄をご利用ください。

(資料作成︰大山俊哉・大阪大学特任研究員)

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posted by genjiito at 20:52| Comment(0) | ■科研研究

2020年10月26日

京洛逍遥(664)北大路橋から初秋の上下流を望む

 日中は、心地よい風に秋を感じます。
 しかし、朝夕はめっきり寒くなりました。
 家では、すでにストーブを使っています。
 河原の散策路には、人が少なくなってきました。
 北大路橋から上賀茂神社の方を望みました。
 紅葉はまだです。

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 同じ橋から、下鴨神社の方を望みました。

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 上も下も、中洲が大きく張り出しています。
 土砂を浚うのは、年内にはなさそうです。
 散策路の手入れは、いつも小まめになされています。
 この賀茂川の自然を守り伝えて行こう、という市と市民の思いは、歩いていると伝わってきます。
 リフレッシュに最適なウォーキングができます。
 
 
 
posted by genjiito at 21:08| Comment(2) | ◎京洛逍遥

2020年10月25日

「源氏物語と36歌仙を変体仮名で読む会」(第9回)

 今月末の10月31日(土)に、「紫風庵」で「源氏物語と36歌仙を変体仮名で読む会」(第9回)を開催します。
 これは、本年2月26日に予定していた第9回の勉強会が、新型コロナウイルスの流行が広まり始めたことを受けて、延期に延期を繰り返して、ようやく再会できたものです。実に、9ヶ月ぶりとなる、久しぶりの開催です。
 これから、京都新聞「まちかど」欄に、開催の連絡記事を掲載していただく手配をします。
 会場は、これまで通り、平安京の北の基点となった船岡山のすぐ南にある、登録有形文化財に指定されている「紫風庵」です。その「紫風庵」で、ハーバード本「須磨」巻を読むと共に、「紫風庵」所蔵で江戸時代に描かれた三十六歌仙の絵と和歌を読みます。平仮名は変体仮名を再確認しながら、書かれた文字を忠実に読んでいきます。
 江戸時代に描かれた三十六歌仙については、その絵が貼られた襖がある部屋で、しかも間近に見ながら、一文字ずつを解読していきます。

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 「紫風庵」に所蔵されている「三十六歌仙」の詳しいことは、「京洛逍遥(538)登録有形文化財「紫風庵」の三十六歌仙絵」(2019年04月13日)をご覧ください。
 前回の活動の記録は、「紫風庵で三十六歌仙と源氏物語の変体仮名を読む(第8回)」(2020年01月25日)に詳しく書いています。
 今回は、南側右第2領の襖絵(小大君、藤原仲文、大中臣能宣朝臣)の3歌人を読みます。

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 1年かけて、この三十六歌仙に取り組んでいます。ただし、新型コロナウイルスの対策から、半年ほど延びることになりました。ぜひこの機会に、生きた古典と接する得難い体験の場としてください。初心者を意識して、丁寧に変体仮名を読むコツなどを説明します。
 前々回から全盲の方も、あらかじめ作成した立体コピーを指でなぞりながら、果敢に触読の挑戦をなさっています。その様子は、「「紫風庵」での触読に関する報告(その2)」(2020年01月27日)をご覧ください。「紫風庵」のすぐそばには、京都府立盲学校と京都ライトハウスがあります。目の見えない方でも、変体仮名が一緒に読めるように手ほどきもしています。お知り合いで、昔の仮名文字を読んでみたいという方がいらっしゃいましたら、お問い合わせください。ご説明いたします。
 この勉強会に参加を希望される方は、このブログのコメント欄をご利用ください。折り返し、説明の返信を差し上げます。
 なお、この学習会は、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催する企画です。小規模ながら、地道に気長に活動を続けています。
 『源氏物語』ともども、「三十六歌仙」という古典文学作品を生で鑑賞し、そこに書かれた文字を忠実に翻字していくことに興味をお持ちの方の参加をお待ちしています。
 
 
 
posted by genjiito at 21:06| Comment(0) | ◎NPO活動

2020年10月24日

大阪観光大学周辺の散策(1)−りんくうプレミアム・アウトレットと海岸

 大阪観光大学の最寄駅である日根野駅から1つ先、関西空港駅の一つ手前にりんくうタウン駅があります。先日会社訪問をしたスターゲイトホテル関西エアポートは、この駅に直結しています。
 今日は、大学の周辺を歩き回るつもりで、リンクウタウン駅から南に隣接する「りんくうプレジャータウンシークル」と「りんくうプレミアム・アウトレット」に行ってみました。

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 かつて、家族を連れて車で来たことがあります。海外からの観光客がいなくなったこと以外、雰囲気はほとんど変わっていません。と言うよりも、コロナ禍を忘れさせるような賑わいがあります。活気が感じられます。インバウンドに頼ることなく、諦めからの居直りで営業する姿勢に、忘れ去られていた日本人の逞しさの片鱗を見ました。これはいいことです。
 海外からの観光客に浮き足立ち、踊らされたことへの見直しが、こうした雰囲気を生み出しているとしたら、日本の再生は期待できそうです。いかに早く海外からの観光客にすがりつく気持ちを振り払い、国内の人々との共生を積極的に図る気概を奮い立たせられるか…… 海外からの一見さん頼みの商いではなく、地元や近隣の市町村と結びついた、長いお付き合いの延長という感覚でのビジネスを展開してほしい、という思いを強くしました。
 根拠のない、勝手な思いつきを記しています。しかし、幼かった頃に見た大人たちの創意工夫を凝らした生き様を思い出して、今こそあの気骨を思い返すべきではないか、と思うようになりました。30代になった私の子供たちの世代の奮起を応援したいと思います。
 そんな、新たな元気が生まれるリンクウタウンの散策となりました。
 いろいろとお買い物をした後は、海岸に出てみました。これまた、すばらしい景色です。
 ちょうど飛行機が降りるところでした。気持ちのいい散策路で、気分をリフレッシュ出来ました。

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 今回は、次のマップの[1]と[2]のエリアと海岸を歩きました。
 楽しさ満載の散策エリアです。

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posted by genjiito at 23:56| Comment(0) | ・ブラリと

2020年10月23日

今使っているコミュニケーションツールのこと

 今、私が利用しているコミュニケーションツールは、電子メールと Slack です。この2つで、さまざまな連絡や打ち合わせをこなしています。割合で言うと、電子メールが9に対して Slack が1でしょうか。
 昨日来、職場から2日続きで携帯に電話をいただきました。翌日になるまで、気付きませんでした。申し訳ないと思いながらも、私にとって電話はレガシーデバイスであり、時代遅れの道具と化しているので、どうしようもありません。
 その代わり、 電子メールは頻繁にチェックしています。手元のアップルウオッチ、持ち歩くiPhone 、何箇所かにあるiPad、行く先々にあるパソコンで、メールは確認できているのです。
 連絡は、メールが一番気づくことが多いものとなっています。
 なお、現在の環境については、「次世代のコミュニケーションツールのこと」(2020年08月27日)に、実状を書いています。ご笑覧いただいていると、何かと行き違いが少ないかと思います。
 ご迷惑をおかけしていることの言い訳として、内実を記しました。
 
 
 
posted by genjiito at 23:55| Comment(0) | ◎情報社会

2020年10月22日

お菓子の『百人一首』で遊ぶ孫たち

 3歳と1歳の孫に、七五三のお祝いとして小倉山荘のお菓子「カルタ百人一首」を渡しました。

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https://www.ogurasansou.co.jp/shop/shop/c/c1030/
 このお菓子は、私が海外で授業などをする時の、とっておきの小道具にしているものです。

「中国の恵州学院で百人一首の話をする」(2019年12月23日)

