2023年09月30日

本年後半は『源氏物語』本文データベースの構築を再始動させます

9月も無事に終わります。
幸運に恵まれた日々を過ごすことができました。
リハビリも順調で、ほとんど問題はありません。
脳梗塞の再発率は51%だそうです。
自分の身体を気遣いながら、慎重に物事に対処していきます。

『源氏物語』の本文データベースの構築が私にとっての大仕事です。
来月から、『源氏物語』の鎌倉期古写本の新たな翻字に集中します。
[変体仮名翻字版-2023]で1巻でも多くの翻字をするつもりです。
まだ誰もやったことがない翻字方針なので、手探り状態は続きます。
これは、『源氏物語別本集成 正・続 全22巻』の時もそうでした。
これまで翻字のお手伝いをしてくださった方々と、新たな始動です。
これまで以上に多くの方のさらなるご理解とご協力をお願いします。




posted by genjiito at 20:55| Comment(0) | ◎源氏物語

2023年09月29日

京洛逍遥(848)病院と市役所の帰りに見かけた欄干二つ

 大文字山が、くっきりとした山肌を見せていました。秋を感じさせます。

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 今日の京大病院での行き先は歯科口腔外科です。
 実は、先週20日(水)が診察日だったのを、リハビリで何かと忙しい日々の中にいたために完全に忘れていたのです。予約を取り直して、今日の診療となりました。

 睡眠時無呼吸症候群の治療の一環として、これまではマスクを装着して空気を送り込みながら寝るCPAPという機械を使ってきました。しかし、それがあまりにも苦しくて眠れないのでお願いした結果、別の治療法としてのマウスピース(スプリント)を嵌めて寝る方法に切り換えることになりました。
 その型取りが終わったので、試作品の調整をしてもらいました。CPAPからマウスピースに替えても、ほとんどの人が合わなくて断念するそうです。それでも、苦しみながら寝る今から逃れられることを思うと、やってみる価値はあると思いました。何事も、とにかくやってみるタイプですので……
 上用と下用の二つのマウスピースをくっつける、接着剤を使った作業が行なわれました。来週、できあがります。寝心地がどうなのか、今から楽しみです。

 病院から市役所へ直行です。NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が提出・申請する資料を、何度も見てもらうことによって、やっと完成したのです。そして、3種類の書類のセットを受け付けていただけました。なかなか思うような書類を提出できない私を、噛んで含めるように見放さず、やさしくわかりやすい説明で教え導いてくださいました。8月には入院したために、期日までに思うような書類が完成しませんでした。根気強く対応してくださった担当の尾嶋さんには、本当にお世話になりました。ありがとうございました。これで、気掛かりだったことが一つ解消し、次のステップに進めます。モグラ叩きのような日々です。

 今日も、市役所からの帰りには、寺町通を散策しました。三条通との角のあたりで、お店を見上げると、手摺り付きの欄干が気を惹きました。古本屋さんの其中堂と、お肉屋さんの三嶋亭です。

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 木組みに日本の文化を感じました。今まで何気なく見ていた軒先にも、これからは注意を払って散策しようと思います。京洛を歩く楽しみが、変体仮名との出会いに加えて、また一つ増えました。




posted by genjiito at 22:15| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2023年09月28日

本日はお休みです(9月- 4 / 8 )

順調にリハビリをしてきました。
しかし、今日は不調でした。
口がもたついて、呂律が回りません。
算用数字の曲線が、滑らかに書けません。
腰が怠くて、ぎこちない歩き方でした。
明日、丁寧に、口・手・足の訓練をします。






posted by genjiito at 23:17| Comment(0) | *健康雑記

2023年09月27日

美術館「えき」KTOTOで芭蕉布の展示を見る

 京都駅伊勢丹の7階にある美術館「えき」KTOTOで、「芭蕉布 人間国宝・平良敏子と喜如嘉の手仕事」と題する展覧会に行って来ました。久しぶりに、沖縄の伝統や文化を楽しみました。

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 いかにも涼しそうで、ザラザラした感触が伝わってきます。淡い色合いの芭蕉布の織物70点を、存分に堪能しました。糸芭蕉を育て、収穫してからの糸作り、そして染め、織りと、とてつもない時間がかかっています。手間のかかる手仕事です。

 民藝運動で知られる柳宗悦は、『芭蕉布物語』(1942年、昭和17年)の前書で、「今時こんな美しい布はめったにないのです。」と言っていました。その自筆原稿が展示されていたので、じっくりと見ました。「こんな」の「な」はどうみても「めったにない」の「な」と異なり、「あ」にしか見えませんでした。機会があれば、この原稿の平仮名を通覧したいものです。

 芭蕉布を織る写真やビデオ映像を見ていて、かつて私は機織りに関する調査報告を書いたことを思い出しました。掲載誌が見つからないので、いつか出てきたら紹介します。その概要だけを、ここに記しておきます。

「機業 −福生の民具を通して−」
『福生市文化財総合調査報告 第12集 福生の民俗・生業諸業』
福生市教育委員会、1980年3月刊
「福生市教育委員会の委託を受けて行なった、民俗調査にもとづいてまとめたものである。民具としての機(ハタ)を取りあげ、その歴史的な位置づけと、当該地における実情を、モノを通して論じた。聞き書きをもとに構成したものであり、特にライフヒストリーの部分のまとめ方には、新たな視点を導入した。」




posted by genjiito at 21:04| Comment(0) | ・ブラリと

2023年09月26日

集会所でのヨガ教室に参加して

 今日の地域の集会所では、高齢者を対象としたヨガ教室が開催されました。
 講師の先生のご自宅は、平等院の近くだとのことです。合掌のポーズをとる時に、先生の背後には鳳凰堂がちらつきます。
 約1時間のレッスンでした。まずは、腹式呼吸に始まり、身体の中のいろいろな所に空気を入れます。手や指や耳や目などもリラックスさせます。そして、胴体、腕、足、つま先などの力も抜きます。いろいろな動きを教えていただきました。
 声を出して笑うヨガは、みなさんと一緒に楽しくできました。これは、呼吸法の習得でもあり、いかにも笑っているかのように身体が反応したように思えました。笑いのヨガにも資格があるとか。専門が細分化されていることを知りました。
 身体の力を抜いてブラブラさせることは、もう少し練習が必要です。今日できたのは、手首をブラブラさせることだけでした。家でやってみましょう。
 かつて、フィットネスクラブでヨガのプログラムがありました。しかし、今日のヨガは、目的が違うこともあってか、楽しくおもしろくできました。機会があれば、ヨガにも積極的に取り組んでみたいと思うようになりました。
 ここにはツボがあるので……と言いながら、動きを説明しておられました。よくわからないままに、見よう見まねでついていったので、どこにどんなツボがあるのかがわかると、効果的なエクササイズになることでしょう。
 今日は瞑想がなかったせいか、終わってからの質問に、眠りと関係したことが出ました。ぐっすり寝るためには何をすればいいのか、とか、朝の寝起きにはどんなことをすればスッキリするか、などなど。
 楽しい1時間でした。ありがとうございました。




posted by genjiito at 21:01| Comment(0) | *福祉介護

2023年09月25日

『源氏物語』は43種類の言語で翻訳されている

 一昨日23日(土)のキャンパスプラザ京都での源氏講座では、ポーランド語訳の『源氏物語』に関する4冊の本を回覧しました。

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 その際、これまでの情報公開で不正確な点があったことをお話しました。
 当日の講座の報告となる「キャンパスプラザ京都で池田本「桐壺」を読む(第10回)」(http://genjiito.sblo.jp/article/190573236.html)にも書いたように、この日の資料を作成するためにポーランドの翻訳情報を整理していた過程で、今まで頻繁に紹介して来た【『源氏物語』が翻訳されている42種類の言語一覧】(2021年9月現在)に、ポーランド語が含まれていないことに気付きました。この一覧表を過去のブログで検索しても、ポーランド語がどこにもありません。(「大阪府立中之島図書館での『源氏物語』の体験講座(その2)」http://genjiito.sblo.jp/article/189387417.html
 ポーランド語訳の『源氏物語』が掲載されていないことについて、今その事情と経緯がよくわかりません。単純な私のミスであることは明らかです。とにかく、ポーランド語がスッポリと抜け落ちたままで、今に至っていたのです。
 以下の記事にあるように、ポーランド語訳は私の手元にあるので、掲載しているはずなのにないのです。

「ポーランド語訳『源氏物語』の新情報」2010年11月20日

「ポーランドの源氏物語研究」2011年2月10日

 正しい現状の報告としては、以下のように【43種類の言語】として公表すべきでした。
 『源氏物語』が42種類の言語で翻訳されているとして来たのは正確ではなく、ポーランド語訳『源氏物語』は確かにあるので、以下のように一覧表に追記して、今のところは43言語あるとします。お手元の資料の修正追記を、よろしくお願いします。私の報告を信じて各所で引用してくださった方々に、あらためてここでお詫びします。

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【『源氏物語』が翻訳されている43種類の言語一覧】(2023年9月25日現在)

アッサム語(インド)・アラビア語・イタリア語・ウクライナ語・ウズベク語・ウルドゥー語(インド)・英語・エスペラント・オランダ語・オディアー語(インド)・カタルーニャ語・クロアチア語・ジョージア語・スウェーデン語・スペイン語・スロベニア語・セルビア語・タミル語(インド)・チェコ語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・テルグ語(インド)・ドイツ語・トルコ語・日本語(現代)・日本点字・ハンガリー語・ハングル・パンジャービー語(インド)・ビルマ語・ヒンディー語(インド)・フィンランド語・フランス語・ベトナム語・ヘブライ語・ペルシャ語・【ポーランド語】・ポルトガル語・マラヤーラム語(インド)・モンゴル語・リトアニア語・ルーマニア語・ロシア語
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 なお、ポーランド語訳『源氏物語』についてネットで調べている内に、次の論文が公開されていることを知りました。その中の資料に、『源氏物語』について「注13」に追記された説明があったので、参考のために引いておきます。

「翻訳史から見たポーランドにおける日本文学
藤原, まみ
九州大学大学院比較社会文化学府 : 博士後期課程」
出版情報:地域健康文化学論輯. 1, pp.59-70, 2009-09-30

「(前略)二OO八年にワルシャワ大学で開催された源氏物語と平安文化をテーマとした学会で、「映画『源氏物語』から考察する『源氏物語』の文学的解釈の新しい可能性」という発表がなされた。しかし、それは原典や日本現代語訳はもちろん、ポーランド語訳、あるいは、マンガを媒介とした『源氏物語』を読むことも、映画『源氏物語』を視聴してもいない者による発表であった。このような「文学的」解釈についての学会発表が可能である点に、現在のワルシャワ大学日本学科が抱える日本文学・文化研究の裾野の狭さが表れているように思えてならない。(後略)」




posted by genjiito at 20:41| Comment(0) | ◎国際交流

2023年09月24日

田郁集(32)田郁『契り橋 あきない世傳金と銀 特別巻上』

 『契り橋 あきない世傳金と銀 特別巻上』(田郁、ハルキ文庫 時代小説文庫、2023年8月)を読みました。

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 事前の情報では、「シリーズを彩ったさまざまな登場人物たちのうち、四人を各編の主役に据えた短編集。」とありました。
 そこで、本編第1巻からの展開を思い出しながら読み進めました。その話の経緯に拘ったことから、内容が過去の話と組み合わさるまでに、手間と時間がかかりました。過去の話はともかく、これだけで楽しめる作品となっているので、より深く楽しもうという方以外は気楽に読み通せばいいと思います。
 こうした、舞台裏を支えた人々の話は、読み終えた物語をさらに厚いものにしてくれます。しかし、読み手にとってはこれまでの展開と照らし合わせながら読むことになるので、頭の中はフル回転です。

■「風を抱く」
 幸の元夫で五鈴屋5代目店主だった惣次が、離縁して消息を絶った後に江戸で両替商「井筒屋」の3代目保晴となって登場する話の裏事情が秀逸です。次の言葉は、保晴を理解する上で参考になります。
「今は五鈴屋五代目としては果たせなかったことを、井筒屋三代目保晴として成し遂げたい、と強く願う。内と外の和を何よりも重んじて、名実ともに江戸一番の店に−−万が一、卑劣な罠を仕掛ける同業が現れたならば、充分に策を練った上で完膚なきまでに叩き潰す心づもりであった。」(76頁)
 妻の雪乃のこと、元妻である幸の妹結衣のことなど、本伝の物語の背景にある出来事が詳細に語られます。
 話は、情に流されずに語られます。回想が、うまく本伝の話を支えています。【5】


■「はた結び」
 支配人で生真面目な佐助の、恋の今昔に纏わる話です。かつてのおさよのことを思い起こしつつ、妹ちかとの縁が生まれたことを宿命とも思うのでした。その佐助とちかの恋心が、行きつ戻りつしながら紡がれて行きます。二人の言葉が心を打ちます。
「さよ姉さんとあなたの間で切れてしまった糸を、私と結ばせて頂けませんか。さよ姉の身代わりでも良い、私に心を向けてくださいませんか」(151頁)
「ちか、私はあんさんと、もう二度と解けることも切れることもない『はた結び』でご縁の糸を結ばせてほしいと思うてます」(152頁)
【5】

■「百代の過客」
 幸を支えて来た小頭役のお竹も齢を重ね、これからの生きる道を考えます。これまでの物語を支えて来た裏方の、人間としての生き様に光が当たります。
 そんな中で、大七が医者の世界に身を転じます。限りある一生の中で、人の才をどう生かすか、というテーマが取り上げられ、読者に投げかけられます。最後に、人の別れが情感豊かに語られます。【4】


■「契り橋」
 店主である幸に対する、賢輔の積年の秘めた想いの行方を描きます。お店を支えている奉公人の様子がわかり、このシリーズの場面場面を思い出しながら読みました。ただし、大風のこと以外は盛り上がりに欠け、印象に残りにくい話でした。最後の場面に作者は思いをぶつけたようです。しかし、話は力なく失速したと思います。煮え切らない、収まりの悪い巻末として読み終えました。【3】




posted by genjiito at 18:13| Comment(0) | □田郁集

2023年09月23日

キャンパスプラザ京都で池田本「桐壺」を読む(第10回)

 キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)に掲示されていた本日のモニタ画面を紹介します。
 本ブログの画像は、とりあえず圧縮した簡略な画像です。それぞれの画像をクリックすると、精細な本来の画像が表示されますので、文字列などを確認する場合は読みやすくしてご覧ください。

 いつもは2行目に「NPO法人〈源氏物語電子資料館〉」という主催者名が入っているのに、今日の表示にはありませんでした。すでに12月まで予約は取れているので、次回からはまた表示していただくようにお願いしました。出入りする教員や学生や一般社会人に、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の存在を知ってもらう機会となるので、ここは貪欲にピーアールをする場面なのです。

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 今日は、いつものメンバーで欠席者が4名と多い日でした。秋分の日で祝日ということもあり、しかたのないことでした。しかし、嬉しいことに京都新聞に掲載されたイベント情報をご覧になって、お一人の方が初めて参加してくださいました。おもしろくて楽しかった、とおっしゃっていました。少しずつ仲間が増えることは嬉しいことです。
 本日配布した資料は、A4判で14枚でした。そのうち、主なもの6枚分を以下に掲載します。

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 本日の回覧本は、ポーランド語訳の本4冊です。一昨日あたりから、ウクライナとポーランドの関係についてニュースなどで話題になっています。そのことを受けて、ポーランドに関する情報を共有する意味で、また仲間が現地にいたこともあり、ポーランド語訳の本を選んで回覧しました。4冊に関する情報は、掲載した資料の4枚目以降にあげています。