 早速、孫たちはお菓子の包み紙に描かれた男と女の絵を見ながら、彼女たちなりに遊び始めたようです。

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「◉◉ちゃんの好きな[きりぎりす]がない〜」と言って騒いでいるかと思うと、お姫さまを集めて遊んでいたりするそうです。横向きのお姫さまは嫌いで、正面を向いたお姫さまがいいのだとか。
 これで、しばらくは和歌に親しんでもらいましょう。
 そして、やがて念願の、変体仮名の出番となります。
 これからの成長が大いに楽しみです。
 
 
 
posted by genjiito at 23:55| Comment(0) | ■古典文学

2020年10月21日

今日はお休みとします(10月-2)

 10月後半も、何かと慌ただしい日々となっています。

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 今日は、スターゲイトホテル関西エアポートを訪問した後、とんぼ返りで大阪観光大学にもどり、すぐに国際交流委員会に出席し、休みなく野球部優勝報告会と表彰式に臨みました。
 その後の打ち合わせも長時間にわたるものだったこともあり、本ブログ[鷺水庵より]はお休みとします。
 
 
 
posted by genjiito at 23:46| Comment(0) | *健康雑記

2020年10月20日

大阪大学箕面キャンパスの秋と研究室

 科研の取り組みに専念している大阪大学の箕面キャンパスの研究室は、現在は資料整理の真っ最中です。

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 11月下旬から大阪観光大学の図書室を借りて、翻訳本の展示を4回にわたって開催します。その準備のため、資料整理と資料移動の用意で大忙しです。
 現在のスタッフは、特任研究員2名、技術補佐員3名、アルバイト3名の計8名でフル回転の状態です。
 外国語については、ロシア語・スペイン語・ベトナム語・中国語・アラビア語の担当者が、翻訳本や海外の情報の収集と整理に当たっています。今日は、これからアラビア語を担当していただく方と面談をしました。
 この研究室がある箕面キャンパスは、旧大阪外国語大学があったところで、今は外国語学部があります。私が取り組んでいるテーマにふさわしい環境にあります。
 エレベーターホールから見下ろすと、紅葉間近のニュータウンが望めます。

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 色付いたら、また周辺の景色を紹介します。
 
 
 


posted by genjiito at 21:07| Comment(0) | ■科研研究

2020年10月19日

京洛逍遥(663)祇園で「襟替え」の伝統文化と芸能を味わう

 祇園甲部の「はやかわ」というお店に行ってきました。

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 お茶屋「多麻」の舞妓のまめ衣さんが芸妓になる、ちょうど舞妓が最後の日(襟替えの前日)の訪問です。

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 この日の髪は、「先笄」(さっこう)という独特の結い方です。

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 この前後2週間ほどの特別な舞として、「黒髪」を舞っていただけました。
 手元の資料から説明文の一部を引きます。
東国の武将である伊東祐親の息女辰姫が、源頼朝との恋を諦め、北條時政の娘の時子に頼朝の妻の座を譲り、ふたりを二階の寝間へと案内した後、悲しみの内に髪を梳くという場面がありました。自らの恋に終止符を打つ決心をした辰姫が、髪を梳く内、諦め切れぬ恋心と嫉妬の念に身悶えるというこの場面。その独吟に使われたメリヤスが長唄の『黒髪』です。

[] 黒髮の 結ぼれたる思ひをば
解けて寝た夜の枕こそ
ひとり寝る夜の仇枕
そでは片敷くつまぢゃと云ふて

[] 愚痴な女子の心と知らで
しんと更けたる鐘の聲
ゆふべの夢の今朝さめて
ゆかしなつかしやるせなや
積もると知らで
積もる白雪


 舞妓さんにとっては、芸妓になる前の一生に一度の舞です。

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 おはぐろも、今日が最後です。髪も、今日までが自分の髪で結い、芸妓になると鬘を着けるのだそうです。

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 季節感のある料理も美味しくいただきました。

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 伝統芸能と文化と工芸の世界を間近に見て、それを守り続けるお茶屋のみなさま方のお話を伺うという、貴重な勉強をさせていただきました。
 おいとまする頃の花見小路は、すっかり暗くなっていました。

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posted by genjiito at 23:59| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2020年10月18日

読書雑記(302)『観光のまなざし 増補改訂版』

 『《ウニベルシタス 1014》観光のまなざし〔増補改訂版〕』(ジョン・アーリ/ヨーナス・ラースン、加太宏邦訳、法政大学出版局、446頁、2014年9月 初版第1刷、2020年5月 第3刷)を読みました。
 まず、法政大学出版局のウェブサイトに掲載されている「内容紹介」を引きます。

観光学の名著が世界状況の変化に合わせ増補改訂。グローバル化、デジタル化、オンライン予約などによる格安旅行・格安航空の成長、遺産の景観破壊、人類の歴史における〈負〉の観光。フーコーの〈まなざし〉の概念を手がかりに、歴史的・経済的・文化的・視覚的レベルにおいて観光をテクストに文化を読み解く。研究者、旅行産業をはじめ現場の政策・施策担当者など、観光に携わるすべての人々に必読の書。


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 今回読んだ増補改訂版(第三版)の「まえがき」により、本書がどの部分に増補がなされ、どこが改定されたのかがわかります。

多々の改変を行うにあたって、共著者としてヨーナス・ラースンを加え、新しい目で本書の見直をした。旧版の章の文章も全面的に改訂した。古くなったデータや研究は削除し、新しい研究や理論を組み込んだ。観光のまなざし概念は、さらに理論的な考察の対象とし、考究を深めた。そのひとつとして観光の「負の側面」への着目などもある。
 新たに三つの章を立てて、観光のまなざしと写真=Aデジタル化≠ニの関係、観光理論や研究における身体的パフォーマンス≠フ分析、地球温暖化や石油ピークなど、グローバル化する観光のまなざしにとっての望ましい状況とか未来を問う観光におけるリスク≠フ諸相を、この三つの章で検討した。(xii 頁)


 多くの方がすでに本書の第二版をお読みになっているようなので、最初にこう書かれるとその箇所を中心に読み直せばいいので、非常に親切な配慮だと思います。
 また、「訳者あとがき」から、本書の歴史的な位置付けがわかります。長くなることを承知で引きます。

 本書は John Urry and Jonas Larsen, The Tourist Gaze 3.0 (London: Sage Publications, 2011) の全訳である。
 『観光のまなざし』の初版は、一九九〇年に出版され、観光学分野で画期的な研究書として高い評価を受け、斯界に著者ジョン・アーリの名前を知らしめた。常に観光学の必須文献として挙げられる今や古典となっている名著である。わが国でも、『観光のまなざし』(邦訳は一九九五年)への言及がみられないような観光研究論文はないといっても過言でないほど知られた著書となっている。
 訳者の見るところ、本書は、類書と極めて異なった印象を与える。論者の専門領域(社会学)から照射する観光論でもなく、また、逆に観光に関する種々のテーマを集成した論集でもないからだ。本書の著者は、観光の構造と原理を描きだそうとする意図のもとに、自分の専門には抑制を利かせ、むしろ哲学、美学、歴史学など多種多様な異分野からの知見を脱領域的に抽出し、そこに中心軸としての「まなざし」理論を貫通させたのだ。すなわち、観光を既存の学問領域に資する素材とは捉えず、独自な的として正面に据え、その解明に挑んだのである。このような研究態度と方法は、世界にも類例がなかった。本書が、大きな注目をうけた由縁はこの辺りにありそうだ。
 しかし激変する時代の流れのなかで、同書も内容に古さを露呈し始めて、初版からおよそ一〇年後の二〇〇二年に第二版が上梓されたのである。ところが、この第二版は、第七章の改変(「見ることとテーマ化すること」に)と第三版を予告するような第八章(「まなざしのグローバル化」)の追加が行われた以外は、初版の構成を踏襲し、データの更新、新事例の摂取などが行われたものの、コンセプトからみると、マイナーチェンジと言わざるを得なかった。このため、邦訳は見送られた。
 待たれていた「新版」がついに編まれたのは、さらに一〇年ほどを経た二〇一一年のことだった。すなわち本訳書がそれである。じつは、原著では、明示的に第三版だとは記載されていなくて、タイトルの後ろに「3・0」とつけられていて、初版にはそえられていた副題「現代社会におけるレジャーと旅行」も削除されている。『観光のまなざし』は前著を引き継ぐものの、内容の一新された別の著作であるかのごとく意匠されているのである。このため本訳書も『観光のまなざし 増補改訂版』と銘打つことにした。もちろん初版での記述が残された部分もないわけではないが、その箇所も相当に換骨奪胎され、徹底的に書き直しと構成のやりなおしが施されているのである。
 この大改訂が可能になったのは、新たに若い執筆者ヨーナス・ラースンが共著者として参加したことによるところが大きい。原著初版で一五六貞だったものが新版では二四〇頁になっていることをみても既存の版を一度白紙に戻すというほどの姿勢が感じられる。こういう形態的な変化はそれとして、私たちに気になるのは内容に係わる改変である。(373〜374頁)
(中略)
 さて、本書の新版としての意義をこのように紹介してしまうと、いかにも机上の煩瑣な抽象的議論の書のように解されるかもしれない。だが、内実は、きわめて観光実務に直結する刺激的なヒントに満ちた実学の書でもあるのである。最新の実証的なデータ、多くの新しい事例研究を基にこれらの論が構築され展開されているからである。
 ただ、実学とはいえ、世間に流布する、理論的裏打ちがすっぽり抜け落ちた単なる職務体験や観光現場のケーススタディや官公庁施策のような「実体的」観光論の類とは根本的に一線を画している。それは、観光現場の事例を多用した考究とはいえ、前述したような徹底した学術理論に支えられたものだからだ。その意味で、本書は、現代の観光旅行、余暇、文化政策、観光施策、経済活性化、地域振興、歴史・自然遺産および芸術展示などに係わっているすべての人にとっての必須実務書となりうるものである。
 もうすこしいえば、本書を一読すればわかるように、観光学というのは、観光事業・施設、交通産業のような実務に資するだけの研究ではない。地理学や地域学、民俗学、文化人類学、社会学などのような文化科学的な関心からも、さらには、景観論、写真論、比較文化論、社会史、労働と余暇の問題、都市問題、南北問題、環境問題、文化衝突の問題などからも関心がもたれ得るマルチ領域の学問であり、本書はこれらの関心からも広く読まれうるものだと考えられる。(377〜378頁)


 それではと、これまでに読んだことのない語りの世界へと、緊張気味に読み始めました。そして、早々に立ち止まりました。私には理解できない文章に出会ったからです。今、読み返しても、さっぱりわかりません。この先が思いやられます。

 フェミニズムの論者たちは、こういうメタファーの男性的な面を批判する。このメタファーは現実に根なしの束縛のない移動が可能な人、という肯定的含意があるからだ。しかし、そうでない人もあり、文字通りにであれ、比喩的にであれ「旅立つ」に至るのに相当これとはちがう事由を持つ場合があるのだ(Wolf 1993)。E・ヨキネンとS・ヴェイヨラは、その点で、多くの放浪への「男性的」メタファーの問題点を指摘している(Jokinen and Veijola 1997)。もし、こういうメタファーを、パパラッツィとかアル中のホームレスとかセックス観光者とかナンパ男という読み取りに変えてみると、こういう人間は、男視線の放浪理論のなかで受けていたプラス評価など消えてしまう人たちということになる。実際でいえば、ある者が移動するということは、常に一方に、滞っている者がいることが予想される。移動していく観光のまなざしは一方で滞留する身体(ふつうは女性)がいることが想定される。そういう人たちは移動し通り過ぎる者にたいして、その身体をさらして接客サーヴィスを供する。
(42頁)


 わからないものはわからないなりに、とにかく、読み進むしかありません。
 第2章で、イギリスでの具体例をあげて、観光が一般的に認知されていく変遷を丹念に実証していきます。わかりやすい反面、煩瑣な語り口に読み進む速度を上げることになりました。
 トーマス・クック社の話(60頁)は、かつてレスターへ行った時に気になったことだったので、遅まきながら興味深く読みました。
 第3章の「セックス観光」とジェンダーの話(102頁〜)は、観光の一面を炙り出しています。
 第4章の「観光文化の変容」では、「メディア巡礼」のことを取り上げています。
有名な映画やテレビドラマが上映され、ほとんどだれも足を踏み入れなかったそのロケ現場が明らかになると、そこに観光者の流れが起ることがよくある(Tooke and Baker 1996; Riley et al. 1998;Beeton 2005; Couldry 2005; Tzanelli 2008; Mordue 2009)。メディア研究者のN・クッドリーによると、「メディア巡礼」の急激な盛り上がりがあったことがある。これは「空間の中の現実の旅行でもあり、同時にまた日常世界≠ニメディア世界≠フあいだの構成された隔たり≠ニいう空間に行ってみるということでもある」(Couldry 2005: 72)。映画やドラマの中にあったモノを現実に探し求めるメディア巡礼は、ポストモダンのハイパー・リアリティ (Eco 1986)という形式での旅だ。そこでは虚像と現実が一つの世界にないまぜになっていて、この世界に入っても生の現実があるわけではない。ここで、私たちは、映画の風景は現実の風景と一致しているが同時にまた表象しているという問題に直面しているのだ。したがって、観光地もある意味ファンタジー・ランド≠るいはメディア・ワールド≠ネのである。(182頁)

 このことは、現在別に読み進めている『巡礼ビジネス ポップカルチャーが観光資産になる時代』(岡本健、角川新書、2018年12月)を取り上げた時に関連する問題でもあります。
 第7章の「見ることと写真」は、今では日常的となった写真に撮るという行為が、観光との関係で興味深く語られます。旅人が撮る写真や、インスタグラムの意義が新たな視点で見えてきました。

観光写真の大半は「引用」の儀式なのだ(Osborne 2000: 81 参照、同じく、Selwyn 1996; Jenkins 2003 参照)。観光者は、自分が出かけるとなると、そこでまた自分用に画像を探し求め、捉えることになっていくのだ。このことで結局、旅行者は、出かける以前から見ていた画像を自分たちも撮影してきたというのを友だちや家族に見せて、自分たちも本当にそこに行ったのだということを見せびらかすということになっていく。写真は、ある人が本当にそこへ行った、あるいは、その山はこのぐらい高かった、あるいは、そこの文化は実際に絵のようだった、あるいは、自分は家族そろってほんとうの団欒の時をもてたということの証拠品を提供するものとなっている。(279頁)


デジタル写真は写真画像を瞬時に出し、転送可能ににし、即、ディスプレー上で消費可能にしてくれる(Lister 2007; Larsen 2008a; Murray 2008, Rubinstein and Suis 2008. 図7.1参照)。「あのときあったこと」というアナログ写真の一過性にたいして、デジカメのディスプレーは継続中の出来事をここですぐ見せてくれるし、撮影、対象、消費の三つの空間も近接している。「アナログ写真」が将来見る人に向けてのものであったのにたいして、携帯写真(とかワイ・ファイ装置で使うデジカメ)は「時間を問わず」移転し、受信者は多少の差はあるものの同時に出来事を眺めることができる(Gve 2007, Hjorch 2007: Villi 2007, Larser 2008. 772参照)。こういうことが言える。すなわち、出来事を伝える「生中継の絵はがき」だと。デジタル写真が象徴しているのは、「即時性」、「今という力」、それから私たちが名付けたいわゆる「モニター性」である。(282頁)