 ポーランドの情報を整理する過程で、今までよく引用して啓蒙的に紹介して来た【『源氏物語』が翻訳されている42種類の言語一覧】に、ポーランド語が含まれていないことに気付きました。過去の記事で引用しているこの一覧表をブログで検索して見ても、どこにもポーランド語の記載がありません。掲載していないことについて、今その事情がわかりません。単純な私のミスでしょう。とにかく、スッポリと抜け落ちたままで、今に至っていたのです。
 以下の2本の記事にあるように、ポーランド語訳は私の手元にあるので、明らかに収載ミスです。

「ポーランド語訳『源氏物語』の新情報」2010年11月20日

「ポーランドの源氏物語研究」2011年2月10日

 『源氏物語』が42種類の言語で翻訳されているとして来たのは正確ではなく、ポーランド語訳『源氏物語』は確かにあるので、以下のように一覧表に追記して、43言語ある、とします。お手元の資料の修正追記を、よろしくお願いします。

【『源氏物語』が翻訳されている43種類の言語一覧】(2023年9月23日現在)
アッサム語(インド)・アラビア語・イタリア語・ウクライナ語・ウズベク語・ウルドゥー語(インド)・英語・エスペラント・オランダ語・オディアー語(インド)・カタルーニャ語・クロアチア語・ジョージア語・スウェーデン語・スペイン語・スロベニア語・セルビア語・タミル語(インド)・チェコ語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・テルグ語(インド)・ドイツ語・トルコ語・日本語(現代)・日本点字・ハンガリー語・ハングル・パンジャービー語(インド)・ビルマ語・ヒンディー語(インド)・フィンランド語・フランス語・ベトナム語・ヘブライ語・ペルシャ語・ポーランド語・ポルトガル語・マラヤーラム語(インド)・モンゴル語・リトアニア語・ルーマニア語・ロシア語

 池田本「桐壺」の本文を、[変体仮名翻字版-2023]で確認を進めました。時間の都合で、第7丁裏と第8丁表を確認しました。第8丁裏からは、次回に回しました。きれいな写本なので、今日確認した範囲では、特に問題はありませんでした。初めて参加された方がいらっしゃったので、すこし丁寧に説明しました。

 引き続き、さまざまな写本の文字に慣れてもらうという目的のもと、大島本・尾州家本・陽明文庫本の巻頭部分の確認をしました。ただしこれも、大急ぎで数行ずつを見ることに終始しました。それぞれの写本を、今日は2行くらいしか確認できなかったので、その内容と検討結果については、次回に報告します。

 この施設は退出時間が厳しいので、少し早めに終わって机を片づけてから帰りました。

 次回以降の予定は、次のようになっています。

(11回)2023年 10月28日 (土) 第5講習室
(12回)2023年 11月25日 (土) 第8講習室
(13回)2023年 12月23日 (土) 第5講習室

 当日だけの参加も、あらかじめ連絡をいただければ、資料を用意してお待ちしています。このブログのコメント欄を利用して、お知らせください。




posted by genjiito at 21:42| Comment(0) | ■講座学習

2023年09月22日

身体と脳が活性化される集まり

 集会所で、地域のみなさまと一緒に、さまざまな話題で懇談をしました。
 まずは、ラジオ体操から。
 リハビリ中の私には、ちょうどいい準備運動です。
 続いて、ぱたから体操。
 みんなで一緒に大きな口を開けて、「ぱらそるぱらぱら パペピプペポパ」と早口言葉の調子で声を出します。
 これも、私が毎朝行なっている、口のリハビリにあるものです。
 この集まりでやっていることは、身体の活性化と機能訓練となるものであったことが、自分が脳梗塞という病気になってみて気付きました。
 100歳に近い、80代90代のみなさんにとって、ここに集まってこうしたメニューをこなすことは、元気に明日も生きて行く後押しとなっていたのです。
 身体だけでなく、頭の体操もしています。
 まちがい探しのプリントは、一人黙々と取り組んでおられます。
 ひらがなを並べ替えて、懐かしの歌手の名前を当てるパズルもしました。
 私は、14問中、「なこせつうみみ」だけがわかりませんでした。
 いつも一緒に帰るご近所の98歳のTさんに、答えを教えていただきました。
 今日のコーヒーは、いつもと違ってバニラなどの香りがしました。
 気分を落ち着けるのにいい飲み物です。
 時間があっという間に過ぎていきました。




posted by genjiito at 23:35| Comment(0) | *福祉介護

2023年09月21日

京洛逍遥(847)京大病院から市役所と寺町三条通りへ

 一昨日、京都市役所のNPO担当の窓口へ、提出する前に内容を確認していただくためにPDFにした書類を3種類、添付ファイルとして送りました。Gメールではファイルの容量が大きすぎて送れなかったので、アップルメールで送りました。BCC には、書類の作成を手伝ってもらった仲間を入れました。仲間からは、すぐに届いた旨の連絡がありました。ところが、いつも迅速に対応してくださっている市役所の担当者から反応がありません。何かあったに違いないと思い、今朝電話を入れたところ、届いていないとのことでした。すぐにファイルを三分割して送ると、今度は届いたとのことで、折り返し不備の指摘をいくつかいただき、大至急修正して再送信しました。ただし、3種類の内一つは作り直しが必要とのことでした。
 今日は午後に、京大病院で先月入院した脳神経内科の診察日だったので、診察の後、市役所に2種類の修正分を持参し、もう一つは対面で指導を受けることにしました。

 今日の大文字は、その文字がわかるように見せて佇んでいます。

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 病院の診察では、8月23日に退院した後の様子を聞かれました。口の構音訓練、手で文字を書く練習、そしてウオーキングを順調にやっていることと、特に不自由はしていないことをお伝えしました。本来は、退院と同時にリハビリ専門病院へ転院するはずです。しかし、私の場合は順調に回復していたので、更に3カ月のリハビリ入院ではなく、自宅でリハビリ療養という稀な選択肢を主治医の先生は決断してくださいました。それだけに、この1カ月の様子を気にしておられました。これまでと同じ生活を送っていることをお知らせすると、握力を測ったり、筋肉に負荷をかけて確かめたり、1本の線の上を歩いたりと、手足の反応を見ておられました。話すことは、直接対面で喋っているので、思った以上に大丈夫だと仰ってくださいました。とはいえ、自然に無理をして平静を装っていることもあるので、疲れが出ないように休みながら活動することと、水を絶えず飲むことを強調しておられました。来月には、頭部のCTを撮影して、入院前と比べて見ましょう、とのことでした。
 脳梗塞は、とにかく順調に回復しています。ただし、無理はせずに、身体を休めながら活動するように、とのアドバイスをいただきました。薬は、血液をサラサラにするものが、引き続き処方されました。

 診察後は、河原町二条と三条の間にある京都市役所のNPO担当窓口へ、プリントアウトをした書類を持って、歩いて行きました。

 途中で、変体仮名かと思いきや、漢字が主体の看板を見かけました。

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 書かれているのは「多幸金」です。おめでたい文字が連なっています。私が興味を持ったのは、そのフリガナが平仮名でもローマ字でもなく、片仮名で「タコキン」とあったことです。昨日の記事で紹介している宇治川沿いの京料理「辰巳屋」の看板には、ローマ字で「TATUMIYA」とありました。機会があれば、この「多幸金」という命名の背景を伺いたいものです。

 市役所に着く直前に雨が降り出しました。新館に入るや否や、耳をつんざくような雨音と共に、大粒の雨が、すり抜けるようにして入った自動ドアの向こうの路面を叩きつけています。ギリギリセーフでした。そういえば、昨日も突然の大雨に立ち往生しました。
 京都市文化市民局地域自治推進室市民活動支援担当という長い名前の部署の尾嶋さんは、数年来お世話になりっ放しです。今回も、手続きの手順や流れを、春先と入院の前後から丁寧に教えてくださいました。また、事前にいくつもの書類上の不備を指摘していただき、今日は出かける直前に大急ぎで修正しました。そして、対面でさらに至らない点を、丁寧に説明していただき、来週にでも再提出することになりました。こうした事務書類の作成が苦手な私にとって、尾嶋さんの丁寧な助言や適切な指導なくしては、とても提出まで持っていけません。ひたすら感謝しながら、2件の書類は受け取っていただき、残る1件は持ち帰って再度作成し直すことになります。これで、気分は格段に楽になりました。あと一歩です。もっとも、次に法務局という大きな山が待ちかまえています。7月に、提出した書類が却下されているからです。それらは、来週以降に対処をします。まずは、事態が一歩前に進んだことで、よしとしましょう。

 市役所の新館の玄関を出ると、入る時にあれほど降った雨はもう上がっていました。寺町通りのアーケード街に入り、本能寺の前を通り過ぎた頃に、またまた大雨です。アーケードの屋根を叩く雨の音は、ひっくり返した洗面器に大量の水をぶちまけた時の大音響を思わせ、それが天から浴びせられるように鳴り響いていました。何事かと、足を留めてしばらく見上げました。
 京阪の三条駅へ行きたかったので、しばしの雨宿りを兼ねて海鮮丼と蟹味噌の甲羅焼きをいただきました。味も香りも一級品です。しかも驚くほど超が付くほど安いのです。特に海鮮丼はメニューには載っていないので、知る人ぞ知る丼です。またいつか、詳しく報告しましょう。

 食後には、雨もすっかり上がっていました。京阪の三条駅に向かう時に渡る三条大橋は、高欄が真新しい木肌を見せています。京北や鞍馬で伐採した市内産の檜を使って改修が続く高欄が、白木のなめらかさと雨に濡れた渋い輝きが相俟って、独特の雰囲気を漂わせていました。




posted by genjiito at 21:51| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2023年09月20日

京洛逍遥(846)平等院表参道をリハビリ散策

 今日は、京阪宇治駅からさわらびの道を歩いて宇治上神社へ行きました。緑に包まれた質素な社殿が好きです。

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 朝霧橋を渡っていると、正面に平等院の鳳凰の輝きが見えて来ます

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 橘島から塔の島に移り喜撰橋を渡るとあじろぎの道に出ます。そこで、料理屋さんの看板の文字に注意が向きました。仮名文字だと思って読んでいると、漢字で「辰巳屋」と書かれていることがローマ字でわかりました。ローマ字がなければ、読めない文字でした。

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 平等院表参道をブラブラしていると、「ど」「ぞ」「を」がユニークな形をした平仮名と出会いました。

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 中村藤吉本店で、宇治川を見ながら一休み。

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 宇治橋通にある大阪屋マーケットは、おもしろいお店が入っています。

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 その入り口にあるピザ屋のラジネッロは、いつも満席で一度も叶わなかったお店です。今日は開店前から並び、やっと念願がかないました。釜の中には薪が燃えています。トマトがおいしいピザでした。ホットコーヒーも私好みで満足しました。貼り紙には、「ナポリピッツァ職人世界選手権(カプート杯)日本大会 優勝」とあります。

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 宇治橋の袂の夢浮橋ひろばには、紫式部像があります。後ろ姿は撮っていなかったので、朝霧橋を左後ろに入れて写しました。

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 帰りに、京阪宇治駅の後ろに建つ交流館茶づなに立ち寄りました。宇治川太閤堤跡の上から、右に茶園を、左上に駅舎を入れて写しました。

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 さらには、その後ろの菟道稚郎子宇治墓の西隣に浮舟宮跡の碑があることに初めて気付きました。埋め込まれた説明文を引いておきます。

浮舟宮跡
 此処より東の旧道沿いに、菟道稚郎子皇子墓の陪塚に治定される小さな高まりがある。
 この辺り一帯にかつて浮舟宮と呼ばれた古社があった。
 榎の大木が茂り、浮舟の森とも呼ばれた。
 社の由来はつまびらかではないが「源氏物語」宇治十帖の悲劇のヒロイン浮舟の君を祀った社として、里人に親しまれていたという。
 江戸時代の中ごろに社が廃絶し、三室戸寺によって「浮舟之古蹟」碑が建てられた。
 明治に至り社跡は宮内庁により陪塚として整備され、石碑は近年の開発に伴い三室戸寺境内に移設されている。
            宇治市

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 京阪の観月橋駅から歩いて帰ろうししたところ、突然の豪雨で駅に足止めとなりました。30分ほど雨宿りをしました。雨が止むと、それまでの大雨が嘘だったかのように快晴です。夏から秋への季節も、例年と違っています。




posted by genjiito at 20:54| Comment(0) | ◎京洛逍遥

2023年09月19日

本日はお休みです(9月- 3 / 8 )

 話すことも、書くことも、そして歩くことも、これまでの状態に近い回復となっています。
 リハビリを兼ねて、特定非営利活動(NPO)の一環としての『源氏物語』の変体仮名を読む講座を、これまで通り開講しています。
 ただ今、受講生を募集中です。
 本ブログのコメント欄を通して、お問い合わせください。
 今週末の23日(土)はキャンパスプラザ京都で、池田本『源氏物語 桐壺』を変体仮名で読みます。


本 第2水曜日 大阪府立中之島図書館

   「重文・池田本『澪標』巻の仮名文字を読む」

   次回は、10/11、11/8、12/13、1/10、2/14、3/13


本 第2土曜日 大阪府立中之島図書館

   @「変体仮名のいろは」

   A「ハーバード大学本『蜻蛉』巻の仮名文字を読む」

    次回は、10/14、11/11、12/9、1/13、2/10、3/9


新幹線 第3金曜日 東京都千代田区立日比谷図書文化館

   @「ハーバード大学蔵『源氏物語 須磨』を読む」

   A「重要文化財・陽明文庫蔵『源氏物語 桐壺』を読む」

    次回は、10/13、11/17、12/1


ビル 第4土曜日 キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)

   「池田本『源氏物語「桐壺」』を変体仮名で読む」

   次回は、9/23、10/28、11/25、12/23、1/27、2/24、3/23



posted by genjiito at 19:48| Comment(0) | *健康雑記

2023年09月18日

地域のコラボカフェでカンナクズを使った花籠を作る

 地域住民の交流の場として、集会所を舞台にしたグリーンカフェを毎月開催しています。そこにボランティアとして参加し、高齢者のみなさんのお手伝いをしています。
 今日は、いつもと趣向を変え、近くで木材を扱う工務店の方の協力を得て、コラボカフェが実現しました。木材を削る時に出るカンナクズを使った「かんなフラワーづくり」です。
 薄くて細長いカンナクズにスプレーで水浸しにし、柔らかくなった木の帯を巻いていきます。

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 いくつか花を作ると、それをカップに入れて木工ボンドで固めると出来上がりです。

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 私は、こんな花籠を作りました。丁寧に、それでいて手早く作ったので、手のリハビリになりました。この完成度が高いということで、四方山話での話題となりました。