 日常の中から、観光者の視点で非日常の形に切り取って、記念や思い出として固定し、いつでも再現できるのみならず、多くの人と共有できる動画像にしているのです。そうした今を、あらためて見直す視点を、まなざしというキーワードで体感させてくれました。
 なお、次の一文は、「観光」という言葉が持つ意味を考えさせてくれます。その軽い扱いに、私は戸惑うばかりです。

カメラと画像は観光者のものの見方を簡略化し機械的にした。複雑な場面もまるでお手軽で準備が整った写真用場面となり、体験と観ることは同類となり、観ることはとどのつまり、一督程度で、シャッターを切って写すためだけなのだ。現代の大衆観光への規範的な批判の多くは、D・ブーアスティンにはじまり(Boorstin 1964)、カメラ観光者の「別界」との遭遇方法を冷笑することがその中心にある。したがって、写真の位置づけをめぐって不毛の観光旅行者二分法が存在するのは驚くにあたらない。他の場面では洞察力のある考察をするJ・ティラーが、唐突に(という風に見えるが)、観光者で写真を撮る者を三つに区別しているのだ。「旅行者」(深くまなざしを投げかける人)、「観光者」(浅薄な一瞥の収集家)、「日帰り行楽をする人」(何にたいしても、一瞬、ざっと見る、あるいはスナップ写真を撮る人)というものだ(Taylor 1994: 14)。(289頁)


 第9章における、石油と観光を結び付けた問題提起は、こうしたことに無自覚だった私に刺激を与えました。

 観光は大量の石油を消費するが、この石油は不平等で腐敗した体制を下支えする役目をはたしていて、そういう体制がテロを生み、そこで観光者は場所によっては爆弾攻撃をうける危険性もある。観光地にはテロリストがふとやってくることもあるのだ。石油は世界を動かしている。しかし、その世界は観光の世界でもありテロの世界でもある。さらに油で世界が潤滑されるのはどうやらだいぶ減速をしてきているようだ。旅はますます高価になり、それが国際観光の長期的成長に疑問符をつけている。(356頁)


 観光に関して、これまで私は読み物風の新書をターゲットにして、遍巡っていました。そこへ、本書のような本格的な問題意識で観光を論じたものを読んだことになります。理解するのに、非常に時間がかかりました。しかし、対極的な見地からの観光の問題点が朧げながら見えてきました。いい読書体験となりました。【4】
 
 
 
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2020年10月17日

突然の電話で懐かしさから生気が蘇る

 「生きてて良かった」としかいいようのない電話がありました。
 今日は、大阪観光大学での入試業務に当たり、数人の先生方と打ち合わせをしてから、京都の家に帰りました。暗い玄関に入ってすぐに、携帯電話ではなくて自宅の固定電話の呼び出し音が鳴りました。受話器を取るやいなや、「オー」と声をあげました。
 相手は、なんと30年ぶりに声を聞くことになる、かつて指導困難校として知られていた高校で苦楽を共にした仲間です。
 彼は、高校の教員を辞めて中国の大学で教員生活をしていたことなどもあり、なかなか会えずにいました。年賀状のやりとりだけで、お互いの動向を知っていました。江戸文学というよりも、歌舞伎や伝統芸能の研究者です。かつては、高校の文化祭で一緒に「勧進帳」をやろうということになり、彼が弁慶で私が富樫の役ということで、台詞を覚えたりもしました。これまたいろいろとあり、残念ながら実現はしませんでした。
 ブルックナーの音楽を、彼のアドバイスでいろいろな指揮者の演奏をほぼ集め尽くし、数多くの異なる版の演奏の違いを聴き較べたりしました。『源氏物語』だけではなく、音楽における異版の研究のおもしろさを教えてもらいました。今でも、疲れた時には、ブルックナーを聴きます。第4番の「ロマンチック」が大好きです。1時間の長さなので、いつしかウトウトしていますが。
 その彼から、明後日に祇園へ来られないか、とのことです。
 今、彼は祇園のお茶屋さんと懇意になり、その関係で私のことを思い出して声をかけてくれたのです。
 30年ぶりの第一声がこれです。しかも、偶然にその日は歯医者に行くこと以外には、何も予定が入っていないのです。歯医者は予定を変更すればいいことで、まさにラッキー以外にありません。
 この世界のことは、「ド派手な「舞妓Haaaan!!!」」(2007年07月10日)という記事に書いたことしか知りません。
 その後、1時間以上も懐かしさで受話器を置けないままに、トントン拍子に予定が決まりました。
 こんなことがあるのです。奇遇を喜び、楽しんでいます。
 行き先が行き先なので、どうなるのかはわかりません。それがまた楽しみです。
 このことは、またあらためて記します。
 
 
 
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2020年10月16日

郵便制度変革の時代に

 小さい頃から慣れ親しんできた郵便の配達が、これから大きく変化していきそうです。以下、『朝日新聞』(2020年10月16日、藤田知也・井上亮)の記事を元にして記します。
 まず、郵便の土日配達が来秋から廃止となるようです。これは、郵便法改正案の提出が今月下旬に予定されているので、実行にうつされることでしょう。週末に届く便は翌週となります。これによって、年間600億円以上のコスト削減が実現するようです。どの世界でも、人件費の占める割合が多いのでしょうか。
 ただし、「速達の土曜配達は維持し、速達料金は値下げを検討する。」となっています。しかし、現実に速達にすることは、私の場合にはほとんどありません。電子メールがあるので、恩恵をうけることはない部分です。
 そして、差し出し日から3日以内に届けるというルールが、4日以内に緩められるとのこと。これによって、郵便物全体がこれまでよりも1日遅く届くことを覚悟しなくてはなりません。今私は、相手の所に確実に届ける時に郵便を使う程度なので、影響はあまりなさそうです。
 国内ばかりではなく、海外に小形荷物を送る場合には、料金が5倍になることもあるようです。この小型とは、縦横高さの合計が90センチで、重さが2キロまでの荷物です。
 これは、来年4月1日からの実施予定で、平均で約4割、最大で5倍の値上げとなるとのこと。ただし、何でもかんでも海外に送るものが値上がりではありません。手紙やはがきに加えて、国際スピード郵便(EMS)などの料金は変わらないようです。私は、海外に書籍や資料を EMS で送ります。これには影響がなさそうなので一安心です。もっとも、ネット通販などでは大変なことになるでしょう。
 小形包装物の値上げについて、朝日新聞の記事では「航空扱いの小形包装物では、米国向け50グラムまでの場合150円だったものが750円になる。」と、わかりやすい例を示しています。
 海外への郵送は、特にアメリカへは気をつけなくてはいけないようです。
 