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 木の爽やかな香りがします。何日かして乾燥したら、スプレーで水をかけるとまた香りが蘇るそうです。
 コーヒーをいただきながら、みなさまと楽しいひと時を過ごしました。




posted by genjiito at 21:19| Comment(0) | *福祉介護

2023年09月17日

意外に少なかった東京でのマスク姿

 昨日と一昨日の2日間は、東京都内でリハビリ散歩をして来ました。
 歩いていて、マスクをした人が思いのほか少ないのに驚きました。
 数えたわけではないものの、見渡しての感触で言えば、マスクを着けている方は京都駅周辺の半分に満たないように見受けられました。明らかに少ないのです。
 電車は、山手線と中央線に乗り、地下鉄は銀座線と大江戸線と丸ノ内線を使いました。都内の中央部分を横断です。車中でも、マスク姿の人はごく少数です。多くの海外の方が着けておられないのはそうとして、日本人と思われる方もマスク姿は珍しいほどです。海外の方ということで言えば、京都を訪れる観光客は、思いのほかマスクを着けておられるので感心しています。
 確かに、国としてはマスクの着用を緩和しています。しかし、コロナにも新しい種類のウイルスが広がる気配を見せ、インフルエンザが被さって流行しているのが実状のようです。日々、少しずつ感染者が増えているそうです。
 私は、基礎疾患をいくつか持っているので、マスクは手放せません。
 この東京の無防備さは、大丈夫なのでしょうか。
 帰りの新幹線では、マスク姿の乗客は半分ほどだったように感じました。密室で長時間の移動となると、感染しないようにという気持ちが生まれるのでしょうか。




posted by genjiito at 23:04| Comment(0) | ・江戸漫歩

2023年09月16日

江戸漫歩_神宮外苑から新中野へ

 昨夜は、日比谷図書文化館から地下鉄一本で行ける息子の所に泊まったので、早朝の散歩は青山通りです。
 今朝の明治神宮外苑から望む絵画館前のいちょう並木は、146本あると言われる木々が静かに迎えてくれました。秋の気配を感じます。

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 今日の江戸漫歩は、懐かしい中野にしました。
 青山から新中野へは、地下鉄の赤坂見附で一度乗り換えるだけなので、20分で行けます。
 大学生時代、同級生だった妻は新中野のアパートに住んでいました。妻が新中野にいたのは、今から50年も前のことです。鍋屋横丁が懐かしい界隈だ、とのことなので、まずはそこに向かいました。

230916_鍋屋横丁.jpg

 そういえば、鍋料理を作ってくれるとのことで、一緒に鍋屋横丁で土鍋を買いました。アパートに行く途中、その買ったばかりの土鍋を落として割ってしまいました。仕方がないので、財布が空になるのを悔しがりながら、もう一度買い直したことを思い出しました。その時の土鍋は、今も流しの下にあります。今はIHの調理器を使っているので、出番がありません。しかし、想い出の土鍋なので処分できないのです。こうした想い出があるために、我が家は物で埋まっています。

 10年ほど前に、新中野に一度来たことがあります。しかし、その時は大雪の日で、番地があやふやだったこともあり、途中で断念しました。今日は訪ね当てました。ただし、当時の木造アパートは改築されて、今はきれいなアパートになっていました。あやふやな記憶を頼りに、思い出話をしながらブラブラと歩きました。

 鍋屋横丁からバスで中野駅に出ました。ここは、私が立川にあった国文学研究資料館に勤めていた頃の乗り換え駅でもありました。帰りに、ここで降りて買い物をしたり食事をしたりと、日常的に馴染んだ街でもあります。
 駅前から北に延びるのは、サンモール中野の商店街です。今日はちょうど秋祭りでした。町内会の方々が大奮闘をなさっています。

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 立派な太鼓です。
 そしてしっかり、回転寿司屋もその看板を入れておきました。この店には、これまでに何度も来ています。今日は、この裏通りにある海鮮居酒屋で、おいしいお魚をいただきました。

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 その奥には、ブロードウェイという専門店街があります。

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 ここのことは、「江戸漫歩(22)中野のブロードウェー」(2010年06月04日)(http://genjiito.sblo.jp/article/178934584.html)で詳しく紹介しています。
 この中にある、なかなか雰囲気のいいカフェで一休み。ゲームやカードやフィギュアなど、マニアックな若者のお店をブラブラし、地下では食料品や雑多な小物や衣類などの品物が並ぶお店をのぞいて楽しみました。とにかく、物が溢れるお店の集合地域です。かつての、大阪の日本橋をコンパクトにしたような所です。ごった煮の楽しさが詰まっています。

 帰りは、JRで立川あたりで事故があったために電車が止まっていました。のんびりと東京駅に1時間半をかけて行き、ゆったりと新幹線で帰りました。




posted by genjiito at 20:53| Comment(0) | ・江戸漫歩

2023年09月15日

日比谷でハーバード本『須磨』と陽明本「桐壺」を読む(体験講座2)

 先月の入院騒ぎで、大好きなゴジラに日比谷でもう遭えないのか、と思っていました。しかし、病院の先生から奇跡的だと言われるほどの回復を果たしているので、日比谷のゴジラを見上げながら、元気になったよ、と言ってきました。

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 千代田区立日比谷図書文化館の入口には、いつものように本日のイベントの掲示板がありました。

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 今日は、体験講座の日です。新規会員を募るために、模擬授業に参加していただくのです。
 一つはハーバード大学本『源氏物語 須磨』、もう一つは陽明文庫本「桐壺」の2講座です。

 体験講座だったのに、数年前から本講座に来ておられる方で写本の翻字も精力的に手伝ってくださっている方が、私の病状が心配だったからと言って、参加しておられました。来月は海外への旅に出かけられるとか。気遣って、わざわざお越しいただいたようです。お話をしているうちに、そのお気持ちが伝わってきました。嬉しいものです。
 もう一人、私の講座は何でも来るとおっしゃっている方が、本日の体験講座にも出席しておられました。すぐ忘れるので、同じことであっても何度でも聞くのだ、と言っておられました。おまけに、楽しいから、ともおっしゃっていました。物語の本文の内容については、まったく触れない講座です。文字だけを、ひたすら追い続ける講座なのに、ありがたいことです。
 こうした方々に支えられているのですから、当分は日比谷の講座を続けることになりそうです。
 古文書塾「てらこや」のスタッフの皆さんは、チーフの方をはじめとして入院中の私のブログを毎日読んでくださっていて、日比谷を辞めてほしくないと願っておられたそうです。今日の復帰を、とにかく喜んでくださっていました。これも、ありがたいことです。

 本日配布したプリントは、A4判で8枚ずつです。2つの講座共に半分は同じ内容でした。以下では、2つをとりまとめて報告します。
 まずハーバード本「須磨」です。
 自己紹介を兼ねて、先月入院していたことをお伝えしました。それ以外は、本年5月の体験講座の報告を記したブログの記事と重なりますので、そちらを参照してください。

「日比谷でハーバード本『須磨』と陽明本「桐壺」を読む(体験講座)」
(2023年05月19日)

 ただし、翻字の実習確認の箇所では、最新の凡例に基づく[変体仮名翻字版-2023]で説明しました。「須磨」は次の資料です。

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 2つ目の陽明文庫本「桐壺」に関しても、「須磨」との違いは陽明文庫本「桐壺」の翻字に関する箇所でした。これも、前回の体験講座での翻字と異なるところがあるため、本日配布した翻字のプリントをあげます。

230915_「桐壺」体験_7.jpg

 共に、巻頭一葉分の翻字は確認し終えました。翻字をすることは多少面倒であっても、そんなに難しいものではないことが伝わったとすれば、今回の体験講座の趣旨は果たせたと言えるでしょう。来月の本講座に参加してくださることを願っています。




posted by genjiito at 23:58| Comment(0) | ■講座学習

2023年09月14日

9月23日(土/祝)開催[池田本「桐壺」を変体仮名で読む会 No.10]のご案内

 本日の京都新聞市内版「まちかど」欄に、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催する、池田本『源氏物語 「桐壺」』の講座に関する案内記事を掲載していただきました。

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 興味と関心をお持ちの方は、まずは一度お越しいただき、参加してご確認ください。
 会場は、京都駅から歩いてすぐです。

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■講座名:《池田本『源氏物語「桐壺」』を変体仮名で読む No.10》
■会場︰京都市大学のまち交流センター
   (通称︰キャンパスプラザ京都)
■場所︰京都駅前
   (中央口から線路沿いに西へ300m)
■開催日︰毎月第4土曜日
■時間︰14:30〜16:00
■参加費︰1人 2,000円(資料代+参加費)
■日程︰2023年9月23日(土/祝)第5演習室(5階)
     □今後の予定□
    2023年10月28日(土)第5演習室(5階)
■講座の内容︰
 「池田本」は鎌倉時代の写本で、現在主流の「大島本」に近い本文です。
 鎌倉時代に書き写された古写本『源氏物語 「桐壺」』を、書かれている文字(変体仮名)に注目して読み進めています。語られている内容ではなく、書かれている文字(変体仮名)が読めるようになる方が一人でも多くなることを願って、勉強会を開催しています。初心者の方の参加も大歓迎です。
■テキスト︰『池田本 源氏物語 校訂本文「桐壺」
       (第一版)』(無償配布)
 変体仮名関係の資料は、毎回当日分を会場で配布

 前回第9回の記録は、「キャンパスプラザ京都で池田本「桐壺」を読む(第9回)」(http://genjiito.sblo.jp/article/190469846.html)をご覧ください。
 毎回、終了後に、本ブログで活動内容を報告しています。
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 猛暑続きの夏が一段落し、行楽のシーズンとなりました。旅先のひと時に、フラリと手ぶらでお越しいただいても構いません。必要な資料は毎回会場で配布しています。

 資料を用意をする関係もあり、参加をご希望の方は本ブログのコメント欄を利用して、あらかじめ連絡をお願いします。

 現在、毎回約10名の参加者と一緒に、和やかに古写本に書かれた変体仮名を読み進めています。
 変体仮名は初めてだという方のご参加も大歓迎です。
 お知り合いの方へのご紹介も、よろしくお願いします。




posted by genjiito at 19:26| Comment(0) | ◎NPO活動

2023年09月13日

大阪中之島で池田本「澪標」を読む(その5)

 先月の第2水曜日の9日、この講座に行く途中で脳梗塞になりました。中之島図書館に行くはずが、京大病院へ行くことになったのです。
 今日は、お休みしたことのお詫びと、今日までの経緯の説明から始めました。
 また、来月から天理参考館で『源氏物語』の写本の展覧会があり、11月3日に岡嶌偉久子さんの講演会があることをお知らせしました。

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 今日の翻訳本の回覧は、先週土曜日と同じルーマニア語訳『源氏物語』です。2冊の本を回しました。

 以下に、本日配布した資料の大事なところを画像として上げます。画像をクリックすると精細画像になります。

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 本文の確認は、池田本「澪標」の第6丁裏から第9丁表までを見ました。6頁分をしっかりと1文字ずつその字母を確認しながら読んで行きました。
 なお、7丁表の3行目から6行目までにミセケチがあり、その部分の本文を大島本がもたないことについては、掲載した資料にあるように岡嶌偉久子氏の池田本の解説を見ながら、諸本の本文異同の傾向を説明しました。前田家本が池田本と一致することも確認しました。これがどういうことを意味するのかは、今後とも池田本を見ていく中で引き続き折々に考えていきたいと思います。
 最後に、「き古遊」(9丁表3行目)とあるところで、当時の人はいくつもの変体仮名の組み合わせが可能な中で、なぜこの「き古遊」を選んだのかを、疑問点として提示しました。「起こゆ」でもよかっはずです。多様な組み合わせがある表記を自在に使いこなすには、それを受け取る側にもそれなりの知識と理解力が求められます。そうした多様多彩な表記を煩雑だとも、不便とも思わず使い続けたのは、どんな背景があってのことなのか、ということを、参会者のみなさんに問いかけました。答えは、すぐには思いつきません。専門家の意見を確認したいと思います。
 こうしたことを疑問として持ちながら変体仮名を読んでいると、文字を追いかけている内にいろいろな思いが去来します。変体仮名に意識を集中させて写本を読む楽しさは、こんなところにもあることをお話ししました。




posted by genjiito at 22:21| Comment(0) | ■講座学習

2023年09月12日

集会所で高齢のみなさんと秋まつり

 この夏は熱中症アラートが何度か出たために、今年の夏まつりは見送られていました。
 秋の気配が感じられるようになったこともあり、今日は秋まつりが用意されました。おまつりと言っても、みんなで遊びながらお菓子や日用品などを景品としていただける集まりです。
 まず、ホワイトボードに貼り付けられた、袋入りのお菓子を取ります。その裏には数字を書いたカードが貼ってあり、その順番に次のゲームに挑戦します。
 最初は、オモチャのピストルに吸盤付きの矢をセットし、ホワイトボードとテーブルに並ぶお菓子に当てると、当たったお菓子がもらえます。オモチャのピストルであっても、なかなか真っ直ぐは飛んでくれません。プラスチックの引き金を引いた時に先端が上に向くため、狙った物の上をかすめるのです。7回も打った方がいらっしゃいました。みなさん、のんびりと声援を送っておられます。
 次は、床にちりばめられた数字のカードに向かい、少し大きめの輪を投げます。投げた輪の中に入っているカードの番号により、用意されたお土産がもらえます。この時は、飲み物とティッシュボックスや豆腐やゴミ袋が渡されました。
 最後は、秋の七草の名前を言い当てるゲームをして散会です。
 ささやかな遊びながら、いつも集うみんなと一緒だと、ワイワイガヤガヤと楽しい時間が過ぎていきます。お年寄りが集まり、とりとめもないことをするだけであっても、みなさんの秋まつりなのです。またこんど、と声を掛けあって帰りました。
 和やかで穏やかな時の流れに身を置いて来ました。




posted by genjiito at 18:21| Comment(0) | *福祉介護

2023年09月11日

膵臓癌の疑いは消え脳梗塞は再発に注意を

 京大病院へ、せっせと通っています。
 今日の如意ヶ岳は、まったく存在感がありません。これまでに見たことがない、ぼんやりとした大文字です。

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 消化器科で過日の精密検査の結果を聞きました。懸案となっていた膵臓癌については、今は重大に受け止めるほどではないようです。
 MRIと超音波の画像を見ながら、膵管と呼ばれるところの現状の説明がありました。膵管は、5ミリ以上の大きさだと問題となるところを、今は4ミリに留まっているので、しばらく様子を見ることになりました。日常生活で特に気をつけることはなく、今まで通りでいいそうです。次の検査は、来年3月。まずは一安心です。

 糖尿病・内分泌・栄養内科では、血糖値が下がっていました。ヘモグロビン A1cの値が、これまでの 7.2 前後から 6.9 に急落です。入院生活で食事が変わり、規則正しくなったせいでしょうか。このままのペースで食生活を保っていきたいものです。
 それにしても、脳幹のすぐそばの血管が詰まったにもかかわらず今の回復状況は驚異的であり、幸運が重なってのことだとおっしゃっていました。この脳幹部分で周囲の血管に影響が及んでいたら、重度の障害を引き起こし、大変なことになっていたようです。早期の適切な対処と治療とリハビリの成果だ、と、共に喜んでくださいました。
 これからは、初めての今回以上に再発しやすいので、無理はしないようにと、さまざまな助言をいただきました。心して、身体を気遣った生活をしていきたいと思います。




posted by genjiito at 20:39| Comment(0) | *健康雑記

2023年09月10日

想い出の「ラ・クンパルシータ」

 今回泊まったホテルの部屋の真下に、ユニバーサルスタジオジャパンがあります。朝、早くから若者の集団が列をなしています。宿泊客の9割方は若者たちでした。ちなみに、私はUSJには入ったことがありません。もちろん、千葉にあるディズニーランドも、近くの豊洲や越中島地域に住んでいたにもかかわらず、1度も入ったことがありません。それなのに、パリ郊外にあるユーロディズニーには入りました。おもしろいものです。

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 ゆっくりと朝食をいただいた後、電車で近鉄八尾駅に向かいました。ギターのコンサートに行くためです。
 近鉄八尾駅は、久しぶりです。八尾市高安に住んでいた頃には、ここにあった西武百貨店へよく行っていました。その駅前で、姉の高校時代にギター部で1年下だった後輩のコンサートがあるのです。題して「小野剛藏サロンコンサート Vol.43」。

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 会場には60人はいたでしょうか。盛況でした。
 前半はクラッシックを、休憩を挟んだ後半は、日本の抒情曲が演奏されました。
 最初は、ギターの音色に慣れていないせいか、音が飛んだり途切れたりするのが気になりました。しかし、それはギター特有の奏法によるものだったのでしょう。次第に耳も慣れ、日本の知っている曲になると聞き入るようになりました。
 曲の間のトークも巧みで、ユーモアたっぷりの語り口も楽しめました。
 アンコールを兼ねた締めの曲は、ラ・クンパルシータです。この曲は、私がギターで弾ける唯一のクラッシックでした。
 姉が高校時代にマンドリンクラブで頑張っていた影響もあり、私はクラッシックギターを見よう見まねで楽しんでいました。高校での芸術の選択科目は音楽。授業で、自分の得意な一芸をみんなの前で披露することになり、私はギターでラ・クンパルシータを演奏しました。誰の教えを受けたわけでもなく、買ってきた楽譜を自力で解釈して自己流ながら何とかそれらしく弾いたのです。今日、55年前のことを思い出しながら、指の動きや弾き出される音のダイナミックさに魅せられました。
 なお、私がギターを引いている雄姿(?)は、「地域の集会所で懐かしい歌をみんなと歌う」(http://genjiito.sblo.jp/article/190428803.html)に演奏している時の写真を掲載しています。ご笑覧を。

 終わって会場を出ると、焼き鳥屋「かしわや」さんの提灯が興味深い文字で描かれていたので、仮名文字の資料として写しました。

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 その後は、いつもの墓参のときのように布施駅で降り、回転寿司の日本第一号店である元禄寿司に立ち寄り、小腹を満たしました。

 慌ただしい2日間でした。病後の身体は、こうして日々の中でリハビリという名の訓練をすることで、徐々に回復しています。




posted by genjiito at 20:31| Comment(0) | *回想追憶

2023年09月09日

中之島での新古典塾の報告-第5回

 大阪府立中之島図書館の正面横から見上げました。風格を感じます。

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 午後の最初は、「変体仮名のいろは(五)」です。
 配布した資料(7枚)の内、3枚分をあげます。「本日の内容」で列記したものを、すべて時間内に扱えました。なお、以下の画像資料は、クリックすると精細な表示となるので、文字が読みやすくなります。

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 脳梗塞と構音障害の話は、すでにブログで取り上げたものです。
 テキストとして使用している『実用変体がな』は、「て」から「に」までを丁寧に見ました。予定していた「ぬ」は次回まわしです。特に「て」については別に詳細な文字の資料を配布して、「天」と「弖」の識別を説明しました。
 大島本は2行目から4行目までしかできませんでした。次回に続きます。
 病後のリハビリをしっかりしていたとはいうものの、喋ることについては、1時間も話し続けられるのか不安がありました。しかし、無事に終えることができました。言葉を一音ずつ丁寧に、しかもゆっくりと話したせいか、いつもよりかえって聞きやすかった、という反応が終わってからありました。また、ホワイトボードに文字も書けました。ホッとしています。

 30分の休憩を置いて、後半の1時間半は「ハーバード本「蜻蛉」巻の仮名文字を読む(五)」です。
 配布した資料(6枚)のうち5枚分をあげます。

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 本日回覧した翻訳本は、2冊のルーマニア語訳『源氏物語』です。
 ハーバード本「蜻蛉」の[変体仮名翻字版-2023]の翻字は、6丁裏から8丁裏までの5頁分を頑張って確認しました。
 ここに掲載した資料には、些細なことながら、3つほど修正すべきところがあります。それは、後日あらためて報告します。

 無事に終わってから、妻と姉の3人で退院を祝して温泉に行きました。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが見下ろせるホテルに泊まり、天然温泉に入り、大阪ベイエリアの夜景を楽しみました。また、眼下の天保山大観覧車は、色のパレットで次々と光の絵を放っていました。

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 やっと日常生活に戻れた気分になれました。




posted by genjiito at 23:59| Comment(0) | ■講座学習

2023年09月08日

集会所で防災出前講座を受ける

 今日は地域の集会所で、高齢者を対象とした「防災出前講座」がありました。9月1日の防災の日を受けてのセミナーです。講師は、宇治市危機管理室の方です。
 関東大震災、阪神淡路大震災、東日本大震災のデータを元に、それぞれの特徴が説明されました。関東大震災は焼死が9割、阪神淡路大震災は圧死が7割、東日本大震災は溺死が9割というのが、顕著な違いと言えるでしょう。
 情報の入手の仕方や、避難の心構えなど、すでに知っていることであってもみなさんと一緒に聞くと、その意味合いが大いに異なってきます。避難生活では、今日集まっておられる方々と一緒に、当座の行動を共にするからです。お互いを知っている、ということが、助け合いにプラスに働くことが、最後に強調されていました。
 こうした講座は、その内容を理解しているかということよりも、一緒にお話を聞いた仲間である、ということが大切だということです。確かに、情報や食料や物資を見知った方と共有することは、何よりも安心感につながります。孤立を避ける上で、今日集まっておられる方々は、日々の活動を通して安心が共有できる人たちです。
 人が集まって何かをする、というのは、一人ではないことを実感させてくれます。
 そんな、堅苦しくない、やんわりとした「講座」という名の集まりでした。




posted by genjiito at 17:00| Comment(0) | *福祉介護

2023年09月07日

本日はお休みです(9月- 2 / 8 )

 体調も回復しましたので、特定非営利活動(NPO)の一環としての『源氏物語』の変体仮名を読む講座を、これまで通り開講します。
 ただ今、受講生を募集中です。
 本ブログのコメント欄を通して、お問い合わせください。


本 第2水曜日 大阪府立中之島図書館
   「重文・池田本『澪標』巻の仮名文字を読む」
   次回は、9/13、10/11、11/8、12/13、1/10、2/14、3/13

本 第2土曜日 大阪府立中之島図書館
   @「変体仮名のいろは」
   A「ハーバード大学本『蜻蛉』巻の仮名文字を読む」
    次回は、9/9、10/14、11/11、12/9、1/13、2/10、3/9

新幹線 第3金曜日 東京都千代田区立日比谷図書文化館
   @「ハーバード大学蔵『源氏物語 須磨』を読む」
   A「重要文化財・陽明文庫蔵『源氏物語 桐壺』を読む」
    次回は、9/15、10/13、11/17、12/1

ビル 第4土曜日 キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)
   「池田本『源氏物語「桐壺」』を変体仮名で読む」
   次回は、9/23、10/28、11/25、12/23、1/27、2/24、3/23




posted by genjiito at 20:06| Comment(0) | *健康雑記

2023年09月06日

ひたすら歩く日々の中で秋の風を感じる

 リハビリで足腰のトレーニングとして、隣の駅の商店街を散策しました。
 毎日8,000歩を目標値に設定しており、ほぼ予定通り歩く日々です。
 数年来守っており、先月中旬の入院生活が唯一、大きく乱れた期間でした。
 最近は、階段の昇り降りを意識して組み込んでいます。
 今日は7,000歩ほど歩いたうち、階段は駅だけでした。
 今住んでいる所は、宇治川沿いに茶畑などが広がる田園地帯の、駅寄りの平坦な住宅地域です。
 階段は、近所にある4つのショッピングセンターのうち、2階に上がるものしかありません。
 そのために、隣の駅や京都駅前の商業施設に、買い物ではなく歩くために行っています。
 世界に冠たる観光の出入り口である京都駅に、このようなトレーニングの場所として行くのも、なかなか乙なものです。
 一風変わった小旅行、ということにしておきましょう。
 今日は、爽やかな秋の気配を感じさせる風が背中を押してくれていました。
 街歩きに最適な1日でした。




posted by genjiito at 20:47| Comment(0) | *健康雑記

2023年09月05日

6,000本目の記事になります

 本日の記事が、2007年06月24日に「京洛からのことあげ」と題して京都から情報を発信し出して、ちょうど6,000本目になります。
 5,000本目の時には、「本日が5,000本目の記事となります」(2020年12月11日)という記事を書きました。

 1995年9月30日から、〈源氏物語電子資料館〉と題するホームページを発信し始めました。文化文学系の分野では先駆けとなるものであった、との評価をいただいています。
 以来、日々の歩みを等身大の雑録、ブログの形をとって、〈へぐり通信〉、〈賀茂街道から〉、〈賀茂街道から2〉、〈鷺水亭より〉、〈鷺水庵より〉、とタイトルを自宅の所在地に関連する名前に変えながら、現在の[たつみのいほりより]に至っています。
 個人的な情報発信以外にホームページとしては、以下の3つが大きなテーマを掲げて、協力者の手を借りながら今も発信しています。

[海外へいあんふんかく情報]
「古写本『源氏物語』の触読研究」
「NPO法人〈源氏物語電子資料館〉」

 私がネット上に情報を発信し出して、今月で28年。毎日書くようになって16年になります。さて、いつまで続くのか、我ながら楽しみです。予想では、あと4年は今まで通り毎日書き、75歳を境にポツポツと書くようになるのではないか、と思っています。そのためにも、長生きをしなければなりません。
 幸い、今回の病気で奇跡的とか驚異的とも言われる回復力で、身心共に持ち堪えることとなりました。こうした幸運を味方にしながら、書き続けることになるでしょう。
 今後とも、変わらぬご支援を、よろしくお願いします。




posted by genjiito at 20:29| Comment(0) | ◎情報社会

2023年09月04日

京大病院で4種類の検査を受ける

 今日は、薄曇りの如意ヶ岳が、まだリハビリ中の私を迎えてくれました。

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 最初は、採血室で血液検査を受けました。朝8時に行ったのに、200番台の順番です。

 睡眠時無呼吸症候群の治療ために、CPAPという機械を使っています。そのマスクを口に当てて寝るのです。しかし、非常に息苦しくて、不眠症になりそうです。その窮状をずっと主治医に訴えていて、先日、次善の策としてマウスピースを嵌めて寝る提案を受けました。

 歯科口腔外科では、マウスピースのための型取りをしてもらいました。多くの人が、CPAPは苦しいと言うそうです。そうした人がマウスピースに変更しても、ほとんどの人がそれも合わなくて使わなくなるとのことです。もし私に合った治療法になるのであればラッキー、という感覚でとりあえず作ることにしました。ダメ元です。

 次は、放射線検査です。円筒形の機械の前に横たわると、ヘッドホーンで音楽を聴きます。吸い込まれるように身体が引き込まれました。ウィンウィンという音をたてて、お腹の周りを輪切りにした写真が撮影されていきます。お腹が少し暖かくなりました。かかった時間は15 分ほどでしょうか。
 先月の入院中には、頭や首の検査で、この機械のお世話になりました。

 最後は、腹部超音波検査です。これは、丁寧に30分をかけて詳細な画像を撮っていただきました。今日は、お腹が集中的に攻められています。
 このお腹の検査の目的は、膵臓癌の疑いがあるためです。
 膵臓は見にくい場所にあります。さらに、私の身体はお腹に何度もメスが入っているので、非常に撮影しにくいのだそうです。今日使われたのは最新の機器で、強すぎず弱すぎずの超音波をコントルールできるので、ちょうどいい検査のタイミングだったそうです。膵臓の周辺にある臓器の説明を受けながら、何度も長さを測りながら検査をしてくださいました。
 今日の結果は、来週月曜日にわかります。

 お昼に、やっと終わりました。昨夜から食事を抜いていたので、三条で昼食です。この前、退院した日には、いつも行く三条にある寿司のむさしはお休みでした。今日は大丈夫でした。4皿しかいただきません。それで満足です。

 三条大橋の欄干が、真新しくなっています。爽やかな橋げたとなり、気持ちも新たになります。橋の袂に佇む弥次さんと喜多さんのオブジェも、木の香りに包まれながら嬉しそうです。

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2023年09月03日

本日はお休みです(9月- 1 / 8 )

リハビリに専念する日が続いています。
口の運動としての構音訓練、手の運動として筆写、足の運動としてのウォーキング。
なにかと忙しい療養生活です。




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2023年09月02日

エンディングノート書き方セミナーに参加

 今日の中央集会所でのセミナーは、エンディングノートの作り方でした。題して、「もしもの時に備える エンディングノート 書き方セミナー」。近くの葬祭センターの社長が講師です。
 参加者は、いつも集まる高齢者の方々と、近隣に住まう方々です。
 内容は、いわゆる遺言書の書き方ではなく、自分の人生を振り返り、家族に自分の思いや感謝の気持ちをノートに書いて伝える方法です。
 参加者には「未来ノート」がいただけました。このノートに書く内容は年々変わっていくはずなので、追加はいつでも差し上げます、とのことでした。

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この22頁の冊子の目次を、参考までに引用します。

わたしのこと
好きなこと
家族のこと
友人のこと
病気や介護のこと
財産のこと
遺言のこと
お葬式のこと
お墓のこと
未来のその日までにしたいこと

 気ままに書いておくと、何かあった時には役立つ内容に仕上がります。
 私の場合は、もう16年にわたって書き続けているこのブログがあるので、これが「未来ノート」の発展形と言えるでしょう。上記の項目のほとんどは書いているので、最新の記事の内容が適宜該当することでしょう。足りないことは、いつか補っておきたいと思います。

 今日も、98歳のTさんと一緒に帰りました。耳が遠くてよく聞こえなくてね、と言いながら集まりを楽しんでおられたようです。みんなと一緒に何かをしたり参加することが、大きな楽しみになっているようです。年を感じさせないほどの記憶力をお持ちで、今の若者たちの様子について語りながら帰りました。よくありがちな、「今どきの若いものは」式の、若者を批判しないところがすごいと思いました。




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2023年09月01日

久しぶりの集いの後、源氏講座の京都会場の予約

 今回8月に入院した前日の8日に、地域の集会所で高齢者のみなさまとモルックというゲームをしました。それからずっとお休みをすることとなり、今日は25日ぶりの参加です。部屋に入ると、祝福の拍手で出迎えてくださいました。私は、お手伝いとしてボランティアで参加している立場です。何とも、照れくさいものです。みなさま、声をかけてくださいました。しかし、そこは長老の方々だけに、病や災難に打ち勝って来られた方々なりの気遣いなのか、さらりと話題をそらしてくださいます。これは、何度も同じことを語ることになる者としては嬉しい配慮です。

 今日の内容は、パタカラ体操や脳トレなどです。いずれも、今私がリハビリ訓練でやっていることです。
 以下に紹介しますので、ご一緒にどうぞ。

「パタカラの早口言葉」
ぱらそるぱらぱら  パペピプペポパ
たのしいたこあげ  タテチツテトタ
かにさんかさこそ  カケキクケコカ
らくだいらいおん  ラレリルレロラ

カッパ カッパラッタ
カッパ ラッパ カッパラッタ
トッテ チッテタ
カッパ ナッパ カッタ
カッパ ナッパ イッパ カッタ
カッテ キッテ クッタ

「脳トレ(ひらがなの並び替え)」
【慣用句】
@ いみのちらば
A あうまうが
B にせんおきる
C ちくがたいか
D んらしずけせ
E たげなにるあ
F つはらっきになち
G れしごるをほんい
H しいばはをるく
I るうになぼしあが

 慣用句の問題のG H I は時間内にできなかったので、答えを教えてもらいました。

 楽しい時間をみなさまと共にした後は、京都駅に直行です。
 キャンパスプラザ京都(京都市大学のまち交流センター)で開催している源氏講座の、11月と12月の会場の予約をするためです。
 次の2つの予約を新たに確保しました。