 
 
posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | ◎情報社会

2020年10月15日

わが母の記(8)イカに中たったこと

 この前に母のことを書いたのは、何と10年半も前のことになります。「わが母の記(7)叱られると押し入れに」(2010年04月07日)がそれです。
 子供たちは、よくおばあちゃんのことを思い出しては話してくれます。優しかったので、いつまでも楽しい思い出と共にいるようです。母は、16年前に84歳でなくなっています。
 その母とのことで私がまず思い出すのは、父と姉には内緒で食べたイカに中たって、お腹が痛み苦しんだことです。
 島根県の出雲市から、私たち家族は小学5年生の時に大阪に出てきました。これは、2歳上の姉の中学入学に合わせて転校したためです。それまでは、父だけが大阪で出稼ぎで働いていました。満州から日本に引き揚げてから、父はいろいろな仕事を経て、大阪で証券マンとなりました。それが、昨日書いた山一證券です。
 移り住んだのは、東淀川区にある家の2階で、六畳ほどの広さの屋根裏部屋でした。急遽取り付けたと思われるハシゴで昇り降りをしていました。その屋根裏の隅に半畳に満たないベニヤ板を1枚置き、そこにプロパンガスのボンベとコンロがありました。そのコンロで、母が買ってきたばかりのイカを炙り、父と姉には内緒で食べたのです。すぐにお腹が痛くなりました。病院騒ぎとなり、父と姉にこの母との秘密がばれてしまったのです。
 隠し事などない家族でした。しかし、このことばかりは、母と私だけの内緒のことだったのです。なぜ母がイカを2人分だけ買ってきたのか、今となってはわかりません。当時からひ弱だった私に、栄養をつけようとしていろいろなものを特別に食べさせてくれたことは、何度かありました。その内の一コマだったのでしょう。
 今で言う食中毒でしょうか。しかし、大事には至りませんでした。以来、このことを母と話したことはありません。母にしても、いつもの通り、すぐに忘れてしまっていたと思われます。満州でよほど酷い体験をしたせいか、何事にも動じない母でした。何事も大らかに生きる人でした。お腹を痛めた私が、こうして楽しく思い出すのです。明るく愉快な思い出の一つです。
 
 
 
posted by genjiito at 21:47| Comment(0) | *回想追憶

2020年10月14日

わが父の記(8)父の仕事(その3)和歌山へ証券を運ぶ仕事に思う

 私が中学生の時のことなので、今から50年ほど前のことです。今はなき山一證券を定年退職した父は、四条畷にあった証券会社に再就職しました。
 八尾市の高安に住んでいた頃なので、通勤はそんなに遠いところではありません。しかし、間もなく和歌山に通い出しました。まだ今のように宅配便が一般的ではなかったこともあってか、毎日のように四条畷にあった証券会社に出勤すると、受け取った証券などを持って、電車で和歌山まで運んでいました。飛脚のような仕事をしているんだ、と思いながら父の仕事を見ていました。
 長時間電車で移動するので、大変だろうなーと思いながらも、川柳を作るのが趣味だったので、道中は句作に励んでいたことでしょう。亡くなる直前に、父の川柳を句集『ひとつぶのむぎ』にまとめて私家版として刊行しました。「わが父の記(1)感謝の念を伝える」(2008年03月26日)に、その経緯を記しています。
 和歌山に行く道々の作品や成果も、その句集の中には多く収録できたはずです。
 父と同じ年代になった今、私も和歌山に向かう長旅の日々を送っています。車中で本を読みながら、父はこの車窓からの風景を見て、どの句を作ったのだろうと、思いを巡らすことがあります。
 もっと話をするんだった、という思いになることが多くなりました。満州での生活や、シベリヤへ抑留された時のことは、ほとんど聞かずじまいでした。いや、語ってくれませんでした。語って理解してもらおう、などという世界とは違う、異次元を生き抜いた父だったように思っています。

posted by genjiito at 22:34| Comment(0) | *回想追憶

2020年10月13日

欠陥商品だった自動センサー式液体食器洗い洗剤器

 新型コロナウイルスの流行が拡大し出した本年3月、食器を洗う時にスポンジなどをかざすと液体洗剤が出てくる製品(オートディスペンサー)を購入しました。商品名は「ELPA オートディスペンサー 液体タイプ 乾電池式 ESD-06ES」(朝日電器)です

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 ところが、欠陥商品を渡されることが常態となっている私のことです。案の定、今回も思い通りには動きません。またまた欠陥商品を渡されたのです。
 その症状は、3回以上センサー部分にスポンジを近づけないと洗剤が出ない、ということから始まりました。少し出たようなので、もう少しと続けて差し出すと、今度は大量に出てきます。飼い慣らすのが大変な道具でした。出ない時には、10回差し出しても一滴も出ません。
 しばらくすると、まったく反応しなくなることの繰り返し。やがて電池切れです。単三電池4本を交換しようとフタを開けると、電池ボックスの中が洗剤で濡れています。構造からしても、下のボトル部分に入れてある液体洗剤が、このボックスまで上がってくることは考えられません。上から出なかった洗剤が、どこかから漏れて電池ボックスに流れ込んで来たのでしょう。電池のお尻が錆びているものもありました。電池を交換すると、また五月雨式に出たり出なかったり。まったく反応しなくなったら、電池ボックスが洗剤で濡れているので、電池のお尻を拭いてやると、また不規則な動きをします。法則性がなさそうなので、どうしようもありません。
 メーカーに相談の電話をしました。すると、「ただいま混み合っていますので、後ほどおかけ直しください。」という留守番対応となり、ガチャっと切れます。「順番におつなぎします〜」ではないのです。それではと、保証書に記された東京の方に電話をしても同じです。昨日のやりとりでわかりました。東京へ電話をしても、本店のある大阪に転送されるだけなのだそうです。
 4月から月に一度は、こうして2か所に電話をしていました。しっかりと、電話代だけは毎回取られています。
 昨日もまたダメだろうと思いながらも、サポート窓口に電話をしました。すると、今度はどうしたことかつながりました。半年間、テープを流して居留守を使っておられたようです。
 担当者に、事情を説明しました。すると、領収書がないとどうしようもないとのことです。探しても見つかりません。そこで、購入したエディオンという家電量販店はポイントカードに購入履歴が残るので、それでもいいかと確認すると、それでもいいとのことでした。
 早速近くのエディオンへ動かない製品を持って行き、事情を説明して購入履歴を確認してもらいました。すると、製品をメーカーに送り返すのではなくて、店頭にあった現品とすぐに交換してもらえました。メーカーのモタモタした対応とは雲泥の差があります。
 それにしても、あのメーカーの電話サポートの失礼さには、苦情を言いたくなります。大量生産品には、一定割合の欠陥品は混在するものであり、それらが流通しています。問題は、それに気付いたら、メーカーとしてどのような対処をするかです。新型コロナウイルスの流行をいいことにして、居留守を何ヶ月も続けるのはいただけません。

 なお、「薬用せっけんミューズ ノータッチ 泡ハンドソープ」が欠陥商品で交換してもらったことは「京洛逍遥(644)悩ましいことをいくつか抱えて四条へ」(2020年07月26日)の中程に概略を書きました。該当部分を引きます。
 年明けに、手をかざすと石鹸が出る機械を3台買いました。その内の1台がすぐに故障したので、電話で修理を依頼しました。3月の中旬だったと思います。メーカーからは、交換品を送るのが7月20日頃になる、とのことでした。耳を疑う気の遠くなる話ながら、本当のことです。そして2週間前に、1週間も早く突然、不良品の交換品が届きました。

 この時には、交換までに4ヶ月もかかりました。欠陥品に囲まれた生活も疲れます。消費者には、このような忍耐力が求められる時代です。
 
 
 
posted by genjiito at 20:10| Comment(0) | ◎情報社会

2020年10月12日

京洛逍遥(662)秋風を感じながら

 新型コロナウイルスの感染者は、京都では一日十人前後で安定しています。

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 最盛期の外出自粛による余波で賑わった賀茂川畔は、今は終息して普段のお散歩道となっています。
 川風は、もうすっかり秋の気配です。
 北大路橋から上流の北山・上賀茂神社の方は、雲に覆われていました。
 左端に、京都五山の送り火で知られる船形が、低い斜面に顔を覗かせています。