・2023年11月25日(土)12時40分より90分 第8講習室
・2023年12月23日(土)14時30分より90分 第5講習室

 なお、11月の講座はいつもの14時半からではなく、12時40分からです。また、会場は、いつもの演習室ではなくて講習室です。
 開始時間と部屋がこれまでと異なりますので、お気をつけください。




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2023年08月31日

近隣騒音としての犬の鳴き声の記録−その2

■近隣騒音としての犬の鳴き声の記録−その2
(2023年03月17日〜2023年08月31日)

 本日の記事は、2023年02月22日に公開した「近隣騒音として今日も響きわたる犬の鳴き声」(http://genjiito.sblo.jp/article/190192739.html)を受けて、今日までの記録を未整理ながら報告するものです。

 私が居住する区域を管轄するセンターに直接足を運び、近隣の飼い犬が連日鳴き騒いでいる実情を訴え続けています。すでに書いたように、2022年12月5日に行った時には、少なくとも半年はかかるという悠長でふざけた対応を受けました。
 その後もまったく手が打たれたとも思われず、半年以上経ったので、また直訴に行きました。
 7月21日に、2回目となる面談の約束を取り、説明を聞きに行きました。こちらが動かない限りは説明もなく放置が続くだけだからです。
 この時に、初めてこの件で動いたという感触を受けました。しかし、あくまでも確認であり、迷惑しているという私の言い分は無視であり、私に対する対処は何もないし、する気もないことが確認できました。これが、足を運んで2回目に得られた、当事者を侮蔑した対応でした。しかも、私が手渡した、以下に掲載する6月19日以前に公開した記事のプリントに関して、あまり詳しく書いてもらうと犬の飼い主に感づかれて話が難しくなるので、控えてほしいということまで言われました。私は、迷惑を被っている者として起きている事実はこれまで通りネット上に報告します、と言って帰りました。
 とにかく、こちらから聞きに行かないことには、どうなっているのか何も教えてもらえません。居住者に対する配慮は、何もありません。組織としての自分たちのことしか考えないルールになっていることが、今回も確認できました。残念な組織です。
 この21日にEG氏から確認できたのは、私が行った前日の6月20日に初めて犬の鳴き声を確認できたので、警告書を送って確認の手続きに入ったとのことです。確認したのは、管理主任のMTさん。
 私は、昨年の8月に鳴き声がうるさいことに気づき、9月に管理サービス事務所に相談を持ちかけ、12月に直接センターに相談に行きました。ところが驚いたことに、先月6月の20日にやっと鳴き声を確認したというのですから、何とも平和ボケもいいところです。しかも、先月6月20日というのは、私が事業者側の3人に対して、公開している文章である「京大病院での診察の後は地域のグリーンカフェへ」で、次のように書いているいることからわかるように、事実を克明に説明した日の翌日です。あまりにも杜撰な対応に事実と論理で追い詰められ、どうしようもなく、その気になって翌日管轄地域を担当者が歩き回り、犬が鳴いているのを直接、しかも初めて確認したということです。いままで他人事として10カ月も放置していたことを、自分たちで証明されたのですから、無責任極まりない話です。このような人たちを相手に、犬の鳴き声を何とかしてほしいと低姿勢でお願いしているのですから、お互いの間には、信頼もなければ顧客に対する誠意の欠けらもありません。


■2023年06月19日■
「京大病院での診察の後は地域のグリーンカフェへ」(公開した一部)
 (グリーンカフェが)終わってから、運営に関わっている者が集まり、今後の打ち合わせをしました。
 今日のメインの話題となったのは、この狭い場所では限界なので、もっと広い場所で開催しよう、という問題提起でした。これは、これまでにも何度も出ていたことです。それが、今日は一気に解決し、8月からは中央集会所の広い施設でやることになりました。粘り強く意見を主張なさったMさん、ありがとうございました。諦めずに言い続けることの大切さを、あらためて教えていただきました。
 それを受けて私は、まだ連日犬が鳴き続けていることを報告しました。みなさん、まだ続いているのかと驚いておられました。毎日犬の鳴き声を聞かされ続ける日々の大変さを訴えました。
 終わってから、この地域を管理する事業者側から3人がお越しだったので、このブログに書いてきたことをまとめた書面を、直接手渡しました。その全文を、これも記録となるので以下に引きます。最近の記事から溯って列記したものです。
 さて、今後はこの件がどのような展開となるのか、動きがあればまた報告します。
(以下、「2023年05月28日」に公開した全文を再掲載。
 ただし、ここには省略)


 こうしたことがあってさらに1ヶ月以上が経ちました。
 業者側が初めて確認したというのが6月20日だというのですから、その後の様子を後々のために私は簡単なメモにして記録していました。根底に、不信感があるからです。
 以下、今日から溯って約2ヶ月前の7月5日までの日々の実状を列記しておきます。整理するほどの余裕がないので、あるがままの未整理のメモの公開です。壮絶なる日々を送っていることが伝わればいいとの思いで記している、何の嘘偽りのない事実の列記です。
 出かけたり入院中で鳴き声を確認できなかった日には「●」を行頭に付けておきます

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2023/08/31 夜8時頃に鳴いていることを確認。
2023/08/30 仕事に集中していたため、夜7時頃に鳴いているのに気づく。
2023/08/29 夕方5時から鳴き出す。
2023/08/28 夕方5時から鳴きだす。
2023/08/27 お昼前から元気に鳴き出し、夕方6時からはパワーアップして鳴き続ける。
2023/08/26 今日もお昼前から大騒ぎ。
2023/08/25 お昼と夕方鳴いている。
2023/08/24 お昼前から泣き続けている。
2023/08/23 京大病院を退院 早速犬が鳴き声で出迎えてくれる。
 〜〜
2023/08/09 脳梗塞で入院 2週間確認できず。
2023/08/08 お盆の読経の最中に、犬の鳴き声が伴奏となり盛り上がる。
2023/08/07 夜8時半から鳴き出す。9時過ぎに救急車が通ると鳴き止む。走り去ると夜中まで鳴き続ける。
2023/08/06 お昼に少し鳴いていた。
2023/08/05 お昼前から大騒ぎ。
2023/08/04 真夜中の0時半から2時半まで鳴きわめくのを聞かされる。耳が慣れたのか、以後は本を読みながら寝たので、いつまで鳴いていたのかは不明。
2023/08/03 今日も朝7時半から鳴き始める。お昼前からさらに賑やか。
2023/08/02 お昼前から元気に鳴く。トイレの中は騒音状態。夜は8時から鳴く。
2023/08/01 お昼から鳴き始める。
2023/07/31 朝から元気に鳴いている。
2023/07/30 夕方、かすかに鳴き声が聞こえた。
2023/07/29 お昼からいつもの元気な鳴き声が響き渡る。夕方泣き止み、夜は11時になっても泣いている。さらには、深夜1時過ぎにワンワンギャンギャン大騒ぎ。何と、夜明け前の3時にも。常軌を逸した生活環境となっている。
2023/07/28 夜7時過ぎから小型犬らしい鳴き声が部屋に響き渡る。いつもの犬とは違う。
2023/07/27(?)終日在宅、なぜか泣き声なし。
2023/07/26 ●出かけたため泣き声の有無は不明
2023/07/25 ●出かけたため泣き声の有無は不明
2023/07/24 ●出かけたため泣き声の有無は不明
2023/07/23 ●出かけたため泣き声の有無は不明
2023/07/22 ●出かけたため泣き声の有無は不明
2023/07/21 ●出かけたため泣き声の有無は不明。
 某センターでEG氏から直接、6月20日に初めて犬の鳴き声の確認ができた、と投げやりで無責任な説明を受ける。
2023/07/20 お昼から鳴く。夕方、すぐ南側の棟からも子犬の鳴き声が響きだす。これで、4箇所から聞こえてくることになる。
2023/07/19 お昼から大騒ぎ。
2023/07/18 朝から元気に泣く。
2023/07/17 朝8時から泣く。
2023/07/16 午後5時頃から大騒ぎ。
2023/07/15 お昼前から元気な泣き声。
2023/07/14 ●出かけたため泣き声の有無は不明
2023/07/13 朝から唸り声が続く。
2023/07/12 ●出かけたため泣き声の有無は不明
2023/07/11 朝7時から、元気な鳴き声がお昼前まで聞こえる。
2023/07/10 お昼、しつこく泣く。
2023/07/09 夕方、しつこく泣く。
2023/07/08 ●出かけたため泣き声の有無は不明
2023/07/07 朝しつこく泣く。中央集会所での高齢者のみなさまとの集会の席上、まだ犬が鳴いているのかとの質問がみなさんからあり、相変わらず毎日泣いています、と答える。その時、センターで犬の対処に動き出したとの噂話を聞く。
2023/07/06 ●出かけたため泣き声の有無は不明
2023/07/05 朝7時から犬が激しく泣き続ける。

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■2023年06月19日■
「京大病院での診察の後は地域のグリーンカフェへ」(公開した一部)

 (グリーンカフェが)終わってから、運営に関わっている者が集まり、今後の打ち合わせをしました。
 今日のメインの話題となったのは、この狭い場所では限界なので、もっと広い場所で開催しよう、という問題提起でした。これは、これまでにも何度も出ていたことです。それが、今日は一気に解決し、8月からは中央集会所の広い施設でやることになりました。粘り強く意見を主張なさったMさん、ありがとうございました。諦めずに言い続けることの大切さを、あらためて教えていただきました。
 それを受けて私は、まだ連日犬が鳴き続けていることを報告しました。みなさん、まだ続いているのかと驚いておられました。毎日犬の鳴き声を聞かされ続ける日々の大変さを訴えました。
 終わってから、この地域を管理する事業者側から3人がお越しだったので、このブログに書いてきたことをまとめた書面を、直接手渡しました。その全文を、これも記録となるので以下に引きます。最近の記事から溯って列記したものです。
 さて、今後はこの件がどのような展開となるのか、動きがあればまた報告します。
(以下、「2023年05月28日」に公開した全文を再掲載。
 ただし、ここでは省略)
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■2023年05月28日
「本日はお休みです(5月- 7 / 8 )〈犬の鳴き声のこと〉」(公開した全文)

 加齢と共に、ゆとりのある日々を心がけています。

 とは言うものの、いまだに自宅の周辺で犬の鳴き声は連日続いています。
 お正月明けから毎日鳴き叫んでいた声は、4月30日(日)から5月7日(日)までの大型連休中は聞こえなかった(?)ように思います。昨年のお盆開けから今日までで、鳴き声が聞こえなかったのは、今年のお正月の7日間と、今月の連休の8日間だけです。とにかく年がら年中、自宅の周りを選挙カーが声高に雑音を撒き散らして往き来している状態です。もっとも、今月5月8日の鳴き初めは早朝の5時半からだったので、選挙期間中の街頭宣伝車よりも酷い環境にあります。
 今も外では、いつものように鳴き声が響きわたっています。今日は、これで4回目です。真夜中に鳴くことがないように、と祈るばかりです。
 こうした実状は、京都市内にある事業者の元へ直接足を運び、EGさんに詳しく説明しました。そのことは、「近隣騒音として今日も響きわたる犬の鳴き声」(2023年02月22日)に書いた通りです。その時、法的には対処が難しいそうで、少なくとも半年以上はかかる、との説明を受けました。あの時が昨年の12月5日だったので、来週で半年になります。そして、この問題は放置されたままです。無責任なことです。またまた、私が動かなければならないのでしょうか。気の重いことです。
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■2023年03月25日■
「本日はお休みです(3月-9 / 11 )」(公開した一部)

昨夜、秋田から東京経由で帰ってきました。
今朝、犬の鳴き声で、ここが宇治の自宅であることを実感しました。
秋田へ行っていた4日間も、毎日鳴いていたのでしょう。
今も、元気に鳴いています。
はて、さて、どうしたものか、思案中です。
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■2023年03月17日■
「日比谷でハーバード本『源氏 須磨』を読む(その2)」(公開した一部)

 昨夏よりお正月以外は毎日鳴いている犬が、今朝は早朝5時半から元気な声を轟かせていました。過日の京大病院での検査で血糖値が上昇していることの対策として、朝食は6時にいただくことにしています。迷惑ながらも、近所の犬が目覚ましがわりになりました。
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■以下、「近隣騒音として今日も響きわたる犬の鳴き声」(2023年02月22日)[http://genjiito.sblo.jp/article/190192739.html]に記事は連接していくために省略。





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2023年08月30日

本日はお休みです(8月- 2 / 8 )

 入院騒ぎがあったために、週休2日で休んでいた「本日はお休みです(8月- ? / 8 )」を、すっかり忘れていました。
 これまでの記事を確認すると、8月5日以来となります。
 このお休みは、実質的にはいろいろとコメントを書いていたので、あってなきがごとし、というのが実状でした。
 今月はもう明日しかないので、8回は無理むりです。
 こんな月もある、ということで、とにかく今日は無理やりお休みとします。




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posted by genjiito at 19:21| Comment(0) | *健康雑記

2023年08月29日

地域の高齢者の集いは警報が出たためにお休み

昨日の午後5時に翌日の熱中症アラートが出たために、今日の高齢者の方々との集まりは休止となりました。
事故がないように、安全を最優先にして集会所で開かれている集まりです。
入院騒ぎで、もう3週間も参加できていません。
みなさん、私が退院したことを喜んでくださり、今日の久しぶりの参加を待っておられたとのこと。
一番若い世代のボランティア参加なので、いるだけで元気がもらえるそうです。
みなさんと一緒にゲームなどができるほどに身体が回復し、私も楽しみにしていただけに、お休みとなり残念でした。
次は3日後の金曜日です。

熱中症に気をつけながら、今日もリハビリのウオーキングに出かけました。
日なたを歩かないようにと、京都駅前のイオンショッピングセンターの中を歩きました。
各階を回り、階段を昇り降りして、足腰の鍛練を続けます。
帰るとシャワーを浴び、1時間ほど昼寝をしてから、コンピュータの前で一仕事をしました。

退院後の自宅でのリハビリ療養生活は、こうして順調に取り組んでいます。
歩くのは違和感がありません。
後は、口の動きと文字を書く訓練を地道に続けることです。
毎朝、構音訓練としてのボイストレーニングと、万年筆で平仮名や百人一首のなぞり書きをしています。
こちらは、まだ時間がかかりそうです。




posted by genjiito at 20:12| Comment(0) | *健康雑記

2023年08月28日

突然の高熱に戸惑う

 朝6時に目覚めました。病院での生活感覚がまだ残っているようです。
 朝食後、少し眠かったので、1時間ほど横になりました。しばらくすると、身体が火照ってきます。熱を計ると、38.3度もありびっくり。大人しくそのまま身体を休めることにしました。
 お昼前に熱を計ると、38.5度。薬を飲んでまた横になりました。
 午後、お腹が空いたので起きて熱を計ると、36.8度。お腹を満たしてまた休みます。
 夕方の体温は36.7度だったので、身体を動かすために近所のスーパーマーケットに散策を兼ねて出かけました。
 帰ると、身体が気怠いものの、元気です。午前中のあの発熱は、いったい何だったのでしょうか?
 とにかく、当分は静養に務めることにします。




posted by genjiito at 20:40| Comment(0) | *健康雑記

2023年08月27日

大阪・中之島と東京・日比谷の源氏講座の募集開始

 今秋から始まる古写本『源氏物語』を読む以下の2つの講座は、共に春からの内容を引き継いだものです。
 あらためての募集となっていますので、それぞれの図書館の担当窓口に電話かメールでお申し込みをお願いします。
 体調も復してきましたので、再出発です。
 新たな出会いがあることを、楽しみにしています。

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【大阪府立中之島図書館】
 第2水曜日 大阪府立中之島図書館
    15:00〜16:30
   「重文・池田本『澪標』巻の仮名文字を読む」
    10,11,11/8,12/13,1/10,2/14,3/13

 第2土曜日 大阪府立中之島図書館
    13:30〜14:30
   @「変体仮名のいろは」
    10/14,11/11,12/9,1/13,2/10,3/9

    15:00〜16:30
   A「ハーバード大学本『蜻蛉』巻の仮名文字を読む」
    10/14,11/11,12/9,1/13,2/10,3/9

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【東京都千代田区立日比谷図書文化館】
 第3金曜日 日比谷図書文化館
    13:00〜14:30
   @「ハーバード大学蔵『源氏物語 須磨』を読む」
    10/13,11/17,12/1

    15:30〜17:00
   A「重要文化財・陽明文庫蔵『源氏物語 桐壺』を読む」
    10/13,11/17,12/1

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posted by genjiito at 20:01| Comment(0) | ◎NPO活動

2023年08月26日

参加できなかった第2回平安文学リレー講座「夏の装束」

 大阪府立中之島図書館で、第2回となる「新古典塾 平安文学リレー講座」が開催されました。内容については、「『源氏物語』に描かれている夏の装束の解説と着装実演のご案内」(2023年08月03日)で予告した通りです。
 京大病院を退院して3日目となる私は、出かけて行くにはまだ早く、残念ながら参加は自粛し静養せざるをえませんでした。
 幸い、本日のイベントの内容がわかる写真や動画や資料がいろいろと届いているので、その内の数点を紹介して報告に代えます。
 なお、着装中の写真はここでは省略して、着付け終わってからのものだけでお許しください。モデルは、いつも図書館でお世話になっているスタッフ2名の方にお願いしました。


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 今回の講師と内容に関して、多くの称讃の言葉をいただいています。
 以下、その中のいくつかをとりまとめて紹介します。


・とても丁寧にみなさまのご質問にお答えいただき、講師の先生のお人柄の表れたとても素敵な講座でした。

・『百人一首』に夢中の小学2年生のお嬢さんとご両親は、講座終了後に講師に熱心に質問されていました。

・非常に熱心な方が多く、細かいところまで質問される方が多かったようです。

・帰り際に「非常に勉強になった」「楽しかった」など良い感想をおっしゃっていました。

・専門的な話というよりも、講師ご自身が楽しさを伝えながら説明をされているということが、ひしひしと伝わってきました。

・深い知識を土台にされ、研究と実践を兼ね備えた内容でしたので、説得力がありますし、実際の装束の生地を見られたのがよかったと思います。

・実際の生地に触ることが出来て、感動しかありません。

・実物での着付けを生で見る臨場感と共に、丁寧な解説が要を得ていてよくわかりました。

・日本の文化の奥深い部分を垣間見た思いがする。

・スタッフの方々が準備も含め、こまやかで迅速に動いておられて感心しました。(図書館のスタッフへの労いの言葉)


 今日は、講師である畠山氏のすばらしいパフォーマンスが参加者のみなさまに伝わったようで、我がまま勝手なお願いをした者としては、本当によかったと安堵しています。
 介添え役の淺川さんも細やかな配慮をしていただき、いいイベントになってよかったと安堵の胸をなで下ろしています。特に私は会場に行けなかったので、なおさら気掛かりでした。
 上記の参加者の反応からわかるように、とても感動した、わかりやすかった、興味深い話で楽しかった、という意見がたくさんあります。おかげさまで、語り継がれるイベントになりました。

 今回の内容は、ぜひNPOの出張イベントのメニューの一つとして大切にして、全国を回る計画に仕上げたいものです。
 【着装・翻訳本・変体仮名】の3つのテーマは、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉の活動の延長にあるものです。これをNPOのパフォーマンスの一つとして活動していきますので、お声掛けいただければお尋ねして実演や体験のお手伝いをいたします。ご一報をお待ちしています。詳しくは、本ブログのコメント欄を使ってお問い合わせください。




posted by genjiito at 23:57| Comment(0) | ◎NPO活動

2023年08月25日

京都駅を散策し本屋さんで遊ぶ

京都駅へ、リハビリを兼ねての散策に出かけました。
中国からの観光客が、想像以上に急増しています。
新型コロナウイルス前の姿に戻りました。
市内に住んでいた頃のような、観光公害が気になります。
あの頃の大混乱に懲りて、市当局もいろいろと手を打っていることでしょう。
今後の観光都市のありようを検証する意味でも、その成果が試されていると思われます。
そんな中、比較的人が少ない南口の八条界隈を歩きました。
イオンモール京都が目的地です。
ここは観光客が少なくて、若者と家族連れが多いのが特徴です。
今日は、ここに入っている大垣書店で時間を使いました。
大垣書店は、本年11月下旬に東京港区に麻布台ヒルズ店をオープンします。
今、出版不況が取りざたされる時に、大垣書店は40店舗目を東京のど真ん中に出店するという、勢いをみせている書店です。
ネットで勝負をしないところに、好感を持っています。
昨春までは、本店があった地域に住んでいたため、毎日のように通った親近感を覚える本屋さんです。
実際に本を手に取って選べるお店として、文化の交流拠点となって発展してほしいと願っています。
今日も、広いスペースの間を行きつ戻りつしながら、気ままに本と遊んできました。






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2023年08月24日

自宅でのリハビリの初日

病院での2週間の入院生活を経て、今日から自宅でのリハビリ生活です。
やったのは、口のトレーニングと手足の運動です。

ボールペンを握って、文字を書き出しました。
まだ筆圧が定まらないので、小学生の書き方のノートのようです。
苗字の「藤」という漢字の書きにくいこと、この上なしです。

外歩きにチャレンジしました。
電車に乗って、桃山御陵前駅の大手筋商店街に向かいます。
ここには6種類の銀行が軒を並べるように集中しているので、送金や振り込みに重宝します。
日頃はネットバンクでやっていることも、2週間も病院に籠もっていると、どうしても銀行での手続きが必要になったのです。
室内と違い、外の社会にはさまざまな段差や曲がり角があります。
気が張っていることも手伝って、今日は楽しく歩けました。
これが、慣れた頃に気を抜くと、転倒や衝突などのトラブルになるとのことなので、しばらくは慎重に歩きます。

特に今日は、突然の大雨に見舞われました。
車軸を流すような雨、とはこのことです。
持っていた傘などはまったく役にたたないほどで、身体はびしょびしょです。
路上や足元は、滝のように流れる雨です。
足を取られないように、一歩一歩踏みしめながら雨宿りを兼ねてアーケード街に入りました。





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2023年08月23日

本日京大病院を退院しました

本日、無事に京大病院を退院しました。
リハビリ病院に転院ではなく、自宅でのリハビリ生活に入ります。
しばらくは静養の日々です。
多くの方にご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。
今しばらく休養して、壊れた機能の回復に努めます。
言葉を話すこと、右の手先を使うこと、右足の自然な動きが、当面のリハビリの対象です。
気長に取り組みます。
京大病院の主治医の先生を始めとして、病院のスタッフの多くの方々に助けられて、自宅での治療となりました。
転院ではなかったことは、みなさまのお力添えがあって可能となったものです。
あらためて、みなさまにお礼を申し上げます。




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2023年08月22日

構音障害と本居宣長の意外な接点

 「構音」とは「調音」と同じで、 声帯や唇の形を変化させて言葉を発することを言います。今回の脳梗塞における私の症状は、この構音障害と右半身麻痺です。その機能回復のためのリハビリに毎日取り組んでいたら、何と本居宣長が姿を見せて驚いています。

■理学療法
 基本となる体操の後、エアロバイクを10分間漕ぎました。階段は、地下1階から5階まで上がりました。下りは手摺を持つこともなく、安定した足取りとなりました。

■作業療法
 いつもの体操の後、鉛筆で線を描きました。同じものを見て書くのは4回目です。慣れたこともあり、バランスも良くなりました。線の間隔や角度など、何気なく書いていたものが意外と高度なことをしていたのだ、ということを、あらためて知らされました。
 一番下のグレーのブロックが今日のものです。赤の矢印の列を見ると、成長の歩みがわかると思います。手前に引いて線を書く時の力が弱いと、形をいびつにするようです。

230822_線.jpg

■言語療法
 ボイストレーニングの本を、先生と一緒にスマホを使ってネットで探しました。
 候補作8冊の内4冊を選んでもらい、そこから気に入ったものを自宅でテキストにして練習することになりました。
 今日見舞いに来た妻に買ってきてもらった本は、『構音訓練のためのドリルブック(改定第2版)』(岡崎恵子・船山美奈子、共同医書出版社、2023年6月、第17刷)です。

230822_ドリル.jpg

 平仮名が並んでいる本です。あ行から順番にあがっている単語や例文を発声していく形式です。少しずつ進めて行きます。
 この本を少し捲りながら、リハビリの時にいただいたプリントを見ていると、五十音図のおもしろさに思い至りました。プリントには、次のような例があり、これを音読していきます。この文字列の赤色にしたところに注目です。

(三)いえあおう
きけかこく
しせさそす
ちてたとつ
にねなのぬ
ひへはほふ
みめまもむ
(一)いえやよゆ
りれらろる
(五)いえわをう
ぎげがごぐ
じぜざぞず
ぢでだどづ
びべばぼぶ
ぴぺぱぽぷ

滑舌五十音練習
(五)うぃうぇわをう
きぃけぇきゃきょきゅ
ぎぃげぇぎゃぎょぎゅ
しぃしぇしゃしょしゅ
じぃじぇじゃじょじゅ
ちぃちぇちゃちょちゅ
ぢぃぢぇぢゃぢょぢゅ
にぃにぇにゃにょにゅ
ひぃひぇひゃひょひゅ
ぴぃぴえぴゃぴょぴゅ
びぃびえびゃびょびゅ
みぃみえみゃみょみゅ
りぃりえりゃりょりゅ

 この赤字の部分を発声していて、次の資料を思い出したのです。本居宣長の『字音仮字用格』に収められている図です。

230822_50音.jpg


 この図の中に赤丸と赤い矢印を書き込んでいるところを見てください。発声練習ででてきた平仮名の並びが一緒なのです。こうした分野には疎い私は、とにかくこうしてメモを記しておくことにしました。この意味は、後日調べるなり、専門の方に尋ねることにします。
 今回入院中に読んだ本の中に、偶然五十音図のことを書いている箇所があります。その部分を引きます。赤字にしたところに注目です。

 もともと五十音(図)は、悉曇学に由来し、「アイウエオ」「カサタナハマヤラワ」の順序はインドからもたらされた。宣長は、古代日本音声を考える際には、この順序に従う義理はないと考えた。そこで、「ア・イ・ウ・エ・オ」に替わって、口の開きの程度(等第)すなわち「軽重」による独自の「イ・エ・ア・オ・ウ」の順序を設定した。(『日本語の発音はどう変わってきたか』(210頁、釘貫亨、中公新書、2023年2月))</blockquote></font>

 何やらおもしろくなってきました。しかし、今は病院のベッドの上です。すべてが後日のお楽しみです。専門の方には何でもないことでしょう。しかし、リハビリの最中にこうしたことに出会うと、素人の私はつい興味が湧いてしまうのです。あまりにも意外なところに接点があったものですから。




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2023年08月21日

エアロバイク・階段・不眠からの開放

 忙しい入院患者です。
 今日も、いろいろな機能回復訓練をしました。

大丸2️理学療法
 いつもの軽めの運動の後、エアロバイク(自転車)を漕ぎました。ウエイトは26W に始まり、38W まで上げました。あまりきつくはありませんでした。
 階段の登り降りは、地下1階から2階までをチャレンジ。下りは慎重に降りました。畳に寝てから起き上がる練習など、いろいろと、できるようになりました。

大丸2️作業療法
 渦巻や波線を書くことは、驚異的な速さで回復しているそうです。程度にもよるとしても、普通は1ヶ月はかかることが3日でできたのですから。
 書けるようになりたい、という一念があるからでしょう。

大丸2️言語療法
 発声では、「た」と「人たち」がはっきりと言えません。集中的な特訓です。短文を80例くらい読み、徹底的に発声をチェックしてもらいました。

 午後は、2ヶ月前に予約がいれてあった睡眠時無呼吸症候群の診察のため、呼吸器内科に行きました。付き添いなしで一人で行かされるなど、お好きにどうぞ、という扱いになって来ました。いつまでもピッタリと大事にしてもらうのではなく、出来そうなことは適当に任せてもらった方が気楽です。そのように判断されたということは、マヒしていた機能が回復しているからだと言えます。
 今日の診察では、口をマスクで覆って空気を送り込むCPAPという機械が、とにかく苦しくて眠れないことを訴えました。以前から言っていたことながら、今日は強く出ました。病床で使用していて、眠れないことがよくわかるからです。先生も理解してくださり、少し効果は薄れるがマウスピースにしてみましょうか、と歩み寄って下さいました。これで、不眠から開放されます。






posted by genjiito at 20:03| Comment(0) | *健康雑記

2023年08月20日

穏やかな入院生活

日曜日の病棟は静かです。
毎日来てくれる妻が、今日の帰りは昨年までいた下鴨あたりを散策したようです。
病院からすぐそばの鴨川沿いを上流に歩き、出町柳までの数十分のウォーキング。
送ってくれた写真をあげます。

230820_kamogawa.jpg


暑そうなのに、涼しい川風が吹き渡っていて、快適な散歩だったそうです。
昨春までは毎日のように一緒に散策していた鴨川(出町柳から上流は賀茂川と高野川)。
退院したら、のんびりと歩くことにします。




posted by genjiito at 17:35| Comment(0) | *健康雑記

2023年08月19日

キーボードの文字入力でタッチミスが増える

 今日は、病棟も病人も開店休業です。

 一人で、口、手、足のリハビリを、根気強くしています。

 昨日から、ノートパソコンを使い出しました。そして、誤入力の多いことにショックを受けています。思い通りのキーが打てていないのです。

 私は、ローマ字入力ではなくて、仮名入力でブラインドタッチをしています。仮名文字は4段にわたって配置されています。ローマ字よりも範囲が広い分、キーストロークは少なくてすむので、早くて的確です。

 私は、1980(昭和55)年に電動式ひらがなタイプライタを購入して、京大カード(B6カード)に文字を入力し出しました。翌年、PC-8001を購入してからというもの、パソコンでの文字入力は仮名変換で来ています。まだ平仮名や漢字が使えなかった頃の仲間は、仮名変換をする人が多いのです。

 そんな経緯があっての今、キーのミスタッチが多いことが気になります。

 iPhoneやiPadを使っていた昨日までは、文字入力はフリックというガラス面に指を滑らせて文字を選ぶ方式でした。その時使うのは、右手の人差し指一本だけです。それが、パソコンのキーボードでは、一つ一つ独立したキートップを叩いて文字を出します。しかも、両手の指をすべて使います。

 キーのタッチミスは、今回の脳梗塞に付随する障害から来るものなのか、はたまた、単なる運動不足で指がついてこないのか?