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 下流の下鴨神社の方は、爽やかな秋空です。
 左端に、大文字山の「大」の字が見えます。

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 北風が川に沿って南北に吹き曝す来月下旬までのしばらくは、気持ちよく散策を楽しめます。
 今年は、去年よりも鷺も鴨も多いように思われます。
 
 
 
posted by genjiito at 20:57| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2020年10月11日

映画雑記『見えない目撃者_2019』(日本版)

 この映画は、かつて観たことがあるということを、観始めてしばらくしてから気づきました。さらには、元になった韓国映画『見えない目撃者』(字幕版)を、前日に観たことにすらしばらくは気づかないほどに、できあがりが違っている作品でした。
 オープニングは同じです。しかし、亡くなった弟の墓参りから違ってきます。誘拐犯人にぶつかりそうになった若者が、手足になって捜索に手を貸します。
 作りは緻密で丁寧です。人間のつながりを温かく見つめています。
 誘拐され、監禁されている少女が、丁寧に描かれています。
 母は防犯スプレーを渡します。
 殺害された少女の部位から、六根清浄の教えが犯行動機だという線が見えてきます。
 無関心が物語の背景にあります。
 犯人が警察官とつながりがあるというところから、話はさらにおもしろくなります。その警察官が、数年前の同じような事件の目撃者だったのです。
 スマホでの誘導に、「2時の方向」などと的確に指示を出します。盲導犬も犯人に刺されます。猟奇殺人事件にポイントが絞られていきます。緊迫感と迫力が伝わってきます。
 細かなところは元の韓国版と同じようでも、仕上がりはまったく違います。あまりの違いに、その背景や理由が知りたくなりました。
 こう書いた後に、以前この作品のことを本ブログに書いたことに思い至りました。ちょうど1年前です。そのことに今の今まで気付かないとは、暢気なものです。「映画雑記『見えない目撃者』(2019.9.20 公開)」(2019年10月05日)
 そこでは、この映画の細部に反発を感じたようで、批判的なことばでつづっています。今回は、それほどではありませんでした。前回観た記憶が背景にあり、物語の展開に気持ちが追いついたからでしょうか。不思議な体験をしました。
 昨日の記事「映画雑記『見えない目撃者』(韓国映画・字幕版)」の末尾に、なかざわ ひでゆき氏の「【深読み映画レビュー】『見えない目撃者』 韓国版・中国版との比較も!」を引きました。韓国→中国→日本と、3種類のバージョンが提示されているのです。3カ国における文化の違いを考える上でも、異文化論の対象となる興味深い映画だと言えるでしょう。【4】
 
 
 
posted by genjiito at 20:00| Comment(0) | ■視覚障害

2020年10月10日

映画雑記『見えない目撃者』(韓国映画・字幕版)

 この映画は、韓国映画『ブラインド』(2011年8月)として2014年に日本で公開されたものです。
 兄弟愛を背景にして、生きる意味を問う形を取りながらも、非常に暴力的な映画だと思いました。視覚障害者を利用した、差別的な意識が漂う印象も持ちました。どの場面がそうだというのではなくて、会話と表情と行動においてです。荒れ果てた人間の心が産んだ作品だ、との感想を抱いた映画です。
 自分の運転で交通事故を起こし、同乗していた弟を亡くした上、自分は目が見えなくなった女性警察官シャオシンが主人公です。
 点字、盲導犬、点字ブロックなどの小道具に、つい目が行きます。日本とどう違うのかと。
 母から渡された盲人用の障害物感知器は、初めて見ました。杖が届かない物を振動の強弱で感知する、掌に収まる小道具です。これが最後に、主人公の身を護ります。
 主人公は失明して3年間、点字などを学び、復職を目指します。しかし、そのことはいつしか物語からは触れられなくなっていきます。目が見えないことについては、問題意識に鋭さがなく、そのことへの切り込みが不十分です。盲導犬の扱いについても疑問があります。
 字幕に数回出てきた「盲心」ということばが、原語では何と言っているのか気になりました。
 主人公は記憶を頼りに、辛抱強く捜査に協力します。元警察官なので、要領を得た協力です。そして、女子大生失踪事件とリンクしていきます。展開の妙に目が離せなくなります。観客の心理を心得た、巧みな物語です。
 見終わってから、女性を偶像崇拝する傾向があることに違和感を覚えました。【2】

※2016年に中国で制作されたリメイク版は、まだ見ていません。
※2019年の日本版の映画については、引き続き次回アップします。

 参考までに、なかざわ ひでゆき氏の「【深読み映画レビュー】『見えない目撃者』 韓国版・中国版との比較も!」(https://eiga-board.com/posts/3323?p=2)から、3種類の映画の「あらすじ」を比較している部分を引用します。

<韓国版『ブラインド』・あらすじ>

 かつて警察大学の優秀な学生だったスア(キム・ハヌル)は、母の運営する孤児院で姉弟同然に育ったダンサー志望の若者ドンヒョン(パク・ボゴム)を連れ帰る途中で交通事故を起こし、逃げ遅れたドンヒョンは車ごと橋から落下して死亡。スア自身も視力を失ってしまいます。それから3年後。視覚障碍者となったスアの乗車したタクシーが何かに衝突します。運転手は犬を轢いてしまったと言いますが、しかしスアはそれが人間であることに気付いてしまう。慌てた運転手は被害者をトランクに押し込めて逃走します。

 すぐに警察へ届け出るスアですが、警察の対応はいい加減。しかし、聴覚や嗅覚を駆使した彼女の鋭い観察力に驚いたチョ刑事(チョ・ヒボン)だけが彼女の言葉に耳を傾け、やがて世間を騒がせている女子大生失踪事件とひき逃げ事件の関連性が浮上します。そこへ第二の目撃者である若者ギソプ(ユ・スンホ)が名乗り出るも、2人の証言の食い違いに警察は困惑。やがて、犯人(ヤン・ヨンジョ)はアルバイト帰りのギソプを襲撃し、さらには地下鉄でスアにも襲いかかります。スマホのビデオ通話でギソプに誘導され、なんとか間一髪で難を逃れたものの、大切な盲導犬チヘを殺されてしまい悲しみに暮れるスア。徐々に姉弟のような絆で結ばれていくギソプとスアですが、そんな2人に再び犯人の魔手が忍び寄ります…。

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<中国版『見えない目撃者』・あらすじ>

 新人女性警官のルー・シャオシン(ヤン・ミー)は、バンド活動に熱中して学校を退学した弟リャン・ツォン(リウ・ルイリン)に腹を立て、ライブ会場から無理やり連れ戻したところ、交通事故を起こして弟は死亡。シャオシン自身も視力を失います。それから3年後、たまたまシャオシンの乗ったタクシーが何かに衝突。運転手は犬を轢いたと言いますが、そのうめき声からシャオシンは人間の女性だと気づきます。犠牲者をトランクに押し込めた運転手はそのまま逃走。すぐさまシャオシンは警察へ届け出ます。温厚なルー刑事(ワン・ジンチュン)はにわかに彼女の証言を信じられなかったものの、事故現場付近で行方不明者の届け出があったことから警察が動き始めます。

 すると、ローラースケート少年リン・チョン(ルハン)が第2の目撃者として名乗り出る。最初はリン・チョンを懸賞金目的の不届き者だと思っていたルー刑事でしたが、彼が犯人(チュウ・ヤーウェン)に襲われたことから考えを改めます。やがて、出会い系アプリを悪用した女子大生連続失踪事件との関連性が浮上。そうこうしているうち、シャオシンはバスで犯人につけ狙われ、スマホのビデオ通話でリン・チョンに誘導されて命を救われるものの、盲導犬コンコンが殺されてしまいます。実はリャン・ツォンの大ファンだった音楽好きのリン・チョン。亡き弟を介して姉弟のような絆を育むシャオシンとリン・チョンですが、そんな2人に犯人が襲い掛かります…。