 まだ2日目なので、もうしばらく様子を見ます。





posted by genjiito at 15:18| Comment(0) | ◎情報社会

2023年08月18日

早口言葉「ダゾザド、ドダゾザ」は超難題

 リハビリでは、身体の右側の機能回復に専念しています。

■作業療法
簡易バーベルあげ、ゴムの棒捻り、握力の後、鉛筆を持って渦巻や波線や縦横斜めの線を書きました。線を書くのが、今の私には意外にも難しいのです。2日がかりで、渦巻きは書けるようになりました。左上から右下へ斜線を何本か引く方が、その反対より難題です。

■理学療法
 片脚で立ったりするバランスは、ふらつきが減りました。ウレタンの上での足踏みも、階段の昇り降りも何とかできています。500メートルを、あまりふらつかずに歩きました。スクワットもしています。

■言語療法
 発声練習として、プリントの通りに発音します。
「朝の挨拶  アエイウ エオアオ」
 こうした例を15題、読み上げます。
 そして、話すためのボイストレーニングとして、いろいろな注意点を伺った後に、早口言葉をしました。「ダゾザド、ドダゾザ」を3回言うと、もう口は痙攣状態です。
 言語療法では無理難題を言って、先生を困らせています。
 今日は、滑舌を良くする課題だったので、これ幸いと日頃困っていることをぶつけて、予定の倍の時間をかけて特訓を受けました。もっと入院をして、喋るコツを習得したいものです。とにかく、先生に齧り付いてでも、奥義を伝授してもらいます。日本文化が誇る伝授の世界を、大いに楽しんでいます。

 今日の検査は、頚動脈の超音波検査でした。右耳の下がいつも痛かったので、今回の脳梗塞との関係を知りたいと思っています。




posted by genjiito at 21:02| Comment(0) | *健康雑記

2023年08月17日

検査とリハビリは続く

 ホルター心電図をとりました。小さな心電図を胸に貼り付けて、一日を過ごします。日常生活の心電図を長時間 (24時間連続記録して、予測困難な一過性に現れる心臓の異常をキャッチする、という検査です。


 これは、心臓と脳梗塞の深い関係を究明するための検査です。

 アップルウォッチにある心電図では、心房細動の兆候を見てくれます。簡易版です。しかしこれは、詳細な情報が取れ、専門家が解析するので願ってもない検査です。


 また、朝食抜きでMRIの検査もしました。寝たまま丸いドームの中に入って行きます。検査の後半は、腕からガドリニウム造影剤が注入されました。これで、脳梗塞を発出している部位の詰まり具合が、視覚的にわかります。写真を見せてもらいました。ここに救急車で搬入されてきた時の画像と比べると、血管が今どうなっているかがよくわかりました。結論から言えば、被害は広がらず、今回詰まった場所だけが治療の対象となるようです。先ずは、一安心です。


 言語療法について。

(1)昨日は「口の体操」

(2)今日は、ペットボトルにストローで息を吹き込みます。息が漏れないようにすることで、息が鼻に抜けないようにします。声質に関係し、声のかすれを改善します。無理なく、3040秒ほど吹けました。これを5回。

(3)ストローに「う」と声を出しながら吹き込みます。これも、声質に関係する訓練です。声帯を締めて、大きくてはっきりとした声が出しやすくなります。

 明日以降は、滑舌をよくするリハビリになります。


 作業療法について。

 何月何日ですか?という問いにはサッと答えました。しかし、何曜日ですか?は間違えました。実社会と切り離された環境に身を置くと、こんなことが起こります。

 パジャマを着るのは問題なし。


 理学療法について。

 歩いたり、バランスをとったりするのは、初歩のプログラムとしては合格。

 高さの違う階段の登り降りの練習もしました。これは、下りが難しいです。





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2023年08月16日

間近で見る大文字

 今日は、京大病院のすぐ前の大文字山で、五山の送り火の「大」の字が焚かれました。

 幸い、大文字山は病棟の真横なので、エレベーターホールの特等席で見ることができました。

 特に、準備中の火を写すことができたのは収穫です。




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2023年08月15日

リハビリがおもしろい

 朝食後に担当医から、病室内では付添いなしで自由に動いて結構です、と一人歩きの許可が出ました。何をするにも、ナースコールを押して看護師さんの手を煩わせていたので、病院生活の自由度が増しました。

 理学療法のリハビリでは、地下のフロアに車椅子を押してもらって行きました。フィットネスクラブを思わせる、広いリハビリ室です。東京時代に通った、銀座4丁目にあったコナミスポーツクラブよりも広いフロアです。平行棒の間を歩いたり、一周50メートルのフロアの周りを4周歩きました。足の運びがしっかりしてきた、とのことです。


 引き続き、スペースの一画にある別室で、言語療法を受けます。口の体操が10種類描かれたプリントを見ながら、唇や舌や顎や頬を動かします。私には、顎を左右に動かすことと、舌先で頬の内側から押すのが難題でした。早くやればできます。しかし、言われた方向にゆっくりやると、意外と左右が混乱するものです。左に押すには右の筋肉を使うので、右半身がマヒしている私にはこんなことが起きるのだとか。

 食事の前にやるようにすると、し忘れがなくていいそうです。

 「パタカ ペテケ ポトコ」も5回ずつ言いました。これは、地域のみなさんと一緒に「ぱたから体操」として歌いながらやっているものの一種です。

 さらには、先生がおっしゃる言葉を鉛筆で書きました。「犬も歩けば棒に当たる」では、「歩」の字の終画の「ノ」が斜めではなくて真っ直ぐに横に伸びた字となり、すぐには読めない字形の文字となったりしました。

 これらは、すべてが身体の右側がマヒしていることに起因する出来事のようです。おもしろいと思いながら、この調子で取り組めばこれは治せる、と確信しました。

 なお、iPhoneiPadに文字を入力していると言うと、パソコンのキーボードも格好のリハビリの道具になる、とのことです。指をガラス面に滑らせるだけでなく、キーを叩くことはさらにリハビリの効果が高くなるそうです。家から、ノートパソコンを持ってきてもらうことにします。


 担当医の先生は、症状が悪くならないために薬を使う段階は終わり、後はリハビリへの取り組み方次第で機能が元に戻るかどうかが決まる、とのことでした。

 こうしたリハビリをおもしろい、と思っているのですから、きっと成果は生まれることでしょう。もっとも、こうしたリハビリは半年は続けることになるようです。気長に取り組むことにしましょう。





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2023年08月14日

発音について

 朝食後、病室を引越ししました。ベッドの上で横になっての移動です。荷物が少ないため、楽な部屋移りでした。



 今日はリハビリの中でも、言語療法の先生と突っ込んだ話ができました。私からのリクエストは、私にとって喋りにくい音や文字列を教えてもらうと、その音や言葉を使わないことで聞き取りやすい話し方にならないか?ということです。他の先生方とも相談して、調べてみます、とのことでした。

 たまたま『日本語の発音はどう変わってきたか』(釘貫亨、中公新書、20232月)という音声史の本を病室で読んでいたので、その話も少ししました。我が身を使った楽しい実験が、この先生とできそうです。


 今日の進展は以下のことです。

-とろみのない、お茶などのサラサラした液体を飲んでもいい。

-室内では立って歩いてもいい。

-シャンプーをしてもらう。

-点滴の本数と機器が減る。

-付き添いの介助を受けながら、一人でトイレや歯磨きができた。

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2023年08月13日

我が身とロボットの動きの関係

 今日、初めてベッドの枠から出て床に足をつけ、少しだけ歩きました。自分の足で歩くことが、とにかく新鮮でした。ただし、右足が踏ん張れないので、左足に体重をかけます。転ばないかと気を使いながら足を交互に前に出し、ロボットのように進みました。

 歩行ロボットの開発が大変であることを実感します。また、思うに任せない右手の動きも、ロボットが物を摑んだり移動させる動作を思うと、これまた開発者の苦労が偲ばれます。

 二足歩行の人間の身体の機能がいかに秀逸であるかを、あらためて思い知らされています。





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2023年08月12日

背中を起こしてベッドに座る

 終日頭を低くしてベッドで横になっているのは、血液サラサラの薬が血管経由で頭部に送り届けられるためです。脳梗塞は最初の対応が大事で、横になって安静という意図は、ここにあるのでした。

 今日で3日目。ベッドの背もたれの角度が45度までだったのが、今日からその制限が外れました。一歩前進です。

 指を一本ずつ折ることは、良い機能チェックになるそうです。そのため、こまめに指を折って数える練習を始めました。


 言葉は、まだうまく喋ることができません。単語によっては、言葉にならないのです。看護師さんたちは慣れておられるので、うまく聞き取ってくださいます。しかし、まだまだ人前には出られません。





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2023年08月11日

血液サラサラとの闘い

寝たかどうか夢うつつのままに、朝食となりました。
箸の先がうまく合わなくて、やはり、とショックは隠せません。それでも、とにかく完食。
お昼も、スプーンを使わずに箸で様子見。今度は、おかずが自由自在に摘めます。ホッと一息。
夕食も、思いのままに箸が進みました。
素人判断ながら、これは重い障害ではなさそうです。
ベッドの横では、血液をサラサラにする輸液が入った3つの袋から、ポタリポタリと規則的に点滴が進行しています。
まだ、ベッドのサークルから外には、一歩も出られません。
細くなった血管に、血液が流れてくれるのをジッと待っています。
 
 
 
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2023年08月10日

リハビリ開始

早速、リハビリが始まりました。
・言語療法
・作業療法
・理学療法
今日は、車イスに移動すること、まででした。
根気強く取り組むことにします。
脳幹の近くに小さいながら脳梗塞が認められ、それが酷くならないように、血流を良くする処置が行われています。
手足はもとより、話す言葉がぎこちないのが、私にとっては一番の痛手です。
この3日間は、脳に負担をかけないように、横になって静養します。ベッドの背もたれは、45度以内という制限があります。
食事もこの姿勢ではなかなか大変です。
誤嚥を防ぐために、とろみを付けるソフティアという粉末を混ぜて、食べたり飲んだりしています。
 
 
 

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2023年08月09日

京大病院に緊急入院しました

今、ベッドの上にいます。
病名は脳梗塞。
昨日の記事の最後に書いたことが、その前触れでした。
とりいそぎ。


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2023年08月08日

読経とゲームと温泉の一日

 今年も無学寺から、お盆の読経に来てもらいました。

230808_お盆.jpg

 お膳は、息子の労作です。朝が早いので、昨夜から泊まりに来て準備をしてくれました。

 午後は集会所で、いつものみなさんとゲームをしました。今日は、何度かやったことのあるモルックというゲームです。少しずつ慣れてきたゲームなので、ポイントをあげるコツもわかってきました。誰でも参加できるので、こうした集まりには最適です。

 夕方には、近くにある天然温泉 力の湯へ行きました。昨日あたりから、立っていると身体が右に揺れます。右足から屈もうとすると腰から崩れます。階段を下りる時、右足がフニャッとなります。今日は、少し重たいものを持って一歩前に出ようとした時、腰砕けで身体が沈みました。スマホに文字を入力していると、フリックで文字を出すのに手間取ります。入力ミスも増えました。今、キーボードで文字を入力していても、何かいつもと違う感触なのです。指が、うまくキーを打てないのです。右肩が凝っています。
 そんなこんなの日を送るようになったので、原因であろう溜まりに溜まった疲れをまずはとるため、温泉に浸かろうと思ったのです。
 明日は中之島図書館で源氏の講座があります。こうした身体の違和感がどのような形で出るのか、じっくりと我が身を観察しようと思っています。
 
 
 
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2023年08月07日

清張復読(59)「老十九年の推歩」

■「老十九年の推歩」
 伊能忠敬の話です。よく調べて語られている中で、「文部省史蹟調査報告書」の意図的な嘘を指摘しています。官に厳しい清張が確認できる一例となります。

 参観者は、その旧宅が記念館になっているために、そうしてそこに測量家たる忠敬の著名な測量図や日記や著書や測量器具が保存陳列されているために、つい錯覚を起す。
 史蹟報告書は前文の、忠敬がこの新居に居住したのは一年余りであるが、につづいて「出府後と雖其帰郷の時は必ず此家に滞在起居せられたのであった、従って其名声を揚げ偉功多かりし測地の研究の一部も、又時に愛に於て致されたのである」と書いている。これはさかしらな筆であって、なんの実証もないのに、この旧宅からなんとかして酒造家の臭いを消し、測量家忠敬の「偉業」をこの家に二重焼きにしたい、戦前の文部省調査官の浅知恵というほかいいようがない。忠敬は毎年測量の旅にあけくれて、佐原に帰郷して滞在する暇も、ましてやそこで「測地の研究」をするなどの余裕があるわけもなかった。それは佐原の家を継いだ長男景敬夫婦や長女妙薫(その夫は忠敬の意と合わず、夫婦して出奔したので忠敬は両人とも勘当した。のち夫と死別した長女が詫びを入れて剃髪したので忠敬はこれを許して家に入れた)に江戸や旅先から与えた書状の中でこまごまとした家事の指図をしていることでもわかる。権威あるとされている大谷亮吉編著『伊能忠敬』には月日単位に年表が付してあるが、忠敬佐原帰郷のことは一行も出ていない。(509頁)


 さらに、忠敬の旧宅があったという深川黒江町のことが、詳しく語られています。このあたりの門前仲町に、私は9年ほど住んでいました。懐かしいことと、後日私なりに確認するためのメモとして、長文を厭わずその箇所を引きます。

 やはり深川図書館ではわたくしの掘出し物はなかった。係の人は親切で、江戸切絵図など出して黒江町の所在を見せてくれた。こういう結果を予想していたので、あまり期待外れの気持にもならず、現在の門前仲町一丁目十八番地に「史蹟 忠敬住居」の記念碑が立っていて、そこは地下鉄駅の近くだというのを教えられて、清澄公園内の一画内にある図書館を出た。タクシーに乗るまでもない距離だと思ったのが間違いで、春か秋の季節ならともかく、三十四度はあろうという炎天の下を歩いた。軒の出の少ないビルばかりつづく通りでは短い蔭も拾えなかった。忠敬の「僑居」位置を自ら記した略図(伊能家所蔵)は寛政七年ごろのものだろうが、『大谷・伊能』がそれを昭和三、四年ごろの東京市街図に引き直したのを見ると大変化であり、毫も旧態を留めていない。が、それにはすでに点線で東京市営電車(市電)開通による電車通りの計画が示されている。
 わたくしの手もとには昭和五年の「東京市街地図」がある。「復興完成記念・復興局監修・東京日日新聞附録」である。これを見ると、『大谷・伊能』が寛政の深川図に点線(東京市電計画)記入したとおりが現実になっている。
 図によると西の永代橋を東に渡った電車通りは洲崎方面行で、西から黒江町、富岡門前町、門前仲町、入船町などの順になる。西南の月島から隅田川を相生橋で渡った電車道は、陸軍糧秣本廠を北上し、富岡門前仲町で交叉し、亀住町を過ぎ、清澄公園東横を通過し、駒形橋東側に至る。つまり富岡門前仲町で東西線と南北線とが十字路になるのだが、その東西線の一つ西の黒江町の電停から斜め北に電車道がついて、南北線の亀住町の電停で合している。そのためにここの電車線が三角形をなしているのである。
 これは『大谷・伊能』が寛政順路略図(忠敬筆)に拠り点線で記入した東京市電計画と大差ないので、昭和五年の東京市街地図を見ても、槍桑の変という感じはしない。「黒江町」は三角形電車通りの左一辺にその名が記入されてあり、同時に三角形の全体にわたって「門前仲町」が朱色の活字で付されている。朱色は町名改正であるから、この地図は黒江町の名が最後に残された貴重なものであろう。そこには電車通りに接して黒江町四十七番地がたしかに記入されている。その東側は掘割(木場と隅田川とを結ぶ)となっている。
 いま、わたくしがこの地点に立ってみると、廃された市電通りがそのまま広い車道になっているだけで、昭和五年ごろからして地形上のさしたる変化はなかった。
 現在そこは車道の三角形の北端に首都高速道路の彎曲した部分が上に重なっている。三角形左辺の道路(昭和五年地図でいえば黒江町電停から斜め北へ走り亀住町電停に合する電車道)の南側、東より二本目の小路に入るあたりが往時の黒江町四十七番地、いまの門前仲町一丁目十八番地である。付近は、中小企業の問屋といった店が多い。内職公共職業補導所とか信用金庫とかが目につく。小さな雑居ビルとか家内工業的な製造所とがある。
 石の記念碑は、狭い間口の、珠算塾の看板が出ている家の前にあった。うっかりすると見逃すくらいで、近所で場所を訊いても、知る人は少なかった。
 花崗岩の碑は高さ約一・五メートル、幅十五センチ四角、道路面に向かって《伊能忠敬住居跡》と楷書体で彫られてある。
 碑文は向かって左側面から裏面、右側面へと続いておさまる。
《伊能忠敬は千葉県に生れ江戸にでて高橋東岡に測量術を学び 寛政七年幕府の命をうけて全国を測量し沿海路程図を完成した その測量の原点は忠敬の居宅であった 忠敬ははじめこの付近にすみ のち中央区八丁堀にうつり正確な地図を完成した 忠敬は文政元年四月十三日七十四歳をもって死去し 台東区源空寺に葬られている
  昭和四十三年十月一日 江東区第二十一号》
 千葉県に生れ江戸にでて、という不均衡な書きぶり、高橋至時または作左衛門とせずに一般にはあまり知られていない東岡の号を書くなど、この碑文の筆者は現代むきを心がけるつもりで時代混乱に陥っている。
 困るのは、忠敬が八丁堀に移り住んでから「正確な地図を完成した」とある点で、これでは地元の黒江町の家に忠敬が十九年間も居住し、ここを根城に全国測量の旅をして回ったことにはふれず、あたかも八丁堀で忠敬が正確な地図を完成したように書いている。これでは文章の力点を八丁堀に移したというべきだ。
 忠敬の全国実測により大図二百十四枚、中図八枚、小図三枚が老中にさし出されたのは忠敬没後のことで、提出者は故高橋至時の子景保と忠敬の孫忠誨だった。忠誨は年齢わずか十六歳、提出名義は名目であり、大、中、小図の製作指揮監督は景保であった。これらは忠敬存命中から製作準備にかかっていたが、忠敬の老衰と高弟らの故障で遅れに遅れ、忠敬没後三年の文政四年に天文方と内弟子の協力で完成した。製作場所は天文方勤務の暦局だった。
 八丁堀亀島町の家の四年間の忠敬は、黒江町の家十九年間ですでに燃え尽きた残骸であった。
 嘉永年間の切絵図で見ると、深川の黒江町は永代寺(富岡八幡宮境内)門前仲町通りの道をはさんで北と南の両側に続いている。町としてはきわめて短く、それに八幡橋を東に渡った掘割を隔てたところにも飛び地のようにまた黒江町がある。(511〜512頁)


 中盤から、忠敬の生きざまを史料でナゾル語り口となり、私は集中して読めませんでした。その姿を丹念に追う作家としての清張は、膨大な情報に振り回されているように思われます。
 最後の、近代現代の考古学的調査におけるチームワークの乱れから生まれる問題の指摘は、清張が以降の歴史調査を語る時に生かされていると思いました。【3】
 
初出誌:『文藝春秋』(昭和59年10〜11月、昭和60年1月)
 
 
 
posted by genjiito at 23:59| Comment(0) | □清張復読

2023年08月06日

清張復読(58)「断崖」「思託と元開」「信号」

■「断崖」
 北海道の岬にある町営の宿泊センターには、2人の管理人がいました。その一人である62歳の男が、ある夜、死場所を求めて彷徨った22歳の女の世話をします。その女と男を描く描写が、清張らしい丹念な筆致です。文学的な表現を意識した、活き活きとした息吹を伝えます。
 短編なので、すぐに読み終わります。読後感に手応えがあり、記憶に残る作品です。おしむらくは、最後の場面があまりにも思わせぶりなので、もう少し語ってほしいところでした。【4】
 
初出誌:『新潮45+』(昭和57年2月)
 
 
 
■「思託と元開」
 鑑真の話です。中国の杭州を旅しながら綴ります。元開とは、淡海三船のことです。
 『唐大和上東征伝』や『鑑真大和上伝之研究』などの資料や研究成果を示しながら、鑑真の6回にも及ぶ日本渡航の経緯を語ります。その文中で、「しかし、これはおかしい。不自然である。」として、話を止めます。人の言をそのままには信じない、清張の人柄が滲み出ています。そもそも、鑑真の密航と言われていることに疑義を差し挟み、漂流にも問題があると。すべてを疑って再検討するのです。
 清張は、鑑真が盲目となった前後の事績を検証した結果として、あまり評価をしていません。「二、三流の僧侶」だと言うのです。

 およそ中国仏教史上で名僧といわれる人には、論文(経)の著作があり、あるいは仏典の訳業があり、でなかったらその人の教学的な「語録」といったものが弟子たちによって編纂されるものである。
 ところが鑑真には、その両者ともにまったく無い。
 鑑真は六十三歳で盲いた。老人性白内障だろうという。眼が見えなくなったから著作ができなかったというかもしれない。が、「東征伝」のいうように早くから淮南に名が高かったのだったら、盲目になる以前からの著作が存在していなければならない。それが一つもないのである。
 また盲目後でも、弟子たちに口述筆記させることもできる。また弟子たちも師の学問的語録をまとめることができる。孔子もキリストも自ら著述はしなかった。が、弟子たちによる師の語録が「論語」になり、「新約聖書」となった。これらにはどこまで師の言が入り、どこまで弟子たちの考えが入っているかはわからないにしても。
 話をそこまで大きくしなくてもよいが、たとえば空海の「遺告」などは弟子たちの編纂である。鑑真に著作なく、訳書なく、また宗教的な「語録」がないことは、彼がもともと「二、三流の僧侶」にすぎなかったからであろう。(461頁上段)


 鑑真の「密航」や「五度にわたる渡航計画の失敗」も怪しいと。
 清張の鑑真に対する結論は、それまで一般に言われていたことを疑ってもみなかった私にとって、衝撃です。あらためて、この疑いの眼で鑑真を見たいと思います。そして、何事にも疑うという清張の姿勢には、襟を正さざるを得なくなりました。【5】
 
初出誌:『文藝春秋』(昭和58年9〜10月)


※参考資料:『松本清張事典 決定版』(郷原宏、角川学芸出版、平成17年4月)には、次のように書かれています。
〈短編小説館〉の1篇だが、小説的な要素は少ない。(78頁)

 
 
 
■「信号」
 広島を舞台とする、地方文芸雑誌をめぐる人間ドラマが語られます。いわゆる名士がその存在を誇示し、日の当たらない作家が翻弄される話です。二人のうだつの上がらない作家志望の男は、それぞれに惨めな姿を晒します。常に明日を夢見ながら果たせない人間を、丹念に描いています。【3】
 
初出誌:『文藝春秋』(昭和59年2、4、6月)


※参考資料:『松本清張事典 決定版』(郷原宏、角川学芸出版、平成17年4月)には、次のように書かれています。
流行作家の陰で立ち枯れた二人の売れない作家の悲劇を描いた力作。(95頁)

 
 
 
posted by genjiito at 18:31| Comment(0) | □清張復読

2023年08月05日

本日はお休みです(8月- 1 / 8 )

 また颱風の心配をすることになりました。
 沖縄の先で急旋回してから北上するようです。
 熱中症に加えて、増え続けるコロナにも気をつける日々。
 暑い最中のマスクは、外歩きの時には外しています。
 しかし、集会所や電車の中では着けています。
 悩ましい夏となっています。
 
 
 
posted by genjiito at 20:13| Comment(0) | *健康雑記

2023年08月04日

宇治市のイベントに参加して会議をおもしろくするスキルを学ぶ

 午前中は、地域の集会所でラジオ体操をし、その後は懇談をしながら、間違い探しとクロスワードパズルをしました。
 今日の懇談会で興味深かったのは、昭和十年代の戦時中のことでした。京都市内の防空壕のことや、終戦後の京都御所の様子は、いつかもっと聞いておこうと思います。御所の周辺に住んでおられた方が数人おられるので、戦中戦後の体験談は貴重な話です。

 午後は、本年度の第1回となる「宇治市地域の支え合い仕組みづくり会議」に出席しました。
 主催者は、宇治市福祉サービス公社と宇治市社会福祉協議会です。会場は、宇治市役所の隣にある宇治市総合福祉会館。宇治市の各地域の生活支援組織や自治会やボランティア活動センターから、約50人ほどの方が集まり熱心に意見交換やワークショップが行なわれました。
 座長の挨拶の後は、「令和5年度の生活支援体制整備事業について」と題する報告と、今後の活動に関する説明がありました。
 続いて、本日のメインイベントです。「おもしろ会議の作法とワークショップ」というテーマを掲げて、特定非営利活動法人「テダス」の高橋博樹氏が2時間弱の熱演を繰り広げてくださったのです。おもしろい会議をするためのポイントを、楽しくてわかりやすい語り口で話されました。内容は、リーダー研修とでもいうべきものです。しかし、その雰囲気作りがうまい語り口と話題が展開するので、得るものの多い講話でした。
 お話の後は、5人ずつが座っている10個のテーブル毎に、A3やA4の大きな紙とサインペンを使ってのワークショップとなりました。自己紹介の仕方や、問題点の炙り出し方などなど、実際に各自が作業をし、テーブル毎に意見交換をすることで、おもしろい話し合いの場となるように仕向けるいい練習となりました。内容が濃密だったので時間が足りなくなり、やや中途半端に終わりました。しかし、貴重なスキルを得る機会となりました。
 こうした地道な活動がなされていることを知り、見えていなかったところが少しわかってきました。折を見て、こうした場所に足を運び、多彩なボランティア活動の事例と実践を教えてもらいたいと思います。
 
 
 
posted by genjiito at 21:50| Comment(0) | *福祉介護

2023年08月03日

『源氏物語』に描かれている夏の装束の解説と着装実演のご案内

 今月下旬に開催される、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉が協力するイベントの紹介です。

 大阪府立中之島図書館で、8月26日(土)に[第2回 平安文学リレー講座 夏の装束と『源氏物語』]が開催されます。
 講師は、畠山大二郎氏(愛知文教大学准教授、NPO法人〈源氏物語電子資料館〉副代表理事)です。

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[第2回 平安文学リレー講座 夏の装束と『源氏物語』]


『源氏物語』には、さまざまな装束が描かれています。夏の装束も多く描かれており、物語の展開にも関係しています。前半では、夏の装束が描かれる場面とともに、装束が描かれる効果を読み解いていきたいと思います。そして、後半では、光源氏の装束としてよく描かれる夏の直衣(のうし/なおし)と、夏の女性装束である単衣(ひとえ)•桂(うちき)とを、着装の形で披露したいと思います。装束で動くとどうなるのかなど、実際に目で見ることで、物語の世界を体感してみてください。

日時 2023年8月26日(土)13:30〜15:00
場所 大阪府立中之島図書館3階多目的スペース2
定員 60名(要予約•先着順)
受講料 1,000円 (税込)

講師 畠山大二郎(はたけやま だいじろう)
宮城県生まれ。愛知文教大学准教授、國學院大學兼任講師、フェリス女学院大学•名古屋造形大学非常勤講師、特定非営利活動法人〈源氏物語電子資料館〉副代表理事。
著書、『平安朝の文学と装束』(新典社、2016年、池田亀鑑賞受賞)『新しく古文を読む−語と表象からのアプローチ』(共著、右文書院、2019年)。
主催 大阪府立中之島図書館 指定管理者ShoPro •長谷工•TRC共同事業体
協力 NPO法人〈源氏物語電子資料館〉

〈申込み方法〉
 お電話• Mail にて承ります。
 TEL 06-6203-0474(図書館代表)
 MAIL eventyoyaku@nakanoshima-library.jp
 「夏の装束と『源氏物語』希望の旨、參加人数、全員の氏名、代表者の電話番号」をお知らせください。


 なお、キャンパスプラザ京都に集まって開催しているNPO法人〈源氏物語電子資料館〉が主催する「池田本『源氏物語』を変体仮名で読む」は、本イベントに振り替えて休会となります。
 多数のご参加をお待ちしています。

 畠山氏の活躍ぶりは、以下の本ブログでの記事をご覧ください。

「読書雑記(279)高橋良久・畠山大二郎『新しく古文を読む』」(2020年01月15日)

「第5回池田亀鑑賞授賞式と講演会」(2016年10月01日)

「畠山大二郎著『平安文学の服飾表現研究』に博士(文学)の学位が授与されました」(2015年03月27日)
 
 
 
posted by genjiito at 22:18| Comment(0) | ◎NPO活動

2023年08月02日

京洛逍遥(845)祇園四条を散策

 京阪電車で祇園四条駅へ行き、四条大橋から鴨川上流の北山から比叡方面を眺めました。

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 そして、あまり写真に撮らない下流も記録しておきました。水が少なくなっていることがよくわかります。

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 八坂神社へ向かって四条通を歩いていると、着物屋さんの暖簾に目が留まりました。「㐂茂乃屋」とあります。この変体仮名を、どれだけの方が読めるのか、興味があるので写真に写しておきました。天保15年(1844)に東京の銀座で創業とあります。東京の暖簾をいつか探してみます。

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 花見小路から四条通を渡って少し北へ歩くと、こんな看板がありました。変体仮名の「古(こ)」が使われています。

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 ただし、よくある「楚者」ではなく「そば」と平仮名で表記されており、「處」が下に付いています。また、左側の階数表示の1階の横書きでは右から左へと文字が進行しています。文字にこだわりがありそうです。関西弁の「へんこ」は、偏屈者とか頑固者とは少し違い、変わり者くらいの意味でいいと思います。

 その隣のaaは、今年の2月からお休みのようです。「当面の間休業」とか「再開日が決まり次第、お知らせします。」あるので、改装工事ではなさそうです。

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 私はaaが好きです。味付けが合っていること以上に、小盛りのメニューがあるからです。消化管を持たない私の食事は、1日6回。毎回ほんの少しだけしか食べられないので、外食には制限が多いのです。回転寿司も、好きなネタを数皿いただくことができるので重宝しています。ほとんど自宅で食事をするのは、こうした事情があるのです。
 そこで、今日の3時の食事は、近くにある四条のaaにしました。水餃子と酢豚の小盛りにしました。桃山御陵前のaaに何度も行っています。そことは、少しだけ味が違いました。三条にもaaがあるので、いつか行って味を確認してみましょう。

 食後は、すぐ横にある家電量販店のエディオンで屋内用のカメラを買いました。現在、外出中にはインターホンのカメラで来客などの確認ができます。宅配便などは、どこにいても対応できるので便利です。そこで、この機能を活用して、外出中にも家の中が画像と音声で確認できないかと思っていました。うまくインターホンと同じメーカーの物があったので、さっそく取り付けることにしました。健康管理と老化対策として、毎日のように出かけています。そんな生活には、こうして家の外と中が常時状況が見られるのは重宝します。

 帰りは、まだまだ熱気が街中に籠もっていました。手持ちのお茶を飲み、日陰を縫うようにして帰りました。
 
 
 
posted by genjiito at 22:14| Comment(0) | ◎京洛逍遥