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<日本版『見えない目撃者』・あらすじ>

 警察学校の卒業式当日に交通事故を起こし、最愛の弟・大樹(松大航也)を死なせてしまい、自らも視力を失ってしまった浜中なつめ(吉岡里帆)。それから3年後、悲しみと後悔のどん底に生きているなつめは、ある晩たまたま車の接触事故と遭遇します。慌てて立ち去る車の中から、助けを求める少女の声を耳にするなつめ。すぐに警察へ届け出る彼女ですが、話を聞いた木村刑事(田口トモロヲ)も吉野刑事(大倉孝二)も取り合ってはくれません。しかし、これが誘拐事件だと確信するなつめは、車との接触事故を起こしたスケボー少年・国崎春馬(高杉真宙)を探し出して協力を求めます。

 事件に気付きながらも犯人の姿を見ていないなつめと、犯人の姿を見ていながら事件に気付かなかった春馬。はじめこそ迷惑がっていた春馬ですが、しかしなつめの熱意に押されて調べ始めるうち、2人は家出女子高生たちの間で噂になっている謎の人物「救様」の存在にたどり着きます。やがて、荒れ果てた廃墟の裏庭で発見された女子高生たちの無残な死体。その傍で見つかった自殺者が犯人かと思われましたが、しかしその陰惨な儀式的殺害方法を目の当たりにした木村刑事は、15年前に起きた猟奇事件と何らかの関係があるのではと疑い始めます…。

 
 
 
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2020年10月09日

広瀬さんの新著『それでも僕たちは「濃厚接触」を続ける!』

 研究仲間の広瀬浩二郎さん(国立民族学博物館)が、楽しい本を刊行します。
 目の見えない方々が物を確認しようとする時、触らないとどうしようもありません。認知と情報共有をもとにコミュニケーションを取る上で、これは欠かせないことです。しかし、新型コロナウイルスの拡大に伴い、触らない、ということが推奨される社会的な風潮が出来上がりました。これで良いのでしょうか。

 広瀬さんが、これに答えを出しています。それが、新著『それでも僕たちは「濃厚接触」を続ける!』です。以下の画像をクリックすると、精細な表示となります。

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 送っていただいたメールの一部を引いて、新著の紹介とします。

 コロナ禍を吹き飛ばす「触発の書」です。
 コラムをまとめるだけでは新しさがないので、国立民族学博物館所蔵の資料写真を多数掲載しました。
 写真を見たら、実物にさわりたくなるというコンセプトで、各資料写真のキャプションでは、僕が資料にさわった印象を述べています。
 新著の前半は「世界の感触」写真集、後半は文章(連載コラムの拡大版)という構成です。
 前半の写真集はカラー印刷です。
 どさくさ紛れに(?)僕自身が撮った通勤時の風景写真も6枚ほど入れています。
 後半の文章部分はあらためて「ユニバーサル・ミュージアムとは何か」についてじっくり考える三つの章から成り立っています。

 今回も「さわる表紙」にはこだわりました。
 濃厚接触をイメージする触図は、さまざまな触感を伝えてくれます。
 昨年のシンポジウムのチラシでもお世話になった桑田知明さんのデザインです。
 視覚障害の有無に関係なく、多くの方にぜひ触れていただきたい「さわる表紙」となっています。


 さらに詳しくは、以下の小さ子社のホームページで確認してください。
 https://www.chiisago.jp/books/?code=9784909782069
 刊行されたら、またここで紹介します。
 まずはお知らせまで。
 
 
 
posted by genjiito at 20:09| Comment(0) | ■視覚障害

2020年10月08日

読書雑記(301)アレックス・カー+清野由美『観光亡国論』

 『観光亡国論』(アレックス・カー+清野由美、中公新書ラクレ、2019年3月)を読みました。

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 最近、観光関係の本を読み漁っています。しかも、初心者用の入門編として刊行されている読み物を。
 これは、予想外に観光学というものが、学問領域において立ち後れていることを知ったからです。今、新型コロナウイルスが観光業界や観光地を大混乱に陥れています。しかし、そのことに関して、観光学の分野から学問的な知見はほとんど社会に還元されていないようです。マスコミなどに観光学者がまったく呼ばれないことは、その表れではないかと思っています。なぜなのだろう、というところから、原点に返り、初心者は初心者らしくわかりやすい読み物からその基礎的な知識を蓄えることにしたのです。というよりも、観光学とされる分野から刊行されている専門書は、まずは単語レベルで躓いてしまい、私の理解にほど遠いからでもあります。

 いろいろと読んできたせいか、本書のインバウンドやオーバーツーリズムに関する事実確認の頁は、これまでの本でも指摘されていることなので読み飛ばすようになりました。本書は1年半も前の刊行なので、その数値も、その分析も、現在の新型コロナウイルスによる観光客激減の今の実態との接点は希薄です。
 観光が新型コロナウイルスによって打ちのめされた今、本書はインパクトを欠いた物となったことが惜しまれます。しかし、合間合間に語られる話には、注意してチェックした箇所が多いのです。また、読みやすい本なので、疲れません。
 この本の中から、いくつか抜き出しておきます。「看板公害」「視覚汚染」「聴覚汚染」ということばも、新鮮な響きをもっています。

■観光地の看板の多さを嘆き、対応策3点の提示
・看板の数を減らす。
・看板の位置を検討する。
・デザインに配慮する。(126頁)



■無意味な撮影禁止
 京博や奈良博よりも、さらにかたくなに「秘仏精神」を守っているのが、ほかならぬ寺社です。たとえば京都の禅寺に残る襖絵は、日本の誇りといえる美術品ですが、「秘仏精神」、あるいは著作権への強い執着心によって「撮影禁止」が行き渡っています。
 写真撮影を解禁している美術館や寺院は、写真を撮ることが来館者の勉強になることを理解しています。誰かが写真をネットにあげたとしても、それが自分たちの持っている宝物の発信になるととらえています。(129頁)



■多言語表示は本当に必要か
 最近では、世界各国から観光客を日本にお迎えしましょう、という背景もあり、英語、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語、アラビア語と、看板に記される言語にもキリがない状況があります。国際的な観光機運の中で、多言語表示は、基本的には良いことではあります。ただし日本の場合、インバウンド増加を呼び水に、もともと過剰な看板が多言語化して、2倍、3倍と増えていく事態を招きかねません。実際に福岡県のあるお寺では、外国人観光客が急増したことで、境内での飲酒飲食やスケートボードの乗り回しなどマナー違反も急増。12か国語でマナーを喚起する看板を設置しました。しかし、それでも効果はなかったそうです。
 さらに気をつけるべきは、観光名所や商業施設などで、マナー喚起のアナウンスを多言語でエンドレスに流す動きです。看板は目をそらせば見なくてすみますが、耳を直撃するアナウンスからは逃れられず、それは精神的なストレスになります。アナウンスにも適切なやり方を取り入れなければ「視覚汚染」のみならず「聴覚汚染」も広がってしまいます。
 言語に限っていえば、日本語と英語、もしどうしても必要なら中国語、という3か国語で事足ります。(131頁)



■観光地での翻訳の品質
 観光客が興味を持つポイントは、それぞれの母国の文化によって違いますし、また興味を満足させるための文章表現、スタイルも変わってきます。そのためには、外国からのインバウンド動向に詳しく、文章表現のスキルのある人に頼む必要があります。外国人の翻訳なら誰でもいいわけではないのです。翻訳には、その国の文化レベルが如実に現れます。翻訳はきちんとしたプロにお願いして欲しいと強く感じています。(133頁)



■家の中で傘を開くことを不吉とする文化
ある新設のホテルでは、レストランの照明シェードに、逆さにした和傘を取り付けていました。デザイナー目線で見た和風≠フ新しい解釈なのかもしれませんが、この光景を見て、知り合いの京都人はぞっとしたそうです。なぜなら京都には、家の中で傘を開くことを不吉な印として忌み嫌う文化が今も伝えられているからです。
 これらの現象は、日本の文化や伝統に対する観光客や事業主の無知、という表面的な問題だけではなく、根本に別の要因があります。それはすなわち、当の日本人が自分たちの伝統の着物や、町家のような空間の継承を放棄したということです。まがい物の着物や逆さの傘は、単純に「デザイン目線」から生まれたものではなくて、「観光客を喜ばせるために、無理に創造した日本」として、ほかならぬ日本人が作ったものなのです。
(145頁)



■世界遺産の変質
 ユネスコサイドは、世界遺産に登録された後、徐々に始まるのではありません。登録された段階、もしくはその前でも起こります。
 ミャンマーにあるバガン遺跡は世界三大仏教遺跡の一つで、11世紀から13世紀に建てられた仏塔や仏教遺跡が3000以上も残る、実に神秘的な場所です。有名なカンボジアの世界遺産であるアンコールワットより、さらに規模が大きく、気球に乗って日の出を見るツアーが観光客から人気を博しています。
 ミャンマー政府はかつてバガンの世界遺産登録を進めましたが、軍事政権下ということもあり、遺跡の管理体制が十分でなく、話は進展しませんでした。その後、民主化を機に世界遺産登録への機運が再び高まり、その盛り上がりと並行するように、観光客がワッと押し寄せるようになりました。
 夕方になれば絶景スポットとされる高さ数十メートルほどの寺院に人々が大挙して集まり、その混み合うさまは古代寺院の神秘どころではなく、危険そのものです。中には夕暮れをBGM付きで楽しみたいということで、あたりかまわず音楽をかける人も出ているといいます。
 ユネスコサイドの流れは4段階を踏んで進みます。

1、世界遺産に登録される、あるいは登録運動が起こる。
2、観光客が押し寄せて遺産をゆっくり味わえなくなる。
3、周辺に店や宿泊施設が乱立して景観がダメになる。
4、登録地の本来の価値が変質する。(155頁)



■地方の町や村と観光
 人口減少が進む日本、とりわけ地方の町や村は、観光という起爆剤を持ち込まないと、やがて経済が回らなくなり、消滅への道をたどってしまいかねません。町の消滅は、同時に文化と歴史の消滅を意味します。(160頁)



■数は成功の指標とはならない
 観光が成功するためには、地域の活性化、雇用の改善、ダメージと収入のバランス、そこに住む人と訪れる人の喜びなど、もっといろいろな要素がある。それなのに数だけを指標にしたら、それは観光過剰を呼びますね。(181頁)



■本来の観光の姿
 「観光コミュニティ」とは、訪れた国の自然や環境、文化に触れ、地元の人々の精神的な部分までを理解することこそが観光だ、とする精神のことです。
 もちろん国を町、村、地域に置き換えても同じ。そのような「観光コミュニティ」の精神があることで、地方の小さな村の暮らしが成り立っていく。それを可能にする行動こそが、本来の「観光」なのです。
 残念ながら大型観光に「観光コミュニティ」の精神はありません。数十分だけ滞在して、写真を撮って帰る。そこには土地に対する愛情もなければ理解もない。受け入れる地域にしたって、そこから外部に発信できることは乏しいものです。(186頁)

 
 
 
posted by genjiito at 23:37| Comment(0) | ■読書雑記

2020年10月07日

読書雑記(300)佐滝剛弘『観光公害』

 『観光公害―インバウンド4000万人時代の副作用』(佐滝剛弘、祥伝社新書、2019年7月)を読みました。

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 京都に住んで1年になる著者が、日々の思いをまとめた本です。「まえがき」で、次のように言います。

 この論考は、自分自身がいつも旅人として異国の地を彷徨っている「観光」の当事者であり、今では大学で「観光」を教える立場になった研究者であり、観光庁が旗を振るDMO(着地型観光組織、詳しくは後述)の戦略立案の責任者の一人であり、さらには長年ジャーナリストとして世の中で起きていることを噛み砕いて伝えることを職業としてきた筆者が、日常生活と観光にどう折り合いをつけるべきかを、国内外の観光地を実際に取材・調査した体験を中心にまとめたものである。(7頁)


 本書は「論考」ではなく、あくまでも「読み物」です。そのため、読みやすい語り口で展開していきます。
 新型コロナウイルスによる観光打撃について、誰もが予想だにしなかった1年3ヶ月も前の刊行物なので、今となっては社会環境も情勢も本書に述べられたこととは、現状が大きく異なっています。
 次の言葉は、そうした観光全盛の時代を背景にした物言いです。

まだ二〇年も経っていない二一世紀を一語で形容してよいのかどうかはわからないが、「AIの時代」とも言いうるのと同じ並びで、「観光の世紀」になりそうな勢いを感じるほど観光産業が伸長している。(69頁)


 本書が書かれた当時とは社会情勢が激変している今の視点で、最後まで読んでみました。著者にとっては想定外の読まれ方をするわけで、申し訳ないとの思いと共に、書籍を通して語ることの意味を考えるのにいい機会となりました。
 読み進む中で、次の指摘には考えさせられました。現代の観光に内在する問題点が見えてきたからです。これも、新型コロナウイルスの影響で観光業が変質している今、これからの変化を追っていく必要があるように思います。

私たちは、殺到する観光客を悪者にしがちだが、その観光客の誘致に力を注いだり、地域住民よりも観光客の利便を優先してしまうのも、受け入れ側、つまり地元が主導している側面があることを忘れてはいけない。古都京都の静かなたたずまいを壊そうとしているのは、事情を知らずにやってくる外国人観光客ではなく、事情を知ったうえで、地域の景観や雰囲気を貶めることに加担する地域の業者だったりする。実は本当の対立構造は、儲けを重視して観光客を優先する「地域」と、知らず知らずのうちにそのマイナス面を引き受ける「地域住民」、つまり「地域」vs.「地域」だったりするかもしれないのだ。単純な二項対立では捉えきれないところにオーバーツーリズムの難しさが潜んでいるのである。(81頁)


 なお、先日読み終えた高坂晶子著『オーバーツーリズム』には、「観光公害」という表現は避ける傾向にあることが指摘されていました。そのことは今は措くとして、この「観光公害」ということばが持つ意味あいと、その問題の切り口は、新型コロナウイルスの脅威を体験している今、あらためて再検証されるべきでしょう。つまり、これまでのことは一端白紙に戻し、あらためて現状を見つめ直して「観光公害」ということばの意味を定義し直すべきだ、ということです。これは、「GoTo トラベル」という今直面している事態が終息してから、再確認していく問題となることでしょう。
 なお、本書には3つのコラムがあります。

「コラム(1)一風変わった外国人からのクレーム」
「コラム(2)お坊さんの専門誌に掲載された観光公害」
「コラム(3)江戸時代からあった富士山の「入山料」と「観光公害」」

 このコラムで指摘された問題点は、興味深いものでした。次の機会には、こうした情報をまとめていただくと、幅広い分野の方々が観光に関する分野の問題に興味が向き、理解も深まると思います。【2】
 
 
 
posted by genjiito at 23:48| Comment(0) | ■読書雑記